ご了承ください
超対称性治療のおかげで、なんとかリィザに肩を貸して貰わなくても杖で歩けるようになった俺は、リィザに案内してもらいとある一室を訪れていた
「……ここが貴様の研究室か?」
「えぇ、主に龍神機の調整や兵器の開発、古代遺跡の解析などに使っておりますわ」
訪れた場所はサラマンディーネの私室であり、龍神器を製作したと思われる研究室。
彼女の性格からか、机の上の書類や部屋の至る所に設置された機材は整理整頓、整備されており、博士の研究室とはまた違った雰囲気を醸し出していた。しかし――――
「研究室としては二流の設備……だが道具は、使う者の腕次第で化ける事を現している様だな?」
「ふふ、褒め言葉として受けとっておきますわ」
「ふ、期待させてもらおう」
旧式の機材でエンブリヲの作り出した機動兵器に対抗できる龍神器を創り上げる程の腕を持つサラマンディーネが、協力してくれたいま、問題なく『高機動ユニット』の作成に着手出来るだろうとこの時は思っていたが、現実は違った―――――――
「言っただろう、プラン通り、機動力と装甲を向上させると」
「ですが、武装が無くなります。いくら早く、そして硬くなろうが、攻撃手段が無ければ的と同じではないですか!」
「だからと言って機動力を殺しては意味がない。
「それが安易だと言うのです!最低限の武装を装備し臨機対応に事を構えるべきです!」
元よりタイプの違う科学者同士が、手を取り合って研究をするなど、意見の対立が起るのは目に見えていた
……だから、答えを複数求める科学者は嫌なんだ。答えが決まっているのなら、その答えをとことん突き詰めより美しくより完成度が高いモノを追求するのが科学者だと言うモノだろうに!
俺の科学者としての意見とサラマンディーネの科学者としての意見は対立し作業は一時中断、互いに頭を冷やす事でその場はお開きになったのだが………彼女に対する認識が甘かった事を後に後悔した
翌日、彼女の研究室を訪れてみれば見慣れないモノが乱雑に置かれていたのだ
「……なんだ、これは?」
「ビーム兵器ですわ。先日の件……納得がいきませんでしたので私なりに改良させて頂きました」
「……今の俺には、精密射撃は無理だぞ?」
「ですから大経口を選択し多少ぶれても大丈夫なようにしました。それと古代の技術でもある
彼女の知的好奇心は、留まる事を知らなく『精密射撃が出来なければ補助する機能を付ければいいじゃない!』とばかりに旧世界の遺産であるマルチロックシステムを勝手に導入していたのだ
確かに標準合わせを自動で設定してくれれば目標をセンターに入れてスイッチするだけで撃破出来る強力な武器となる。………が、試験用の名の通りシステムの構成に穴があった
彼女もその事を理解しているようで、選択した武装は大経口で当らずとも影響を与えられるモノ、爆炎で余波を狙うモノが選ばれていた
頭を冷やし一晩考え、今は自身の求める科学を追求する事よりエンブリヲを倒す為に火力を増やす事を決断した俺としては、勝手に研究を進められて面白くはないが、標準のブレは今の俺の腕でもカバー出来るし機動力は落ちているが許容範囲内である
「俺の機体を実験機にするな………
「はい!」
なにより俺の火力向上プランと彼女のプランが全く一致だった為、文句はない
次からは相談しろと小言を口にしながらサラマンディーネとシステムの調整にはいるのであった
昔読んだ文献に、方向性の違う科学者同士の意見が一致すると作業効率は比較的に向上するとあったが、どうやら本当だったらしい
色々な角度から多くの
彼女の側近であり助手でもあるカナメとナーガと名乗る女も俺達の作業速度には付いてはいけない様で、終始飛び交う俺達の会話に頭を抱えていた
なにより――――――――
「推進力は、装備後1,5から3倍まで上昇すると思われますが、体の負担も大きくなりますわよ?」
「問題ない、その為の重圧緩和システムを設計……『駄々漏れターバン』なんだ、この設計図は?」
「あぁ、それですね?四次元空間に眠っていた設計図を拾い上げたモノですわ」
「装着者の心の声を聴く事が出来る、か。……面白い、俺にも噛ませろ」
「その研究に興味が沸くとは流石アキトですね?……ですが、この研究はエンブリヲを倒した後にしましょう」
「あぁ、まずは目の前の事を処理してからだな?」
今まで一人で研究していた分、一緒に研究してくれる人がいて楽しかったのであろう
サラマンディーネの方も自分の考えを理解した上で同じ立場で意見を言う人が出来て嬉しいようで時間を忘れて二人で研究に没頭した……結果、明け方まで作業していた所を巡回していた兵士に見つかり、俺は
いつ如何なる時にエンブリヲの奇襲がくるかわからない為、作業を急いだと二人揃って同じ事を口にしたが、「奇襲の前に身体を壊したら元も功も無い」と火に油を注ぐ結果に変わり、その日は一日中休まされてしまった
しかし、俺達の知的好奇心は留まる事を知れず人知れずこっそりと作業を進めた
その甲斐もあってか、予想していた日数より早くこの日を迎える事が出来た
「………完成したな」
「えぇ、この『黒龍號』は、貴方の新しい力となってくれましょう」
「……重装備タイプでいいだろう」
「頭の部分は焔龍號の予備パーツを使いました。なればこの機体も龍神器の一種ですわ」
「……D-Tで妥協案を出そう」
「ドラゴンタイプですか……まぁいいでしょう」
「………」
最後に、意見が分かれはしたが、決戦の準備が整った
後は、試運転を試みて誤差修正をするだけだと言うタイミングで―――
「姫様ッ!」
「どうしましたか?」
「レーダーに強い反応が!おそらくラグナメイルが戦闘を開始しました!」
「ッ!いよいよですわ……今行きます、アンジュ!」
――――――この日を迎える事になったのであった
◆
クロスアンジュ天使と竜の輪舞 ~黒百合~
二十五話 狂気乱舞
◆
「反応があったポイントは、X168Y86Z77です、姫様!」
「では、その場所にシンギュラーを開きます。……おそらく、戦闘中だと思われますので、十分に警戒してください」
「「はい!」」
焔龍號の同系機である碧龍號と蒼龍號に乗り込んだカナメとナーガに指示を送るサラマンディーネの傍ら俺もブラック・サレナの最終調整を行っていく
試運転は出来なかったが、D-T型の完成度は高く余程の事が無い限り、不備は起きないだろう
「アキトも準備はよろしいですね?」
「あぁ……貴様もアンジュの救出に目を取られて本来の目的を忘れるなよ」
「心得ていますわ」
今回の目的は、アンジュの救出……ではなく、アウラ奪還の最大の敵となるエンブリヲを敵とする〈アウローラ〉に共闘を申し込むのが目的だ
話しに寄ればアンジュが、その架け橋になる予定であったが、ラグナメイルと戦闘になってしまったのでどのように転んだのか判断が出来ない状況でいた
アンジュが、ラグナメイルとの戦闘から逃げ切り〈アウローラ〉にドラゴンとの共闘を持ち出していなければ、鉢合わせた時、後ろから撃たれかねない
〈アウローラ〉との接触は、今回の最大の目的なのだ
「シンギュラー開きます!」
サラマンディーネの掛け声に顔を上げ、新しい力を身に着けたD-T高機動ユニット型ブラック・サレナのスラスターに火を灯す
高機動ユニットからは、ブラック・サレナ本体の力に加わり新たな火を灯し炎となってブラック・サレナに力を与えていった
今にも疾走しそうになる機体を押し止め、サラマンディーネに続くかたちでシンギュラーを潜った先に見えたのは…………4機のラグナメイルに追われるヴィルキスの姿であった
「あれはっ!」
「先行する。援護しろ」
「ッ!えぇ、受け賜りましたわ!」
押し止めいていた炎を解放し俺は、隊列を組んだラグナメイルに向い真っ直ぐに突撃していった
サラマンディーネの援護射撃で此方の存在に気づかれはしたが、逆に反撃の心配もない!
4機の隊列を崩しに掛り、
だが、相手も俺が手を加えた連中であり、形に多少の変化があれど、直ぐに突っ込んでくる相手がブラック・サレナだと判断すると本来の回避行動より大きく機体を旋回させた
「掠れば
『ですが、隊列が崩れた今が好機です。……借りを返しに来ましたよ、アンジュ!』
『サラ子……』
ラグナメイル達が此方を警戒し接近してこない事を気にアンジュに話しかけるサラマンディーネ
別段話しかける必要は無い様に思えるが、アンジュがエンブリヲの洗脳に掛っている可能性がある為、確認の意味を込めてアンジュに話しかけていた
予想通り、アンジュはエンブリヲの洗脳には掛っておらず唖然としながらもサラマンディーネを見つめている
だが、アンジュの生体バランスやヴィルキスの損傷具合は危険と言ってよいモノであり、一刻も早く戦線離脱する事が求められている事がわかった
「随分みずほらしくなって………それに風下だと臭いますわ」
「我慢しろ……アンジュの離脱を援護するぞ」
「あら?目標はアンジュの救出ではありませんよ?」
出撃前に俺が言った忠告をそのまま返してくるサラマンディーネであったが、ブラック・サレナは此方側に来てから段々と近づいて来ている反応を探知しているので問題ない
「あぁ…だが、目標の部隊が此方に接近中だ。アンジュの離脱を手助けしても問題は無い」
「そう言うことでしたら……カナメ!ナーガ!行きますよ!」
「「はい、姫様ッ!!」」
サラマンディーネの合図を境に開始される戦闘
龍神器が一斉にビームを撃ち、敵をばら撒かせ一体多数にならない様に牽制する
ラグナメイルが4、こちらも4、さらに言えば数分後に〈アウローラ〉の部隊が此方に合流する事を考えれば優勢になる
いくら機能が劣っているパラメイルが相手だとしても一体多数は分が悪い事は判っているだろう………落とすのは今だと操縦桿を握りしめた瞬間、一機のラグナメイルが隊列を崩しアンジュの方へと向かって行ったのだ
「あの機体は……テオドーラ、か。ッチ!視野が広いと思っていたがこれ程とはな!ッ!」
アンジュの侵攻先には〈アウローラ〉のパラメイル部隊が展開していた
パラメイル部隊と『神の機体』ラグナメイル
本来であれば数の勝るパラメイル部隊が勝利を収めるモノだが、今回は違う
エンブリヲが作り上げた機動兵器は伊達ではなく、パイロットの能力によっては一騎当千の力を発揮する。……唾吐き女は、そこまでの領域に届いてはいないが片足を入れた状態だ
尚更、悪い事にピレスロイドの援軍まで来ている次第、ピレスロイドとアンジュの対処をパラメイル隊に任せる行為は劣勢になると判断した俺はテオドーラを引き止める為、ビームキャノンの標準をテオドーラに合わせようとしたが一筋のビームによって遮られてしまった
『……ちょう…………いちょう』
攻撃して来た機体を見れば相手は、エイレーネ……イルマであった
イルマは、龍神器が攻撃を仕掛けてくる事など知った事は無いとばかりに碌に防御もせずに真っ直ぐ俺に向って斬り掛かって来たのだ
しかし、「アサルトモード」状態の攻撃など高機動を可能にしたブラック・サレナに届く筈も無く、余裕を持って回避し次に備えるが、サウンドオンリーの通信から聞こえる声に俺は動きを止めてしまった
『ふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょう…………副隊長』
動きを止めたのは、この空域にいる全ての機体だった
エイレーネから
俺の記憶にあるイルマと言う女性は、誠実で純情な乙女だった筈だが、どのように転べば、あんな甘ったるい声に殺意を込めて言う女になるのか疑問に感じ……………敵ではあるがレイジアに通信を繋げた
「レイジア、聞こえるか?」
『副隊長ッ!なぜ!?』
「今は俺の質問だけを答えろ…………イルマに何があった」
一時的だとは言え、〈ダイアモンドローズ騎士団〉の副隊長を務めていた利点を生かし、この中でもっとも話を聞き出す事の出来るパイロットを判断した結果、年長でもあるエルシャであれば、彼女の性格柄、部隊の状態を把握していると読んだのだ
一方エルシャは、今は敵となっている俺からの通信に戸惑いの表情を浮かべるが、直ぐに口を開いた
『……貴方のせいですよ、副隊長』
「……なに?」
『イルマちゃん、副隊長に認めて貰おうと頑張っていたのに裏切ったって知ってかなり落ち込んだのよ。……部屋からも出すにひたすら泣いて、しまいには……首を吊ろうと』
「………」
……エンブリヲの洗脳化下にあったとは言え、あの時の俺はイルマを最愛の女性に思え、イルマも俺の事を最愛の男性に感じ互いに求め合っていた
それが、一方的に、それも裏切りと言うカタチで別れてしまったのだ……塞ぎこんでしまっても仕方がないと俺ですら思える
しかし、あの変わり様には繋がらない。なにか第三者の介入が……
眉間に皺を寄せる俺にエルシャは、更に言葉を投げつけてくる
『このままじゃ本当に死にかねないって思ったターニャちゃんがエンブリヲさんに相談して、何とか出て来てくれるようになったのに……なんで……なんで!』
「エンブリヲに相談、か……」
直ぐにイルマの急変の理由を悟った……エンブリヲがイルマの感情に介入した、ただそれだけだ
俺に湧きもしない愛情や痛覚の操作など神の所業としか思えない行為を行ってきた奴ならば愛情を憎しみや恨みに変える事など他愛もないことだろう
「感謝する、レイジア」
『い、いえ……それより戻って来てくれませんか?そうすればイルマちゃんも元に戻る筈です』
それだと言うのにまだイルマが狂った原因が俺にあると考えるエルシャは、俺の説得を試みてくる。なんて馬鹿な事を……
「言った筈だ…………俺はエンブリヲを殺す手段や戦力を把握する為に存在し、忠誠を誓ってはいないと」
『そ、そんな………』
「最後の通信だ………貴様もエンブリヲに利用されている。手遅れになる前に投降しろ」
『……これは出来ません、あの子達の為にも私は!』
「それが、エンブリヲの『ふぅぅくぅぅたぁいちょぉぉぉ!』糞がっ!黙れ!」
〈ダイアモンドローズ騎士団〉に在籍していた時から感じていたが、エルシャは、エンブリヲに対する依存は他と比べて弱い、彼女がエンブリヲの元にいる理由がガキ共にあるのだから当然だが、感情を操作されていないのであれば此方に引き込む事も可能だと思い説得を試みるが、
『アキト!いま援護します!』
「いらん!むしろ隊列が乱れた今が好機だ!一機づつ確実に落とせ!」
俺の事しか見えていないエイレーネを俺が引付ける事で、レイジアとヴィクトリアに対し数の優位性が生まれる。それに俺の説得が効いているのかレイジアの動きが悪い
……ここは、確実にヴィクトリアを落としエンブリヲの戦力を削るのが得策だ!
『ふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょうふくたいちょう………』
「貴様はこれしか言葉に出来ないのか!沈めッ!」
いくら高性能なラグナメイルとは言え高機動ユニットを装備したブラック・サレナに『アサルトモード』で追い付こうとするなど愚の骨頂だ!
速度を一気に上げ、急旋回!身体に強大なGがかかるが、もとより覚悟の上だ!
軋む身体に鞭を打ちヴィクトリアの後方に回り込んだ俺は、サラマンディーネ考案のミサイルポットからミサイルを撃ち出した
ミサイルは、狙いを外さずヴィクトリアに直撃し爆炎で包み込んだ
速度を落とさず、味方の被弾に固まるラグナメイル達に今度は狙いを定めミサイルの標準を合わせようとした時――――
「ッ!」
ブラック・サレナに衝撃が走った
何事かとサブモニターで確認してみると損傷の激しいエイレーネが擦れ違い様にブラック・サレナに取りついて来ていたのだ
素直に離脱しておけば良かったと後悔しながらも振り落す為にスラスターに更に火を灯すが、一向に離れる気配がない
風圧で装甲が崩れ落ちるのも関係ないとばかりに、ひび割れた両手でしっかりとブラック・サレナを掴むエイレーネに恐怖に似たような感情を抱いてしまう
『――――――――やっと捕まえた、ア・キ・ト』
―――――――否、恐怖を感じた
機体同士が接直している為、強制的に通信を繋げられ、サウンドオンリーのモニターにイルマの顔が映し出されるが、彼女の眼はハイライトの無いうつろな目をし、頬を褒めながら悶えていたのだ
『いまアキトと私は肌を重ねている。アキトの目がアキトの耳がアキトの鼻が……全てが私に向けられている。んっ!っく……はぁはぁ……貴方に見られるだけで私は……私はッ!』
…………正直、逃げ出したいです
俺を見ながら秘部に手をやり、勝手におっぱじめている女を強制的に見せられて興奮するほど俺は変態でもありません
急発進や急停止、バロールを繰り返し引き剥がそうと無茶な飛行を繰り返すが、一向に離れる気配はなかった
『アキト、なんて激しいの!いいわ、私は貴方の全てを受け止めてあげる。だから……アキトも私を見て私を求めて!』
「サラマンディーネ!援護してくれ!いや、助けてくれ!」
『………』
焔龍號から無言のまま撃ち出されたビームはヴィクトリアの腕を破壊し、ブラック・サレナの装甲も焼いてしまったが、あの状況から脱出できるなら安いモノだ
『救援感謝する………どうした?』
ヴィクトリアから大きく距離を取りながら焔龍號の隣に並び、サラマンディーネに礼を述べるがサラマンディーネは俺を憐れみに満ちた目で見ていた
『アキト…なんて声を掛けたらいいのかわかりませんが……気を強く持ってください』
聞かれてた!?と言うか
『アキト……なんで私から離れるの?そこの女がいいの?なんで?なんでなの?どうして?どうしてなの!?』
「……もういい、黙れ。黙ってくれ」
『これは試練なんだね?エンブリヲ様も言っていた……神様が私達に科した愛の試練なんだね!』
「………本当に黙ってくれ。頼む」
最早プライドなど無い
『……随分と愛されていますわね、アキト?』
「本気で言っているのなら殺すぞ」
『冗談ですわ。………敵戦力を把握しアウラの場所も特定した今、無理にアウラの奪還を行う必要はないと思います。……一旦引いて体制を立て直した方が良いと判断しますが、どうでしょう?』
「……同意する。現状戦力で押し切る事は可能だが、後にエンブリヲが控えている事を視野に入れると一旦引いて〈アウローラ〉と合流した方がいいだろう」
『そうですわね………カナメ!ナーガ!引きますよ!』
『『はい!』』
ラグナメイル達に牽制を入れながら後退し離脱を計る
ラグナメイル達も追撃するつもりは、無いようでビームシールドで此方の攻撃を捌きながら後退していっていた………約一機は、シールドも構えずに壊れた両手を広げながら叫んでいたけど
『アキト!待っていてね!私が貴女を救ってあげる!そしたら私達は永遠に愛し合いましょう!』
キコエナイ……キコエナイ……
後から聞こえる狂言に耳を塞ぎながらこの場を離脱し、〈アウローラ〉と合流を果たすのであった
壊れたのはイルマでした
彼女はターニャに次ぎ、モブキャラから昇進を果たしたキャラでしたが、ターニャの裸エプロンに比べ絵描きだけとキャラが弱かったのでヤンデレにジョブチェンジしてもらいました
イルマファンの方………申し訳ありません
でもイルマを活躍?させる為にも『第二十二話 傀儡』を書いたので後悔はしていません!
重ねて言います
イルマファンの方………申し訳ありませんでした