インフィニット・ストラトス 忘れ去られた恐怖とその銀龍   作:妖刀

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どうもゴジラ超全集シリーズで『ゴジラ モスラ メカゴジラ 東京SOS』をAmazonで購入した妖刀です。これでこの小説のゴジラ側の資料がほぼそろった。


では本編、どうぞ!


剣道場にて

それから放課後、一夏と航は剣道場におり、一夏が先に箒と試合をしていたが……、

 

「弱い!」

 

一夏は箒にボコボコまで行かなかったが、綺麗に負けていた。箒は負けてばっかの一夏を見て苛立ちが止まらない。そして竹刀の先を床に叩きつける。

 

「私が引っ越して今まで何をしていた!」

 

「家計をどうにかするためにバイトとかしてた。あと学校は皆勤賞を取ったぜ」

 

そういうが、箒はへらへらしてる一夏に対していら立ちが募る。

 

「なら家に帰った時に竹刀を素振りするぐらいの暇はあっただろう!」

 

「箒、俺が見る限りではそんな暇はなかったぜ。一夏、四六時中暇なときは生活費のために働いてるって感じだったし」

 

「航には聞いてない!一夏、竹刀を持て!その根性を叩き直してやる!」

 

そう言って箒は竹刀を構えるが、一夏は疲れ切ったのか竹刀を手放して床に尻餅をつく。箒はその姿を見てさらに苛立っていた。

 

「箒、一回落ち着けって」

 

航がそう言った時、箒は航を竹刀の切っ先を航に向けて睨みつける。

 

「ならお前の力を見てやる。竹刀を持て」

 

そういわれたため、航は竹刀を持って箒の前に立つ。自分用の胴着は来ているが防具は着ておらず、剣道場にいた女子達は騒めく。

 

「航、それは私に対する侮辱か?」

 

「俺は一夏と違って暇だらけだったからな、その分剣を握っている」

 

「ふん、そういえばお前は、昔は同じ道場でお前は一番弱かったな」

 

箒はそう言って挑発するが航は無視する。そして部長が試合開始の合図をしたとき、航は右手に竹刀を持ち、そして高く振り上げる。片手上段だ。

箒は胴ががら空きの状態である航に対して強い警戒心を持つ。

 

(何だ?誘っているのか?いまいち考えが読めない……)

 

「箒、航は昔と比べ物にならないぐらい強くなってるから気を付けろよ」

 

一夏は警告したが、箒はジリジリと航に近づいていく。その時だ。

 

「ふんっ!」

 

「なっ!?」

 

航が一歩踏み出して竹刀を振り下ろしてきたのだ。箒はかわすなりできたが勢いで竹刀で防御をしてしまう。航の振り下ろす力は尋常じゃなく、そして……、

 

「なっ……!?」

 

その力に耐えきれなくなったのか、二人の竹刀が折れる。航は力余って箒の前を空ぶる形になり、そして折れた先が地に着いて動きが止まる。

箒は目の前を通ったのでびっくりしていたが、一瞬だけ目が合った時に恐怖の表情を浮かべて後ろに跳び下がり、着地し損ねて尻餅をつく。

剣道場にいた全員は竹刀が折れるとは思わずキョトンとしている。いや、2人だけしていない人がいる。一夏と剣道場の入口にいた楯無だ。

 

「航、終わったなら早く来て」

 

「あ、わかった、楯姉」

 

『え、生徒会長!?そして楯姉!?』

 

剣道場にいた女子達は楯無がいたことに驚いたが、航が楯無のことを楯姉と呼んだことにも驚いていた。航と楯無はどんな関係なのか、女子達はそのことで話し合い始める。

その様子を楯無は楽しんでるのか、手に持ってた扇子を開いて『どんな関系かは秘密』と書かれていたため、女子達の会話はヒートアップしていく。

だが二人はそれを無視して剣道場を出て行こうとする。

 

「まだだ、私は負けてない!」

 

いきなり後ろから声がしたため二人は振り返ると、箒が新たに竹刀を持って航に切っ先を向けていた。

 

「あのさ、頼むから一回落ち着けって」

 

「知らん!もう一回勝負だ!」

 

だが箒は話を聞かない。これでは埒が明かないと困っていた二人に助け舟が出された。

 

「篠ノ之さん、それは見苦しいですよ」

 

剣道部の部長が箒の竹刀を掴み、下に押し下げる。それで箒は部長を睨みつけた。

 

「何でです、部長!」

 

「あなたは折れた竹刀が目の前を通った時、尻餅をつきましたね。確かに試合場は引き分けなんでしょうけど、あなたは後ろに下がって尻餅をついた。これの意味は分かりますね?」

 

部長は笑顔で答えるが目は笑ってない。そして反論させないって勢いで言っていくため、箒は何も反論できなくなり俯いた。

 

「うちの新入部員がすみません」

 

「すみません。俺もやりすぎました」

 

そして部長と航が謝りあってたため、楯無が間に入って終わらせる。そして航は楯無に連れられて剣道場を後にするのであった。

 

「あ、織斑君もクタクタみたいだから部屋に帰ってしっかりと休んでね」

 

その言葉を聞いた一夏は、フラフラになりながらも剣道場を後にした。

 

 

 

 

 

剣道場を後にした航と楯無は、生徒会室へと向かっていた。

 

「それにしても航って剣道くなったわね」

 

「まあ、いろいろあったし……」

 

「それもそうねぇ」

 

「だってあれ、単純に力技でねじ伏せただけだし」

 

そう言って肩をすくめるが、楯無は目をスッと細める。

 

「へぇ……、ならあの竹刀を振り下ろす瞬間に見せた殺気とも闘気ともいえる気は何だったの?どう見ても勝つ気満々だったくせに」

 

そういわれたとき、航はばれていたかと苦笑いを浮かべる。そう、航は竹刀を振り下ろしたときに、まるで人を殺すのではないかという眼つきをしていたのだ。

それがばれてしまったことに後頭部をポリポリと掻き、表情が少し暗くなる。

 

「そりゃあ……勝ちたいさ。何時までも負けっぱなしは嫌だし」

 

「なら自分が強くて勝った、それでいいじゃない。自分に自信を持ちなさい」

 

そう言って楯無はニコッっと笑う。航はそういわれたときに面打ったが、連られるようにニッと笑う。

 

「ならそれでいいか」

 

「ええ、そうよ」

 

こうして話してる間に気付けば生徒会室前に着いて中に入ったが誰もおらず、しょうがないから自室に戻って夕食の時間まで勉強を始める。

 

「そういえば航は怪獣学は大丈夫?」

 

「全く問題ない。ノート見てみる?」

 

そう言われて渡されたノートを見えると、楯無は書かれてる内容にキョトンとするのであった。

 

「は、初めて見たわ。出ていた怪獣の写真をほとんどそのままに書き写すとか……」

 

ノートには電子黒板に書かれていたことの他に出されていた怪獣の写真をそのまま書き写した絵が描かれていた。

 

「まあ、これなら怪獣学は問題ないね」

 

そして夕食の時間まで勉強をしていき、

 

「刀奈姉、そもそもここの訓練機だっけ?それで練習しなかったら俺、見事に負けるんじゃね?」

 

「あ、その点は問題ないわ。明日は訓練機を使ったISの基礎を教えていくから。あと織斑君も呼んでね。二人一気にうした方が楽だし」

 

「わかった」

 

そして夕食の時間になったため、お互いの食堂に向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、ここは日本のとある山奥。

 

「主任!、主任!いったいどこですか!?」

 

ここは企業『婆羅陀魏(ばらだぎ)』。周りからは婆羅陀魏社と呼ばれる倉持技研と並ぶ、いやそれ以上とも言われる日本のIS開発企業である。

なおこの会社名の由来は、昔に現れた怪獣の名前だとかなんとか。

その会社の廊下を、まだ若手ともいえるパッと見20代の日系アメリカ人研究員が走っていた。

 

「ったく、もうすぐIS学園にISを出さないといけないのに馬鹿主任はどこにいるんだよ!」

 

あちこちを走って探すがいない。だが1つ思い当たるところがあったため、そこに向けて男は走り出した。

そして男は目的地である、第5研究室と書かれている研究室の扉を開ける。通常は自動で開く扉も、ここだけ手動に切り替えられており、重さ50キロもある扉を力で無理やり開けて、そして男は体をねじ込むように入り込む。

部屋の中は真っ暗で、そして手探りで壁を触った時何かスイッチみたいのを見つけてそれを押す。そして部屋の電気がつく。

部屋の中は色々と書類などで散らかっており、その中にある机に寝そべって寝ている髪の毛に白髪が大量に混じった日本人顔の白衣を着た男がいた。

 

「やっぱりいた。主任、起きてください!」

 

そう言って男は主任と呼ばれる男を揺さぶる。

 

「ん?あぁ……。おはよう、アンダーソン君」

 

「どこのマト○ックスですか!自分の名前はアンダーソンじゃなくてワンダーソンです!」

 

「あんまり変わらんじゃん」

 

そう言って主任は立ち上がって背伸びをする。そしてワンダーソンの方を向く。

 

「で、『アレ』を搬送するわけ?」

 

「そりゃそうですよ!だから早くコンテナの方に運ぶ用意をしないと!」

 

あまりにも必死なワンダーソンの姿に、主任は溜息を吐く。

 

「わかったわかった。今から出すからちょい待っとけ」

 

そう言って主任は部屋の奥にある扉へ向かう。そしてハッチのちなりに設置されてるパスワードを入力した後、中に入り込む。そして中にあったのは、たくさんのコードに繋がれた銀色の龍であった。主任はコードの根本、台座に目的地を入力して荷物用ハッチから出て行く。そして押して数分後、搬送用コンテナの前に着いたため、主任は一息吐く。

 

「さて、これをさっさとコンテナに移すか。ワンダーソン君、手伝ってくれ」

 

そしてISをコンテナに移動させ、コンテナをトラックに詰め込む。そしてトラックを送り出した後、仕事を終えた主任とワンダーソンは研究所の廊下を歩いていた。

 

「それにしてもこの会社、すごいですよね。更識家の現当主のISを開発したり、零落白夜を再現しようと試みがあったり(まあ、結局零落白夜の再現は無理でしたけど)」

 

「当たり前だ。この会社は特生自衛隊の技術の一部が流れてきてるからな」

 

そう言って主任は笑う。

 

「ですけど、まさかDNAコンピューターの技術が流れてくるとは……。ところで『アレ』はDNAコンピューターを取り入れてるんですよね?」

 

「ああ、そうだな。だからあんなとんでもない重量でもIS相手に十分な動きを見せてくれるよ」

 

「通常のISって1トンあるかないかぐらいですけど、あれってどれぐらいでしたっけ?」

 

「大体5~6トンはあったと思う。」

 

「重!」

 

そうツッコむが、主任は何がって顔をしている。まあ、全身装甲だと重量が重くなるのは仕方ないだろう。

この時ワンダーソンは何か思い出したかのような顔をする。

 

「そういえばISの名前を聞いてません出たね。あれってなんていう名前なんですか?」

 

ワンダーソンがそう聞いたとき、主任の口角はニィって上がっていく。

 

「名前は『●●●●』、この世を変えるISだ」

 

そう言って主任は狂気に染まったかのような笑みを浮かべる。ワンダーソンはよく見る顔であっても、この時の主任に対して体が震えた。

 

 

 

 

 

龍の目覚めは近い




次回、銀龍が目覚める。





お楽しみに!

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