西暦2021年前に転生したんだから科学者として頑張るしかないでしょ!! 作:namaZ
途中で消えるかも……
生まれ変わるならどんな自分になりたい?
輪廻転生。
死んであの世に還った霊魂(魂)が、この世に何度も生まれ変わってくることを言う。
ヒンドゥー教や仏教などインド哲学・東洋思想において顕著だが、古代のエジプトやギリシャ(オルペウス教、ピタゴラス教団、プラトン)など世界の各地に見られる。輪廻転生観が存在しないイスラム教においても、アラウィー派やドゥルーズ派等は輪廻転生の考え方を持つ。
非科学的な概念。
以外にもその考えを信じる人が多い摩訶不思議な教えだ。
魂・精神・肉体。
まず注意したいのは、魂と精神はよく混同されがちだが、別の状態だということを理解してほしい。
どれも大切なものにはかわりないが、存在の大きさというかエネルギーの可能性の大きさから言うと魂>精神>肉体となる。
この世界で言うなら、魂は「無意識」、精神が「意識」、肉体はそのまま「肉体」。
「肉体」はまだ理解できる。
細かい部位や名称を省いて分かりやすく言えば、肉と骨と皮で構成されている。
「意識」は一般に、「起きている状態にあること(覚醒)」または「自分の今ある状態や、周囲の状況などを正確に認識できている状態のこと」を指す。
肉体と違い、その在り方は多種多様。
人が何かを成すには「意識」は欠かせない。
人の信念、意志をひっくるめて「意識」なのだ。
「魂」は曖昧で形のないエネルギー。
これは意識にも言える事だが、生きものの体の中に宿り、心の働きをつかさどると考えられるコレは、魂が在るから「意識」は人に力を与えてくれる。
それじゃあ「心」はってなっていくと更にごちゃ混ぜでよく分からない方向に行くのでパス。
そもそも心の拠り所、その在り方は、一人の人間では語る事は出来ない。
生命は有限であり終りがある。
魂は無限であり終りがない。
人間の肉体は有限であり終りがある。
人間の肉体に宿った魂は無限であり終りがない。
死ねば、魂は肉体より離れて霊界で生き続ける。
それでは自我を構成している「記憶」とは?
記憶は魂・精神・肉体のいずれとも深く係わっている。
記憶は肉体——————この場合は脳に保存されている。
脳は
魂と精神は補助記憶装置だ。
文章や写真や映像を保存している肉体は、
持論はこの位で冒頭に戻るが、生まれ変わるならどんな自分になりたい?
何でもいいんだ。
理想な『ヒーロー』とか?
カッコいいよな。困った人を、涙を流す女、子供を颯爽と助けてくれる。
別に無敵な『ヒーロー』じゃなくてもいい。
好きな子の為に精一杯努力し命を懸ける。唯一人の為の『ヒーロー』でもいい。
民衆から喝采と拍手を盛大にもらえる正義の『ヒーロー』。
好きな人に感謝される孤高の正義の『ヒーロー』。
どんな自分になりたい?
態々自分を犠牲にする『ヒーロー』になる必要もない。
無利益で人助けをする『ヒーロー』になる必要もない。
ひ弱で病弱だった者が、スポーツ選手や軍になりたいと思う者も居るだろう。
案外がさつな人ほど、パティシエや繊細な職人に憧れる者なのかもしれない。
人殺しに手を染めていた人が、逆に人を助けたいと思いレスキュー隊員や医者になりたい人も居るだろう。
だけど、人々が求める誠実な人間や、希望を与えてくれる『ヒーロー』になる必要はない。
こう言えば安っぽく聞こえるが、光は闇を求め、闇は光を求めている。
まことの光しか求めぬ正義の『ヒーロー』。
まことの闇しか求めぬ悪役の『外道』。
これは稀。希少種。絶滅危惧種。
光しかない人間は居ないし、闇しかない人間も居ない。
それを踏まえて、生まれ変わるならどんな自分になりたい?
■■■■には、憧れる理想像がある。
そうそれは、
——————科学者だ!!
悪の組織の科学者は非人道的な外道。
犯罪のための様々な兵器や装置、道具の開発。
欲求を満たすため一途に子供の様に頑張る姿。
正義の組織の科学者は人道的で人を愛している。
人々を想い、主にサポートに徹する。
けど、一発逆転の奥の手を何かしら開発している。
ありとあらゆるSF・アクション映画、漫画、アニメで科学者は例外なく重要なファクターだ。
科学者がラスボスだったりする。
俺はその在り方、何者にも縛られない知的欲求の精神に敬意を払う。
だけどよ神様。これはないだろ?
何だよこの仕打ち。貴方様は気分やなのはしってはいるが、これはない!
「ざけんなよおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「ドクターうるさいですよ~」
「うるせええええええええええええええええ!!文句があるなら責任者呼んで来い!!」
「その責任者はあんたでしょ~」
二度目の人生はなに不自由のない生活をしている。
科学者として専用の研究施設。人員に投資して下さる資産家と国家。
後ろ盾とパイプは有り余っている。
この世界が前世で暮らしていた普通な世界ならどれだけよかったか。
「ドクタ~こちらにサインお願いします」
「はいはい」
これは俺の戦いだ。
起こりうる戦争を回避——————は無理でも想定より犠牲を減らせる。
「横流し、兵器の売買、権力者への弱味……汚い事に手を染めてるなー」
「全部ドクターが率先してやりましたからね」
「そうだっけ?あんまし覚えてないな表向きはお前が主任研究員なんだし」
「そう、それですよドクター!そのせいで私見覚えのない人に恨み辛み持たれてるんですからね!」
「俺まだ子供だよ?交渉の際、まず舐められて話もスル—される。その点お前は実績があるしそれなりの繋がりもあったし丁度よかったんだよ」
俺の仕事場は日の光を浴びる事のない地下施設。
どこぞのアンブレラみたいな馬鹿でかい秘密基地だ。
俺の一族の遺産がこの施設に詰まっている。
「こんな可愛くもない子供初めてです。ドクターのお父さんには昔よくお世話になりましたな~」
「そういやー親父って何処にいんの?」
「マジに聞いてます?実験の事故でお亡くなりになったじゃないですか~しかも目の前で」
「物覚えする前に死んだか?」
「一年前でしょ!」
此奴は親父の元助手件俺の助手の……なんだっけ?
「
「サイコメトリーで思考でも読んだの?人の思考を勝手に突っ込むな」
「何年付き合ってると思ってるんですか~ドクター。顔に書いてあるんですよ」
「え、マジで、本当に?うっそだ~」
「ほっっっっっとに可愛げがないですね!」
これは神様の悪戯なら——————夢ならどれだけよかったか。
この世界は終わる。
最初っから詰んでいる。
「……なんでこんな世界に生まれちまったのかね」
「何か言いましたかドクタ~?」
「なーんも」
この世界の行く末は——————来るべき悲劇は俺だけが知っている。
癪だが、何もしなければ死ぬだけだ。
決められた未来を、少しでも希望のある未来に。
まずこの世界には不可思議な事がある。
原作を読まなくても分かる場違いな存在。
ノック音と共に白衣を纏った科学者が書類の束を片手に入室する。
「『木原』ドクター此方にもサインをお願いします」
子供でありながら大規模の研究施設と数多な研究所を任されているのは俺が木原だから。
木原は木原と言うだけで天才。
木原は科学者の中で異質だ。
でも、だからこそ、子供である俺がデカい顔できるんだ。
「あー、はいはい書きますよ書けばいいんでしょ。置いといて」
「了解です」
西暦2021年に人類は窮地に立つ。
人類史上最悪な時代が到来する。
「やれることをやるまでだな」
今年は西暦2011年。
十年しか時間は残されていない。