西暦2021年前に転生したんだから科学者として頑張るしかないでしょ!! 作:namaZ
今年最後投稿になると思いますのでご了承ください。
では、どうぞ!
誰が予想出来たであろうか。
最初の十一体の子供たちが局員の裏切りで『木原』から逃げる為に世界中に散らばるなんて。
誰が予想出来たであろうか。
人権団体か知らないけど、精神的な安定の為子供たちと遊ぶ仕事の研究員が裏切るなんて。
誰が予想出来たであろうか。
裏切った首謀者がアドリアン君だなんて。
誰が予想出来たであろうか。
僕の行いを世間に公表するとアドリアン君に言われるだなんて。
誰が予想出来たであろうか。
その為だけに、至高の十一体を誘拐するだなんて。
誰が予想出来たであろうか。
裏切って世界中に散らばった日が西暦2021年の1月1日だなんて。
誰が予想出来たであろうか。
僕が全ての元凶だなんて。
「決められた運命は……確定した運命は覆らないとでも言いたいのか神様……。今日という日を覚悟していた。大勢死ぬのも分かってた。分かってるつもりだった!!……全ての罪を背負えと言うのですか神様?僕には……重い」
『木原』としてただ生まれればどれだけ幸せか。前世の想いが俺を苦しめる。
人間性が魂を通じ『木原』を侵食する。この重圧に押しつぶされそうだ。心臓が張り裂ける。
おちつけ……おちつけ、おちつけおちつけおちつけおちつけおちつけおちつけおちつけ。
心を落ち着かせろ。鼓動がうるさい、通常の心拍数に戻せ。
問題ない、何も問題ない。
こうなるって分かってただろ?落ち着けよ俺!!
なーに、原作より元凶がはっきりして清々するじゃないか。
自然発生より人為的の方が説得力があるじゃないか。
結果はもともと確定していた。過程がちょっと俺のせいになっただけだ。そう、僕のせい。
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!ネガティブだァ!!思考が暗過ぎるよーやばいよーヤバいくらい『木原』らしくないよ俺様!!『木原』はもっとこー……どんな状況にも不動に堂々とデータ収集を何より優先する科学者魂だ!!よしよしよしよしよし『木原』が勝ってきた……罪悪感も薄れてきた……脳も妙にクリアだ。『木原』に感謝だな。『木原』の技量と頭脳を持った唯の科学者じゃ俺の心が持たかったぞ。初めて神様に感謝だな。もうないと思うけど」
お、
アドリアン君も馬鹿だねー。何の為に一人一人に玩具渡したと思ってんの?何万何億の生物の遺伝子をぶち込んだ至高の十一体は人の似姿で国を亡ぼせる。それがガストレア化したらレベルⅣなんて甘っちょろいもんじゃない。正真正銘の世界を亡ぼせる怪物の誕生だ。そうなったらレベルⅤかな?
『とある』みたいだなレベルの格付けとか。
その場合どっちのレベル5が強いんだろうな……規模と破壊力とインパクトはガストレアだけど、生物じゃあり得ない能力を扱う超能力者もまた化け物。
ん~~……相性かな。考えても仕方ないな。
時間的にそろそろかな。玩具を失った子供たちはその身を暴走させる。父に対する裏切り防止がこんな形で裏目に出るとは、世の中ままならない。一人一人にあげた玩具はその子供の精神的安定と欲求を満たす役割をしていた。玩具を失ったあの子たちは、一気に自分が保てなくなり、玩具で無意識のうちに抑え込んでいた人以外の遺伝子が暴走する。そうならないよう、玩具にはマーカーがあり、無くしてもすぐ探し出せる管理体制になってたんだが。
俺から逃げる為マーカーの付いた玩具を施設に置いてきたなアイツ。
精神安定の部分は説明したと思うが、暴走ってのは言ってなかったな。
「ほんと、世の中ままならないな」
「お帰りなさいドクタ~。何かおっしゃりました?」
「なーんも。ところで沙希ちゃん、腰痛くてね。揉んでくれない?」
「私は運転するんで我慢してください。軍は予定通り軍事演習を行うようです。一応二時間後に開始されますが……」
「あぁ~問題ない。三十分で至高の十一体、『
「はぁ~」
「そんなため息ついてどうしたの沙希ちゃん?」
「いえ……ドクターの説明通りになら、この世界大ピンチですね~。渡された資料通りならその十一体は時間さえあれば世界亡ぼせますよ」
「アドリアン君がこんな行動に出るとは思わなくてね。対抗手段のバラニウムはだけど二週間後に発見したってことにして」
「怪しまれない為なら一週間でもいいんじゃないですか?大抵『木原』で解決しますよ?」
「それもそうだな。その辺任せるよ」
今日はもう寝よう。ベットに入ってぐっすりして、頭をリセットだ。
精神の疲労も厄介だな。アイディアが何も浮かんでこない。
そんな日は寝るに限る。
「ドクタ~」
「なに?俺眠いんだけど」
「悪魔のウィルスはドクタ~が発明……じゃなくて、発見したじゃなあいですか」
「……にっくきクソババアが作っちまったな」
「それを踏まえても、第一人者じゃないですか」
「そうだな。……なに言いたいの?」
「これから忙しくなりますし、何時までも悪魔のウィルスではまんまじゃないですか。私なりに考えてみたんですよ」
「ほうほう気になるね。君のネーミングセンスが試されるね。優秀な沙希ちゃんの命名だ。そりゃー心弾ませる凄いモノなのだろうね。ね、沙希ちゃん?」
「ねーねーうるさいですよ。それとなくハードル上げないで下さい。自分でも自信ないんですから……言って後悔してきました」
「余計気になるな。……そこ右に曲がって、マック食べたい」
「緊張感無いですね~。これから大変なのに」
「だからマック食べるんだよ。当分食べれそうにないからね。それに一応祖国には警告してあるよ。上の方も黙認するしかないよ、自国で秘密裏に開発されていた生物兵器が世界の人口を十分の一にするなんて公表も情報も残しちゃ置けない。俺だけに罪を擦り付けるにはもう遅いんだ。俺を社会的に生かし、活用するしかない。最初の三年くらいは情報混乱や重要施設の破壊で情報操作は容易。未来の利益を考えるなら逆に俺が更に偉くなる」
「結構政情に詳しんですね。実験馬鹿だと思ってました」
「馬鹿は酷いだろ馬鹿は。馬鹿と天才は紙一重だよ」
全種類単品で頼んじまった。食い切れるかな……お腹減ってるし大丈夫か。ちッ……あの店員シェイク入れ忘れたな?ストローもねーし最悪。けど態々シェイクの為に戻るのもな……安いしいっか。
「……んく、もぐもぐ……ごくん。あぁぁ……沁みるぜ……目尻から涙が……」
「なに変なところで感動してるんですかドクタ~」
「感動ついでにさっきのネーミング教えてもらおうか」
「……言わなきゃだめですか?」
「気になってウィルス対策に集中できないわ」
「い、言いますよ!絶対に笑わないで下さいよ!?」
「笑わないよ」
「うわ~信頼できない」
沙希ちゃん完璧超人なのにたまに変なの口走って墓穴掘るんだよな。
天然可愛い。
「悪魔のウィルスは感染者が悪魔みたいに化け物になるから悪魔のウィルスって言われてるじゃないですか。それだとイメージが悪いじゃないですか。医療方面やこれから生まれる感染した子供たちにも悪いイメージが付くのはかわいそうですし、悪魔ってだけでそこだけを見る人がやっぱりいるんですよ。少しでもそんな名前で傷つく人や誤解を招く人を減らすためにそうゆうのに関係ない名前を思いついたんですよ」
瞳の奥は輝き、自分が正しいと一遍も疑わない正義の精神。
化け物を生み出す悪魔のウィルスを人類の未来を必ず幸せにすると信じている。
そしてまずは名前を変更。
名前の変更は否定しないが、沙希ちゃんの思想は『木原』並みにヤバいモノを感じる。
「ドクタ~の名前から取ってもじったんですよ」
「俺の……名前から?」
俺の名前からか、もじったんなら俺って分からないかな?
そもそもそのまま採用するなんてきまってないけどな。
「ストレンファーナ=木原=ヴァンスガズをもじって……」
「『ガストレア』ってのはどうですか?」
魔法少女オブジエンド最新刊買ってきましたけど、色々ヤバいw