やはり俺の学園都市生活はまちがっている。   作:鴇。

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アレイスター回です。

しっかし何回見直してもアレイスターの違和感といいますか…

本来しゃしゃらないキャラだからでしょうか…(;´・ω・)ウーン・・・



追記。文法作法のしゅうせいしましたよー


通達

第4話

 

 

 

 まぁ、そんなこんなで学園都市のショッピングセンターに来たんだが。やけに視線を感じる。

 

 まぁ、横にかなり美形の女子がいるからな、でも、性格やばいよ? これが好きになるならMだと認めなきゃいけないレベル。

 性格残念系美少女乙ww

 

「何か不快な事を考えてないかしら?」

 

「い、いやいや、そんなわけねーだろ! なんか視線を感じるとおもっただけだ!」

 

 なんでこいつ俺の心読んでるんだよ、氷結能力者って嘘だろ。

 

「そうかしら? 私は感じないけれど」

 

 それもそうだろうな。俺特有の性質なんだから。多分。ぼっちだからってのもちょっとかなり全然あるけど。

ちょっとかなり全然ってなんだよ。日本語の乱れだ。わーいリア充になれたよー!(棒)それにしてもなぜ彼らは日本語を正しく使ってやらないんだ。(迫真)

 

「そ、そんなことより、ショッピングセンターとモールって何が違うんだ?」

 

「厳密な規定や規則はないそう。」

 

 なんで知ってるんだよ、というか、そこは規定とか無いんだな、これを機に話が発展……とかなじられるのかと思ったら普通じゃねぇか、いや、Mじゃないよ? ホントダヨ?

 

「いや、なんで知ってんだよ、さすがユキペディアさん」

 

 こいつ博識すぎね?できた奴だな、顔も良いし。

 

「このくらいの一般常識はわきまえておくことね。後その呼び方やめて頂戴。凍りたい?」

 

「え、なに、最近はそんなことも勉強するの? というか、能力が氷結だから自分のキャラもそうしようとしてんの?」

 

 勉強熱心だこと

 

「一般常識と言ったのだけれど……まぁいいわ、それ以上いうと燃やすわよ?」ギロ

 

「ごべんなざい…」

 

 

 

 多重能力者かッ!!そんなことよりコイツ怖すぎだろ。今の本気の殺意だぞ ?視線だけで凍て死にそうだわ。そそるわ。あ、ごめんなさい冗談です。

 

 

「それでいいのよ、では、いくわよ」

 

 いや、お前が先に出たら迷子になるだろ。

 

 

 まぁ冗談はさておき。

 

「金下ろすの忘れた。」

 

 また罵倒されるかと雪ノ下を見るがその手には。

 

スッ[預金通帳]

 

「……おいまさか、俺のじゃ……」

 

「いえ、それはそうなのだけれど、机の上においたままあなたが部屋を出ようとしたから、とってきてあげたのよ?」

 

 

「お、おう、助かったわ……いやおい待てよ、もっと先に言えよ!」

 

助かるわ、とか思ったけどなんで今まで隠してたの。会話してる最中ずっとほくそ笑んでたの? 何それ怖い。というより冷たい。

 

「あら、いいじゃない、私はあなたが辟易する顔をみて楽しめたわよ?」

 

 

 正直過ぎて心が晴れるわ。でもこの過ごしにくさったら真夏並みだな。真夏の湿度ほんとに大嫌い……

 

「お前ほんとに性格悪いな…まぁいい、そこらへんにATM的なのはっと……」

 

 ショッピングセンターなんだからそのくらいすぐあるはずだと思案して顔を巡らせれば、やはりすぐそこにある。

 

「お、あった」

 

 ということで預金通帳入れて残金を見てみると。

 

「に、200万…?」

 

 桁間違えてねぇかおい…いやでも待て、俺は仮にもLevel5…あり得るのか? と思っていたら

 

携帯「ダーレヨリモチカクーニイタ♪」

 

 家族でもない…誰だ? トモダチ?ナニソレウマイノ?

 

 基本的に知らないのには出ないが、なんとなく、でなければいけないような気がした。

 

「はい、比企谷です」

 

『おはよう。新しいLevel5イマジンワールドの比企谷八幡。確か君は原石ではなく、磨かれたダイヤだそうだね。

奇妙なことに、数ある原石の中で最も特殊な原石の人間もイマジンという名をその右手に宿していたよ。まぁそもそも彼はただの原石ではないのだがね』

 

 その男は、その右手を世界の根幹、磨く磨かない以前の石だと比喩した。それこそ原石のあるべき姿なのだとでもいうように。

 

 よし、切ろう、嫌な予感しかしない。

 なんなら今の今まで我慢した俺を賞賛してほしいくらいだ。実際結構聞いたし。なんかカッコよく語りを始めて一人で終わったんだ。キリよくちゃんと終わらせてあげるべきだろう。

 

 と、通話終了に伸びかけた指を止める声がした。

 

『おっと切らないでそのまま聞いてほしいことがある』

 

 抑揚のない声が続く。機械的というわけでもなく、声の抑揚というよりは感情の抑揚が無い。ただただ中性的な印象で、でもそれが安心感や中立に全く繋がらない、奇妙な声だった。

 

 そんなことよりも、俺の行動が筒抜けになっている。僕のプライベートはどうなってるんですか。いや、詐欺師的テクニックかもしれんけど。

 

 まぁブラフだということもある……慎重に言葉を選ばねえと。

 

「なんだ」

 

 慎重でもなんでもないな。ただの疑問符だ。

 

『今君は預金通帳の残高に驚いているだろう。まぁ君は何せLevel5だ。20万なんて額じゃ割に合わないだろう? なに通帳に細工する事くらい容易い』

 

 コイツは俺の何をどこからどのように、何を使って俺を見ているんだ。見当こそつくが、不可能と言わざるを得ない程の可能性ばかり。

 

 

「おいまて、お前どこから俺を見ている」

 

 この手のタイプはおそらく全て真実をいってくるタイプではない、ならば削げるだけ削いだ情報だけを手にする。

 

『どこ、といっても君は信じないからいっても意味がないだろう、おそらくね』

 

 あぁ…これは無理だ。情報戦で勝てない。相手がバカじゃない。見栄を張って情報を垂れ流して足元をすくうなど。できない。

 

 これは本当に監視しているのだろう。そうであるとすれば監視カメラ、機械類だ。でもそれは自分で否定している。

 

 俺は『自分に対する認識』に対してはめっぽう強い。

 そういう能力の持ち主だからか、視線を向けられただけで俺はその相手の位置や俺に対する認識の在り方が分かる。

 監視カメラに対しては見られている箇所から推測して場所がわかるが、こういう場所では遮られる。能力者がたくさんいるこの空間のAIM拡散力場が俺を捉えているからだとおもうが、そこまで人ゴミが多くないところでもそうだったような気がする。謎が増えたな…

 

 どちらにせよ今回は。このショッピングセンターには行った時から、そういった『監視』というような認識はされていなかった。

 という事はつまり、監視カメラなどがAIM拡散力場に隠れている完全電子制御の類となる。

 

 だがそれもない。ありえない。

 今俺はお金を下ろそうとして下を向いている上に、この電話の怪しさを察知した瞬間、つまり預金通帳のことに関して話し出した時に

 

 『雪ノ下を除く世界の全てからの認識から排除される存在』と認識させたはずなのだ。

 

 

 だがそれが通じていない。

 

 無論その穴を突くことはできないでもないだろう。でもそれにしてもなにか視線や新たな認識を感じるわけでもない。

 

 つまり。

 この世界じゃない何か。

 あるいは雪ノ下。

 

 二つとも突拍子すぎて笑える。

 不可能と呼ぶ他ない上に、この世界のものではない何かに俺は鑑賞できるのだろうか?

 

 しかも雪ノ下に関してはマナーを守って俺の預金通帳の中身が見えないように俺から距離をとって佇んでいる。

 当然、携帯も触ってないし、口も動いていない。ボイスチェンジャーや録音機にしても昨日学園都市には入ってきた雪ノ下にはそれは不可能だろう。

 

 

「どうなってんだ、お前は何から、何を通して俺を見てる」

 

『答えても君は信じないと言っただろう』

 

「じゃぁ、もう一つだけ質問させてくれ』

 

『答えられる範囲で答えてやろう』

 

「原石の中でも特殊な原石。そもそもただの原石ではなくそれこそが本来の姿と言った、それ。はなんだ?」

 

『まぁ、聞くとしたらそこしかないか…』

 

 なにか他の質問を想定していたのだろうか、拍子抜けしたような声になった気がする。

 

『その程度なら答えてやらんことはない。なに、君はもう彼と出会っているさ。昨晩鉄橋でであった2人の男の方さ、名前は上条当麻』

 

あいつも……原石……

 

 と、ここで思案するような呻き声が聞こえて来る。

 そして中性的な彼はにこやかに。

 いや、正確には声のトーンも何もかも変わってない。しかし確実に変化がある。

 

『…そうだな…サービスだ、もう一人の女の素性を教えてやろう』

 

 あの猫好きの電撃姫か。

 サービス。とは言ったがむしろ与えておくべき情報だと、最初から準備されている原稿を読んでいるような気がした。

 

『彼女は第3位のLevel5、超電磁砲の御坂美琴だ。また会う事もあるだろうから助けてやってくれ。』

 

 は? 助ける? 意味が分からん……つーかあいつLevel5なのかよ、どうりであれだけの力をな。

 

「助けるってのはどういうことだ、上条って方を助けるならまだわからんこともないが……」

 

 だが予想に反して嬉しそうに答える。非を認める

 

『そうだな、間違ってしまったな』

 

 底が知れない。何を考えているか一つもわからない。

 

 

『君は頭が回るようだ、生憎がもう本題に入らせてもらおう。私は本来他人にはあまり関わらない主義なのだが、君がそこに居るというのはどうも誤差が大きくてね。』

 

 ここに居ること。それはきっと電話している場所とかそういう話じゃない。生まれてきたことそのもの。それすらに、彼は誤差と言っているのだ。神の御業を知っているとでも言うように。

 

『この街の舞台裏を支配したくはないか?』

 

 

 

 

 

 

「この街の舞台裏……」

 

「意味がわからん。舞台裏というからには怪しい仕事とかわんさかあるんだろ。でも今怪しさムンムンのお前に頼まれてやるやつがいるか? 怪しいからこそ信憑性があるというのも理解できる。でもな、目の前に日常が転がってるのになんでわざわざそれを投げ出すんだ。理にかなってない」

 

 俺は当然、働きたくないからそんなもの否定する。というか、普通に怪しすぎるじゃんこの会話。

 

 

 

『そうだな、いわゆる暗部というやつだ。仕事は護衛から暗殺まで諸々。いや心配するな君なら難なくこなせる仕事ばかりだ』

 

 

息をするように暗殺、と言う電話越しの男。ついて行けない……というか、ついていけるやつとか犯罪者だろ。

まぁそういう勧誘なんだが。

 

 

 

「テメェ……狂ってんのか? 昨日学園都市に入ってきたばかりのやつに暗殺だって? 馬鹿にするにもほどがある。そもそも俺が人を殺す理由が、メリットがないだろ」

 

 

 

『至極真っ当な意見だ、だからこれは事前情報のようなものだ』

 

 

 

 それは暗にこれは最初の一手に過ぎないと、しかしお前は既に詰みなんだと。そう揶揄している。

 

 

 

 なんとなくそう言われているような気がして俺は否定する。

 

「何が事前情報だ、俺がいつか暗部に入るってのか?万が一にも俺は暗部には入らん」

 

 

 

 だが笑う。男は嬉しそうに笑う。何が面白いのか。それが俺には理解できず、しびれを切らして問う、問うてしまう。

 

 

「そもそもお前は一体なんなんだ、何がしたいんだ、それにこの200万。ただLevel5だからというわけじゃないだろう。前金のつもりか?」

 

 それでも男は愉快そうに笑う。

 

 

『質問は一つずつするものだぞ?まぁいい、一つ目の質問の答えだが、私の名はアレイスター。アレイスター=クロウリーだ。この学園都市の長、統括理事長だ。

二つ目の質問についてはそうだな、前金…まぁ大体そのようなものだ。謝礼金と言ってもいい』

 

「もう一度いうが俺は暗部には入らない。」

 

 働きたくないとかそんな理由より以前に。殺しを容認するなんて、テレビの向こうならまだしも、自分で肯定なんてできない。

 

「まぁ、それはいいとしてだ、統括理事長?そんなやつがなんでまた俺を暗部に入れようとする」

 

 当然だが八幡はこの時何も知らなかった。

 

 アレイスター=クロウリーなる人物が世界最高最悪の魔術師だということも。

 同じように最高最悪の科学者であることも。

 

 

 彼が『プラン』を進行する足がかりに八幡という邪魔を利用しようとしていたことも。

 

 その『プラン』が八幡の存在がある故に大きく進み出していることも。

 

 

 それがこの街、国に、世界に、にどれだけの影響を及ぼすのかも。

 

 

 

 

 

 アレイスターが八幡にコンタクトをとった真の意味も。

 

 

 

 

 だが平然とアレイスターは嘯く。偽る。

 

 

『君の力は暗部に多大な利益を生むだろう、暗殺なんてもってこいだ』

 

 

 

 狂っている。そういう風にしか思えない。

 

『だが今暗部に入らないというのは、予想していたことだ。また機会がある。その時、お前は私を恨むのかもしれないな。その時が来ることを祈るよ』

 

 そして一方的に通話は終了し、八幡は時が止まったかのように一人呆然と立ち尽くしていた。

 

 なんなんだよこの胸糞悪い感じは。何が暗殺だ…そんなことこの街じゃ普通に行われてるって言うのか?

 

 

 

 そもそもだ。アレイスターとかいうやつはこの街のトップ(らしい)。それが暗部を管理、使役し、利益を生んでこの街を支えている……と?

 

 

 この街に来る前にいろいろと情報は集めてきたはずだったんだが……まぁ観光気分での情報収集だが。

 

 その中で見たきな臭い噂は。外の世界が想像するよりも暗く、湿って、腐り切っている。

 

 と、ここで思考を遮る声がする。雪ノ下だ。

 

「早くしてくれないかしら、あなたお金を下ろすのにどれだけの時間をかけているのかしら?」

 

 

 さっきまでの話をするべきじゃない…よな。

 当たり前だ、普通は関わらない世界なんだ。逆説的にLevel5は全員と言っていいほどに、間接直接に関わらず何かしらの交渉がある、と考えられる。

 

 

「ん、あぁ、いや、すまんな、タイミングの悪い事に電話がかかってきたんだよ」

 

 

 まぁ適当に流しておくのが得策だな。

 

 

「そう……それならいいのだけれど」

 

「まぁそういうことだ」

 

 疑惑の目を向けられながら八幡はそのまま続ける。

 

 なんか、裏切ったみたいでむず痒い。別に長い付き合いとかでもないが。

 

「じゃあ、お金も下ろせたことだし、買うもん買って早く帰るぞ、この人混みにもそろそろうんざりしてきた」

 

「ええそうね、では行きましょう」

 

 

 

 その買い物の途中いろいろと考えていた俺だが、俺にはこの街に何があるか、何をしているのか、到底わかるわけもなく、俺はこの明るい雰囲気のデパートが終わらないように願うことしか出来なかった。

 

 

 

 はっきりと断ったものの。俺は少しだけ、ほんの少しだけ、気分が高揚してしまっていた。

 

暗くて、湿っていて、腐っている……か。しかしまぁ、なんとも俺らしいな…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アレイスターだお!

☆さんの登場!

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