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「悪かったな、浩太」
「いや、良い......俺もお前の気持ちを読めなかった。こっちこそ悪かったな真一」
横になった真一に、浩太はそう言葉を返した。二人は、それっきり話題には触れない。また、関係に亀裂が入るのを恐れた訳ではなく、必要がなかったからだ。
それは、達也へと向かう気持ちが同じだと、互いに了知しているからこそ、詮索する時間が無駄になるという考えからだった。雨が窓を叩く音が強まる。それだけしか聞こえない黙然とした時間、先に唇を動かしたのは真一だった。
「なあ、浩太......今、言うことなんじゃねえと思うけど、あえて言わせてほしいことがあるんだけどさ......」
浩太は、頷いて先を促す。少しばかり口先を曇らせつつ、真一は言った。
「この事件の発端について、あいつらに話しておくべきじゃないか?」
それは、隊長の新崎に関する事だろう。旅客機の墜落、それから発生した今回の大規模な事件、その原因を作ったであろう人物だ。
間接的に、様々な人間の仇となる男、なにより、二人の上官であり、関係も根深い。それだけに、言いづらいことであるのは確かだ。真一は、慎重に言葉を選びながら続ける。
「さっき、あの彰一って奴に言われたぜ、信用出来ないってよ......あいつらは、この世界を生き抜くのに必要なことがよく分かってるぜ」
「必要なこと?」
「ああ、他者を信用することだ。そして、嘘や隠し事は、いずれ必ずどこかで露呈する。特にこんな世界ではな。だったら、今から知るのと後から知るでは、どっちがショックが少ないか、考え無くても分かるはずだぜ」
「だけど......」
浩太の渋り顔に、真一は被せる。
「浩太、この問題は先伸ばしに出来るようなことじゃないぜ?遅れれば遅れるだけ俺達は、信用を失う。お前が話さないなら、俺が話す」
真一は起き上がり、両足を床に置いた。これは、真一なりの配慮なのだろう。浩太は、三人となんらかのいざこざはない。嫌われ役は、一人で充分だ。
「俺達が今を生きていく為に選択することは、きっとすげえ沢山ある。その内の一つがこれなんだよ。大量に枝分かれした選択肢の、もっとも正しい選択がこれなんだ。俺はそう思うぜ」
同意を求める口振りだった。浩太は、しばらく、思索に耽る。真一は、そんな様子を静観して、浩太の返答を待ち、数分後、浩太は短く息を吐いて言った。
「俺から言うよ。ただ、まだ、確信してないと前置きは入れさせてもらうぞ」
「ああ、それは当然だ。じゃあ、もう行くか?俺も同行はするぜ」
浩太は、思い腰をあげるように、勢いをつけて立ち上がった。
「早ければ早いかほうが良い。俺達にとって大切なのは、先じゃなく今、だろ?」
真一は、短く笑みを浮かべ浩太の背中を、不安を打ち消すように掌で打った。
真一「なあ、浜岡さん......昨日のあとがきなんだけどさ......」
浜岡「真一君、落ちついて聞いてほしいんだけださあ......なんか、短編あげてたら、あれ、俺、今日もいけんじゃね?って思ったらしいんだよねえ」
真一「引っ越しの準備があるって聞いてるぜ?なんだ、ありゃ、嘘か?」
浜岡「なんだか、ゴーストが囁いたらしいよ。いける、いけるって......」
真一「その結果、嘘ついてることになるぜ?」
浜岡「まあ、そこは目を瞑ってあげなよ。プロットは最後まで作ってあるから、ゴーストが囁いたら妙な使命感に駆られるんだろうさ」
真一「......そりゃただの馬鹿だぜ?」
浜岡「......馬鹿なんだろうねえ」
という訳で、今度こそ!11月頭くらいに感染を再開します!キャラを使っての誤魔化し&嘘ついてすいませんでした!