インフィニット・ストラトス 忘れ去られた恐怖とその銀龍   作:妖刀

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皆さま、遅れながら新年あけましておめでとうございます。今年もインフィニット・ストラトス 忘れ去られた恐怖とその銀龍をよろしくお願いします。


えー、年末年始は広島で、「大ゴジラ特撮王国 HIROSHIMA」を見て来ました。写真は自身のツイッターに上げてますが、他にもあの怪獣たちの着ぐるみもあり、とても興奮が抑えられない状況でしたね。おかげで「ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ」も購入してしまいましたし(肩がもげるかと思った)。




えー、そんなこんなで、銀龍最新話、どうぞ!


メガニューラ

ここは第3アリーナ。そのの中では第1回戦の7試合目入っており、アリーナではいまだ白熱とした試合を繰り広げられている。

セシリアは結果一緒に組むことになった女子と一緒に現在試合を行っており、すでに開いて1機を戦闘不能にして残り1機を倒そう相方と一緒に相手のシールドエネルギーを削り、そして勢いよく吹き飛ばされた相手の女子が見たのは、自分に向けて迫るラウラの姿だった。

 

「もらった!」

 

「しまっ!?」

 

そしてラウラがトドメにレールカノンを放とうとした。

 

 

ビィィィィ!!!!!!!

 

 

だがその時、アリーナ全体に響き渡るほどのアラートが鳴り、試合中の生徒含めて全員が動きを止める。

 

「え、何……?」

 

「これってどういうこと?」

 

「わかんないよ!?」

 

いきなりのことでざわめき始める生徒たち。これは御来賓の方々も例外ではなく、いったい何があったのかと近くにいた教員に説明を求める。それに困惑する教員たちだが、その時スピーカーから

 

『いきなりながら失礼します。このIS学園めがけて巨大トンボの群れが向かってきております。現在外の護衛中の教員たちが足止めをしておりますが、いつ中に侵入されるかわからないため、至急ご来賓の方々と生徒たちは近くの教員の指示に従って避難をしてください』

 

いきなりの説明に困惑する生徒たち。だがその時、アリーナの上空に1匹のトンボの姿が映った。翼長が5mほどで、それがどんどんアリーナの上空、生徒たちの目に着く場所へと集まってきてるのだ。その数は30とそこまで多くないようにも見えるが、実際の大きさもあってかそれの倍はいるようにも見えてしまうのだ。

 

「きゃあああああ!」

 

「何よこれ!」

 

あたり一帯は阿鼻叫喚。メガニューラが飛んできたことにより観戦席にいた生徒たちや、貴賓席にいた企業等の人たちもそれに驚きを隠せず、あまりの光景に悲鳴などを上げて急いで通路に向けて逃げようとしている。

ただ今回は前の無人機襲来の時とは違い通路が勝手に封鎖されるということはなく、まだ観戦席用のシールドは無事だ。ただ今は多くがパニックになった生徒たちを正気に戻しつつも動ける教師たちが彼女たちに避難誘導をしていく。

正直教師たちもこの光景に目を疑ったが、前に燈がいろいろ言ってたことを思い出して、少しでも平常心を保とうとする。正直自分たちがパニクったら生徒たちはどうなるか目に見えるため、どうにか理性を集合させて避難誘導していく。

その時、メガニューラはアリーナ上空のエネルギーシールドに張り付き始め、尻尾の先についてる針を天井の代わりをしてるエネルギーシールドに突き立てる。するとどうだ、刺さった部分のエネルギーが消滅し始め、そこからメガニューラが侵入してくるではないか。他のメガニューラも同じことを始めてドンドン穴が開き、そこからメガニューラが侵入していく。

 

「エミィ!お前は戦闘不能になった生徒を連れて引き下がれ!私が時間を稼ぐ!」

 

エミィと呼ばれたラウラの相方の生徒は驚いた顔でラウラの方を見た。ラウラはすでにレールカノンの安全装置を外しており、いつでもメガニューラめがけて打てるようになってるのだ。

 

「でもボーデヴィッヒさん!」

 

「いいから早くしろ!」

 

軍人に本気で怒鳴られたらどれだけ怖いか。エミィは引き攣った顔で縦にうなずくしかできない。

それを確認したラウラは少し穏やかな表情に戻って彼女に語り掛ける。

 

「大丈夫だ、後でちゃんと追いつく」

 

「ほ、本当ね?なら任せたわ」

 

そしてエミィは戦闘不能になった生徒を抱えてピットめがけて動き出す。

 

「チチチ!」

 

その様子を見て他メガニューラのうちの1体が彼女たちめがけて飛んだのだ。その速度はあまりにも早く、エミィたちも反応しきれてない。そのため襲われてしまうのだろうと思った。

その時、シュヴァルツェア・レーゲンのレールカノンから放たれた弾がメガニューラの頭に直撃し、頭がはじけると同時にその体が地面に叩き付けられる。

 

「行けぇ!」

 

その言葉で正気に戻ったエミィたちは、急いでピットに向かう。

そしてハイパーセンサーで、彼女たちがピットに戻るのを確認するラウラ。だが彼女は、正直この状況をどうするか、大いに悩んでいた。ラウラの機体、シュヴァルツェア・レーゲンの射撃武器は肩についてるレールカノンが1つだけ。他にはワイヤーブレードと両腕に装備されてるプラズマ手刀。実際近接機とお言える機体だから多数の相手には分が悪いのだ。

 

「さて、どうするか……」

 

先ほどの攻撃によってメガニューラたちが大きく警戒しだし、己も空に浮いてる中1体のメガニューラが突っ込んできた。

 

「はぁ!」

 

それにいち早く反応したラウラは左の掌をかざすと、突っ込んできたメガニューラの動きが止まる。いきなり動きが止まったことにメガニューラは奇声を上げて鳴くが、ラウラはそれを知らんとばかりにプラズマ手刀で頭を切り裂く。熱によって傷がふさがり体液を吹き出すことなく絶命したメガニューラを放っておいてラウラは次の目標めがけてレールカノンを撃とうとした。

その時、どこからか飛んできたレーザーがメガニューラ数匹を打ち抜く。それによって飛んでいたメガニューラが一気に離れ、ラウラは攻撃のあった方を向いた。

 

「この攻撃、セシリアか!」

 

「ラウラさん!」

 

そこに現れたのはブルーティアーズを纏ったセシリアだった。彼女のビットは多数の相手を攻撃するときにこそ輝くため、レーザーを撃って牽制をしていく。

だがメガニューラもバカではない。最初は撃ち落とされていたものの気づけば攻撃をロー回転で躱すなりしてそして幼虫譲りの堅い頭で頭突きを食らわせてくるのだ。正直これをまともに食らえばいくらISと言えども1tもある塊によって吹き飛ばされるのだからただでは済まない。ただ失敗して壁に突っ込んだメガニューラは、そのまま首が折れて痙攣しながら絶命してたりしてるが。

 

「ところで教員たちはどうしてる」

 

「大体は観客席にいた生徒たちの避難誘導をしていますわ。あと外にもISを纏った先生たちがいたはずなのですが……」

 

そういって上空に空いた穴を見るセシリア。そこからはメガニューラがいまだ侵入してきており、そこめがけてセシリアは弾を撃つが、破れたシールド部分が干渉してるのかレーザーが最後まで届かない。そして入ってきたメガニューラがそのまま地面すれすれまで急降下したり、シールドに沿って高速で飛んだりとしている。

その数に舌打ちを打つラウラ。だがその時、ラウラの通信に千冬の声が聞こえた。

 

『ボーデヴィッヒ!聞こえるか!』

 

「きょ、教官!?」

 

『教官ではない……まあ今は置いておくが、現在メガニューラが学園を侵攻してきている。そちらの様子はどうなってる!』

 

「はっ!現在セシリアとともにシールドを突破した虫を迎撃しておりますが、数が20はいると思われ……」

 

『わかった。ちょっとまってろ……オルコット。聞こえるな?』

 

「は、はい!」

 

いきなりの千冬に通信をつなげられたことに驚くセシリア。

 

『現在第1、2、3アリーナにトンボが襲来しており、各アリーナにいる教員、専用機持ちがそれの対処に当たっている。お前らのところにももうそろそろ山田先生たちが来る頃……来たか』

 

千冬のその言葉と共にがら空きになってるピットからISを纏った山田真耶と2人の教員が出てきたのだ。彼女たちは手に持ってるマシンガンの弾をばらまいてメガニューラを牽制し、真耶と共にラウラたちの元へと寄る。

 

「2人とも、大丈夫ですか!」

 

「は、はい!というかこれで足りますの……?」

 

「それはそうですが、実際外アリーナ外にもいるため、人員をそちらにも割いていますし……」

 

「なら自衛隊は使え……ここは治外法権だったな」

 

「はい。そのため職員も日本政府にその申請を早急に行ってるのです、が!」

 

その時メガニューラが突っ込んできたため、真耶はすぐに反応してスナイパーライフルを展開。そして銃口を即時にメガニューラに向けて弾を撃ったら、右複眼を破壊してメガニューラが悲鳴を上げて墜落する。そして真耶は、悲鳴を上げてるメガニューラに弾を数発叩き込んで、動きを停止させる。

その即時の反応に呆気にとられる面々。

 

「……先生、その反応速度はいったいどこで……?」

 

「私、サバイバルゲームがとても大好きなんですよ♪」

 

その言葉にその場にいた全員は目を点にするのだった。

 

 

 

 

 

箒は次一夏が出場する第1アリーナに来てから、のんびりとほかの女子たちによる試合を見ていた。すでに自分の出る試合は勝利を決めており、その後は相方と一緒にこのアリーナに来ており、現在隣に座ってる相方こと、有澤光と次の作戦会議や雑談をしていた。

 

「いけ!そこそこ!あ、終わった」

 

有澤は今あっている試合の応援とかをしており、それを箒は上の空と言わんばかりの雰囲気で試合風景を見ている。

 

「次は織斑君たちとの勝負だね」

 

「あぁ、そうだな……」

 

箒のテンションの低い返事に光は小さくため息を漏らす。1回戦を勝って以降なんかこの調子で、いまいち会話が盛り上がらない。

一体何なのか、光は顎に手を当てて考える。思いつくのは、次の対戦相手が学園で2人しかいない男子搭乗者ということぐらい。

それでなんとなく思いついたことを聞いてみた。

 

「ねえ、篠ノ之さんって織斑君のこと好きなの?」

 

「な、ななな!?」

 

いきなりの話題に顔を真っ赤にして狼狽する箒。周りの生徒もその話題に反応し、一気に顔を2人の方へとむける。それに驚く2人だが、光は箒の反応に手ごたえを感じたのか、少しニヤッと笑う。

 

「ねー、どうなのー?織斑君が好きなのー?それとも篠栗君ー?」

 

「ち、違う!」

 

箒の否定により生徒たちは興味を無くしたのか、観戦の方に戻る。

 

「なーんだ、詰まんないのー」

 

「べ、別にそんなわけでは…!だが私は一夏のが……」

 

「ほうほう?なら篠栗君は?」

 

「あいつはただの幼なじみだ。ただ……」

 

「ただ?」

 

「ニュースで見た通りあいつ、家族が……」

 

「あっ……」

 

思い出すは前に食堂のテレビで流れた航両親が殺されたという内容。それに同情するもの、歓喜するものと様々な反応が見られたがとてもいい気分ではない物であるというのは確かなものだ。

箒も航の両親がどういう人物だったかしっかりと覚えている。ただ彼の父親と自分の父親がとても仲が良かったのも覚えているが、なぜあそこまで仲が良かったのかいまいちわからないまま今に至っている。

 

「篠ノ之さん、優しいんだね」

 

「な、な、何を言ってる!わ、私は別にあやつのことなど……」

 

そう否定の言葉を言おうとした時だ。

その時、いきなり警報が鳴り、地響きのような振動が鳴り響く。

 

「な、何!?」

 

それにいきなりパニックになり始める生徒たち。またこの前みたいなことが起きるのか?そう思った矢先、アリーナのシールド天井部に複数の影が見えた。

遠目でそれが箒に一体何なのか最初は分からず、最初はこの前の乱入者が沢山来たのかと思った。だがアリーナのシールドを分解するように穴をあけ、入ってきたのはメガニューラの群生だった。

いきなりの虫の大群が入ったことに悲鳴を上げる女子たち。それはむろん箒も一緒で、その大きさにびっくりしてしまい尻もちをついてしまう。

 

「な、なんだあれは……!?」

 

メガニューラはアリーナの中を飛び回り中にいた生徒4人に向けて襲い掛かる。足でISを持ち上げようとするがISの重さでそれがかなわず、ただ尻尾の針を彼女たちめがけて突き立てようとしてるが、彼女たちからしたらシールドで守られてるとは言え、巨大な昆虫が手に触れられる距離にまでいて自分を喰わんとばかりに襲い掛かってきてるのだ。さすがにこれには悲鳴を上げることしかできず、万事休すかと思われた。

その時ピットから2つの影が飛び出してきた。一夏と航だ。彼らは武器が近接武器しかないが、アリーナで先ほど試合の終わった生徒たちがパニックを起こしており、それを逃がすために動いた様だ。

一夏たちはどうやら戦ってた女子たちから射撃武器をもらい、マシンガンをもらった一夏はその引き金を引く。まともに射撃訓練をしてないためあらぬ方向に飛んでいくが、それがメガニューラ達に警戒の態勢を作らせ、動きをけん制するには十分だ。おかげで女子たちに引っ付いていたメガニューラたちも剥がれ、彼女たちを逃がそうとする。

その時、航がメガニューラの群れの中に突っ込んだ。そして手に持ってた武器の引き金を引くや、弾が少し進んだと思ったら大爆発を起こし火の玉になったメガニューラた多数落ちていく。

 

「一夏!」

 

箒は叫ぶがその声はシールドに阻まれ聞こえない。どうにか応援だけでもしたいと考えを巡らせるが、丁度目の前のシールドに燃え盛るメガニューラが激突したことによって悲鳴を上げ、竦みあがってしまった。

 

「早く!焦らないで!」

 

その時箒の耳に避難誘導する教員の声が聞こえた。有澤が「早く逃げよう!」って言って彼女の手を引く。だが箒は踏みとどまって一夏の方を見た。

 

「一夏たちが戦ってるのに、私は無力だ……!」

 

箒は悔しそうな顔で血が出るのではないかというほどの力で、己の拳を握る。ただ彼女は、アリーナ内で戦う一夏たちを見ることしかできず、そして有澤に引っ張られて避難する生徒たちの波に飲み込まれていった。




うーん、軍勢系は書くのがとても難しい。

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