処女作なので後々の展開が心配ですが頑張ります!
双也視点
では始まり〜!
第一話 危機に陥るは出会いの始まり
「ハァ…ハァ…ハァ…」
よっす、神薙双也です。今俺は前世でもしたことの無い様な速さのダッシュをしています。なんでかって?
フフ、人が必死になる理由、そんなのは単純明快。
「グオオオオオオォォォオ!!!」
……命の危機が迫っているからである。
「チックショウ! なんで転生先で真っ先にこんな目に遭うんだよ!」
「グオオオォォォオ!」
〜一時間前〜
「…ん?コレまたよく分かんないとこに…」
閃光が止んだ後、目を開けるとそこは森の中だった。
周りを見やり、足元に視線を落とすと紙切れが落ちていることに気が付いた。拾い上げてみると、それは手紙のようだった
-双也へ-
竜神じゃ。
これを見ているなら無事に転生できたんじゃろう。
さて、転生させた理由じゃが…強いて言うなら、お前の行動が神の目に止まったとでも言うべきかの。大切な友人である東風谷早苗に迫る危機を、自分の身を呈して払い除けた。最近の人間の中でもそんなことの出来る者はそう居らん。そこでじゃ、「こんなに勇気のある優しい人間を、この年で死なせるには惜しい」ということで転生許可が降りたのじゃ。自分を誇るとイイぞ♪ まぁお前に生きる意思が無かったらどうしようもなかったんじゃがの
とまぁそんな訳じゃ。心置きなくこの世界を楽しんでくれ。何の世界かはおのずと分かるじゃろう。ではな。
竜神からだった。なるほど、現代では俺みたいな人間は珍しいから転生させたと。……本当にそうかな?早苗とかお人好しだからやりそうだけど… まぁいいや、これからどうしようかなぁ
あれこれ考えていると後ろから地響きがしてきた。ドスン!ドスン!と鳴る度に肩を震わせるが恐る恐る後ろを振り返る。するとそこには…
「ガルルルルゥゥ…」
巨大な熊のような化け物がヨダレを垂らして仁王立ちしていた。
大木も削り折ってしまいそうな鋭い爪、口の隙間から見える猛々しい牙。あこれヤベェ 観察してる場合じゃねぇや
化け物は今にも襲い掛かってきそうだ。
(ん?ちょっとまてよ?俺って確か神に転生したんだよな?なら…)
震える体を叩いて化け物にパンチしてみた。俺がホントに神ならこんなヤツ吹っ飛ばせるはず!
なんて思ったのが間違いだった
化け物は吹っ飛ぶどころかただ普通に立っていた。なんかハテナマークまで見える。
俺が攻撃してきたと認識すると追いかけてきた。それから30分、叫びながら全速力でダッシュして、今に至る。
「だぁぁれぇぇかぁぁああ!!」
「ガオオオオオオオウ!!」
俺が走っていると森の出口が見えてきた。そこに人影も見える。おーい!そこのひ…
「伏せて!!」
「え!?」
俺はほぼ反射に近い動きで地に伏せた。え?今なんか頭に掠ったんだけど…
ドスウゥンと後ろですごい音がしたので見てみると、化け物の脳天に深く矢が刺さっていた。
「ふう、間一髪だったわね。あなた大丈夫?立てる?」
「え? あ、うん 大丈夫。」
俺は青ざめた顔で生返事し、助けてくれた恩人の顔を見る。その瞬間俺は固まった。
「? なに? 私どこか変?」
その人は青と赤で半分に色分けされた服を着ており、手には大きな弓、銀色の綺麗な長髪は結わえられて肩の前に纏められている。 …俺はこの人を知っている。前世の動画や本で見たことがあるからだ。
「や、八意…永琳…?」
「あら、私の事知ってるの?」
驚きでつい声に出てしまっていた。迂闊だった。初対面なのに名前を知ってるのはどう考えてもおかしい!!
「…ま、知っててもおかしくは無いわね。私は薬師として結構有名だし」
…が、どうやら杞憂に終わったようだ。あぶねぇ…下手したら、怪しいって理由で実験台とかにされるとこだった
……そこまで酷くはないかな?
「あなた…今失礼な事考えてたでしょ」
「!?」
「そんなに驚くことじゃないわ。全部顔に出ているもの」
永琳がジト目で見てきた。マジか、俺ってそんなに顔に出るタイプだったかな…
とりあえず永琳が町まで案内してくれるそうなので付いて行くことにした。
途中で名前を聞かれたから「神薙双也です」と答えたら
敬語はいいと言われたので普段通りに話す事にした。
しばらくすると門が見えてきて、そこに二人の兵士が立っているのも確認出来た。
「ご苦労様。通ってもいいかしら?」
「ハイッ!もちろんでありますッ!」
永琳が声をかけると若干顔を赤くしてビシッと敬礼した。
永琳は軽くスルーしてるけど、なんか俺はすごい睨まれた。門を通るときは生きてる心地がしなかった。
そういう訳で無事に到着。門の内側には、想像はしていたとはいえやはり驚く様な光景が広がっていた。
「さぁ、行きましょう。…?どうしたの?」
コレが…町? 少なくとも俺の知っている町とは程遠い。
コレは町っつーか都市だろ
「おーい、双也ぁー?」
なんか車っぽいの浮いてるし、スケボーがコ○ンよろしくのスピードであちこち走ってるし
「聞こえないの〜? (ヒラヒラ)」
てゆうかなんだ、家らしい家が無いんだけどビル群なんだけど。え?アレに住んでるの?みんな?
「……………」
気が付くと永琳が至近距離で弓を引き絞っていた。
それが視界に入った瞬間俺はしゃがんだ。頭の上では矢が空を切るヒュンッって音がした。
もう何も言えねぇ…永琳怖い…
「はぁ、それで?随分驚いていたみたいだけど、あなた…」
町の人間じゃないわね?
それを聞いた瞬間身体が強張って動けなくなった。
まずい…どうすればいい…? ここで嘘をついて追い出されたりしたら早いうちにさっきのような化け物に食い殺されるだろう。困った…
俺が悩んでいる事もつゆ知らず、永琳はクスクス笑っている。なんだよ
「フフフッ 何も心配なんか無いのに、随分必死に悩んでるのね?追い出されるとでも思った? フフフフッ」
「!? …全く敵いそうにないな。それで、心配ないってどういうこと?」
「ああ、そうね、説明するわね。ずっとここにいるのもなんだし歩きながら話すわ。付いてきて」
歩きながら永琳に説明を受けた。どうやら他の町からの移住にはツクヨミという神と話をつけないといけないらしく、今から会いに行くそうだ。話し合いの時は永琳も一緒に居てくれるようなので安心だ。
ちなみに、永琳がさっきあんな質問をしたのはただの興味本意だったようだ。なんでも、最近は妖怪(さっきの化け物の事らしい)が荒れているらしく、移住などは少ないからだそうだ。心臓に悪い。
というわけでツクヨミの部屋まで来た。俺の居る床より少し高いところに座っている、青を基調とした服を着ている凛とした女性。おそらくこの人がツクヨミだろう。
「ツクヨミ様、町に移住したいと言う者を連れて来ました。」
永琳が声をかけるとうむ、といって俺を見つめ始めた。
10秒くらいするとツクヨミは目を少し見開いてこう言った
「ふむ、いいだろう。移住を許可しよう。ただし、双也と言ったか?お主は永琳と共に暮らすのだ」
「「…………え?」」
永琳と声が重なった。は?何言ってんのこの人?
「異論は認めぬ。永琳も、いいな?」
「……はい……分かりました」
いいのかい!と、喉元まで突っ込みが出かかったがなんとか押し留めた。反論して追い出されたら元も子もない。
素直に従う事にした。
「うむ、よし、双也は下がって良い。永琳は少し残れ」
「え? はい」
永琳は返事をすると先に行ってて、と鍵を渡してきた。
イヤ道わかんないんですけど。
「ボタンを押せば案内してくれるわ。それじゃまた後でね」
そして永琳と分かれ、家に行く事にした。分かり切ってるけど、ボタン押したらホントに案内してくれた。21世紀もこんな感じなのだろうか?
家に着き、中に入ると早速薬品の強烈な臭いがしてきた。
外にいても仕方ないので中に入って待つ事にする。
あー結構きつい。臭いキツイ。
少ししたら永琳も戻ってきた。片手には買い物袋を下げている。
「ああ双也、少し待っててね。夕飯作るわ」
「あ、手伝うよ俺も」
おお、永琳の手料理食えるんだ!やった!と思いながらも手伝う事にした。居候なんだ、それくらいやる。
で結果から言うと……とんでもなく美味かった。流石永琳なんでも出来るようだ。
夕飯中は、改めて自己紹介ってことで握手しただけだから割愛。
そしてその夜。貸してもらったベットの上でこの世界のことなど、情報を整理した。
まず、ここはおそらく東方projectの世界、そして時代は、多分恐竜が生まれる前、超古代ってとこかな?
種族とか能力は分からないし、今考えても答えが出るわけでも無いのでそれはまた今度という事にした。
しばらく目を瞑っているとだんだん眠くなってきた。
さぁ、第二の人生2日目!明日も頑張ろう!
俺は眠気に身を委ね、眠りについた。
いかがでしたでしょうか?
1話分の長さとか、いまいちちょうどいい長さがわからないので少し心配です。読みにくかったらごめんなさい。
ではでは