IS 進化のその先へ   作:小坂井

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最近、皆さんの感想が嬉しく、感想欄を見ると、にやけてしまう自分がいます。


46話 プロジェクト始動

突然だが昔とあるメイドが言った。

『面倒ごととは、後回しにすると何倍にもなって帰ってきます。なので面倒ごとは早めに済ましたほうが良いのです』と。

一見すると名言のように聞こえるが、本当の面倒ごとというものは何の前兆や伏線もなく、天災やどこぞの民族紛争の火種のようにどこからともなく発生するものだろう。

 

「ふぁぁ~・・・・・」

 

夏休みが終了し、誰もが倦怠感や消失感に襲われている中、瑠奈が大きな疲れを感じながら、あくびをし、学園の廊下を歩いていた。

真面目な優等生なら、夏休み最終日の夜ぐらいは明日に備えて早く就寝するものだが、瑠奈の場合はそうはいかない。

 

今の瑠奈は学園を歩くどころか、日本の大地を踏むこと事体が久しぶりだ。

8月上旬から9月1日の今日まで瑠奈はドイツにいた。

臨海学校前から話が出てきたツヴァイゲルト家という貴族の屋敷にここ1か月滞在していたからだ。

 

ラウラを通して『明日、ツヴァイゲルト家に来なければ今夜中にIS学園を爆撃する』というテロ予告をされ、ドイツに向かったところまでは良かったが、向こうでツヴァイゲルト家伝統のティーセットを割ってしまい、『責任を取れ』と言われ、約1か月間、ブラック企業張りの仕事でこき使われてきた。

 

ドイツは日本と比べて約6時間遅れているため、その時差を視野に入れて行動し、学園に戻ったのは朝の8時。寝ると体のリズムが狂い、朝食を食べるための食堂は開いていない。

もう何もやることがない状態でぼんやりと歩いていると

 

「っ!!」

 

突然殺気を感じ、素早く頭を下げ、身を屈める。その瞬間、背後からさっきまで頭があった場所に強烈な飛び膝蹴りが通過する。瑠奈だったからかわせたものの、常人なら後頭部に飛び膝蹴りが炸裂し、保健室に搬送されているだろう。

ちらりと上を除くとピンク色のパンツが一瞬顔をのぞかせる。それと同時に、素早く後ろにステップし、襲撃者と距離を取る。

瑠奈に不意打ちで蹴りを食らわせようとしてきた人物は

 

「そんなに取り乱してどうしたんですか?会長?」

 

顔を怒りで赤くし、ふーふーと息を荒々しく乱した楯無だった。

常に冷静を保っている楯無だが、今は闘牛のように怒り狂っている状態であるためすぐに爆発するような爆発物のような印象を受ける。

 

「あなたは・・・・・よくも・・・・よくもそんな涼しい顔をしてこの学園を歩けるわね・・・・・」

 

「ここはどこの国にも所属しないIS学園の廊下ですよ?生徒ならば誰でも使う権利がある」

 

「そういうことを言っているわけじゃないわよ!!」

 

そう叫んだと同時に廊下を蹴り、瑠奈に向かって攻撃を繰り出していく。初めは何かの手加減やみねうち程度の攻撃かと思っていたが、その手練からは慈悲は感じられない。

 

「確かに私はあなたに好かれているとは思いませんが、あなたに殺される程に何か怒りを買いましたっけ?うおっ!!あぶねぇ!!」

 

鼻先を蹴りが掠めたり、バランスが崩れそうなことはあるが、何とかぎりぎりのところでかわしていく。そんな一方的な攻撃が数分ほど続き、このままでは話が進まないと判断した瑠奈が、再び大きくステップし楯無と距離を取る。

 

「何か御用ですか?」

 

「あなたが・・・・・あなたが・・・・・」

 

「ん?」

 

この距離では楯無が何やら言っているのか聞き取れないため、数歩楯無に近づいた瞬間

 

「あなたが簪ちゃんの貞操を奪ったのね!?」

 

いきなり叫んだのち、身に覚えがない言葉が発せられる。当然だが、この夏休みの間に瑠奈はほとんど部屋はおろか、学園事体に滞在していなかったので簪に指一本触れることは不可能だ。

 

「ん?すいません、何の話ですか?」

 

「とぼけないで!!この間簪ちゃんとあなたの部屋に忍び込んで(・・・・・)みたら、簪ちゃんが1人髪と顔をくしゃくしゃにしてベットの上ですすり泣いていたのよ!!」

 

「部屋に忍び込んだという行動に罪の意識はないんですか?」

 

「私と簪ちゃんは姉妹だから何の問題もないわよ」

 

どうやらこのシスコン姉の脳内からは『不法侵入』という言葉がすっぽり抜き取られているらしい。随分と便利な頭をしている。

 

「いつかはやると思っていたわよ。瑠奈くんも思春期だし、簪ちゃんみたいに可愛い子がルームメイトだとエッチなこともしちゃうわよね・・・・・だけど・・・・だけど・・・・・」

 

そこまでいったところで楯無の体がプルプルと震え始める。というより世間では思春期の男子=エロいのが好きという方程式が成り立っているようだが、性欲は男女平等に存在するものだろう。人間の三大欲求は瞑想や我慢などでは耐えられない。

 

「よくも簪ちゃんの貞操をぉぉぉぉ!!」

 

そう叫んだと同時に彼女の中で何かリミッターのようなものが外れたらしく、さらに気性を激しくして瑠奈に迫る。

簪は夏休みの誘拐組織の件で専用ISと代表候補生の地位を失い、ただの少女になった。

確かにあの事件は短い時間で忘れることは出来ない出来事だが、あれから1か月近く経っているのだ。そろそろ新しい自分を見つけ始めてもいい頃ではないだろうか。

 

「そう怒らないで、サイカのキャットフードでよければ食べますか?」

 

「いらないわよ!!それよりあなた、覚悟しなさい。簪ちゃんに手を出したことを後悔させてあげるわ」

 

軽く冗談で場を和ますつもりだったが、火に油を注いでしまったらしく、さらに顔を真っ赤にして瑠奈に殺意を向ける。

もう少しからかってもいいのだが、このままでは確実に生徒会長に一生泣いたり笑ったりできない体にされそうな気がしてくる。

学年最強と言われる生徒会長が一般生徒、それも左腕がない障がい者の年下を本気でボコボコにしたとなれば、それはそれで問題になる気がするが、ひとまずここで話しておいた方がよさそうだ。

 

「落ち着いて下さい。簪が落ち込んでいる理由はあなたにも非はあるんですから」

 

「え?」

 

予想外の言葉に少し抜けた声が出てしまう。

 

「どういう意味?」

 

「とりあえず立ち話もなんですから、誰もいないところで話しましょう」

 

 

ーーーー

 

「はい、どうぞ」

 

ひとまず、誰もいない場所ということで生徒会室に案内された。いまは一般生徒は授業中のため、誰にも聞かれる心配はなく、2人っきりで話ができる。

 

「ふぅ・・・・」

 

差し出されたお茶を飲むと軽くため息をつき、場を落ち着かせる。

 

「それで?私にも非があるというのは?」

 

「あなたは知っていますか?この夏で私が解決した誘拐組織の事件を」

 

「ええ、あなたの名前を使ったアイドル事務の勧誘でしょ?私も一応目を通していたわ」

 

「その事件に簪が、あなたの妹が関わっていました」

 

「っ!!」

 

その衝撃的な真実に楯無の身体が震える。

IS学園の生徒が誘拐事件に巻き込まれたとなれば、明らかに社会問題になるため、この事実を知っているのは瑠奈をはじめとする数人の重要人物だけだ。

 

「結果だけ言えば、その事件で簪は専用ISと代表候補生の地位を失いました。『小倉瑠奈の名前を使ったから騙された』と訴訟してくる人間もいましたが、彼女達は自分の意志でこの話に乗ったんです、後始末ぐらいは自分でしてもらいたい」

 

瑠奈も組織を誰にも頼ることなく見つけ、解決したのだ。尻拭いぐらい自分でしてもらわなくては困る。

それに本来は、事件の諸事情により、簪は学園から去らなければいけない身なのだが、瑠奈がなんとか簪をはじめとする被害者達を擁護したため、こうして部屋で泣く程度の被害で済んでいる。

彼女達からは礼を言われる義理はあっても、文句を言われる筋合いはない。

 

「そこでいきなりで失礼ですけど、あなたは簪との関係は良好ですか?」

 

その質問を聞いた途端、楯無の胸の中でチクリと棘のようなもので刺される痛みを感じる。正直、これはあまり人には聞かれたくないものだ。

 

「・・・・・あまり良いとは言えないわ」

 

「でしょうね、関係が良好だったら簪はあなたにこの事件の出来事を相談している」

 

仲が良いとは言えなくても、相談事を持ちかけるほどの信頼関係が成り立っていれば、朝っぱらからあんな薬がまわった猿のように怒り狂った楯無を見ることなどなかったはずだ。

初めはこの更識姉妹の関係を身近な人物である布仏姉妹に聞こうと思っていたが、質問する気が失せるほど簪と楯無の良好とは言えない関係が明らかになった。

 

「私に言われても嬉しくないかもしれませんが、楯無先輩。あなたは美人だ」

 

「え・・・・え、ええ・・・」

 

いきなりの告白に戸惑いつつも、照れくさそうに頷く。どんな状況であれ、異性から『美人だ』と言われたのだ、嬉しくないはずがない。

 

「スタイルもよく、明るくて、家事もできる女性。そんなできた姉がいたらあんな風になるのもわかる」

 

楯無を責めるように、憎むように鋭い目線が楯無を貫く。

これだけしか言ってないが、頭が切れる楯無には十分瑠奈が伝えたいことが伝わった。

 

「簪ちゃんにとって・・・・・私は邪魔な存在なのかしらね・・・・」

 

「どうでしょう、どんな理由であれ、姉が嫌いな妹はいないと思いますよ」

 

「随分とわかったような口調ね」

 

「私にも姉がいましたから」

 

瑠奈の意外な事実に目を大きく見開いて驚く。

日頃、彼は自分の身内や事情を話したりしないため、その情報すら楯無にとって意外なものだった。

 

「姉は私と違って優しく、まっすぐでいい人でした。そんな彼女に嫉妬していた時もありましたが、あの人はその嫉妬すらも受け止め、さらに私を愛してくれた」

 

「その、あなたのお姉さんは今どうしているの?」

 

「死にました。ずっと前に・・・・」

 

その重たい事実を聞いた途端、彼の触れてはいけない部分に触れてしまったような気がして、気まずそうに顔を俯かせる。

誰にでも触れてほしくない部分は存在する。そこに不用心に踏み込んでしまった自分の不甲斐なさに軽く怒りがでてくる。

 

「そんなに落ち込まないでください。こっちが対応に困る」

 

「え・・・ええ・・・・ごめんなさい。その・・・・辛いことを思いださせちゃって」

 

「私のことを思っているなら、廊下でいきなり不意打ちを食らわせるような行為はやめてください。学園最強を意味する生徒会長とあろうお方が、貧弱な一般生徒なんかにね」

 

「あの不意打ちを避けた時点であなたは貧弱な一般生徒なんかじゃないわよ」

 

軽く会話を交わすが、楯無は瑠奈に、今最も聞きたいことを聞いていない。ここまで彼に説明してもらったのだ、教えてもらいたい。

 

「ねぇ・・・どうしたら簪ちゃんを元気にすることができるの?」

 

この質問をしてくることも瑠奈は予想していた。ここまで事情を知っている人間にその解決策を仰ぐのは当然の反応であるだろう。

だから瑠奈はここで用意していた返答をする。

 

「原因を言えば、自分と姉との出来の違いが簪の悩みの種です。原因がわかっているのならその根幹を絶てばいい」

 

「というと?」

 

「簪をこの学園から追い出して、どこか遠い町に隠居でもさせたら解決ですよ」

 

「そんなことできないわよ!!」

 

ドン!と強く机に手を突きながら、半ば叫ぶような声のボリュームで声を荒げる。そんなことをしても何の解決にならない。それどころか、そんなことをすれば、この姉妹の絆は2度と修復できないまでに壊れてしまう。

 

「ですが、それがもっとも簡単にできる解決方法だ。10年もすれば互いの存在自体が虚ろになっていきますよ」

 

「そんなやり方・・・・・」

 

「残念ですが、これが私のやり方です。ではあなたの意見を聞きましょう」

 

いきなりの意見の要求に少し戸惑ったような反応をする楯無だが、脳内では丸く収まる解決方法などとっくに思いついている。

しかし、この方法がある意味一番難しいものだ。

 

「簪ちゃんに・・・・・専用機をつくって・・・・・あげれば・・・・」

 

図々しさと卑怯さで言葉が途切れてしまうが、はっきりと口にする。

これは小学生でも思いつくような意見だが、ある意味その意見が一番実現が不可能に近い。

当然だが、世界で代表候補生でもない少女などに数少ないISのコアを分け与える国など存在しない。仮に、コアを入手したとしても製造費などでも莫大な費用が必要になるだろう。

 

常人には到底不可能な願い。

だが、目の前の人物(瑠奈)はその不可能を可能にすることができるかもしれない。

つまり楯無はこう言っているのだ『簪に専用機を作ってほしい』と。その思いを感じ取っていはいたが

 

「・・・・無理です。あの時、簪は危うく犯人たちによって出荷されかけていた。その時に私は簪の身を救いました。他にあなたは何を望むんですか?」

 

残念だが、この願いは聞き入れられない。

ISを作ることが無理なのではない、これが正式な依頼として成り立っていないため承諾できないのだ。

コアを別にして、装甲や人件費、成功報酬などで20億はかかるだろう。その資金は楯無は支払うことなどできない。

つまり、瑠奈には何のメリットも得もない。それは楯無も分かっている。

 

「どうしてもだめなの・・・・?」

 

「私に利益があれば引き受けていますけどね」

 

「利益・・・・・・」

 

瑠奈に得があれば専用機を作ってくれる。そのわずかな希望を無駄にすることは出来ない。

必死に彼の興味のありそうな話を考えるが、一向にアイデアが浮かんでこない。

当然ながら、費用を払うことなどできないし、彼に要望を聞いたところで楯無や布仏姉妹だけではその願いを叶えることなどできない。

残ったものは・・・・・・・。

 

「報酬・・・・・だったら・・・・・」

 

席を立ち、隣に少し歩み、瑠奈に楯無の全身を見ることができる位置に移動する。

そこでしばらく優柔不断になるが、勇気を振り絞って行動に移した。

まず、着ているカーディガンを脱ぎ捨て、それと同時に靴と靴下も脱ぎ捨てた。そしてそのまま、ワイシャツとスカートも脱ぎ捨ててピンクのブラとパンツだけの姿になる。

豊かに実った乳房と肉付きの良くてみずみずしい太ももが1人の男子生徒の前で晒していることに羞恥心が襲ってくる。

 

「っ!!」

 

恥ずかしさのあまり身もだえして体が震えたことによって、豊満な胸がぶるんと揺れる。

 

いきなり目の前の美女が脱衣し始めるという状況に、普通の男性だったらパニックになるところだが、瑠奈は表情1つ変えずに、楯無の下着姿を見つめている。

残念だが、女性の下着姿ならば、そこら辺に売ってあるグラビア雑誌やネットでいくらでも拝むことができるし、そこまで瑠奈が得するようなものでない。

だが、次に起こした楯無の行動に軽い驚きに襲われる。

 

なんと最後の防壁であるブラとパンツすらも脱ぎ捨て、瑠奈の前に完全なる裸体を晒した。

胸の突起や脚の付け根部分に存在する陰部すらも瑠奈の瞳に写り込んでいる。

恥ずかしさのあまり、楯無は体全体が真っ赤になってもがき苦しんでいたが、手で隠すことなく直立不動を貫いている。

 

流石にこのまま見ているのは楯無に悪いと思い、顔を逸らそうとするが

 

「ダメよ。私を見なさい」

 

楯無の両手が顔を挟むように動けなくする。そのまま瑠奈の顔に自分の顔を近づける。

これでは当然ながら顔を逸らせることはできないため、楯無の顔が目の前でドアップに広がっている。

 

「簪ちゃんの専用機を作ってくれたお礼は私の体でどう?売る、触る、つまむ、舐める。好きにしていいのよ?」

 

自分の前で全裸になるという行動には当然驚いたが、それ以上に度肝を抜かれたのはここまでする楯無の妹に対する愛だ。

いくら大切に思っていてもここまでできる姉も珍しい。

だが

 

「残念ですが、あなたの体に20億の価値はありません」

 

女の体がほしいのならば、人身売買の市場に行けば格安で手に入れることができる。一瞬動揺したような様子だったが、一瞬で冷静になり、楯無はここで最終策を切り出す。

 

「今ここでその条件を受け入れないというならこの姿(全裸)のまま、この部屋を飛び出してあなたに襲われたって先生たちに言うわよ?」

 

「それは・・・・・困りますね」

 

「そうよね?だったら私のエッチな体を手に入れるために、簪ちゃんの専用機を作りなさい」

 

目の前に広がる楯無の目からは冗談とは思えない。恐らく、この条件を断ったら楯無は本気でやるだろう。

 

「・・・・・・わかりました。簪の専用機を作りましょう」

 

若干騙されたような感じがするが、あの事件は瑠奈にも非はある。その償いぐらいはする必要があるだろう。

いろいろ不安があるが、目の前で喜ぶ楯無を見ているとどうでもよく思ってしまう。

 

「ひとまず、準備はこちらで進めておきますので助けが必要になったら言いますので」

 

「ええ、頑張ってね」

 

ひとまず、楯無が着替えるために、部屋を退出しようとするが、このまま脅されたままでは瑠奈の気が収まらない。ここは彼女に最大の恥辱を味合わせて退散するとしよう。

 

「無神経なことを言って申し訳ありませんが、あなたの陰部、濡れてますよ?」

 

「え!嘘!!」

 

慌てて手を当てると、ぬちゃぁぁと粘着質な体液が溢れ出て太ももにしたたり落ちていた。

 

「-------ッ!!」

 

それを見た瞬間、頭の中が恥ずかしさのあまりパニックになり地面に座り込んでしまう。

 

「ち、違うの・・・・・これは・・・・・その・・・・・」

 

必死に言い訳をしようにも、言い分自体が思いつかない。そんな年相応の反応を見せている楯無に軽く微笑むと

 

「まぁ、自慰行為はほどほどにね、淫乱生徒会長」

 

そう傷口を抉るような言葉を残して生徒会室を出ていった。

 

 

ーーーー

 

「さてどうしようか・・・・・」

 

授業中であるため、人気のない廊下を歩きながら、瑠奈は1人考え事で頭を悩ませていた。その内容は無論、先ほどの『簪の専用機を作る』という約束についてだ。

 

脅される形で承諾したこの約束だが、問題は山積み状態で装甲の製造に人員の確保。その中で一番の問題点はISのコアについてだ。

 

世界で467個しかないISのコアを分け与えてくれる国など存在しないし、どこかの国から奪取しようものならすぐに足が付く。

当然と言えば当然だが、瑠奈もISのコアを製造することなどできない。

 

(誰も使わないISのコア・・・・・)

 

難しい注文に数秒頭を悩ませていたが突如、頭の中でグッドアイデアが思いつく。

1つだけあった、誰も使わないISのコアが。

 




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