インフィニット・ストラトス 忘れ去られた恐怖とその銀龍 作:妖刀
進むペースが今までの作品より早めですが気にしないでね。
それから時がたち、ISを扱える男織斑一夏がIS学園へと入学が決まり、世の中は他のIS男子搭乗者を探すことに躍起になっていた。
その中で現在
「なんで……、俺がISを……!?」
高校の受験もパスし、その後をのんびり過ごしていた航だったが、高校の男子生徒を体育館へと呼び出してIS適性検査が始まったのだ。
友人が適性なしでガッカリする中、そんな友人を笑っていた航は自分の番が来たため触れた。そしたら反応があっていきなりのことで動けなくなっていた。
そしていろいろあった後にIS学園へと入学することが決まってしまうのであった。
それから約2ヶ月後、桜の花びらが校庭をもも色に染める季節となり、男二人はIS学園へと入学するのであった。
(これはキツイな……)
IS学園の1年1組の教室で、航は周りにいる女子の視線に耐えられそうになくなってきていた。自身の座ってる席は一夏の左後ろ。ど真ん中で一番前の一夏と比べると比較的にマシに……ならず、視線が途切れることはない。
この時緑色の髪をした背の低い女性が何か言ってたが、それどころではないため素数を数えてその場を耐えきろうとする航。
そして一夏が自己紹介をしていたがあまりの酷さに周りはずっこけて、航は苦笑いが出る。
そして自身の番はまだのため素数を数えていた。
その時である。いきなり頭に衝撃が走ったため意識を戻した航が見たのは、黒のスーツに黒色の髪をしたきれいな女性、織斑千冬である。
「お前で自己紹介が詰まってるから早くしろ」
そう言われたため航は教壇のところに立つ。
身長は170センチ半ば、瞳の色は黒く濁った金色で、眼つきは少し鋭いが怖いってほどでもなく、どことなく優しさを感じる。髪の色は黒で大体適当に伸ばしてるって感じだろう。
体つきは割と鍛えてるのか分からないが、背筋はピンとしており、なんとなく体つきがよく見える。
「俺の名前は篠栗航。歳はみんなと同じ15で趣味は……」
そして航は自己紹介をすらすらと言っていく。そして締めらへんで、
「そしてここずっと悩んでることは背骨が痛い、それで大体前のめりになって授業をしてることが多いと思うけど気にしないでくれ。それだけだ」
そう言って航は席に戻る。
そして自身の自己紹介も終わり、そのまま順調に進む。
そして休み時間、この時一夏が航の席の近くにやってきた。
「久しぶりだな、航。元気にしてたか?」
「そっちこそ、相変わらずみたいだな」
そして、お互いに拳をぶつけてニッと笑う。そう、二人は昔からの友人同士なのだ。
「それにしても航、また背中が『アレ』なのか?」
一夏がそう言った時、航は溜息を吐いて苦笑いを浮かべる。
「あぁ……、今度の休み、ちょっといいか?」
「いいぜ、俺に任せろ」
一夏は親指を立てていい笑顔で答えた。
「頼む」
「ちょっといいか?」
この時女子の声がしたため振り向くと、そこにいたのは髪の毛をポニーテールにした女子がそこにいた。
「箒……、か……?」
「久しぶりだな、箒」
一夏は疑問気味に聞くが、航は箒と断言して答えた。
「久しぶりだな……っと言いたいところだが、一夏、航みたいにもうちょっとはっきりとしてくれ」
一夏の答え方が気に入らなかったのか、箒は少し悲しそうな顔をしていた。
「だってここまで綺麗になってるとは思ってなくてさ……」
「き、綺麗!?私が!?」
この時箒は、顔を真っ赤にして呆けてるかの様になっていた。
この時航は一夏の無意識の口説きに溜息を吐く。覚えてる限りでは小学生のころからこんな感じだったため、偶にこの無意識口説きで修羅場に巻き込まれるのだ。そのため一夏に口を酸っぱくして言っても結局は何も変わらないため、こういう時は逃げるに限るのだ。
そして航は席を立とうとしたら。
「おー、わーたんだ~」
「ん?」
いきなり懐かしい声が聞こえたため、軽く周りを見わたす。そこにいたのはダボダボの袖をした制服を着た女子がいた。
「お、本音か。久しぶりだな」
「久しぶり~。わーたんは背が伸びたね~」
そう言って本音はにこーっと笑みを浮かべる。
「わーたんは、背中大丈夫~?」
「今度一夏にやってもらうからそこまで我慢だ」
「大変だね~。私もした~い」
「じゃあ、一夏と頼む」
「わかった~」
そしてお互いがお互いの幼馴染と話、まあ一夏の方は箒の思考がショートしてるため話になってないが、話をしており、予鈴が鳴ったため、全員が席に戻る。
そして千冬と真耶が入ってきて授業が始まった。
「一夏、参考書を捨てるってなかなかのことをしたな」
「いや、あんなに厚いのが参考書って思うか?」
「まあ、そこは同感だな」
一夏は先程出席簿で頭を叩かれたせいか自身の机に項垂れており、航はそんな一夏の左隣に立って腕を組んだまま一夏を見ていた。
「航……、俺にISのこと教えて「無理、まだこっちも部分部分怪しいし」そうか……」
航に頼もうとしたら、すぐに断られたため再び項垂れる。
「ちょっとよろしくて?」
この時聞き覚えのない女子の声がしたため二人は声のした方を振り返る。そこにいたのは金髪で髪先をクルクルに巻いた女子がいた。見た目からして英国系だろう。
だが雰囲気からしてめんどくさい系だろう、航は自身の影を薄くしてあんまり関わらない様にする。
「あ、あぁ、何の用だ?」
「何ですのその返事は!?このわたくし、セシリア・オルコットに話しかけられたことに栄光だと思わなくて!?」
「お、おう……」
その後一夏はセシリアに一方的に絡まれ、チャイムが鳴ったためセシリアが席に戻ったため、いつの間にか消えていた航を探したら、手を合わせて合掌のポーズをした航がいた。
何時の間に消えていたかに疑問を持ったが、先生が入ってきたため、とりあえず席に着いて授業の準備をする。
そして教壇のところに立ったのは織斑千冬である。殆どの生徒は千冬が教えるってことに感激し、目を輝かせていた。
「それではこの時間は実戦で使用する各種武器の特性を説明する」
千冬はそう言って授業を始めようとするが、何か思いだしたかのような顔をして黒板の方を向いていた体を再び生徒の方へと向ける。
「ああ、そういえば今度あるクラス代表戦に出る代表者を決めないとな」
その後千冬はクラス代表について説明をし、そして自薦他薦誰でも構わないと言った時だ、クラスの大半が手を上げたのだ。
「はい、私は織斑君を推薦します!」
「私も織斑君を推薦します!」
「私も!」
「私は~、わーたんじゃなくて篠栗君を~推薦しま~す」
こうして一夏が9に対して航が1の割合で推薦にあげられていた。航はやっぱりかと思ってるのか冷静であり、一夏は自分が推薦されてると気づいていないのか、ぼーっとしている。
「では推薦されたのは織斑と篠栗の二人か。それではこの二人でどちらがいいか名前を上げたら手を上げろ、いいな」
「へっ、俺!?」
一夏は今頃自分が推薦されてると気づいたのか驚いた表情できょろきょろしている。
「お、織斑先生。俺そんなのし「自薦他薦は問わないと言った。他薦されたものに拒否権はない。選ばれた以上覚悟しろ」マジですかー……」
一夏はあまりのショックにまたまた項垂れる。今日はあと何回項垂れるのだろうか、航は軽くそれが気になった。
「先生、そもそもさ「待ってください!納得いきませんわ!」ん?」
航が何か言おうとした時だった。いきなりセシリアが机を強くたたいて立ち上がったのだ。
「そのような選出は認められません!大体男だからってそれでクラス代表とかされたら恥さらしですわ!このわたくし、セシリア・オルコットに一年間その屈辱を味わえというのですか!」
そしてセシリアはいろいろ言っていたが、どんどん日本の侮辱になってきていた。
「そもそも日本には怪獣がたくさん来て恐ろしすぎますわ!」
なんかそんなことを言ってるが間違ってない。1954年に最初のゴジラが現れて倒したと思ったら、その後にたくさんの怪獣が現れたのだ。ラドン、モスラ、バラン、マグマ、ドゴラ、サンダ、ガイラ、ゲゾラ、ガニメ、カメーバ。他にもいるが記録にあるにはこれほどの怪獣が日本に現れてるのだ。それで対怪獣兵器の生産、町の被害そんなんで何回財政難が起きたことか覚えてる人はほぼいないだろう。時には東京タワーや国会議事堂も何回破壊されたことか。
「そもそもイギリスだって飯マズランキング何年連続1位だよ」
一夏がそうボソリと言った時、セシリアに聞こえていたのか、セシリアが怒りで顔を真っ赤にさせて一夏の方を向く。
「何ですの!?わたくしの母国を侮辱して!」
「そもそもそっちが日本のことを馬鹿にしてきたんだろ!確かにたくさんの怪獣が日本に現れたのは認めるけどさ!」
そう言ってお互いに睨みあう。
そしてセシリアは一夏の席のところまでやってきて、机に強く手の平を叩きつけた。
「決闘ですわ」
「いいぜ。な、航」
「え、マジで?」
航は唖然とした表情を浮かべていた。なんとなく予想はしていたが、まさかこういう風に巻き込まれるとは。一夏の巻き込み力は半端がなかった。
「マジでだ」
「マジかよ……」
航はそのまま頭を抱えて溜息を吐く。
「それじゃあハンデはいいか?」
そして一夏はハンデの話になり、セシリアが言い返した後に一夏の言った一言が教室にいた女子の大半を笑わせる原因へとなる。
「一夏君、何言ってるのさ」
「男が女より強い?それはないない」
「そもそも男が頑張ってもゴジラを倒せてないじゃん。ISさえあればゴジラなんてワンパンで倒せるんだから」
「あ?」
この時だった。ドスのきいた低い声。全員がビクッとなってその声のした方を向くと、そこにいたのは眉間に皺を寄せていた航であった。
航は最後に言った女子の方を向いて口を開く。
「おい、今なんて言った?ゴジラなんかワンパンで倒せるとか聞こえたが?」
女子は今の航に少しビクビクしていたが、それでも勇気を振り絞って声を出す。
「だ、だってそうじゃない。そもそも機龍だっけ?あんなデカブツで町もめちゃくちゃになったのよ。あんなに要領の悪い兵器を使ってたらきりがないわ!」
「お前、ゴジラのこと舐めてるだろ。あれをISで倒せる?馬鹿言うな。あれは完全な化け物だ。究極の、な」
そういう航。だが周りはそれに納得するものは全くいない。
「あんな動きの遅い大きなトカゲぐらい、ISで倒せないわけないですわ。究極の化け物?全く何を言ってるのかわけわかりませんわ」
セシリアがそう言った後にクラスの大半は笑って航を見下す。航はそのアウェイの状況下でもその状況にビビる様子がない。だが航の眉間にも深い皺が寄り始め、眼つきが鋭くなっていた。
「織斑先生。あなたに聞きますが、ISってそこまですごいんですか?」
千冬は腕を組んだまま目を瞑っていたが、閉じていた目を開けて口を開いた。
「そこはわからん。だが、ISでゴジラを倒せるかと言えば無理だろう」
千冬がそう言った時、教室は一気にざわめいた。
「何を驚いている。私の知り合いの60半ばにもなる自衛官だった人が言ってたが、胸が抉れて肋骨がむき出し状態でも、腹に風穴が空いていてもゴジラは死ななかったというらしいからな」
全員はそれに驚愕する。普通の生物なら致命傷と言える傷なのにそれでも戦えるのかと。
「そ、そんなのでまかせですわ!そんな生物いるわけありませんわ!」
セシリアはヒステリック気味にそう叫ぶ。周りもそうだそうだ!と叫ぶが、力のない叫びになっている。
その時だ。
「ん、もうすぐで授業が終わるな。なら来週の月曜日に第三アリーナで三人で戦ってもらうぞ。いいな」
千冬のその言葉で授業が終わるのであった。
この作品の資料に、ライトノベル『インフィニット・ストラトス』、『ゴジラ×メカゴジラ 超全集』を使ってます。これ、発売されたのが2003年なんだよね。この本、ゴジラの骨まで詳しく書かれてるから謎に気分が盛り上がるんだよね。