クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アムネシアの少女 作:気まぐれキャンサー
「お姉様、まだ目覚めないな……」
医務室では、ヒルダ、ロザリー、クリスの3人がゾーラのお見舞いに来ていた。マギーによると傷は治りつつあるが、意識の方はまだ戻らないとの事。それからマギーは急患が出たという連絡を受けて、医務室を出て行った。
「隊長、ごめんなさい。私、隊長の仇も満足に取れなくて……」
眠ったままのゾーラに向かって、クリスは涙を流して謝っていた。
「泣くんじゃないよ、ゾーラは死んじゃいないんだから。目を覚まして復帰するまでの間は全部あたしに任せておきな。暫くの間は、あたしがゾーラの代わりになってやるよ」
ヒルダはそう言うとロザリーにキスをする。ロザリーは驚くものの、すぐにそれを受け入れる。唇を離し、ヒルダはクリスの方に顔を向けると彼女にもキスをする。クリスもまたそれを受け入れる。それからヒルダは2人に告げる。
「あたしがあんた達を導いてやる。だから、あんた達もあたしについてきな」
ヒルダがそう言うとロザリー、クリスは嬉しそうに頷く。それからヒルダは2人に休憩室の鍵を渡すと先に行く様に伝えて、2人は医務室を出て行った。1人になったヒルダはゾーラを見る。
「ゾーラ、アンタの玩具はあたしが借りるよ。にしても、死の第一中隊の隊長で女傑とまで呼ばれたアンタがまさかこんな事になるとはね。今だから言うけどあたしはね、生き残る為にアンタに取り入ったんだ。アンタに気に入られる為なら何だってやった。セクハラも抱かれる事も黙って受け入れた」
ヒルダは怒りが篭った目でゾーラを見ると、懐から拳銃を取り出し彼女に向ける。
「それがどれだけ苦痛で屈辱的だったかアンタに分かる?あたしはずっと耐えてきたんだ。いつの日か、ママの元へ帰る為にね!!」
恨み節を並べたヒルダは引き金を引く。
カチッ
しかし、拳銃から弾は発射されなかった。不発ではない。この拳銃には最初から弾は入ってなかったのだ。
「けど、そんなアンタの事が好きだったよゾーラ。これはあたしの本当の気持ちさ。これからはあたしのやりたい様にやらせてもらう。今までありがとな、ゾーラ」
ヒルダは拳銃をしまうと医務室を出て行った。彼女の顔は不敵な笑みを浮かべていた。
「綺麗な星空。一体、いくつ星があるのかな?」
フィオナはアルゼナルのグラウンドから星を眺めていた。彼女は偶に此処へ来ては星空を眺めている。
「♪~♪~♪」
フィオナは永遠語りを口ずさむ。これを歌う度、彼女の心は癒される。すると、
「いい歌ね」
声がした方を振り向くとそこにはエルシャが立っていた。
「エルシャ、どうしたの?もしかして、私を探してた?」
「いいえ、私も星を見に来たの。コーヒーを持ってきたけど飲む?」
「うん。あそこで座って飲もうか」
2人はグラウンドにあるベンチに腰掛ける。エルシャは持っていた水筒に入っていたコーヒーをコップに移し、フィオナに渡す。コーヒーはブラックだったが不思議とそんなに苦くは無かった。
「このコーヒー、ブラックなのに苦く無くて美味しい」
「でしょ。これは私の特製ブレンドなの。疲れている時に飲むととてもリラックスするわよ」
2人はコーヒーを飲みながら星空を眺める。空には数多の星が輝いていた。
「私も小さい頃から此処へ来ては星を眺めてるの。此処へ来ると辛い事や悲しい事を忘れる事ができるから」
「星って不思議だよね。私達が生まれるずっと、ずっと、ずーっと昔から空で輝いてるんだもんね」
「そうね。人や世界は変わっても、この星空は昔から変わらない。こうして輝きを讃えているのよね」
2人が話をしていると空に一筋の流れ星が流れていった。
「あ、流れ星!流れ星に願うと願い事が叶うって言うよね」
「フィオナちゃんは何を願うのかしら?」
「私は、やっぱり自分の記憶が戻る事を願うかな。エルシャは何をお願いする?」
「私はアルゼナルのみんながいつまでも無事で毎日を過ごせます様に、ってお願いするわね」
「あはは、エルシャらしいね」
それからフィオナはエルシャにある事を聞く。
「ねえ、エルシャ。エルシャはどうしてメイルライダーになったの?」
「どうしたの?突然、そんな事を聞くなんて」
「うん。だってさ、エルシャってアンジュやヒルダ達と違って性格も荒々しくないし、料理だって上手でしょ。それに幼年部の子供達にもお母さんみたいに慕われているし」
「それを言うなら、フィオナちゃんもどちらかと言ったら大人しい方じゃないかしら?」
「まあ、私はメイルライダーになるしかなかったからね。でも、エルシャならコックや幼年部の指導員になる事もできたんじゃないのかな、って思ったんだ。それなのにどうして危険なメイルライダーをしているのかなって」
フィオナが尋ねるとエルシャは答える。
「そうね。確かに私もコックになってみんなに料理を作ってあげたり、幼年部の子達に色々教えたりするのもいいんじゃないかなって、思う事はあるわ」
「なら、どうして?」
「私はね、強くなりたいの。強くなって、アルゼナルのみんなを守りたい。ドラゴンや色んな脅威からみんなをね。守られるだけなんて私は嫌なの」
「エルシャ・・・」
静かだが強い決意がエルシャから感じられた。フィオナは彼女は強い人だな、と心から思うのだった。
「そういえば、さっきの歌。とても素敵な歌だったわね。なんていう歌なの?」
「ああ、あの歌ね。あれは永遠語りといって、私にとってはこのペンダントと同じでお守りみたいなものなの。歌うと、とても心が安らぐんだ」
「そうなの。ねえ、もう1回歌ってもらえないかしら」
「それは構わないけど。私、そんなに上手くないよ」
「そんな事ないわよ。とても綺麗な歌声だったわ」
フィオナは照れながらも、もう一度永遠語りを歌う。辺りにフィオナの歌声が響き渡る。やがて、歌い終わるとエルシャが小さく拍手をする。
「ありがとう、本当に心が安らぐわね。今度、第一中隊のみんなの前で歌ってみたら?」
エルシャに勧められたフィオナは思わずドキッとする。
「え!?い、いやいいよ。さっきも言ったけど私、そんなに上手くないからさ。あとね、エルシャ。私がこの歌を歌える事はアンジュには黙っててくれないかな」
「アンジュちゃんに?どうして?」
「うん、アンジュに知られると色々と面倒な事になるんだ。だからこれは私とエルシャの2人だけの秘密って事で、ね?」
「まあ、フィオナちゃんがそう言うなら。じゃあ、もう遅いしそろそろ戻りましょうか?」
「うん、そうだね」
フィオナとエルシャは自分の部屋へと戻っていった。だがこの時、2人はグラウンドの木陰にいる人物に気付かなかった。2人が去った後、その人物はそっと木陰から現れる。果たしてそれはアンジュだった。
「なんで?なんでフィオナが永遠語りを、お母様の歌を知ってるの?」
アンジュは驚きを隠せなかった。無理もない。永遠語りは代々ミスルギ皇家に伝わる守り歌なのだ。ミスルギ皇家とは縁もゆかりもない筈のフィオナが完璧に歌いこなしていた事にアンジュは動揺していた。
夜明け前、フィオナとアンジュは部屋で眠っていた。すると、
ビー、ビー、ビー
部屋のサイレンが鳴り響く。2人はベッドから飛び起き、着替えて部屋を出て行く。
『第一種遭遇警報発令!パラメイル第一中隊出撃準備!』
ドックではパラメイルが次々と発進準備に入っていく。第一中隊の面々も出撃準備を整えていた。そんなな中、アンジュはフィオナを見ていたが、
「総員、騎乗!」
サリアの命令で頭を切り替えてパラメイルへと向かう。
「アルテミス、今日もよろしくね」
フィオナは準備をしながらアルテミスに語りかける。と、アンジュを見てみると何処か様子がおかしかった。何か小さい物を手に取って舌打ちをしていた。
「フィオナー!出撃前の最終確認を。BMA内装系異常は無い?」
「うん、大丈夫。異常はないよ」
メイに確認を促されたフィオナは異常が無い事を確認した。そして、出撃準備は完全に整った。
「サリア隊、発進します!」
隊長のサリアが発進したのを皮切りにパラメイルが次々と発進していく。
「サリア隊、フィオナ機、発進します!」
フィオナも発進して大空へと飛び立っていった。全ての機体が発進して、空中でフォーメーションを組んでいく。そして、
「総員、戦闘準備!ドアが開くぞ!!」
サリアの声と共に前方にシンギュラーが現れて、中からドラゴンが続々と出てきた。それを合図にパラメイルは攻撃を開始する。が、アンジュは隊列から離れるとドラゴンの群れに突っ込んでいく。
「アンジュ!前に出すぎよ、勝手に突っ込まないで!!」
サリアが咎めるがアンジュは構わずに突進し、ドラゴンを撃墜していく。
(まったく、アンジュは相変わらずだね)
フィオナは呆れつつも目の前のドラゴンを次々と撃墜していく。その時だった。
ドカァン!!
突如、ヴィルキスから黒煙が舞い上がるとそのまま海へ向かって失速していく。
「え!?な、何が起こったの?ヴィルキスが……」
アンジュは必死に体勢を立て直そうとするがコントロールが聞かない。すると、
「助けてやろうか?痛姫様」
ヒルダがヴィルキスの隣にやってきて、アンジュを挑発する。
「くっ。失せろ、ゴキブリ!」
アンジュは何とかヴィルキスをアサルトモードに変形させる。だが直後、スクーナー級がヴィルキスにまとわり付き、ヴィルキスもろとも海へと落ちていった。
「ヴィルキス!!」
サリアはヴィルキスの元へ向かおうとするが、シンギュラーからブリッグ級が現れてそちらの対処を優先せざる負えなくなった。
「お姉ちゃん、アンジュさんが!」
「分かってる。でも、今はドラゴンを殲滅させるのが先だよ」
フィオナはココに言い聞かせるとブリッグ級に攻撃を仕掛けていく。第一中隊の努力の甲斐あってブリッグ級は海に墜落していった。同時に作戦も完了した。
「各機、損傷も飛行に問題なし。アンジュ機はロスト」
「ご苦労だった。全機、帰投せよ」
ジルは第一中隊に帰投命令を出す。するとサリアが通信を入れてくる。
「あのっ!ヴィル……アンジュ機の捜索許可を頂けませんか?破壊されたわけではないし、今すぐに回収すべきかと」
「はあ?冗談言わないでよ。戦闘終えたばっかでクタクタ、燃料もカスカスで底に尽くかも知れないってのに、痛姫様とポンコツ機を探せっての?」
「そ、それはそうだけど……」
ヒルダにダメ出しされて、サリアは言葉に詰まる。
『ヒルダの言う通りだ。後で回収班を出す。中隊は全機、帰投!』
ジルからも帰投する様に言われ、サリア達はパラメイルをフライトモードに戻す。
「アンジュさん、大丈夫かな?」
「このまま帰るなんて見捨てるみたいで気が引けるけど、仕方ないよね」
「大丈夫だよ。アンジュはあんな事で死んだりはしないよ」
フィオナはアンジュが落ちていった海を見る。ヴィルキスは影も形も無かった。
(映像通りなら、きっとタスク君のいる島に流れて行ってる筈。ごめん、アンジュ。辛いかも知れないけど、タスク君が助けてくれるから)
フィオナは心の中でアンジュに謝罪するとアルゼナルに戻ってからどうしようかと考え始めた。その時だった。
(!? あれ、この感覚……まさか!?)
フィオナの頭の中にまた、電流が迸る様な鋭い感覚が過ぎったのだ。嫌な予感がしたフィオナはアルテミスをアサルトモードにする。
『フィオナ、何をしているの?もう、戦闘は終わったのよ』
サリアが通信を入れてくるが、フィオナの耳には聞こえてなかった。フィオナは目を瞑り、感覚を研ぎ澄ます。
(来る!何かは分からないけど大きな力を持った何かが……!!)
再び、鋭い感覚を覚えたフィオナはアルテミスを移動させる。すると、先程までフィオナがいた場所に光線が通り過ぎて行った。フィオナが光線が放たれてきた方角を見るとそこには、
「あれは……パラメイル!?」
そこには1機のパラメイルが銃を構えながら浮かんでいた。漆黒のボディに2本の剣を携えたその機体はアルテミスを見下ろしていた。
『せ、戦闘区域に未確認機体が出現しました!!』
驚きを隠せないパメラの声が第一中隊の各機に響く。
「な、何なの?あれ……」
「おいおい。一体、どうなってんだよ!?」
「なんじゃあ、あの機体!?」
第一中隊の面々も驚きを隠せない。するとアンノウンは剣を抜き、構えるとアルテミスに向かってきた。フィオナはカラドヴォルグを構えるとそれを迎え撃つ。アンノウンの剣戟を必死にいなすが、
「くっ!一撃、一撃が重い上に隙が見当たらない!!」
突破口を見出す事が出来ず、次第に追い詰められていく。と、
「フィオナから離れろぉ!!」
ヴィヴィアンがブーメランブレードをアンノウンに向かって投擲する。それに気付いたアンノウンはアルテミスへの攻撃を止め、剣でブーメランブレードを弾くとレイザーに向かっていき、剣を振り下ろす。ヴィヴィアンはかわそうとしたが片腕を切り落とされた挙句、アンノウンに蹴り飛ばされる。
「ヴィヴィアン!!そんな……ヴィヴィアンのレイザーをあんな簡単に」
サリアは機動力が優れているレイザーが歯が立たないのを見て驚きを隠せない。サリア達も必死に応戦するが攻撃を簡単にかわされ、反撃を受ける。ただでさえドラゴンとの交戦で損傷していたパラメイルは更にダメージを負い、第一中隊は劣勢になっていく。そんな中、フィオナは考えを巡らす。
(さっき、ドラゴンとの戦闘を終えたばかりで機体もみんなも本調子じゃない。このまま下手にあれと戦えば、全滅してしまう!かと言って、簡単に逃げられる相手でもない。なら!)
フィオナはある事を思いつくとアンノウンをカラドヴォルグで押さえつけ、OPch.を開く。
「サリア、それにみんなも聞いて。このまま、此処にいたらあの機体に全員やられてしまうかもしれない。私が機体を押さえるから、みんなはその間にアルゼナルまで退避して!!」
フィオナの通信を聞いたサリア達は驚く。
『何を言ってるのフィオナ!?そんな事したらあなたが危険に晒されてしまうのよ!!』
「分かってる。でも、これしか方法がない。全員がやられてしまったら元も子もないよ!!」
『そんなのやだよ!お姉ちゃんも一緒に逃げようよ!!」
「大丈夫。私も隙を見て何とか逃げ出すから。だから早く!!」
しばらく、押し問答が続くがやがてサリアが決断する。
「総員、アルゼナルまで退避!フィオナ、増援が来るまで何とか持ち堪えて!!」
サリア達はパラメイルをフライトモードにするとアルゼナルへ向かって飛んでいった。フィオナは第一中隊の撤退を確認するとアンノウンと対峙する。
「此処から先へは行かせないよ!!」
フィオナはそう言うとアンノウンに向かってカラドヴォルグを振り下ろすが剣で防がれてしまう。一進、一退の攻防が続くがカラドヴォルグは弾き飛ばされて、海へと落ちていった。フィオナはアサルトライフルを構えるが剣で真っ二つにされてしまう。
「そんな、このままじゃ……」
フィオナは打開策を見出そうとするがアンノウンは剣をしまうともう1本の剣を抜く。先程の剣よりも細身で所謂、エストックと呼ばれる物だ。
アンノウンはそれを構えると目に止まらぬ速さでアルテミスに刺突を繰り出していく。防御の術もなくアルテミスはどんどん損傷していき、ハッチを破壊されてコックピットが露出する。
すると、刺突が止まりアンノウンのハッチが開くとライダーが姿を現す。ライダーの顔はヘルメットで覆われており、全身を包む様な機体と同じ黒いスーツを纏っていた。ライダーは素早くアルテミスに乗り移ると、レイピアを抜きフィオナの身体を貫く。フィオナは吐血する。
「あ、あなたは一体・・・」
フィオナはライダーに手を伸ばそうとするがライダーは飛び上がり、自分の機体へと戻っていった。フィオナは力が抜けてコックピットから海へと落ちていき、アルテミスもまた海に墜落するのだった。
フィオナとアルテミスが海へ落ちるのを見届けたアンノウンはフライトモードになる。すると、
『あー、こちら1st。2ndさん、聞こえたら応答してくださいっス~』
通信が入る。ライダーは通信を開くとそれに応える。
「こちら2nd。聞こえている。なんだ?」
『なんだ、じゃないっスよ2ndさん!今、どこにいるんスか!?命令なく飛び出して行ったもんだから、ボスはカンカンなんスよ!!』
「そうか、それは大変だったな。それよりも例のターゲットだが・・・」
『えっ?フィオナの事っスか?2ndさん、まさか・・・』
「ああ。さっき機体諸共、海に沈んだよ」
『マジっスか!?あっちゃ~、何してくれちゃってんスか2ndさん。ボスから「今はまだ手を出すな」って、言われてたじゃないですか~』
「なかなかのライダーだと聞いて、戦ってみたが口ほどにもなかったな」
『戦士の血が騒いだって訳っスか?大概にしてくださいよ。怒られるのはウチなんスから。まあ、殺ったってんならボスも満足するでしょうけどね。とにかく戻ってきてください。ボスへの申し開きは一緒にやってもらうっスよ!』
「イエス・マム」
2ndは通信を切るとフィオナが落ちていった海を見る。と、2ndはヘルメットを外す。紫の髪と翠色の瞳の美しい顔の女性だ。
「これで死んでしまう様ならそれまでだが、もし生き延びる事が出来たならまた会おう。フィオナ」
そう言うとヘルメットを被り、機体を動かして彼方へと飛んで行った。
フィオナは海へ深く沈んでいた。海面へ上がろうにも力が入らずそれもままならない。
(力が入んないや。私、死ぬのかな?このまま何もできずに。ごめんね、アンジュ、みんな……)
フィオナの意識が遠のいていく。その時、彼女のペンダントが光を発した。すると海中をアルテミスが駆逐形態のまま、フィオナの元へと向かってくる。
(え?アルテミス、なんで・・・)
フィオナは驚くが彼女の意識はそこで途絶えた。次の瞬間、アルテミスは光り輝き海中を大きく照らす。光が消えた後、フィオナとアルテミスの姿はそこにはなかった。
「いや~大漁大漁♪これでしばらくは食料に困る事はないな」
無人島でタスクはたくさんの魚を獲る事ができて上機嫌だ。ふと、彼はある事を思い出す。
「そういえば、あの子が此処を去ってから随分経つけど無事にアルゼナルへ着いたのかな?」
タスクはかつて出会った少女の事を思い馳せていた。アルゼナルへ連絡を取る事も考えたがタスクは首を振る。
(いや、そんな事できるわけないか。今の俺にそんな資格はない……)
タスクは苦悩しながらも気を取り直す。彼が砂浜へ行くとそこには白いパラメイルが横たわっていた。それを見たタスクは目を見開く。
「あれは……ヴィルキス!?」
アニメ4話のストーリーが終了。次回の無人島回は若干、オリジナル展開になりますので楽しみにしていてください。間を空けずにできるだけ早く更新できる様に頑張ります。それでは。