やはり俺の学園都市生活はまちがっている。   作:鴇。

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今回は短めです。

近頃忙しかったりしてですね、はい言い訳です、頑張ります。

それと俺ガイルの方も発売日が来ましたね。

いろはすかわいい。超かわいい。

長く続いたら、ですがいろはすメインの話も考えております。ではでは


集い

第15話

 

 

 

 ちなみに怪我から三日してようやく意識が戻ったとか、そう言う事ではなく、その日の夕方には俺も材木座も意識だけは健常だった。やけどや切り傷はそう簡単にいかないが。

 

「でだ、材木座、お前の戦った相手だが」

 

「うむ。ルーンの使い手、しかも火だった。我と同じぞ」

 

 

「へぇ、お前パイロキネシストだったん?」

 

無能力(Level0)者だとばかり思ってたわ。パーソナルリアリティっていうくらいだから中二病患者はもしかしたら強いのかもしれん。

 

「で、強度は?」

 

「それが3程度でな……」

 

「そこは喜べるところじゃないのかしら?」

 

「いや、雪ノ下、こういうやつは大抵超能力(Level5)者になれると信じているんだ」仕方ない。うんうん。

 

 別に信じてはなかったが、最初っから能力者だったとは思わなかった。

 

 

「欲張りね……」

 

 つまりここには軍隊と渡り合えるLEVEL5のもう一人と、戦術的価値を得られるとされるLEVEL4、そして、優等生扱いされ始めるLEVEL3とがいる。

 ……だが、俺はまだ自分の能力を扱い切れていない。

 

「話が逸れたな。その炎のルーン使いだが、それ以外にも何か分かったか?」

 

「そうだな……」

 

 

 喋り方が鬱陶しいから省略するが、材木座の話で分かった事は、ベランダのシスターについて話すとブチギレる事と、『人払い』の事、後は修道服であったこと。

 

 

「こっちも似たようなもんだな、シスターの事になると気が荒れるやつだったし、人払いのことも言っていた」

 

 

「そういえば、20人といない聖人とも言ってたな」

 

「聖人、というと人格高潔で、徳が高い……だったかしら?」

 

 

「有名どころでいえば、聖母マリアとか聖ヴァレンティヌスとかか?」

 

「まぁ、そうね、修道服はキリストのものだったのかしら?」

 

 

「俺が見たのはまだ痴女……神裂火織だけだから分からん」

 

 大袈裟な話、服なんて着てないも同然だったからな。あんなのプレイをアナグラムしたやつされても文句言えねえぞ。たぶん過剰防衛で捕まるのはアイツだろうが

 

 

「ふむ……詳しく知らんが、キリスト教徒のものしか見たことがないし、多分そうなんではないか?」

 

 適当だなおい……

 

「……はぁ、まぁそこはいいわ。そんなことより貴方達これからどうするのよ」

 

 雪ノ下は俺達の度胸を試して聞いているのだろうか。なら聞く相手が間違っている。

 

「……そうだな、どうする材木座」

 

「何か問題があるのか?」

 

 材木座は、はきっきりと拳を握り震わせならが言った。恐怖もそうだが、きっと今から起こる波乱万丈な何かに期待しているからでもあるのだろう。中二病だからというのが原動力にあるのかもしれない。

 だが、俺は手伝ってやると言ったんだ。一人で勝手に逃げるわけには行かないだろ。

 わかっていたことだが、軽く決意を固めて応じる。

 

「……だとよ、んじゃ決定だな」

 

「あなたいつも外出るのもだるそうにしているじゃない」

 

「無責任に頼まれた仕事を放棄するのは得意だ。でもな、これは材木座一人でどうにかできる問題でもなく。俺がいるかどうかで変わってくるかもしれない問題なのかもしれないんだ。だったら、やってみてもいい。それで失敗した時の責任は全部材木座に押し付ける。それだけだ」

 

「……はぁ、あなたらしいわね」

 

「八幡……お前最低だな」

 

 だがその前に大きな問題がある。

 

「俺らいつ退院できんの?」

 

 

 

「……それなら大丈夫よ、強引に抜け出せばいいじゃない」

 

「ふぁっ!?」

 

 

「お前雪ノ下じゃないだろ!?」

 

「馬鹿ね、冗談よ、明日にでも出ていっていいと言っていたわ」

 

「……」

 

「じゃ、今日はこれでお開きということで」

 雪ノ下は呆れたように言う。なんでだよというふうに雪ノ下を見た。いや疲れてるから解散が早いに越したことはないんだが。

 雪ノ下が左手首に巻いている腕時計を見せてきた。

 

 その針が指す時刻はもう既に夜の9時だった。

 そんなに寝ていたのか。

 

「では、失礼するぞはちまん!!」

 

「あぁ、また明日な」

 

「我とはちまんは幾星霜のときを…………」

 

 ……よくそんな恥ずかしい事病院で言ってられる、というか叫びながら走んな。病院では静かにしなさいって習っただろ

 

「……私も眠いから、寝させてもらうわ」

 

「あぁ、じゃあな」

 

「いえ、その」

 

「ん?帰らないのか?」

 

「ここに泊まるつもりだったのだけれど」

 

「なんでだよ……」

 

 いやほんとなんでだよ。寮に戻ったらいいじゃん。一人で自由にできる権利を放棄するとか考えられん……

 

「あなたはこの暗さで女子一人をかえらせようとするの?」

 

「しかもあなたをつけ狙っている誰かさんもいるかもしれないのだし、もしこのまま帰ったら共犯者として私も殺されかけるかもしれないのよ?」

 

「え……」

 

 そうか、落ち着いて考えると一理ある。というか今帰るメリットがないまである。いや、俺が一人になりたい。はい論破!

 という冗談はさておき、実際ここを襲撃されても二人いたらなんとかなるかもしれないし、止まっていった方が安全なのかもしれない。

 

「まぁ、そうだな、泊まってけ」

 

「何をそんなに図々しい……あなたの部屋でも無いのに、最初からそのつもりよ」

 

「そうかよ……」

 

 

 

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 深夜二時。

 

「…………はっ、悪夢で覚めるなんて小学生かっての……」

 

 ふと太ももあたりに重さを感じた。雪ノ下が俯いてベッドに寄りかかるようにして寝ていた。

 

「雪ノ下……お前、俺が病院に来たのって昼すぎくらいだったろ」

 

 材木座はいつ目が覚めたのか知らないし、知る気も無いが。雪ノ下はおそらく昼からずっと病室で俺が目覚めるのを待っていた。9時までずっと。

 

 もぞりと雪ノ下が動く。

 

「いい、よな?」

 静かに寝息を立てている雪ノ下の頭に手を置き髪を撫でる。

 

「……起きている時には言えんけど、なんだ、ありがとうな」

 

 昨日の昼だってコイツが駆けつけてくれなきゃ結構危なかったかもしれん。

 

 ……あの時点で人払いは解けてなかったと思うんだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




入院から退院までの集いとヒッキーがかなりゆきのん好きっぽい描写が……いやそのへんはこっちのさじ加減なんですけどね……

ちなみにヒッキーは人払いを感知できたりします。認識系の魔術だったりするので。さて、ゆきのんが駆けつけたとき人払いは解けていたのか……

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