やはり俺の青春ラブコメはまちがっている 雪乃アナザー 〈休止中〉 作:UMAの風
それでも雪ノ下雪乃は…
「で、でも比企谷くん…本当に良いのかしら…」
雪ノ下がいつもからは想像できないほど弱々しく聞いてくる。
「良いんですよ。 むしろ小町的にはウェルカムです。 今の小町的にポイント高かったですよ」
「ああ 高い高い 八万ポイントだな」 (八幡だけに)
「「…」」
二人に白い目で見られる。 なにここだけすごい冷たいよ。場の空気が凍ったと思ったくらい。俺の前では全てが凍る みたいな。 ドS将軍はどこだ!?
「馬鹿なごみぃちゃんはほっといて さ、さ 雪乃さん部屋へどうぞ」
そう、あろう事か雪ノ下雪乃が俺の家に来たのである。事の始まりは今日の部活中に起こった。
~2時間前~
「比企谷菌…比企谷君 由比ヶ浜さんはどうしたのかしら?」
「お前今さらっと人のこと菌扱いしたよな!?」
「気のせいよ まだ菌なら周りに認識されるもの」
「確かに」
しかし一個だけまちがっている。俺は認識されていないのではない。皆の意識から外れるようにむしろ自分から頑張ってるくらいだ。
「たしかインフルエンザとか平塚先生が言ってたぞ。」
「そう 馬鹿は風邪引かないと言うのは本当に迷信なのね。」
後半はボソッと言っていたがはっきりと聞こえていた。
「確かに馬鹿は風邪引かないとか言うな。 つまり逆説的に体調を崩したふりをしていれば賢いアピールをしつつ合法的に休めるのか。」
「それは合法的とは言わないわ。」
呆れ顔で突っ込んでくる。
「じゃあ帰りにお見舞いにで
そこまで言いかけた所で部室のドアが開く。
「やっほー 雪乃ちゃん 未来の義弟くん♪」
やってきたのは雪ノ下陽乃 雪ノ下のお姉さんである。
「誰が未来の義弟ですか!」
「何の用かしら 姉さん。」
冷ややかな目線×2が向けられる。しかし向けられた本人は意にも介さず
「だって雪乃ちゃん携帯に電話しても出てくれないじゃん~」
だからわざわざ来たのか。
「で、何のよう?」
「いや~、父さんが県会議員の仕事の都合で姉妹都市の○○に行くことになったのよ。」
○○ 確かヨーロッパの方の大都市だ。
「それで私達も向こうについて行くから1年ほど会えなくなるのよ」
「それで」
やはり雪ノ下の視線は冷たいままだ。
「暫く…一年間は実家に帰っても誰もいないって事を言いに来たの。」
雪ノ下は一人暮らしだ。 特に関係なくは無いが 影響は無いだろう。
「陽乃さん いつから行くんすか?」
「比企谷くんは興味ある? 今日の5時の飛行機で行くよ。」
えらい急な話である。 いや雪ノ下が電話に出なかったからだろう。
「その間比企谷君、雪乃ちゃんの事お願いね。」
そんな笑顔で言われても…
「俺が人の面倒を見るとか無理ですよ! むしろ見てもらう方が得意ですよ!!」
何せ将来は専業主夫が希望なのだから。 それを聞くと、
「はっはっははは!!! やっぱり君最高だわ~」
冗談だと思われたらしい。 俺は本気なのに。
「じゃあ、そろそろ行くね。 雪乃ちゃんも比企谷君もお土産は期待していいよ~」
ハイテンションのまま出かけていった。
「「はあ…」」
二人そろってため息をついてしまった。
「あっ!」
しばらくお互いに無言で本を読んでいると、突然雪ノ下が声をあげた。
「どうした?」
「いえ、 実家の方の鍵を実家に忘れてきたままで…」
つまり入れないと言うことだ。
「大丈夫だろ。 別にかえらなきゃつかわねえし。」
「それもそうね」
そしてこの日は特に依頼も無く、
「そろそろ今日は終わりにしましょう。」
「そうだな」
「じゃあ私は平塚先生に鍵を返してくるわ」
「おう じゃあ、明日」
「ええ、さようなら」
家に着くと暫くカマクラを弄り回した後、のんびりくつろぐ為、MAXコーヒーの缶を取ってくる。
「千葉に生まれてよかった。 MAXコーヒーサイコー…」
などあほな事を言っているとメールが来た。
差出人は、
「雪ノ下?」
気になったので早速メールを読む。すると そこに書かれていたのは 後々大きな変化をもたらすきっかけとなる内容だった。
これは一応 雪ノ下ルートのgoodエンドにする予定です。
ゆきのんまじゆきのん