バトルシーンってかっこよくかけないものですかね。それでいて俺ガイルっぽい感じの心理描写も織り交ぜつつみたいな。
かまちーとわたりんの文章って相性悪いもんな!(人のせい)
じゃぁどっちかによれよ、、ってなはしですが、うーん。、
第14話
「では八幡、何をするべきだと思う? とりあえずそのルーンの意味を調べようと思っていたのだが」
翌朝、早速作戦会議が始まった。雪ノ下も手伝おうとしてくれたが、材木座が困るだろうから断った。だってこいつ俺としか喋んないもん。
「いや、それは建設的じゃない。その意味を知ったからと言ってなにか被害を止めれるわけでもないだろ」
もしこれが本当に魔法や魔術、錬金術など、そういう類のものだったとして、それは俺たちに一朝一夕で理解できるものではないだろう。認めたくはないができるならやってる。というか、できるなら学園都市なんて不必要もいいところではないか?
「ふむ……しかし対策は練れないものか?」
材木座が溜息を吐きながら腕を組む。
「いや、どうだろうな、この記号だけで対応策が練れるほど俺たちには魔法とやらを知っていない」
「なるほど……いくら中二病と言っても、所詮にわかだからな……」
あ、それ言っちゃうんだ……
まぁでもその通りである。
そう、見当がつかないのだ。理解できるまでの時間も、タイムリミットも。そもそもの目的も。
正直何をしていいか全くわからない。消去法でいけばすることが何もない。というか、することすること無駄な気がする。
目的があっても方法がなくては何も進まないのだ。情報の量が少なすぎる。
材木座に釣られてついた溜息が風に流されていく。
ちなみに今俺たちは寮の屋上にいる。
下むいたら怖いとか思ってないんだからね!
別に部屋でいいのに材木座がこっちの方がカッコイイだろ? とか言い出すから渋々付き合ってやっていた。当然だがMAXコーヒーを奢ってもらった。
その缶コーヒーを煽りながら考える。
「最終手段……ってか最悪俺たちの方が怪しく思われるが、いいか?」
「うむ。構うか、叩かれるのは慣れておる」
「……そうか」
ちょっとかっこいいとか思っちゃうじゃねえか。
一息ついて俺は言う。っつかなんで慣れてんの。
「監視……簡単に言えばストーキングだ」
「……う、うむ……それはまずいのではないか……?」
「だから最終手段なんだよ」
動けない理由が全て情報量の少なさに起因している。ネットやらで魔法の使い方が出て来るわけもないし、襲撃者の行方も分からないなら、被害者側を監視するしかない。
「ふむ……しかしそれしか策がないのも事実……ふむ、背に腹は代えられないということか」
あ、やる方向なの? お前と俺の怪しさならすぐに通報されるよ? 馬鹿なの、死ぬの?
まぁ、全部こいつに押し付けるか。
「はぁ……仕方ねえか……」
「さすがだ八幡!」
いちいちうるせえよ。
「ちなみに今は修道服の女はどこにいるんだ?」
「それはだな……」
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「何だこれ……普通に家じゃん、住んでんの?」
そこには「小萌」と表札がかかっていた。
「いや、住んでおらん、修道服の女が引っかかった部屋の男が大慌てでここに入って行くのを見た。おそらく知り合いかそのあたりだと思う」
え……お前既にストーキングしてんじゃんかよ……ちょっとめっちゃかなり引くわ
「まだここにいるのか?」
「おそらくだがな」
それなら話は簡単だな。
「材木座、修道服の女が引っかかった部屋、どの部屋か分かるか?」
「わかるが……もしやお前不法侵入とかするつもりか……?」
「しねえよ! お前と一緒にすんな!」
「なんで我、してる前提なのだ……」
え? だってしてそうじゃん
「で、覚えてんのか?」
「まぁ、覚えておる」
「行くぞ」
材木座が勢い良く走り出す。
……なんであいつあんなに元気なの……
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「ここだ」
そう材木座が指差した標識に書いてあった文字は
上条
「マジか……こんな偶然」
学園都市で最初にであったのもコイツ、爆弾の事件の時もコイツがいた。
むしろコイツを疑いたくなるまである。
「なんだ、知り合いか?」
「いや、知り合いっつうか……色々あんだよ……」
だがこれはむしろラッキーかもしれない。
「全く知らない奴だった場合よりかかなりマシだな」
ストーカー呼ばわりとかマジで勘弁だしな。まぁそうなったら材木座盾に使うけど。
「では、この男の対処については八幡に一任する」
「それお前がコミュし……人見知りだからだろ!」
「ふっふっふ、我の持つ覇気は一般人には害があってな。我には近づけないのだ!」
「あーはいはい。すごいな」
こういうのは適当に流すのが一番だ。これ以上かまってやったらそれだけで俺の体力がそこを尽きる。
「んじゃ、まぁ、「小萌」って家の所に戻るか」
「うむ、身辺警護だな」
「……まぁカッコ良く言うとそう言う事だ」
ちなみにかっこよく言わなかったらストーキングである。
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道中「何かおかしい」そう感じた時にはもう遅かった。
「なぁ、材木座……ぁ?」
気が付けば誰もいなかった。
「人払いの術式ですよ」
凛々しい女の人の声が聞こえてきた。
「……なんだ、痴女か」
「コロス……」
地雷だったのかポニーテールの長身の女の人は持っている刀の鞘で思いっきり殴ってくる。
だって、ジーンズ半分切ってんだよ?! しかも上はカッターシャツをおへそのあたり、正確には胸の下で結んで止めているだけ。誰が見たって痴女に見えるじゃん!!
「あぁ、これ真面目な展開なんだよな……」
展開早すぎねえか? こんなに早くも中ボス出てきていいの? それとも雑兵? いや、それにしちゃコスチュームに気合入れすぎだろ。ほら、色違いでしか見けれないようなキャラをいっぱい出すもんでしょ? 違うってことはやっぱり中ボスかラスボスなんですよね……
そんなことより材木座はどうなった? 死んでしまったか?
「私の名前は神裂火織です。貴方は?」
「……比企谷、八幡」
「はちまんですか、いい真名です」
あんまり言われたこと無いな、痴女に俺の初めてを奪われてしまった。何ソレエロい。
「まぁ、何となくわかるが、俺に何の用だ?」
「そうですね、この件にこれ以上かかわらないで頂けますか?」
「……俺じゃなくて材木座に聞いてくれ」
どうせあいつならビビってすぐに逃げるだろう。そうタカをくくっての事だった。何それ材木座のこと信頼して無さすぎだろ。あ、俺か。
「体格のいい彼ですか……彼はステイルが相手をしています」
「ステイル……?」
敵は複数人いるということか。ルーン使い。と言うことはつまり、そいつは多分火事の主犯。だが神裂は刀を持っている。
神裂がポケットから何やら紙を取り出して耳に当てた。
電話のようなものらしい。
紙で電話、ねぇ……オカルトっぽくなってきたな。
「ええ、そうですか、いえ、こちらはまだです」
「はい、わかっていますよ」
バイト先の先輩と会話しているみたいな感じだ。この神裂ってやつは敬語が染み付いてるんだろうが。
しかし今襲ってもいいのか? スゲエチャンスな気がするんだが……
悩んでいるうちにいつの間にやら電話は終えていた。
「……電話中ですが、よく不意打ちしませんでしたね」
「あぁ、卑怯な男にはなるなってお母さんによくしつけられてるもんでな」
「今の相手、ステイルってやつか?」
「ええ、そうです、ついさっき体格のいい彼、材木座でしたか。彼は排除しました」
「……おいまさか」
「いえ、死んではいませんよ、ですが早く病院に連れていった方が懸命かと」
物騒な言い方するなよ。
「そんなに強いのか、ステイルと、お前らは」
正直、戦わなくて済むならそれでいいんだが、NOと言ったら即ぶった斬られそうだし、下手なこともできない。
「私は一応聖人ですし、ステイルもルーンを極めた魔術師です。貴方方素人に負けるとは思いません」
割とボロボロと情報を垂れ流すな。ということは向こうからすると大した情報ではないのかもしれない。だが情報の少なさに困っていた俺たちからすると状況を理解するには助かることだ。聖人だとか、ステイルは『ルーンを極めた魔術師』だとか。
「ですが私達もプロです。素人を相手に殺す事はありません。できる限り和解するのですが……彼は意識が途絶えるまで立ち上がってきたそうです。できればあなたにはここで引いていただきたいのですが」
「そうか……なら俺は手を……」
「引いてくれるのですか?」
引いて……いいのか? 材木座は知らぬ女のために命を張った。それなのに手伝うと言った俺が引いてもいいのか?
「引く? そんなわけ無いだろ。あいつは命を張って。俺は逃げる? そんな無駄死にみたいな事、させるわけには行かねえだろ」
「仕方ありませんね」
そう言った神裂は空気を変える。別段、なにかしたわけでもないが、明らかに変わる。先程までの猶予があった空気ではなく。空気そのものがきしみ出すような、臨戦態勢に。
幸い距離は5m程離れている。届く範囲ではない。刀身以上の距離を守ればまず当たらない。中距離攻撃なんて無いけど。
神裂が刀に手をやる。
集中しろ、武器を使うなら相手は異能の類ではない。
ならただの人間だ。まずは相手の手札を見極める。下手なことをしなければ俺が負ける道理は無い、と思う。
しかし神裂が鞘から刀を抜いた瞬間。
「ガ……ぁ、ああぁ! グ……」
「俺」は息も絶えだえになり地面に伏していた。その地面に目をやると七つの斬撃の跡がある。
一つ残らずコンクリートを抉っていた。
戦闘開始五秒で悪いが、負ける。いやぁ、こりゃまいった、正直全く理屈が分かんねえ。なんで切られたの『俺』
七回も切りつけておいてその一つも見えない。そんなやつに勝てる筈がない。
「勝てませんよ、今ならまだ病院に行けばすぐに治ります。引いてくれますか?」
こんなに力の差があるんだ、引いても、誰も糾弾しないだろ。しない、よな?
「……ハァハァ……分かった、降参……」
「する」
「わけねえだろうが!」
「不意打ちなら効くと思いましたか!」
あぁ、不意打ちなら勝てるさ、お前はまだ何も気づいていない。俺の姑息さに。卑屈さに、臆病さに。最初っから単身目の前で対峙するわけがない。
俺の力で作った模型を模型とも思わない。しかも既に背後に回られている事にも気付かない。
そんなやつに俺が負けるなんて、それこそ、無い。
「残念です」
そう俺の背後から聞こえた時には、目の前にいたはずの神裂は消え、体中に鈍痛がはしり、視界がぶれる。
「なんだ……それ」
明らかに人間の動きではない。背後に回ってもう数センチで相手を戦闘不能にできたのに。それを「避ける素振りすら見えない」それなのにいつの間にか背後から七回も切りつけられている。今度こそ本当に。
だが……おかしくないか?
「……分かったぞ、お前の剣技の理屈」
「わかったからと言ってどうにかできるものではないと思いますが」
かもしれない。だが相手は待ってくれるタイプの人間のようだ。時間稼ぎくらいは出来る。その間に攻略法を考える事くらいはできる。あ、早く材木座を病院に連れていかなきゃダメなのか。グッバイ材木座! 変態だけどいいやつだと思ってたぜ!
「お前のその剣、七回も切りつけてない。正面から切りつけた時も七回、今さっき背後から切りつけた時も七回」
「だからその何がおかしいというのですか」
「どうかんがえたっておかしいだろ。背後にいるんだ、チャンスなんだから八回でも、九回でも切りつければよかった」
「……」
「沈黙は肯定か? まぁなんにせよ、その刀で切りつけられているのではなく、今も俺の血がつたっているその七本のワイヤーかなんかで俺を切っていたんだろ? 刀を抜く動作はフェイク……」
俺の血が空中から垂れ落ちて地面にぶつかる。よく目を凝らせば太陽光に反射してワイヤーが見える。
「えぇ、そうです、ですが勘違いしていませんか? このワイヤーを隠すために刀を飾りのように持ち歩いているのではありません」
「この七天七刀を抜かないために、ワイヤー、七閃を『使ってやっている』んです」
「お情けだとでもいうつもりか。そんな上から目線な、殺す気マンマンの武器を持っておいて、よく聖人なんて言ってられる。マザーテレサが泣くぜ?」
魔術的な意味での聖人を知らないからこそ、素人だからこそのセリフだった。まあマザーテレサが聖人なのか知らんけど。
「……うるせえんだよ! 引いてくれれば全部いつものように綺麗に終わるんだよ!」
突然マジギレした神裂はそう言って刀に手をやる。正確変わりすぎだろ。ビッチかよ。
恐らくさっきまでのは力の半分も出していない。やっと全力で、それでも真剣は抜かず、ワイヤーで攻撃してくる。だが、俺も同じ手を何度も食らうほど馬鹿じゃない。
「ワイヤーが……動か」
「あぁ、動かねえだろうな、だってそれ、俺の物だから」
「何を……」
「言っただろ、返してもらうって!」
俺の能力は思い込みという『認識』がそのまま世界に現れる。能力者の根幹をの全てまとめたような力だ。
だから言い聞かせるように言う。俺がそう思ったらそうなるんだ。そりゃ媒体が必要になる。だがそれはもう相手が自分から条件を揃えてくれた。
「俺の血肉が付いてるんだ、そりゃ当然それは『俺の物』だろ?」
止めというふうに言う。
「『俺の物なんだから俺の指示以外では動かないにきまってる』だろ?」
そして蚕の繭のように自分の周辺に蠢かせる。
「まさか、先ほどの攻撃が仇になるとは……」
「仕方ありませんね、唯閃を使います、死なないで下さいね」
どれほどの力かは分からない。だが万全を期す。
手にしたワイヤーを全て『攻撃』にまわした。七本を七方向から攻撃すれば、守るために刀で捌かなければならない。
はずだった。
_________________________________
「……く…………」
声が、聞こえた気がする。体が揺れている。地面が熱い。手に生暖かい血の感触がする。
「ひき…………ん……だい……」
誰かが俺を呼んでいる。っつか今何してたっけ、さっき痴女に……
「……っはぁ! はぁ、はぁ……」
やっと息がしやすくなった。まだ視界がくらむ。顔を上げれば目の前の綺麗な女性が驚いたような顔をする。
「すみません、……服につけてしまい…………まし、た」
清楚そうな彼女の服に血を吐いてしまった。
そうだ、材木座……
「向こうに、材木……ざ、が……」
腕は、上がらなかった。指だけその方向に向けた。
「先に、あいつを……たの、みます」
「……比企谷君……分かったわ」
俺の名前を呼んだ気がするが、視界もぼんやりとして誰かも分からない。考えたくない、体中が痛い。
「あなたいつも笑わないのに、こんな時にカッコつけて笑って……」
その言葉が聞こえた時にはまた意識は遠のいていた。
_________________________________
「……知らない天井だ」
「そりゃそうだろうね?」
独り言のつもりだったのだが、誰か隣にいたようだ。
「ここは、どこですか?」
痛みを我慢しつつ起き上がる。
「僕の病院だよ、そんなことよりどういうことなんだね?」
「何が……?」
「百数メートル離れたところでは大やけど、またこっちでは切り刻まれた少年なんてね?」
「あ……! 材木座!」
「焦るでない、ここにいる」
……蹴り飛ばしてやろうか
そう思って体を起こそうとする。
「うっ……」
「まだ痛むだろうね? せめて怪我が治るまでは安静にしてもらわないとね?」
では、元気そうだし失礼するよ? と笑いながら出ていった。
「貴方達ね……無茶しすぎよ」
「あぁ、雪ノ下いたのか」
「えぇ、路上で倒れている二人を応急処置したのは誰だと思ってるの」
「……す、すまん、助かった」
「……まぁ、私が偶然通りかかって良かったわね」
雪乃は自分で言いながらも馬鹿な話だと思う。偶然通りかかるなんて、なんでそんな下手な嘘をついたのかわからない。だか胸騒ぎがして飛び出してきたというのも言いたくない。主に羞恥心が邪魔をして。
「まぁ、大事にはいたらなくて良かったわね」
これは本心だった。
「あぁ、そうだな、ほんと、助かった」
「ケプコンケプコン!」
なんだよ、うっとおしい。
「なんだよ、包帯野郎」
「これなのだ」
そう言って材木座が出した紙を俺たちはのぞき込む。
「はぁ、認めたくはないけれど、少し信憑性をおびてきたわね」
「おい、雪ノ下お前が言うとマジでやばそうに聞こえるからやめてくれ」
「こういうの待ってたんだぁぁぁぁおおおおおおおお!」
別マガと電撃だいおうじで連載中の若林先生の漫画好きです