やはり俺の青春ラブコメはまちがっている 雪乃アナザー 〈休止中〉   作:UMAの風

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彼と彼女はそれを隠す

小町の爆弾投下の後帰宅した両親に事情を説明した。 するとまさかの快諾。 何というか母親が有り得ない嬉しい奇跡が起きたみたいな顔をしていたのは何だったのだろう…

 

 

空き部屋に雪ノ下の荷物を置いて二人で話し合いを始めた。 内容はこの生活を学校でバレないように気をつける事についてだ。

「まず注意するのは由比ヶ浜さんね。彼女はアホの子みたいにあなたは思ってるでしょうけど、人の事に関してはかなり鋭いのよ。普段から空気を読んでいる賜物ね。」

 

たしかお前も馬鹿って言ってたよな…主に今日、部室で。

 

「次は平塚先生ね」

 

「何でだ?事情を話したら助けるどころか泊めてくれそうだが?」

 

「確かに泊めてくれるとは思うわ。ただあの人の場合毎日毎日婚活の愚痴を聞かされそうで…しかもあの人の家は割と遠くて…毎日先生の車に私が乗ると変でしょう? 」

 

「…」

 

本当誰か貰ってやって下さい。 マジで可哀想になってきたから。

 

 

確かにあの人ならついでに乗っていけみたいな事はするだろう。 そのせいで悪目立ちしたくないのだろう。

 

 

「あなたの友達のざ…角材くん?」

 

角材?ああ

 

「材木座か」

 

「彼は口が軽そうだから注意ね」

 

 

そんなこんな話をしているともう夕食の時間だ。

 

 

 

 

そして母親は食卓でさらなる爆弾を投下した。 絨毯爆撃も真っ青の攻撃だ。

 

「明日から私達、母さんの所に行く予定だったのよ   雪ノ下さんうちの愚息の面倒を見てもらっても良いかしら?」

 

母親のセリフにしては酷くないか?愚息って…

 

「もちろんです 泊めて頂いている身なのでその位の労働で良ければ」

 

「俺の面倒を見るのは労働なのか!!」

 

せめて世話って言って欲しい

 

 

 

「ところで二人はどこまで行ったの?」

 

 

バカな母親が聞いてくる。

親父?親父なら興味がないから黙々と飯を食っている。 しかし今の質問を小町にしていたら 間違いなく相手は殺されるだろう 主に親父に。小町が男を連れてきた時点で って

 

「「はぁ!?」」

 

付き合ってる? 俺と雪ノ下が!?

 

 

「まさか、彼と? 面白い冗談ですね」

 

あ あの…雪ノ下さん、目が笑ってませんよ。

「彼とは同じ部活で他の男子と比べれば確かに仲は良い方ですが、付き合ってませんよ。」

 

そうだ、雪ノ下は間違いなく専業主夫など認めないだろう。 そんな人に俺は養ってもらう気は無い!

 

「「………」」

 

 

心を読まれたのか、小町と雪ノ下が呆れた顔でこちらを見てくる。

 

「はあ…」

 

 

この生活はなかなかに大変そうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ…」

 

食後リビングでは俺一人がくつろいでいた。

 

両親は明日行くまでに片付ける仕事が有るらしく今はそれぞれの仕事部屋にいる。

 

「社畜って大変だな…」

 

改めて専業主夫になる決心をしつつ膝の上に乗っているカマクラと戯れていると、

 

 

「あっ…」

 

リビングに雪ノ下が来た。その視線は俺の膝…主にカマクラに向けられていた。

 

 

「比企谷君 触らせて貰って良いかしら」

 

…そんな言い方をしたら誤解しちゃうだろ!

 

「ほれ」

 

膝の上のカマクラを渡してやると全力でカマクラに構い始めた。

 

「にゃー…にゃー」

 

ついに、雪ノ下さんが猫になっちまったよ…

 

あまりに過度なスキンシップだったせいかカマクラはこちらに逃げて来た。それを追って雪ノ下が来るものだから 気付けば二人の距離は30センチもなかった。

 

 

「「………」」

 

「あー 疲れた 何で今日に限ってこんなに仕事が多いかな…」

 

仕事を終えたのか母親がリビングに来る。

 

すると必然的に俺たちが視界に入る。

 

一度状況を整理しよう。

 

俺→ソファーでカマクラを抱いている

 

雪ノ下→カマクラを触ろうと俺の方へ その距離30センチ弱

 

 

客観的に見たら……疑いの余地なくイチャついている用に見えるな…。

 

整理終了。 ここまで脳内で約コンマ数秒 この頭の回転の速さはMAXコーヒーの恩恵だろう。

 

「あ、…お邪魔みたいね…」

 

やっぱりあらぬ誤解を… 俺は自分を養ってくれる人しか付き合わないのに。

 

 

「どうするの 危機谷く…比企谷君」

 

「俺はそんなに危ない名前じゃない」

 

まあ 3日もしたら誤解も解けるだろう。 …いや 人の噂も何日とか言うがあれは嘘だ。 余談だが学校で変な噂がたつと卒業までは消えない。 ソースは俺だ。

 

 

 

 

 

どれくらいの時間がだっただろう。本を読み終えた頃、既に雪ノ下はリビングにはいなかった。もちろん親も小町もだ。

 

 

「って もうこんな時間か…」

 

時計は既に12時を回っていた。

 

明日も面倒ながら学校なのでそろそろ寝るか。

 

 

 

 

 

この日はなんだかいつもより寝つきが悪かったのは気のせいだったのか?


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