クロスアンジュ天使と竜の輪舞 ~黒百合~   作:誤字脱字

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後書きにてご挨拶…


番外+α

※ 甲冑師の一族

 

アウローラの格納庫。そこには先の決戦を戦い抜いたパラメイルやラグナメイルが並び立ち、存在感を現していたが、足元にはオレンジのツナギと黒のインナーを着込みその上から白衣をまとった男女が並び立っていた

 

「これで……よし!お兄、終わったよ」

「すまない、助かった。……はやり黒は良い」

 

手を貸して貰ったメイの頭を撫でながら相棒であり共に罪を償う存在を俺は見上げた

エンブリヲとの決戦後、装甲が白に変化したブラック・サレナを元の黒色に塗替え、そして整備し戦闘力は落ちたが元の姿へと戻していたのだ

 

「ん~私は白も良いと思うけどな~」

「長年、この色で共に生きて来たのだ。こっちの方がしっくりくる」

 

もとより、白より黒の方が好きだしなと言い終え、後片付けをしようとした時、格納庫にもう一人、人影が現れた

 

「あっ!サリア!」

「え?あぁ…メイ」

 

魔法s…サリアだ

彼女は格納庫に俺達二人しかいない事を確認すると此方に歩み寄って来た

 

「どうしの?ここに来るなんて珍しいね」

 

メイの言う通り、最近はアンジュの秘書として板が付いてきたので滅多に格納庫に来ることが無くなったサリア

そんなサリアは、眉間に皺を寄せながらボソリと愚痴をこぼした

 

「……アンジュがいないの」

「………またか」

 

アンジュは今やアルゼナル組のトップとなり、新しい国の建設の為に日夜奮闘している身

休みなく働き続ける彼女が、公務を抜け出すのはこれで何回目だろうか?

 

「また喫茶店だろう……相談役は?」

「アンジュが来なくちゃ始まらないって……飲んでる」

「うちの上層部は大丈夫なのか?」

 

仕事を抜け出し逢引するトップ、仕事そっちのけで飲酒する相談役、それの尻拭いの為に走り回る魔法s…秘書

 

御先真っ暗だな。二人揃ってタメ息をついてしまうのは仕方がない事だ

彼女の愛機であるクレオパトラもなんだ哀愁をただわせている気がした

 

「ん?」

 

何気なくクレオパトラを場眺めていたのだが、気になる点を見つけた。それは―――

 

「サリア、貴様のエンブレムは白百合なのか?」

 

クレオパトラの肩にはサリアのエンブレムである白百合が咲き誇っていた

 

「え?えぇ…隊長としての『威厳』を現したくて選んだわ」

 

なんとも…『威厳』だけを意味付けるのであれば他にもあっただろうに

ちなみにヒルダのエンブレムは十字架に猫、エルシャは白鳥座、ヴィヴィアンは謎のヌイグルミである

 

「他にも白百合には「無垢」「無邪気」「甘美」と言う花言葉ある。…それともう一つ、知っているか?」

「え?……『高貴』だったかしら?」

「違う……『純潔』だ」

「ッ!?」

 

年甲斐も無く顔を赤めるサリアは本当に俺と同い年なのかと感じてしまうが、仕方がない事だろう

生まれ育ったアルゼナルと言う男子禁制の場所では、男との付き合いなど皆無なのだからな

 

「貴様はもう抱かれているし、エンブレムを変更した方が良いかと思うが『けがれがなく心が清らかなこと』で考えればそうなのかも知れない……子供心的な意味で」

「なっ!?あ、アンタだって『黒百合』じゃない!」

 

なんだ、その超屁理屈は?

 

「その理屈はわからんが、黒百合の花言葉は『愛』と『呪い』。…自分で言うのは可笑しいと思うが俺にピッタリな言葉だ」

 

『愛』はヒルダに捧げ、『呪い』は俺の償うべき者達の手向け……これほどまでに俺を表現している花は存在しないだろう

 

「ねぇ、お兄」

「なんだ」

 

サリアも俺に対してそう思っているようで、言い返せなく悔しそうに顔を歪めていたが、首を傾げながらメイが俺に話しかけてきた

 

「ブラック・サレナってツキヨ博士が作ったんだよね?」

「あぁ、完成させたのは俺達だけどな」

「ブラック・サレナは、ホワイト・リリウムがベースの機体。ホワイト・リリウムって『白百合』だよね?」

「ッ!」

 

なん…だと!?

知識が戦闘に偏っているアルセナル組において知る筈のない事実に俺は驚きをあらわにしてしまった

 

「そう言えばアキトってあの恰好を気に行っているのよね?あんな特撮ヒーローみたいな?…同類じゃない」

「ッ!?」

 

ちょっと待て!暗殺者スタイルの何処が子供っぽいと言うのだ!

あの姿は、一時期、恐怖の代名詞にまでなった漆黒の戦闘服だぞ!?

 

俺が戦慄している中、サリアは俺に同族に向ける視線をメイは……何故か微笑んでいた

 

「……なんだ、メイ」

 

サリアから送られる視線を遮るように手を翳しながらメイに話しかけてみる

アルゼナルで育ったメイは偏った知識しか学んでいないと思っていた俺のミスだが、メイからの視線からは弄る事や同族を見るような感情には感じれなく、純粋に「喜」を含んでいたので気になってしまった

 

「ううん、サリアは私の家族だしお兄も私の家族……なんか私達って『百合』で繋がっているなって思って」

 

そう言うと照れくさそうに頬をかくメイ

………今更、言うのもなんだが博士は百合を好んでいた

それが、『甲冑師一族』の象徴かどうかはわからないが、博士や俺、サリアやメイと確かに色は違うが百合で繋がっていた

 

俺はメイの言葉若干照れながらもサリアに向かって口を開いた

 

「お兄さんと呼べ」「お姉さんと呼んでいいわよ」

 

……あぁ、そういこうとか

………俺達の戦いはこれからだ!!!

 

 

 

  

 

 

※ アキトの浮気

 

 

「……アキトが浮気しているかもしれない」

「「はぁ?」」

 

事は唐突も無いヒルダの一言から始まった

ヒルダに重大な話があると『喫茶・アンジュ』に呼ばれたアンジュはパートナーであり喫茶店のマスターであるタスクに珈琲を淹れて貰い、日ごろの疲れを癒すついでにヒルダの相談に乗ってやるかと軽い気持ちで構えていたが、ヒルダの言葉に思わず珈琲を取り落とすところであった

 

「ありえないわよ!あの見た目で寄り付く女っていないわ!」

「あぁん?言ってくれるじゃねぇか!アキトの何処がいけないってんだよ!それに今はあの恰好はしてねぇよ!」

「まぁまぁ…でも、何か心当たりがあるのかい?」

 

今は黒いインナーに白衣を基本的に着こなしている兄貴分の姿を思い浮かべながらもタスクはヒルダに珈琲を手渡した渡した

 

「……最近帰りが遅い」

「………それだけ?」

「………あぁ、そうだよ」

 

不機嫌とばかりにタスクから手渡された珈琲をチビチビと啜るヒルダは、ぽつりと一言こぼしたが、アンジュの追求に続ける言葉がなかった

流石のアンジュもそんなヒルダの態度に大きくタメ息をつくとお茶請けに出されたクッキーを適当に摘み呆れたと机に肘をついた

 

「ばっかじゃないの?子供でもあるまいし」

「なっ!」

「はは…アキトも忙しい身だしね?きっと研究とか開発が大詰めなんだと思うよ」

「………」

 

少し縛り過ぎなんじゃないの?とアンジュに呆れられ、タスクにも笑われては自分が可笑しいのか?と考えを改める必要があるのかと納得は出来ないが、理解しようとヒルダはカップに残った珈琲を一気に飲み干しタスクに御代りを要求した

 

「ヒルダの思い過ごしは解決したと言う事で、今度は私ね?……最近、サラ子が付き合い悪いのよ。この間もカラオケに誘ったのに『いえ、今は他に夢中な事がありまして』とか言っちゃって……それも一度や二度じゃないわ」

「あぁん?別に予定が合わなかっただけだろ?」

「サラマンディーネさんも昇進して忙しくなったってことだよ」

 

ヒルダのコップに新たに珈琲を淹れながらもタスクは今頃、クシャミをしているであろう近衛中将を思い浮かべた

しかし、タスクの返答にアンジュは口を強めて返答した

 

「私だってわかっているわよ!だからお付のドラゴン娘達にサラ子の休日を確認してもらったって言うのに……信じられないわ!おかわり!」

「ははは…」

 

タスクはアンジュにもおかわりの珈琲を淹れ、アンジュに手渡す

眉間に皺を寄せていたアンジュは立ち上がる珈琲の香りを一時、楽しむとゆっくりと口に運び………眼を見開いた

 

「……ヒルダ、アキトの帰りが遅かったのって二日前だった?」

「ん?……そうだな、後は「4日前」ッ!何で知ってんだよ!ッ!?まさか…」

「あぁ!コップが!?」

 

アンジュの言葉にヒルダは手に持ったコップをテーブルに叩き突けた

当然のように砕け散るコップの残骸は辺りに散らばり、タスクは「あぁぁ!」と情けない悲鳴を上げながらコップの残骸を集め始めるが、当の二人はタスクなど視界にも入れず深刻に裏どりし始めた

 

「…前から仲良かったよな、あの二人?」

「えぇ、それに同じ研究者で会う機会が多いわ」

「んで、アキトの帰りが遅くなるのとドラ姫が夢中になる日が重なる…」

「たまたまなんじゃないかな?ほ、ほら!二人とも研究者だし共通の研究対象がある…とか?」

「「ない!」」

 

コップの残骸をゴミ箱へ捨てて戻ってきたタスクは些か行き過ぎた考えに至っている二人を止めるべく声を掛けるが、一斉に否定された

 

「アキトの奴が愚痴ってたからな……ドラ姫は感覚で進めるから感にさわるって」

「サラ子もよ……アキトは柔軟性に欠けて細々しいって。…そんな二人が一緒に研究をすると思う?」

「そ、それは……」

 

そんなに仲が悪いようには見えなかったけどな~と声には出さないが思うタスクは、今度は割られまいと木製のコップをヒルダに差出し、アンジュのコップも陶器から木製へと変えたのであった

 

「やっぱり怪しいじゃねぇか!……私をほっぽいといて他の女の尻を追いかけるたぁいい度胸だ!」

「サラ子も眼を覚まさせなきゃ!」

 

むしろ、そんなに仲が良くないのであれば二人がそんな関係になるとは思えないけどな~と声に出さないが思うタスクは、もはや二人を止める事はできないとあきらめカウンターの中へと逃げようとした時、来客を知らせるベルが鳴り響いた

 

「ん?ヒルダも来ていたのか」

「アンジュ、仕事の方はいいのですか?」

 

ご本人登場!!!

まさかの展開にタスクは折角、叶えた夢である喫茶店が二人の修羅によって壊されてしまうのではないかと冷や冷やした思いで二人の様子を窺うが………なぜかヒルダがカウンターの中へと逃げ込んでいた

 

「ちょ、ちょっと!どうしたのよヒルダ!いきなり逃げて!」

 

案の上、先程までとは打って変わった態度をとるヒルダにアンジュはカウンター越しにヒルダに声を掛けた

 

「い、いざ対面すると怖くて……アキトに捨てられちゃうのかって思うと…」

「はぁ!?……いいわ!確かめてきてあげるわよ!」

 

ヒルダの返答に呆れたと声をあげるアンジュであるが、ここで引き下がるわけにはいかないとアンジュは意気揚々にアキトとサラマンディーネの座る席へと向かって行った

 

「何か用か?」

 

アンジュには眼中にもないとばかりにメニューを眺めながら訪ねるアキトの態度にアンジュは米神を寄せるが、ここでキレては話が進まないと押し堪え冷静さを繕いながらもアキトへと尋ねた

 

「はっきり聞くわ……貴方、サラ子と浮気してるでしょ?」

「頭狂ったか?」

「(♯`Д゜)ハア゛ァ!!??」

 

アンジュはキレた

ノータイムで相変わらずアンジュの顔を見ようともせずにメニューを見ながら答えられた罵声にアンジュの理性は崩壊した

流石のタスクもこれ以上アンジュを放置しては喫茶店の経営に影響があるとカウンターから飛び出しアンジュを抑え込んだ

 

「は、放しなさいよ!コイツ」

「落ち着いてアンジュ!サラマンディーネさん!…はアキトと密かに合ったりしているのかなぁ!?」

「密会、と言う事ですか?……あぁ、『ただ漏れターバン』の事ですね!確かにあの研究はアキトと共同で進めていますので密会と言えば密会ですわね?」

「嘘はいいわ!サラ子!貴女、アキトは柔軟性に欠けるって言ってたじゃない!アキトもそうよ!感覚的なのが癇に障るって!そんな相性の悪い二人が共同で研究するはずないじゃない!」

 

タスクの拘束を振り切り両手をテーブルに叩き突けたアンジュは唖然とする二人を睨み付けるが当の二人は、唖然ののち苦笑。サラマンディーネに至っては声に上げて笑い声をあげた

 

「ふ…何も相性が悪いとは言っていないぞ?」

「はぁ!?」

 

徐にアキトは懐から愛用している煙管を取り出し喫煙を始め、一度大きく煙を吸った後サラマンディーネに煙管を向けた

 

「確かにサラマンディーネは感覚で進める事が多く感に触るが、逆に言えば視野が広く発想力がある。今回のような古代の文献は欠けているモノが多く自身の推測で組み上げなくてはいけなくなる。……こういう時はサラマンディーネの発想力には驚かされるものだ」

「いえ、こちらこそ。アキトのプログラミングは助けられます。唐突も無い発想も下地が無ければ戯言を言っているのと変わりませんわ」

 

聞いていた話とは違う互いの印象にアンジュは眼を見開き、なんと言えばいいのか判らずワナワナと震え始め、タスクは二人の話を聞きある結論へとたどり着いた

 

「えっと…2人は互いに足りないモノを補いながら作業を進めているんだね?」

「そうだな。自分と同じ思考の科学者との研究はやり易いかもしれないが、新たな試みには違った感性をもった者が必要と言う事だ」

「じゃぁ、最近アキトの帰宅が遅くなるのもサラマンディーネさんの都合が悪くなるのも共通の研究を進めていたからなんだ?」

「お恥ずかしながら私達二人とも時間を忘れ研究に没頭してしまいナーガやカナメに止められるまで研究を進めていましたわ」

 

穏やかに笑い合う二人を見て自分達の勘違いだったと思え、今度からは遅くなる理由を本人に直接確かめようとヒルダは心に決め、タスクは夢の居場所である『喫茶アンジュ』が修羅場に成らずに済んだ事に胸を下ろした

 

「この………マッド共が~~!!!」

 

しかし、勘違いを炊き付けたアンジュは納得いかず声を上げるのであった……

 

 

 

 

 

 

 

※ 〇○しなさい!

 

白煙が充満する一室に置いて二人の男女が机を挟んで向かい合うように座り、ただたんに白煙を吐き上げていた

 

「このままだと俺達の命に関わるそうだ」

「ふっ……アイツも大袈裟だと思うがね」

「全面的に同意しよう。だが、事は深刻……だから対策を練るぞ」

「あぁ、そうだな」

 

煙管から白煙を上げる男…アキトは込み込んだファイルから数枚の写真を取り出し、口に咥えたタバコから白煙を上げる女…アレクトラは部屋に置かれたアルコールと二つのグラスを取り出し入れ始めた

 

「……邪魔立てするのはサリアにタスク、ヒルダにメイ」

「あぁ、特にサリアとタスクの抵抗が激しい」

「アイツが裏切ったのは痛かった……我々と同じ存在だと言うのに立場が奴を匿ってしまう」

「裏切り者は俺が裁こう。同胞を裏切ったのだ…同じ目に合わせてやるさ」

「ふっ……流石は黒百合の悪魔、っと言った所か」

 

マナ世界を恐怖に陥れたテロリストの発言にアレクトラは満足そうに頷きながらアルコールを煽った

 

「それでどうする?」

「一つは、同胞…仲間にすると言う案だが、共に拒否された」

「この至福をわからんとは…子供だな?」

「あぁ……第二案、抱いて有耶無耶にする。……力技だが身体で訴えるのだ」

「サリアはお前でタスクは私か?……残念だが私に年下の趣味も寝取りの趣味もない」

「……俺もヒルダ以外は抱く気はない」

 

第二案は没だな、とタメ息をこぼしながら二人はグラスを傾けた

度数の高い酒は喉を火照させるが、二人はむしろその事に快感を覚えるかのようにグラスを空にし新たに注ぎ入れ…アレクトラに二人の写真が写り込む

 

「…私の気のせいならすまないが、ヒルダやメイはそれ程反対していないように見えるが?」

 

反対組織の一派であるヒルダとメイだが、裏切り者の密告を受けたとしても特にアキトに何を言うまで言わなかったとアレクトラは思い浮かべた

それに対しアキトは苦虫を潰したかのように顔を歪め重々しく口を開いた

 

「…確かにヒルダやメイは反対派ではない、どちらかと言うと肯定派だ。……ただこの間、ヒルダと喧嘩して、な?」

「ふっ……メイは義姉の味方に付いたと言う訳か」

 

既に『ヴィルキスの甲冑師』としての役目を終えたとしても今まで繋いだ『一族の血』は確かであり、アキトとメイが遠縁だが親戚であると知れた今、メイはアキトをお兄ちゃんとして慕っていた

そして、アキトと恋仲であるヒルダは後々、『姉』になる可能性があるのでメイは親戚が増えると喜んでいたとアレクトラは思い出した

 

「第一案、第二案が無駄だとわかった……第三案……これしかないのか?」

「あぁ……事は速い方がいい。行くぞ」

「あぁ」

 

2人はグラスに残った酒を一気に煽り、白煙の部屋から出て行くのであった

そして向かった先は……

 

「害があるのは承知だ。俺も研究者……コイツの危険性は承知してる」

「今までずっと吸っていたモノだ。……今更、遅いとは思うがね?」

「よし!まず口に咥えてるモノを捨てようか?数値が高いんだよ!二人とも!」

 

俺とアレクトラは煙管と煙草を没収されたのであった

 

 

 

 

 

※禁煙しなさい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Oh? wait a moment?

It's after that, would everyone like to see?

All future is introduced only a little.

 

 

 

・アンジュ

誠なる地球に置いて新国家を立ち上げる為に日々奮闘。元より備わっていたカリスマによりアルゼナル勢は勿論、ドラゴン達にも大きな支持を受けて初代女王と就任する

最近の悩みは、女性型ドラゴン達が人間体の男性との繁殖行為に興味を持ち始めアレクトラに解決案としてタスクを要求されるようになり、二人の時間が取れないようになった事

 

「全く!男なら誰でも良いとか、野良猫と同じじゃない!」

 

・タスク

兼ねてからの夢であった『喫茶アンジュ』をアンジュ監修の元、オープンする

アンジュとの関係は継続しており、翌々は結婚を視野に入れて日々を過ごしていたが、新たに上がった問題を解決するまでは行動に出ない方が良いとサラマンディーネに諭され悶々とした日々を過ごす事になる

 

「最近、女の人からの視線が気になるな?ははは……」

 

・サリア

軍に席を置きながらもアンジュの秘書官に就任

軍に置いても政府においても多忙な日々を送る事になり、忙しくはあるが充実した日々を過ごす事になる。そんな傍ら魔法少女趣味がみんなにバレ、一時期イジられる対象となったが、娯楽施設の不足を解消する為にサリア完全監修の元、魔法少女の舞台公演が行われる様になった

 

「プリズムサリアだよ~!みんな!がんばろー!」

 

・クリス

サリアに代わり第一中隊隊長に就任する

だが、戦う相手がいないこの世界に置いて軍の在り方に疑問を感じたのか古代文明発掘調査に隊の在り方を方向転換させ、古代文明の解析に大いに貢献し多忙になる

最近、文明調査隊と政府支援部隊(主に建築・土木)と部隊を再編制し自分の時間を作る事に成功した

 

「アンジュもサリアも私を働かせ過ぎたよ……」

 

・ロザリー

クリスと共に軍に所属

自分にはコレしか出来ないからと第一線でパラメイルに乗り続けるが、影では娯楽施設の開発の一端を補うようになり後々、多額な資産を築く事になるが当の本人はまだ自覚はない

周りに影響されてか最近、マイホームを建てる事を夢見る様になった

 

「家を建ててクリスと暮らすんだ!……金ねぇけど」

 

 

・アレクトラ

アウローラの艦長として再就任していたが、クリスの成長ぶりに引退を決意。後は若いモノに任せて遊遊暮らす予定を立てていたが、アンジュに捕まり政治の世界へと引きずり込まれる

もっぱらの仕事はアンジュの相談役として言葉を交わすが、意見が割れる事の方が多く、憂さ晴らしへと問題解決案にタスクを要求した

 

「タスクなら問題なかろう……コレを気に私の苦労を感じるんだな」

 

・エルシャ

持ち前の母性はドラゴンにも功があり、アンジュの支援により創立した保育園の園長となり女性の社会進出に大きく貢献する事になる

最近の悩みは育児ママからの見合いの話が上がってきている事だが、彼女からしてみれば相手が皆、人間体ではないので戸惑っている模様

 

「私も…結婚したいんだけど相手が、ね?」

 

・ヴィヴィアン

軍を除隊し母親と暮らす事を決意。その影にはエルシャがおり、今まで過ごせなかった分、家族の時間を築いて欲しいとの事

今は両親と共に仲良く暮らし、アルゼナルとは違った新鮮な暮らしに感動を覚える

 

「クイズです。お父さんはどやって家にいるでしょ~か!」

 

・サラマンディーネ

先の功績により近衛大将へ昇進。

大巫女から絶大な信頼の元、アンジュの国立ち上げにも協力し外交官としても働き始めるが、もとより要用の良い彼女は少ない休日や空いた時間を利用し研究に没頭するようになる

研究に没頭するあまり、仕事に遅刻するようになってしまったがカナメやナーガのフォローのおかげで問題にはなっていなく、歯止めが効かなくなった

 

「駄々漏れターバン……開発にはアキトの力を借りましょうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

And those two people……?

 

 

「パパはまだ帰って来ないねぇ~ツキヨ?」

「ばぁ?」

 

真新しいウッドチェアに腰を下ろしながら夕日を眺める二人の女性、2人と言っても片方はまだ言葉も話せない小さい赤子である。自然的に赤子を抱きかかえる女性が母親だと示していた

 

「ん~…ッ!だぁ!」

「ん?どうかしたかい?……あぁ、帰って来たのね」

 

赤ん坊…ツキヨが指差す先には、沈みかけた夕日にポツリと浮かぶ黒点が見て取れた

 

「クッソ!アンジュの奴!何が弟分を助けなさい、だ!ドラゴニウムの浄化作業を効率よく進めればドラゴンにならなくてもいいだけだろうが!」

 

早く帰宅したいが為にブラック・サレナで通勤するアキトの姿を見れば本当に世界を恐怖へと導いたテロリストなのかと疑問を思う程に愛妻家であり親馬鹿へと変化していた

 

周囲の林檎畑を傷つけないように自宅の横に建てた格納庫にブラック・サレナを着陸させたアキトは早足でヒルダ達に近づいて行った

 

「ただいま」

「おかえり、アキト!」

「あぁ、ただいまヒルダ、ツキヨ……」

 

2人に迎えられたアキトは満面の笑みで二人を抱きしめるのであった………

 

 

 

 

 

 

 

・ヒルダ・ミルキーウェイ

クリス、ロザリーと一緒に軍に所属していたが、妊娠している事がわかり除隊、結婚

若くしての妊娠は難産となるが無事に第一子『ツキヨ・ミルキーウェイ』を出産

慣れぬ育児に苦戦しながらも恩師の面影がある我が子を父親と共に育てる日々を過ごす

出産後は、誠なる世界において前の世界と同じ品種の林檎の木を発見し育てながらもアキトの帰りを待つ専業主婦となった

 

 

・アキト・ミルキーウェイ

アンジュの作る国に必要なモノは多く、研究員だけで終わらなく医学薬師、技術者として働かせられる。本人もそこまでやる義理はないと最初は拒否していたが、ヒルダが妊娠しているのがわかり万全な状態での出産が出来る環境を作る為に就任

あの頃のアキトはテロリストだった時と同じような覇気溢れるモノであり、ヒルダが妊娠している9ヶ月の間に多くの発明・開発が行われた

現在は医薬部門のトップとして一児のパパとしてヒルダと共に『幸福な日々』を送っている

 

 

End

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

What?onemore?OK……

 

 

ツキヨ・ミルキーウェイ

親馬鹿のアキトが甘やかし基本的に子供の自由を尊重していたヒルダの教育の元、自由奔放に育った結果、名を貰った恩師二世と言われるまで性格が酷似した子供になる

父親の影響で研究が趣味となり、自作した研究品で悪戯をする日々を送る

専ら悪戯の対象は父親の弟分とその子供であり、一時期生命の危機を感じた弟分は国の女王であり妻に相談し国を持って対策を練ったほど……

 

………のちに時空を渡るパラメイルを開発し向こうの地球との懸け橋となる

 

 

 

 

 

 

 




こんばんわこんにちわ祈願です

この話をもってクロアンは完結です
理由はログホラを書きたいからです

ナニブン、不器用な作者は2つ同時進行だと頭がパンクするためログホラの執筆にあたりクロアンを完結させました

長い間、お付き合いしていただいたみなさまに最大の感謝を込めて……

ありがとうございました!

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