やはり俺の青春ラブコメはまちがっている 雪乃アナザー 〈休止中〉   作:UMAの風

2 / 38
だから比企谷八幡は…

メールを受けて玄関に出ると、そこに居たのは学校で別れたはずの雪ノ下の姿が。

 

「あ、あの比企谷君…」

 

「どうした いきなり家の前にいるなんてメールよこして」

 

雪ノ下の声はいつもからは想像できないほど弱々しい。

 

「こんな事を頼むのはどうかと思うのだけれど 他に頼める人はいないし。 かと言ってあなたに頼むのも…まあそれは置いといて、ここなら小町さんもいるし。 何よりあなた以外となると由比ヶ浜さんくらいしかアドレスを知らなくて、けれど由比ヶ浜さんは寝込んでいるから頼めるわけも無い。だからやむなくあなたに頼みに来たの。」

 

でた、雪ノ下の照れ隠し 早口理論武装。ダンガンロンパと名付けよう。しかしと言うかやっぱりと言うか全然武装できていない。 もはやガンジークラスの非武装だ。 

 

俺なら 非暴力 非服従  ではなく 非労働 非服従だ。後どうでもいいが非労働とリロードって語感が似てるよな。

 

「答えになってないぞ。」

 

「…て欲しいのだけど」

 

? あまり聞こえなかった。

 

「暫く…泊めて欲しいのだけど…」

 

…ハ、ユキノシタサンイマナンテ!?

 

「実はさっきマンションに帰って知ったのだけど どうやらお昼ごろにマンションの下の階で火事があったらしいのよ。 私の部屋は大して被害は無かったのだけれど、火災対策もかねた修理があるらしくて暫くはマンションに戻れないのよ」

 

雪ノ下は忌々しそうにかつ めんどくさそうに呟く。

 

なるほど 泊まるあてが無かったからしぶしぶここに来たと言うことか。

 

「ホテルを取っても良かったのだけれども、学生が一人で長期となると色々ややこしくて。最悪、家に連絡がいったら こっちに来いって言われかねないのよ。」

 

普通の学生ならそこでホテルと言う選択肢は無いな。いくらかかるんだよ。 

 

まあ 流石にここまで困っていっる奴を見捨てるのは心苦しい。 なにせ俺の心はプリティでキュアキュアでMAXなハートなのだ。(自分でも意味不明だな)

 

「まあ、なんだ。 とりあえず上がれ。 うちの親には連絡して事情を伝えとくから。」

 

「えっ…その…      ありがとう」

 

顔を真っ赤にして呟く雪ノ下。  やべえよ 何この雪ノ下。普段とのギャップがありすぎてめちゃくちゃ可愛いよ。

 

そこにリビングから小町がやってきた。

 

「あれ 雪乃さんどうしたんですか? !! まさかごみぃちゃんに何かされてそのクレームとか?」

 

妹よ兄を何だと思っているのだ。 小町にも事の流れを説明する。

 

「大変ですね。 是非家に泊まって行って下さい。 小町もその方が嬉しいです。 あ!! 今の小町的にポイント高いですよ!!」

 

「ありがとう 小町さん。」

 

「いえいえ …これは雪乃さんコースかな…」

 

小町が何か言っていたが聞き取れなかった。

 

「でもいいの? 私達明日からお祖母ちゃんのほうに行くからお兄ちゃん一人だよ?」

 

 

小町は超弩級の爆弾を投下するだけして笑っている。

 

「俺 聞いてないぞ…」

 

暫く俺達二人は玄関で固まってしまった。

 

 

 

 

 

そして今に至る。

 




よければ感想 コメントお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。