マイナス一誠とシトリーさん   作:超人類DX

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えーっと、約一年ぶりすね。

だーれも待ってないと思うけどひっそり更新


マイナスの宿命

 冥界に行くのは二度目になっちゃったんだけど、これは果たして運が良いのか悪いのか―――多分良くは無いんだろうな。

 

 行く理由だって魔王その1の人から呼び出されに近いそれだし、センパイの後をセンパイの眷属の人達に混ざって、イリナちゃんとゼノヴィアさんと揃って付いていくにしても、『何だあのナマモノは?』的な視線を常に浴びなければならないし――

 

 

「キミはその、娘と随分と深い仲だと聞いたのだが……」

 

「えっと、まあ……」

 

「それは娘の立場を分かってる上で関係を結ぼうとしてるって事ですか? 悪魔であるソーナと……」

 

「勿論そうですよセンパイのお父様にお母様。

勝手にボッチ拗らせてた自分にも良くして貰って、僕はもうセンパイに足を向けられて眠れません」

 

「「……」」

 

 

 ――うん。分かってたし予想通りで逆に笑っちゃうというかさ。

 いっやー……センパイの実家がべらぼうにデカく、改めてセンパイが良いところのお嬢様ってのを思い知るのと同時に、そういう家の生まれだからこそというか、血を重んじてるというべきなのか……。

 

 

「そう……その上でシトリー家である娘とね……」

 

 

 最悪に嫌な顔されちゃってるねぇ……俺。

 わざわざ人目……えっと悪魔目多きセンパイの実家のお食事場でセンパイの両親から集中攻撃されちゃってんだから美味しそうなご飯もこりゃ食えないや。

 匙君にかなり同情めいた視線を貰えてるのと、予想通りだった為ダメージは無いにしても、やっぱりセンパイって元々は高嶺の花なんだよなー……あはははー。

 

 あのイリナちゃんですら、寧ろセンパイの両親を壊しかねない顔で密かに睨んでるからして相当なんだろうね。

 

 

「お父様、それとお母様。彼が只の人間だからといって何か問題でも? おかしいですよね、昔そういった固い考えを持つ者達に現魔王様方がクーデターを起こして今の政権をお築きになられたというのに、お二人は旧政権の考えをお持ちなのですか?」

 

「そう言う事を言ってる訳じゃないソーナ、お前は次期シトリー家の当主で純血の悪魔。

この前の婚約の話もお前の意思を一応は尊重したつもりだが、だからと言って人間との交際を認める為に動いたつもりは無いと言ってる」

 

「そうよソーナ。人間の方と交流を持つ事を咎めているのではありません。

『こういう方』と交流を持つ事を私達は気にしてるのです……」

 

 

 こんな、普通よりも遥かに最低(マイナス)な人間なんかと………とでも言いたそうな目で、愛想笑いだけは崩さないでいる俺を、汚らわしいものを見るような感じで見ながらセンパイに話すご両親に、とうとう俺も悪魔にすら最低呼ばわりされる所まで退化(セイチョウ)したんだなぁ――なんてぼんやり考える。

 

 下座の席からガタンと誰かが勢いよく立ち上がろうとする音が聞こえたけど、多分それはイリナちゃんで、そのイリナちゃんの隣に小さくなって座ってたゼノヴィアさんが必死こいて止めてるのが何となく想像できる。

 

 

「リアスちゃんの所の赤龍帝と同じ顔なのに、どうしてこうも違うのかしら……」

 

『…………』

 

 

 誰とは言わないけど小さく呟いたこの声で空気が一瞬完全に凍りついたりもしたけど、結局行って良い事なんてある訳もないのは分かりきった事だったし、俺は最期までヘラヘラと愛想笑いで誤魔化す事にしたさ。

 

 

 

 

 一応はソーナの友人という体だった為、シトリー家へ招待された一誠、イリナ、ゼノヴィアの三人だったけど、案の定成長――いや、退化したせいでソーナの両親からは散々言われた夕食で終わってしまった。

 

 

「あー……例の魔王その1の人と会わなきゃいけないから此処に居ないといけないんだよね。正直言うとかなり帰りたいや」

 

「何よあの悪魔の親達! 散々イッセーくんの事貶しちゃってさ!」

 

「確かに。こっちは初対面なのに、随分と言ってくれたな……」

 

 

 元悪魔祓いが二人と、マイナス人間。

 本当なら冥界という場所に居る事自体が可笑しな存在なのだが、安心院なじみと所縁があると自称するサーゼクスが会いたいと言う理由で滞在する事になったのだが、夕飯時による散々な評価をソーナの両親に貰ってしまったので、三人は正直言うと普通に家に帰りたかった。

 

 

「しかも兵藤セーヤなんかと比べちゃってさ、本当に失礼しちゃうわよ!」

 

「まあ、片や赤龍帝で、ちょっとした英雄様だからねぇ。欠陥品の俺と比べるのもわからないでも無いでしょ」

 

「だからと言って奴とお前を比較して貶す理由にはならないだろ。

いや確かにお前達はちょっとその、アレかもしれないが」

 

「何よゼノヴィア? 勝手に付いてきた癖にあんな悪魔共の肩を持つの?」

「そ、そうじゃない! 誤解をする言い方をしたのなら謝る! だから私を見捨てないでくれ!」

 

「別に見捨てるなんてしないよゼノヴィアさん。……………そもそも見捨てるとか見捨てないとかの関係じゃないけどさ」

 

 

 宛がられた客室に集まり、豪華なソファにダラダラ座りながら、色々と言われて全然食べられなかった夕飯のツケである空腹を回収する為、冥界に来る前に買っておいた冷えたたい焼きを食べており、会話の内容はソーナの両親による一誠への低すぎる好感度についてだ。

 

 

「自分を理解出来てなかった時なら、勝手に傷ついてたかもしれないけど、今は何で自分が無意味に敵意を買うのか理解してるつもりだから、別段特に何を思うことも無いんだよね。

まあ、センパイの両親に嫌われ続けるのはちょっと困るけど」

 

「ねぇねぇ、やっぱりあんな女の事なんて忘れてこのまま私と遠くに行きましょうよ? 私なら誰にも邪魔されないわよ?」

 

「ごめんねイリナちゃん。センパイをすっぱり忘れられるなんて俺には出来ないよ」

 

 

 更なる退化により、悪魔にすらその人間性(マイナス)さに軽い嫌悪を抱かせる様になっていた一誠は、以前よりもよりズルズルドロドロしたオーラをデフォルトで放っていた。

 それにより一応はソーナのお陰で正式な手続きで悪魔領土の冥界にやってこれた一誠を見た多数の悪魔達からは初見で嫌われ、シトリー家で働く悪魔達からも顔には出されてないが普通に避けられ、トドメにソーナの両親からは遠回しに娘に近寄るなとまで言われた。

 

 同じく招待されたイリナはそれを聞いて何度も壊死させてやろうとスキルを暴走させようとしたが、ゼノヴィアや一誠自身のアシストにより何とか可愛らしく頬を膨らませるだけに留められた。

 

 これがもし完全に暴走したら、マイナス組の中でもその気になれば大都市すら数分掛からず某モヒカンマッチョメンがヒャッハーする世紀末みたいな死の都市へと変えてしまうのだから、知らないとはいえ多くの悪魔達は幸せである。

 

 

「サーゼクスって魔王の人に何を言われるか分からないけど、その件が終わったらさっさと帰った方が良いね。センパイに迷惑掛けたくないしこれ以上」

 

「そうね、こんな場所の空気なんてイッセーくんの身体に悪いし」

 

「それには私も賛成だ。元とはいえ主を信仰して居た身だし」

 

 

 たい焼きの腹の皮を手で破り、本物の魚の腸が飛び出る様に出てくるアンコを舐めながら一誠の食べ方にイリナは特に何も言わず同意し、ゼノヴィアは若干引きながらもやはり元悪魔祓いなのか同じく同意するように頷く。

 

 

「それとも逆に、俺やイリナちゃんに害は無いよと根気強くお話してみたりしても良いけどね? ほら、悪魔も人もまずは腹を割ってお話することが大事だと思うし?」

 

 

 ぶちゅりとたい焼きの腹からアンコを捻り出しては笑って指についたのを舐めとる一誠の目は最低にマイナスだがとても澄んでいる。

 

 

「どうかしら? 私なら途中で頭に来て壊しちゃうかもしれないしお勧めできないかも」

 

「あぁ、それとたい焼きが可哀想だぞ……」

 

 

 その最低っぷりや、コカビエルとの一件でより底無しに退化しまくりであり、最早普通の人間では挙動一つ一つに嫌悪感を抱かせるものであった。

 

 イリナにしてみればその気持ち悪さはより魅力的に思えるのだが、まだ常人のゼノヴィアには嫌悪を感じさせる――――という訳でも無く、寧ろ変で行儀の悪すぎるたい焼きの食べ方に対しての注意をしていた。

 

 

「それにしてもセンパイ遅いなぁ? センパイの分のたい焼きも買っておいたのに、何してるんだろ?」

 

「あれでもシトリー家の悪魔だから色々とあるんじゃないの? 話し合いとか」

 

「何でも若手悪魔による会合があるらしいが、もしかしてその会合についての打ち合わせでもしてるんじゃないか? リアス・グレモリー達も出席する様だし」

 

「へー、ゼノヴィアさんったらよく聞いてるんだね。ちょっと助かったよ」

 

 

 そんな空気を独自に、アウェー環境の中でも作り上げていく三人の会話の内容は、この場に居ないソーナについてになっており、中々来てくれないせいか少し寂しそうな顔をする一誠にムッとするイリナや、来ない理由をゼノヴィアが予想で教えるといったやり取りをしながら各々たい焼きにパクつく。

 

 すると噂をすれば何とやら、一人部屋の客間にしてはやはり豪勢な部屋の扉が開かれると、噂をしていたソーナが入ってきた。

 

 

「遅くなっちゃってごめんなさいね一誠くん、待った?」

 

「待たないと言えば嘘になるんで待ったと答えますけど、こうしてセンパイが来てくれただけで全部ノーカンです」

 

 

 一誠がマイナスとしての自覚を持って完全に覚醒する前の最初から一誠を意識をし、遂には猟奇的なまでの手法で互いを想い合う強さを確認する仲となり、覚醒した一誠の影響を最も強く受けている悪魔の少女にてマイナス……ソーナは既にたい焼きパーティーをしていた三人を見るやホッとした表情を浮かべ、その輪の中に入る。

 

 

「遅かったわね。一誠君を待たせるんじゃないわよ」

 

「ごめんなさい。案の定夕飯の後に父と母に呼び出しされちゃって色々と言われてたのよ」

 

「それはアレか、一誠に近寄るなとかか……?」

 

「有り体に言えばそうだわ。けど大丈夫よ、全部右から左に受け流したから。

今更一誠くんから離れるなんて私には無理だもの」

 

 

 そうにっこりと、若干イリナに対する牽制が籠った笑顔を浮かべ、当然の様に一誠の隣に座ったソーナは、ムシャムシャとたい焼きの腸部分から齧っていた一誠の頭を優しく撫でる。

 

 

「というか、もう離れた所で私は取り繕うのを止めちゃったしね。多分若手の悪魔の集いでも散々言われるんじゃないかしら?」

 

「だから離れないと? アンタの親がそれを認めるとは思えないけど?」

 

「そうね、最悪勘当でもされちゃうかもしれないわ。

けどそうなったらそうなったよ。もしそうなっても大丈夫な様に眷属達の事は姉に頼んであるし」

 

「用意が良いっすねセンパイ。俺だったら全部行き当たりばったりなのに」

 

 

 ソーナに頭を撫でられ、犬みたいに喜ぶ一誠の言葉にソーナは微笑みを続けながら言う。

 

 

「単純に無責任なだけよ?」

 

「だとしても今のセンパイの目、やっぱり素敵っすよ」

 

 アメジストの様な色をした瞳にマイナス特有の濁りが見えるソーナ。

 真実に到達させないマイナスのスキルに覚醒して以来、日を負う毎に一誠との波長が更に合っていく感覚がソーナは堪らなく好きで、こうして傍に居るだけで満たされた気持ちになる。

 

 だからこそ、実の親からの命令だろうが悪魔全体の総意だろうがソーナは一誠の傍らを選ぶのだ。

 

 

「ちょっとアンタ! こうしてアンタとくっちゃべるのは吝かじゃないけど、一誠くんと良い雰囲気になるのは許さないからね!」

 

「わ、私を忘れてもらうと困るぞ……無視されるのは辛いんだ!」

 

「あら、一誠くんが望んでるのであればその意思を尊重するんじゃなくって?」

 

 

 まだ健全な精神回路を持つゼノヴィアを除いた全員が、どうしようもない駄目(マイナス)を持つ者であるが故に。

 

 

「ちなみに明後日にはサーゼクス様と面会できる様だから、それが終われば帰れるとおもうわよ?」

 

「明後日かぁ……つまり明日もこっちに居ないと駄目ってか」

 

「居づらい?」

 

「居づらいと言いますか、ほら……初見でセンパイのご両親に嫌われましたからねぇ。

そんな奴が居ても空気悪くなるだけと思うと、ねぇ?」

 

「初対面でいきなり失礼かましたアンタの両親と顔を合わせるのは確かに憚れるわ。悪魔ってのは不躾な連中ばっかりね」

 

 

 同族嫌悪より同類意識。

 マイナス達は他者から疎んじられるからこそ、独特の結束の固さを見せる。

 それこそ例え裏切られても笑って許してしまう程には。

 

 

「父と母については申し訳無いと思ってるわ。

けど、今更認めて貰えるなんてムシの良いことなんて考えてなかったし、ある意味予想通りじゃない?」

 

「ええ、寧ろ好意的だったら逆にビックリですし」

 

「否定はできないけど、あんなバイ菌を触るような目を無遠慮に向けられるのは頂けないわね。しかもイッセーくんにだけ」

 

「私達の場合、一応元悪魔祓いだったからなのか特に何も言われなかったな……」

 

「だから何も無いイッセーくんだけに言ったんでしょ。ホント面白くも何ともないわ、せっかくの夏休みだってのに」

 

 

 

 

 

 弱いし只の人間――だけならあそこまで言わなかった。

 しかし娘が――人間界の学舎に通ってから『何かが』急激に変化した娘が連れてきた只の人間は、悪魔が見ても最低最悪なタイプの人間だったから、両親は反射的に出てしまった嫌悪感情をぶつけてしまった。

 

 

「ソーナの様子が変わったのはあの人間のせいだろう」

 

「間違いないわ。ソーナの変化した様子と、あの人間の放つ雰囲気が一致してるもの」

 

 

 シトリー家の寝室にて、夫婦は神妙な面持ちで、ソーナが連れてきた人間の男についての討論を行っていた。

 ネガティブな意味での印象を互いに言い合ってるという意味で。

 

 

「ソーナの眷属の子達に聞いてみたが、やはりあの人間の少年に影響を受けているらしい……と口を揃えてた。となるとやはり、彼を排除すべきか……」

 

「近づくなと言っても聞かない場合の措置ね。

ソーナに関する――いえ、我々に関する全ての記憶を操作して消去すれば一番穏便に済むのだけど……」

 

「あぁ……あの少年の兄がリアス嬢の赤龍帝の兵士でコカビエルを打ち倒した将来性のある青年だというのに、その弟がまさかソーナに付きまとい、あまつさえアレだ……。

どうせなら兄の方と仲を深めてもらってた方が良かったくらいだよ」

 

 

 既に悪魔にすら嫌悪感を持たせる程の退化が、ソーナの両親をこう考えさせている。

 兄と比べるまでもない愚弟で、どうせなら兄の方をソーナが獲得していればという厳しい評価。

 

 本人達が聞いたらケタケタと腹でも抱えて笑う事案を真面目に話し合う両親だが、それもこれも娘が心配だからこそだった。

 

 

「明後日には帰る予定らしいし、その後ソーナに二度と彼に接触するなと厳命するか……?」

 

「勿論それが良いとは思うけど、今のソーナがそれを素直に聞くかどうか……。

聞けば両親に見捨てられた彼を自宅に住まわせてる様じゃない? あの元悪魔祓いの二人組と一緒に」

 

「年頃の娘の部屋に住む図々しさか……一筋縄ではいかなそうだ。

ソーナも変な男に引っ掛かってしまって……はぁ、そんな風に育てたつもりは無かったのだが……」

 

「その間違いを正すのも親の役目よ。頑張りましょう」

 

「うむ」

 

 

 しかしそれも遅い。

 何もかも遅い。

 

 ソーナはもう影響され始めてるでは無いし、そもそも影響されたとかされてないとかいう問題ではない。

 

 ソーナという少女は、実の肉親すら気付けなかった重大なる欠陥(マイナス)の素養があったというだけで、一誠という少年と出会ってそれを隠すのを止めただけなのだ。

 

 つまり――

 

 

「Aの3カード!」

 

「「「パス……」」」

 

「よし! トドメに5のスリーカードでまた私が大富豪だ!」

 

 

 元々ソーナは悪魔を下回るマイナスなのだ。

 

 

「ゼノヴィアさんと匙くんとセンパイのおねーさんの配られるカードが良すぎてクソゲーなんだけど。俺もう15回連続大貧民なんだけど」

 

「私と紫藤さんが貧民と平民を争ってるのも変わらないし……」

 

「大体なんでJ以下のカードしか引けないのよ。このトランプ、イカサマの細工でもしてんじゃないの?」

 

「お、俺は何もしてないぞ!?」

 

「私も普通にやってるつもりなんだけどな……☆ というか、ソーナちゃんって昔からトランプゲームが強くなかったような……」

 

「ええ、ポーカーにしてもブタばかりでしたね、久々にさっきやったらツーペアすら引けなくなってるし」

 

「それ、俺もっすよセンパイ。人生ゲームやっても借金マスばかりに止まるし、なんなんすかね?」

 

「昔から肝心な勝負事に負けちゃうんだけど、不思議よね~?」

 

 

 混沌より這い出るという過負荷(マイナス)

 

 

「あのさ、一誠君だっけ? 聞いた所によるとそこのお二人とソーナちゃんの家に住み出したらしいんだけど……」

 

「へ? あぁ、実家完全に追い出されましたからね……。あの、誰だっけ? あーし……だか何だかの女の子がお兄たまのお陰で引き取られる様になってから、両親からその子に悪影響だから金渡すから好きに生きろって言われちゃいましてねー……」

 

「そ、そんな事言われたのかよお前……その引き取った奴ってアーシア・アルジェントだよな?」

 

「そうそうそんな名前だ! 流石匙くん! 色々知ってて助かったよ!」

 

「い、いや、それよりお前実質親に勘当されたんじゃ……」

 

「だからソーナちゃんの住んでる部屋に……というのはわかるんだけどさ、その……まさかとは思うけど寝る時は一緒に――なんて無いよね?」

 

「まさかぁ! あるわけ無いじゃないですか! そりゃ確かに叶うなら毎日だってそんなシチュエーションにあやかりたいですけど、お世話になりまくりな上にそんな事までやってもらったら俺もう恩返しに死ぬしかできませんよぉ! ねぇ?」

 

「ええ、一緒には寝てませんね」

 

「確かに一緒には寝てないわ。別々ね」

 

「うむ……それは保証する」

 

 

 

『…………。(一誠君が寝付いた後、寝惚けて寝室に行って、寝惚けて一誠君が寝てる布団に入っちゃう事なら毎日あるけど)』

 

 

 終わり。




補足

原点という意味で、スキル以外はマジで貧弱。
喧嘩も弱いし、勝負でも負ける。

ただただ逃げるに特化したのがマイナス・イッセー

その2
故に対人からの第一印象は基本マイナス。
でも本人はもうそれも含めて受け入れて制御を止めたのでどうしようもない。

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