インフィニット・ストラトス 忘れ去られた恐怖とその銀龍 作:妖刀
この日は稀に見る大雨が降っていた。だが雨の中、ズシン、ズシン、と何かが山の中を歩く音がする。雨は土砂降りのため周りがうまく見えないほど雨が降っていたが、『ソレ』が近づいてきたとき、黒い影が山から現れた。
「グォォォォォォ!!!」
山のようにでかくて黒い体、灰色の背びれ、そして鋭い目、40年の時を超えて再び日本に現れた大怪獣ゴジラはどこを目指してるのか分からないが方角は東京を指しており、愛知県の河和港から上陸。そして市街地を破壊しながら横断、そして現在、愛知と静岡の県境の山々にて立ちふさがるもの木々を破壊しながら突き進んでいく。
そのゴジラが進んでいるところかから約2キロメートル先、IS『ラファール・リヴァイブ』を纏った女たちが森の中に隠れていた。機体色は緑の迷彩色に施しており、腕には大型ロケット弾だろうか、それを片腕に三発ずつ装備してあり、戦闘にいた女がどこかに通信している。
「こちら一番機、『G』を確認した。今から仕掛ける」
ISを纏った女はそう言って本部との通信を切る。女の後ろにはISを纏った女たち10人がおり、全員が今搭載している武器等のチェックをしていた。
「昔の自衛隊があのデカブツを倒したのなら私たちISでも倒せるわ。全員、武器はちゃんとチェックした?」
この時全員の大丈夫の声がしたため女は拳を掲げて声を上げた。それを聞いた女はニヤリと笑みを浮かべ、そしてこぶしを掲げる。
彼女たちは陸上自衛隊所属のIS乗りたちだが、上層部の警告等を無視して現在この県境の山中に来ており、現在ISに装備してる武器も無断で基地から持ってきたものばかりだ。
現在ISの立場は他の兵器より優位に立っているが、怪獣の現れたことによりその優位が揺らぎ始めようとしてたため、それを焦った女性権利団体の一部が彼女たちに命令したのだ。
「いいね!私たちはISを使えるエリートよ!昔の自衛隊の男たちとは違って色々なことができる!だからあのデカブツを倒すわよ!」
『おおー!』
この時だろうか、曇天の雨空が青白く光ったように感じたのは。この時全員が可笑しいと思ったが、この時センサーに高熱源が急接近していることを伝えていた。
「っ!?」
女は一気に飛び上がり、その場を離れようとしたらいきなり豪風が吹き荒れたため、きりもみ状態で吹き飛ばされ、200メートルほど吹き飛んだ後に木々に激突して何とか止まる。意識ははっきりとしていなかったが、次第に周りの光景を見たとき、意識がはっきりとしだした。
「な、何が……、っ……!?」
女はその光景を見た時、動くことができなかった。先程までいたところは木々が吹き飛ばされ、大地は何かに焼き飛ばされたかのように抉れ、マグマのようにドロドロに溶けていた。
「何よ…これ……」
「隊長、大丈夫ですか!?」
女は恐怖で動けなくなっていたが、先程の光から奇跡的に逃げ切ったのであろう部下が女の傍に降りる。そういえば他の隊員はどうなったのだろうか、女は部下の肩を掴んで聞くことにする。
「ほ、他のみんなは!?」
女はそう言って部下に詰め寄るが、部下は顔を伏せて
「残ったのは、あなたと私です……。他の隊員は全滅しました……」
「何……ですって……!?」
あの人はISさえあればゴジラは倒せると言っていた。あれは嘘だったのか?絶対防御さえあれば助かると言ってたのに、それは嘘だったのか。
彼女はこれを否定しようにも、目の前の現実がそれを否定させてくれない。
女はあまりのことにへたり込んだまま茫然としてしまう。
そして再び高熱源接近がセンサーで警告音を鳴らす。
何なのだろうか?女は顔上げたときに後悔してしまう。
女は気付いてしまった。そう、ゴジラがこっちを向いてることに。
この時ゴジラの背びれが光り、口から青白い放射熱線を放つ。熱線は大地を吹き飛ばし、そのまま女たちがいる山へと向かって行く。
「「あ」」
そして女たちは間抜けな声を最後に、熱線に飲み込まれてしまうのであった。そして熱線が収まったところには何も残っていない。そこに残ってるのは熱線で真っ赤に焼け、丸裸にされた山肌だけだ。
「グォォォォォォ!!!」
この時ゴジラの背びれに落雷が落ちて、そして背びれが青白く輝く。
ゴジラは一吠えした後に木々を踏み潰しながら進撃を再開し、北上を始めた。
なぜこうなったのか。何故ゴジラが復活したのか。
こうなってしまったのは数か月前、とある男子がIS学園に入学したときに遡るのであった……。
改めて書かせてもらいます
ここで現れたゴジラはゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOSの時に機龍と共に海に消えたゴジラです。胸にあった傷跡は残ってません。あと身長も伸びてます。
そして今日はゴジラの誕生日!ゴジラ、62歳の誕生日おめでとう!