IS 進化のその先へ   作:小坂井

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諸事情により、ノートパソコンを手に入れました。これでいつでもどこでも執筆し放題です。



80話 燃え盛る都

さすが、日本の観光名所というべきか、京都には駅の時点で大勢の人がいた。その人混みをかき分けて進んでいき、駅を出る。

新幹線内で気合を入れたのはいいが、瑠奈本人は詳しい話は聞いていない。まあ、説明されたとしても聞き逃していたと思うが。

 

「・・・・で、どうするんですか?」

 

「あ、いいわよ。今は京都を満喫していて」

 

「ほう?」

 

「実は情報提供者を待っているんだけど、昨日から連絡が取れなくなってね。仕方がないから私の方から探そうと思うの。それまであなた達は自由時間でいいわ」

 

専用機持ちはともかく、一応引率である瑠奈が自由参加というのはいかがなものだろうか。だが、瑠奈が会議や集合をボイコットするのは日常茶飯事だ。そもそも、隻腕の障がい者をあてにすること事体が間違っている。

 

「じゃあ、お言葉に甘えて・・・・おっと!」

 

ここぞと言わんばかりに抱き付いてきたのは簪だ。姉が不在のこの状況を無駄には出来ないと意気込んでいる。

 

「瑠奈、借りるね・・・・」

 

「かんばって自分の魅力をアピールしてきなさい。あ、でもちょっと待って。ここで記念写真を取るらしいから来なさい」

 

楯無に腕を引かれ、京都駅前の長い階段の前に整列する。瑠奈の左右に楯無と簪が挟むようにし、その後ろには千冬が立っている。

 

「ほら、瑠奈君笑いなさい」

 

「こ、こうかな・・・・?」

 

「なんか・・・不気味・・・」

 

「はい、撮りますよ。はい、チーズ」

 

合図とともに、真耶が持っているカメラのシャッター音が響く。IS学園の専用機持ち全員と教員である千冬、そして小倉瑠奈(雄星)。こうして皆の絆に新たな記憶が付け加えられた。

 

だが、その絆ゆえに皆苦しむ。自分の大切な人と戦うことになった時に。果たしてその時、ここに居る者たちは引き金を引くことが出来るだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ど、どう?似合う・・・・」

 

「うん、似合っているよ。素敵だ」

 

「あ、ありがとう・・・うふふ・・・」

 

水色の振袖にベージュ色の帯。自身の雰囲気や幻想的な模様である水面ゆらしがイメージされている水色の着物を簪は身に纏っていた。観光客に対して、積極的なサービスが提供されている京都なのかこういった着物の体験までしているとは驚きだ。

 

「ゆうーー瑠奈は京都に来たのは・・・・初めて・・・・?」

 

「うん・・・私にとってあの孤児院と実験施設が世界の全てだったからね。こんなに綺麗な場所があるなんて知らなかったよ」

 

もし、あの施設で普通に過ごしていたら、瑠奈と一緒にこういう場所に訪れていたりしたのだろうか。今まで醜い物や汚い物ばかり見てきた雄星にとって、こういう優雅な光景は目の保養になる。

 

「瑠奈」

 

どこか寂しさを感じさせる目をしている瑠奈の手を繋ぐ。指と指の間を絡めるつなぎ方。俗に言う『恋人つなぎ』というものだ。

 

「私と一緒に、楽しもう?せっかく京都に来たんだから・・・・・」

 

「・・・・そうだね、今だけは・・・・ね」

 

こうして複雑に物事を考えてしまうのは悪い癖だ。作戦はまだ始まっていない。『亡国企業(ファントム・タスク)』もレポティッツァも今は忘れよう。今は目の前の愛しのものと楽しむことだけを考えていればいい。

 

「ほら、早く。この先に美味しいお団子屋さんがあるみたい・・・・」

 

「いてててっ、そんなに引っ張らなくても大丈夫だよ。時間はたっぷりあるんだから」

 

一緒に居るエストに影響されてからか、あのおとなしい日頃とは違い、妙にアクティブな様子だ。だが、そんなのもたまにはいいだろう。はしゃいでいる簪に引っ張られる形で瑠奈も後を追っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へえ、これが団子という食べ物なんだ・・・・」

 

エストと簪で調べた美味しい団子が売られている店前に置かれている腰掛けに座り、注文して運ばれてきた団子を物珍しそうな目で見る。

 

「え、知らなかったの?」

 

「写真とかで見たことはあるけど、実物を見るのは初めてだよ・・・・」

 

別に彼が世間一般からずれているのはわかっていたつもりだが、ここまで常識や認識がずれているというのも驚きだ。まあ、それが彼の魅力でもあるのだが。

 

「じゃあ、・・・あ、あーん」

 

「か、簪?」

 

「ほら、片腕だと食べにくいと思って・・・・」

 

確かに、運ばれてきた団子はタレがかけられているおり、普通は受け皿を使って食べるのだが、右腕のみの隻腕である瑠奈はその受け皿を持つことが出来ない。

だが、こんな店前の公衆の面前でアーンはいかがなものだろうか。

 

簪の初々しい行動に周囲の通行人がクスクスと笑っている。瑠奈は別に何も思わないが、目の前で真っ赤な顔をして団子を突き出している簪を見ていると、少し心配になってくる。だが、渾身で捨て身な一撃に応えてあげないというのもそれはそれでかわいそうだ。

 

「じゃあ、いただきます。んむっ、美味い!」

 

ご厚意甘え、突き出されている団子を咥える。なんだか、こういう恋人行為に慣れてきている自分がいる。そしてこうしていると、思い出してくるのが冷たく、冷徹な笑顔を自分に向けてくる瑠奈の笑顔だ。

----いつだっただろうか、昔、姉である瑠奈に無断で孤児院の女の子と2人っきり遊びに行ってしまったことがあった。

 

ただの無断外出ならば、ただのお説教で済むのだが、勝手に自分以外の女の子と2人っきりで遊びに行ってしまったことが瑠奈の逆鱗に触れた。

こっそり帰り、部屋のドアを開けると、ベットの上で冷たく、冷徹な笑顔をしている瑠奈が座っており、『分かっているわよね?』と笑顔のまま告げられた。

あとはお仕置きと称して彼女の理不尽な怒りや嫉妬、そして瑠奈の恐ろしさを存分に体に教え込まれたものだ。

 

ラストの『尻叩き』が終わり、赤く染まっているお尻を放り出してベットの上で動けない自分に瑠奈は『ごめんね雄星、だけど全てあなたのためなのよ?浮気することがどれだけ危険で愚かな行為なのか、姉としてあなたに教えなきゃいけないの』と悲しそうな顔で言っていたのだが、今思うととんだ恐怖体験だ。

 

今なら瑠奈にも勝てるーーーーと信じたいが、体が彼女に立ち向かっていくことを拒否するだろう。姉には勝てないと体が理解しているのだ。

 

「うっ・・・うぅぅぅ・・・・」

 

「る、瑠奈?大丈夫?、どうしたの?」

 

「ごめん・・・ちょっと過去のトラウマが蘇ってね・・・・」

 

苦悶している瑠奈に簪は再び団子を差し出す。

 

「ほら・・・美味しいもの食べて・・・・忘れよ?」

 

「そうだね・・・・もらおうかな・・・」

 

彼女との大切な思い出と言えば、そうなのだが、もし今も瑠奈が生きていて、彼女の目が届かないところでこうして簪といちゃついていたら、どんなお仕置きをされるか想像もしたくもない。恐らく、心身ともに2度と瑠奈に刃向かえなくなりそうだ。

 

それでも彼女達----刀奈と簪へのこの思いは変わることはない。自身の肉体と同じようにこの気持ちは不変的なものなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「綺麗な街並みだね」

 

「うん・・・」

 

団子を食べ終えた2人はそのあと手を繋ぎ、ゆっくりと京都の町を巡っていた。いろいろ有名な観光名所はあるが、ゆっくりと平凡な街並みを歩いて行くというのもそれはそれでいいものだ。

紅葉が舞い散るわき道を抜け、優雅な街並みが見える通路を通っていくと、近くの袋小路から勢いよく白猫が飛び出してきた。

 

そのまま、瑠奈と簪の足元にすり寄ってきた。

 

「サイカ・・・・じゃないよね?」

 

「う、うん、サイカは学園にいるはず・・・」

 

白猫から愛しの愛猫であるサイカと一瞬思ったが、学園から京都までの距離は到底、猫一匹だけで移動できるものではない。

 

ガブガブ

 

「こら、義足を噛むな。君はどこの猫だい?」

 

「おーい、『シャイニィ』。どこだ」

 

通路に響く飼い主らしき声。だが、この声を瑠奈と簪は知っている。白猫が飛び出してきた袋小路から姿を現したのはーーーー

 

「一夏っ!!」

 

「る、瑠奈!?」

 

一眼レフカメラを首に下げた一夏だった。互いに意外な人物の登場に驚きの表情を浮かべる。

 

「何で瑠奈がここに居るんだ?」

 

「偶然通りかかっただけだよ。それよりもその『シャイニィ』はこの猫のこと?」

 

骨をかじる犬のように、瑠奈の義足を夢中になってかじっている白猫を指さす。

 

「ああ、シャイニィ。こんなところにいたのか」

 

「一夏、君は猫なんて飼っていたのか?初耳だよ」

 

「俺の猫じゃなくて、あの人のだ」

 

一夏を追うかのように続いて袋小路から現れてのは、何とも形容しがたい風貌をした女性だった。右目に眼帯をつけ、着崩した真っ赤な着物が肩から胸元まで露出している。そして瑠奈と同じように欠損した右腕と所々にある火傷跡。到底一般人とは思えない外見をしている。

 

「おお、シャイニィを見つけてくれてありがとナ」

 

「ええ・・・どういたしまして・・・・」

 

疑うとまではいかないが、奇妙な危機感を目の前の年上らしき女性から感じる。いや、本能が何かを訴えかけてきているのだろうか。『この女は危険だ』と。

 

「随分と不便な体をしていますね・・・・」

 

「ああ、これは『テンペスタⅡ』の機動実験でちょいとやらかしてね。そういう君も人のこと言えないようだネ?」

 

「どこぞの面倒な天災姉妹にやられましてね。休暇を出しているところです」

 

そういい、女性は瑠奈の左半身と両脚を見つめる。隻腕ならまだしも、彼女は隠れている両脚の義足をも瞬時に見抜いた。やはり、ただの一般人ではなさそうだ。

 

「一夏、彼女は誰だ?君の連れかい?」

 

「いや、俺もさっきであったばかりでわからないというか・・・・」

 

飼い猫の名前を知っているのに、その飼い主の名前を知らないとはどういうことだろうか。そのお人好しに呆れていると、遠くで何かがキラリと光った。その瞬間

 

「っ!!」

 

「きゃっ!?」

 

近くにいた簪を地面に突き飛ばし、右腕にサーベルと展開して振るう。普通ならば、何もない空間を切るはずのその斬撃はバチッと何かを裂き、確かな手ごたえを感じさせる。

 

「ゲホッ、ゴホッ、る、瑠奈!?」

 

「簪、私の背後に隠れろっ!!」

 

先程の穏やかな様子とは変容し、殺気や恐怖を感じさせる怒鳴り声。これは戦いの雄星が出たことの証拠でもあった。そしてそれは同時に自分たちに危機が迫っているということを現す。

 

「へえ、あの狙撃に気づくとはなかなかやるネ」

 

「この静かな街並みであんなに鋭い殺気を向けられたら流石にわかる。それに暗殺から瞬時に一夏を守っているあんたも中々だ。あの感触や手ごたえからすると、おそらくライフル弾だろう」

 

2発目、3発目と撃たれるライフル弾を防ぐと、しばらく狙撃が止む。おそらく、予想外の事態に次の行動を考えているのだろう。ともあれ、今がチャンスだ。

 

「隻腕の女性。私の名前は小倉瑠奈、あなたの名前は?」

 

「アリーシャ・ジョセスターフ。アーリィって呼ぶといいのサ♪」

 

「そうか・・・アーリィさん、一夏と簪を連れて今すぐ学園の旅館に戻って欲しい。敵は私が引き受ける」

 

「そ、そんな瑠奈っ!!」

 

ここで素直に一夏と簪の2人が納得して指示に従ってくれれば良かったのだが、やはり、そうすんなりはいかないものだ。

 

「瑠奈を1人残して逃げれるかよ!」

 

「じゃあ、君に人を殺せるのか?」

 

「こ、殺す・・・・?」

 

「ああ、この狙撃の腕からして相手は相当な実力を持っている。そんな奴が降伏するとは思わないし、相手は全力で私たちを仕留めに来るだろう。そうなった以上、殺すしかない。君にそれは出来るのか?」

 

「だ、だけど・・・・手伝うぐらいは・・・・・」

 

「まともな覚悟もないのに戦いに入られては邪魔になるだけだ。隻腕の人間にこれ以上負担をかけるな」

 

ぐうの音も出ない正論だ。今の一夏は相手を殺すことはおろか、互角に戦えるかどうかすら危うい状況だ。そんな弱者が出来ることなど、瑠奈に邪魔にならないようにこの場を去ることだけだろう。不思議なことに、瑠奈を捨てて逃げることがこの場での最良の行動なのだ。

 

「で、でも、私なら・・・・元代表候補生だし・・・・」

 

ここぞと言わんばかりに割って入ってきたのは背後にいた簪だ。梃子でも動かぬといった様子で瑠奈の腕を握っている。

 

「簪、君にも旅館に戻って欲しい」

 

「私も戦う・・・・」

 

「ダメだ」

 

「私も・・・力になりたい・・・」

 

「簪っ!!」

 

腕を掴んでいる簪の手を振りほどき、簪の目を見つめる。こうしなくては、今の簪に言うことを利かせることは難しいだろう。

 

「確かに君が一緒に戦ってくれたら心強い。だが、君が僕と共に戦うということは、言い換えれば君がやられる(・・・・・・)可能性があるということだ。例えそれが1%の確率であったとしても、その状況を作りだすわけにはいかないんだ」

 

チェスでは兵士(ポーン)騎士(ナイト)(キング)を守るために命を賭して戦う。自分の(キング)がやられない限り、自分たちは負けではないからだ。だが、逆に言えば自軍の(キング)がやられた瞬間、自分たちの負けが確定する。

いままでの兵士(ポーン)の奮闘も犠牲も全て無駄になる。今はそれと全く同じだ。

 

簪という名の(キング)----いや、女王(クイーン)は小倉雄星という名の兵士(ポーン)にとって戦う理由そのものだ。その理由がなくなった時、雄星の敗北が決定する。

 

「必ず追いつく。だから君は私を信じて行ってくれ」

 

「で、でも・・・・」

 

「簪、私を誰だと思っている?最強の兵士、破壊者(ルットーレ)だよ?どんな奴が相手でも必ず勝つ」

 

アーリィや一夏に聞こえないように耳元で囁く。なるべくこの言葉は使いたくなかったのだが、簪を安心させるにはうってつけの言葉だ。

破壊者(ルットーレ)ーーー最強の兵器IS(インフィニット・ストラトス)を滅ぼすために作られた究極の兵士。その強さは誰よりも簪は知っている。

 

「絶対だよ・・・?」

 

「ああ、約束だ」

 

指きりをし、簪の背中をアーリィと一夏の方へ押す。これは話が終わったという合図だ。

 

「アーリィさん、この2人を頼んだ」

 

「OK引き受けたサ。それにしても、君は変わっているネ、そんな体になっても戦うだなんて」

 

「私は大切な人を戦わせたりなどしない。過去の称号(ブリュンヒルデ)や社会的地位などにいつまでもしがみついている千冬などとは違う」

 

「へー、キミ、面白いナ・・・・」

 

興味深そうな笑みを浮かべると、一夏と簪を連れて去っていった。最後の言葉が気になるが、ともあれ、準備は整った。あとは、相手の出方を見るだけだ。だが、それは同時にここで戦闘が起こることを表している。

 

「ここも・・・戦場になるのか・・・・・」

 

そうつぶやいた瞬間、上空から火炎放射器のような炎が降り注ぎ、周囲の地面に走り、瑠奈を囲む。

 

それと同時に現れたのはダークグレーの装甲に両肩の犬頭から炎が噴き出しているISと氷のような半透明の物理シールドを片手に持っている氷の結晶を装飾された青白いIS。

 

「よお、小倉瑠奈」

 

その機体の操縦者は3年の専用機持ちであるダリル・ケイシーと気まずそうな顔をしている2年の専用機持ちであるフォルテ・サファイヤ。その2人が瑠奈に銃口を向けていた。どうでもいいが、両機とも悪趣味な機体だ。打鉄弐式とエストの方が何倍も可愛げがある。

 

「悪いが、てめえには俺たちと一緒に来てもらうぜ。色々聞きたいことがあるしな」

 

「はいそうですか、と素直に行くと思っているのか?」

 

「てめえこそ、そんな体で俺たち『イージス』のコンビに勝てると思ってんのか?」

 

油断しているというより、勝ち誇った笑みを浮かべ、ダリルは瑠奈を見下す。隣のフォルテも祖国(ギリシャ)と学園を裏切ったことに対する罪悪感は感じられない。

まあ、裏切りについてはいいだろう。高校生にもなったらもう大人だ。

 

その行動の報酬も報いも結末も責任もすべて受けとめられるだろう。もっとも、受けとめられなければ困るのだが。

 

「障害や困難が2人の愛を深めるってか?しかも同性愛とは随分と非生産的で安っぽいドラマじゃないか、はははっ」

 

「っ!!」

 

その笑いが終わるよりも早く、フォルテが瑠奈に向かって氷の氷柱を槍のように発射する。容赦なく大量に射出される氷柱。それで串刺しになると思ったが、瑠奈は全て紙一重でかわし、笑みを浮かべていた。

 

「逆上か・・・それとも反逆か・・・・・。ともあれ、そんなに世界が嫌だったのかい?まあ、確かに良い場所とは思えないが・・・・」

 

「----ったすね・・・・」

 

「うん?」

 

「笑ったっすねっ!!うちらの愛を!!」

 

世界で唯一無二の愛を手にしたフォルテとダリル。その2人をこの男は笑った。そんな死にぞこないの体のくせに、自分たちを馬鹿にしたのだ。

 

「よくも!!よくも!!」

 

氷の槍に加え、ダリルの機体の火炎が瑠奈に向かって放たれる。氷と炎の奇跡のコラボレーションに慌てることなく、両膝をわずかに曲げ、力を込める。そしてーーー

 

「っ!!」

 

バチバチと足裏に『瞬間展開』を起動させ、8メートルほどの大ジャンプをして攻撃の手から逃れる。相手の戦意は確認した。これで遠慮なく戦うことが出来る。

 

「進化発動・・・・ゼノンが全てを叩きつぶす!」

 

白き身体に、手足に赤い追加装甲を纏っている機体ーーーゼノンを展開する。この伝統ある都で戦うのは気が進まないが、譲れないものはこちらにもある。

 

「さあ、始めよう・・・・」

 

小さく呟くとゼノンはスラスター全開に稼働させ、ダリルとフォルテに突っ込んでいった。




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