やはり俺の青春ラブコメはまちがっている 雪乃アナザー 〈休止中〉   作:UMAの風

15 / 38
修学旅行編part4

その日俺は昔の夢を見た。

 

その日いつもと同じように同じ時間に登校し教室に入った俺を迎えたのはクラスメイトの冷ややかな視線と隠そうともしない嘲り そして誰かを庇うように呟かれる俺への罵詈雑言

 

その頃 俺は好きな人がいた。 俺にとっては初恋みたいなものだったのだ。 さすがに面と向かって言うのは恥ずかしかったので 家に帰ってメールで告白した。 返事は案の定 ごめんなさいな訳だが、分かっていたと言うのが本音だ。

 

そして次の日から俺の地獄は始まった 彼女が面白おかしく俺の告白をクラス中にバラしたのだ。俺の心を踏みにじり 完膚無きまでに折ったのだ。

 

そして俺は―

 

だからこそ俺は心を氷漬けにした。

誰かに裏切られて傷つき苦しい思いをするぐらいなら自分を好きになるのは自分だけで良い。恋愛感情 誰かを好きになるという感情は全て凍りついた心にしまい込んだ。

 

俺を好きになる奴なんていない そう思う事にしたし自分にも言い聞かせた。それが一番楽なのだから。

 

だからこの先俺はボッチで良い。独りで 一人で 小さなこの心の部屋を守っていく。氷ついた心の部屋を   それが中学で見つけた俺の―

 

そして俺は完全にボッチになったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…なさい………起きなさい。比企谷君」

誰かに肩を揺すられて目が覚めた。

 

目を覚ますと目の前には……

 

「…雪ノ下?」

 

…………。

 

「…ふぅ」

 

厄介ごとに巻き込まれる気しかしない。こういうときは寝るに限る。

 

「なぜ人の顔を見て二度寝しようとするのかしら」

 

ガシッと頭を掴まれる。

 

「まさか雪ノ下が俺らの部屋にいるわけ無いからな……これは夢だ。と言うことは二度寝しても問題無い訳だ。 QED(証明完了)」

 

 

イラッ

 

「分かったわ。そこまで言うなら私も実力行使しかないようね」

 

何やら物騒な単語が聞こえたぞ

 

「ちっ 分かったよ 起きれば良いんだろ?」

 

更なる面倒事になる前に布団から出るべく立とうとすると

 

「あばっ」

 

顔から布団に倒れ込んでしまった。再び立とうとするが、

 

「ぐふっ」

 

やはり立てない。

 

「お前何すんだよ!」

 

俺が立とうとする度に絶妙のタイミングで足払いをかけて来るのだ。

 

「なんの事かしら? 貴方は寝ていたいようだから寝かせてあげてるのよ?」

 

息を軽くきらしながら答える。 てか、たかだか数回の足払いで息がきれるとかどんだけ体力無いんだよ。

 

「すいませんでした この通りです ごめんなさい (棒読み)」

 

土下座の体勢で一応謝る。土下座は失う物がない俺には痛くもかゆくも無いのだ。

 

「まったく… 早く着替えてロビーに来なさい。 由比ヶ浜さんも待っているわ。」

 

それだけ言い残して雪ノ下は出て行った。

 

朝っぱらからいったい何なんだ。   というか、誰も起こしてくれなかったんだ…

 

ここら辺はやっぱり安定のボッチクオリティーと言ったところか。 

 

携帯を確認すると戸塚からメールが来ていた。

 

 

『八幡へ

 

ごめんね。 何回か声を掛けたんだけど気持ちよさそうに寝てたから先にご飯食べにいくね   彩加』

 

律儀だな戸塚は…

 

 

 

とりあえず早く行かないとあいつらが怒りそうだし 着替えるか。

 

 

こうして修学旅行の二日目は始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~10分後~

 

「はちまーーーーーん!! 一緒に見てまわろーーーーーではないか   

 

…八幡? え、もしかして我 今日一人…?」

 

材木座が誰もいない比企谷の部屋を訪れたのはまた 別の話である。

 

 

 

 

 

 

~同時刻~

 

「よってなんか~いませんよ~    にしてもまったくおーでぃんのくそじじいめ  ごえいをわすれてかえるだなんて~ どんなあたましてるんれすか~  あざぜるせんせいものみにゃさい  にゃにー!?   わたしのさけがのめないっていうんれすかーー!!」

 

「…ここは俺が引き受けたからお前たちは行ってこい」

 

朝から酔いつぶれている酒乱の銀髪美人(ヴァルキリー兼ルーク)と苦い顔をしている渋めの男性(堕天使の総督)が近くの店にいたのもまた別の話である

 

 

 





はい ここ暫くはわりと早めのペースで投稿ています。




俺ガイル以外のキャラと微妙にコラボというか出てきたりしますので元ネタが分かる人はクスリ と笑っていただけたら幸いです。





そして気づく方は多いと思いますが八幡の回想というか夢語りの語りの中の単語はOPの歌詞を意識しています

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。