ゆっくりとゆっくり隊長   作:koth3

3 / 17
少々読みづらいところがありますがご容赦ください。
魔理沙二連続登場。
幻想郷入り。
もう短編じゃなく連載にしようかな?
ギャグ少なめです。


ゆっくりとゆっくり隊長と鬼と魔法使い

 「ふぁあああ!!」

 

 僕は布団から上半身だけ出して伸びをする。ポキポキと小気味良い音が体の中で響き、朝から悲鳴が上がる。

 

 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆ!!」

 

 どうやら、またあのゆっくりのようだ。

 蒼い髪に赤い瞳、さらに大きなコウモリの翼を持っているゆっくりだが吸血鬼のように太陽の日を浴びれないのだ。逆に太陽を浴びると元気になるゆっくりもいるが。そのため、そのゆっくりのために僕の部屋はカーテンを閉めるのだが時折他のゆっくりがカーテンを開けてしまうのだ。そのため、時折朝日でゆっくりが燃えることがある。今日は朝日が当たる場所にこのゆっくりが転がっていってしまったようだ。

 

 「さて、カーテンも閉めたし下でご飯でも食べようか」

 「申し訳ありませんがそうはいきません」

 

 え? いきなり声が響いた? いつも寝ているゆっくりの声だったけど、ゆっくりがそこまで複雑には喋らないのに。

 

 「いつも寝ているって。あなたもそう思っているのね。

 コホン、ゆっくりたちをここまで統率できる貴方を外に置いておくわけにはいきません。幻想郷に来てもらいます」

 

 そんな声が響く同時に下の床に紫色でいくつもの目がある穴が出現して、落ちてしまう。

 

 「うわああああああああああああああああああああああああああ!!」

 「「「「「「「「ゆっくり!!!」」」」」」」」

 

 そんな僕を追いかけるようにゆっくりたちも穴に落ちる。

 

 「安心しなさい。一応霊夢の場所からずらしたから、いきなり霊夢に襲われることはないでしょう」

 

 いや、霊夢って誰!? そんなことより僕を部屋に返してほしんだけど!

 そう思い口を開こうとすると同時にどこかに僕は投げ出された。

 浮遊感に驚いて下を見ると空をおちていた。

 

 「嘘!! 死んじゃうって!!」

 「「「「「ゆっくり」」」」」

 

 そう思って叫んだ僕だったがゆっくりたちが僕の周りに集まりまるで風船のように飛んで僕を支えてくれる。

 

 「あ、ありがとう、ゆっくりたち」

 「「「「「ゆっくり~」」」」」

 

 どうやら照れているのか顔が赤い。そんなゆっくりたちの上で少し落ち着くことができてあたりを見回す余裕ができた。僕のいた街とは全然違う場所のようだけど。

 

 「ここがどこだか知っている? ゆっくり」

 「「「「「「「「「「ゆっくり見ていってね」」」」」」」」」」

 

 どうやら幻想郷という場所らしい。ここでゆっくりが生まれたそうだがずいぶんと田舎なんだな。

 自然も多いし、日本昔話に出てきそうな家屋とか。

 

 「お前さん、なんだい? ゆっくりに乗っている子供なんて長く生きてきたけど初めて見たんだが」

 

 え? 驚いて振り返るとそこには僕と同じくらいの身長の少女が飛んでいた。

 けれども、その姿は人間ではなかった。額には二本の角があり、その角は横に伸びており、非常に大きい。髪と両腕には鎖とそれぞれ、丸いのと三角のと四角い何かをつけている。

 

 「えっと、このゆっくりと似ている?」

 「私のゆっくりまでいるのか?」

 「ゆっくり飲んでけ!」

 「確かに私のゆっくりのようだね」

 

 僕が掴んで膝に乗せたゆっくりと姿が凄く似ている。

 

 「えっと、このゆっくりのお母さんはないか、お姉さんですか?」

 「違うよ。私としては何でお母さんからお姉さんに言い直したかを知りたいけどね」

 「えっと、なんでって言われても僕と同じ年で子供なんて産めないでしょう?」

 「悪いけど私はアンタよりもはるかに年上なんだけどね。というより、私を見てもなんでアンタは物怖じしないんだい?」

 

 ? なんで? 別に襲ってきたとか嫌がらせしてきたっていうわけじゃないから気にする必要はないのに。それと僕より年上なんだ。

 

 「あ~、言い方が悪かったな。私みたいな異形を見てもなんで平然としてられるんだい?」

 「簡単ですよ。だってゆっくりがいるんですから貴方みたいな人がいてもおかしくはないでしょう?」

 「人じゃなくて鬼なんだが。まあいいか。アンタがこの頃噂になっているゆっくりの飼い主か。

 ようこそ幻想郷に。まあ、何のことだかわからないっていう顔だから詳しく説明してやるから、下に降りてきな」

 

 そういって彼女は高度を下げていき、ゆっくりたちも後を追うように降りていく。

 

 「到着ってな。さて、ここは幻想郷っていうんだがここは……」

 

 

 

 おかしいな。なんでだろう? 萃香さん(そう呼べと言われた)が幻想郷の話をしていた内は良かったんだけど、何故だか途中から宴会になってお酒がゆっくりたちにふるまわれた。そこまでは良かったんだ。じゃあ、何が問題かというと。

 

 「負けるか!!」

 「ゆっくり大きくなってね!!」

 

 後ろで巨大化し続けている萃香さんとゆっくり萃香がいるからだよ。お酒を飲んでからしばらくして萃香さんとゆっくり萃香が同じ力を使えることが分かって、どっちの方が大きくなれるか競争し始めたんだ。

 

 「「「「「ゆっくり!!」」」」」

 「そこ、応援しないで止めてよ!」

 「「「「「ゆっくり~」」」」」

 「いやなの? それなら仕方がないけど」

 

 「でりゃ~」

 「ゆっく、りー」

 

 とうとう後ろでは怪獣決戦になったけど。どうしよう。

 

 「なんだありゃあ? 萃香にゆっくりじゃないか。というより、ゆっくりって巨大化できるんだな。初めて知ったぜ」

 「あの~、そこの箒で飛んでいるお姉さん」

 「ん? なんだい、坊主。ここにいると危ない、ってゆっくりの飼い主じゃないか!! なんで幻想郷に?」

 「その説明もするんで彼女とゆっくりを止めてください」

 「あれをか? 坊主いくらなんでもそりゃ無茶振りだろう。マスタースパークだけで止まるもんか」

 「ゆゆ」

 

 ゆっくり魔理沙(萃香さんに名前を教えてもらいました)が僕に教えてくれる。

 

 「大丈夫です。ゆっくり魔理沙も協力してくれるそうなんで」

 「え? 協力って何ができるんだそいつに?」

 「ゆゆゆっゆ!!」 

 

 プンスカと擬音が付きそうな勢いでゆっくり魔理沙が怒り出す。

 

 「わかった。分かった。だから頭の上ではねるのをやめろ!」

 

 ゆっくり魔理沙は彼女、おそらくは魔理沙という名前の人の頭まではねて、何度も踏みつけている。

 

 「ゆっくり、そこまでだよ」

 「ゆっくり~~」

 

 残念そうな顔だけどそこまでにしないと怪我させちゃうかもしれないしね。

 

 「あ~、首が痛い。で、手伝うって何をしようっていうんだ?」

 「ゆゆ、ゆっくり撃ってね」

 「え~と、自分もお前と同じように撃つからお前も撃て。って言ってます」

 「本当かよ? ええい、ままよ!」

 

 『恋符 マスタースパーク』

 『ゆゆゆ ゆっくりスパーク』

 

 スパークだけ普通に言うの!?

 

 「おいおい嘘だろう!! マスタースパークと同威力だって!?」

 「ゆっゆっゆ!!」

 

 あ、どうだ見たことかって勝ち誇った顔をしている。

 

 「うお!!」

 「ゆ!!」

 

 二人が放った光線に巨大化していた二人が飲みこまれて見えなくなっちゃた。

 

 「何するんだい!! 魔理沙にゆっくり魔理沙」

 「お前たちが巨大化して暴れていたからだろう?」

 

 光線が通り過ぎた後には小さくなって少し焦げている二人がいた。

 魔理沙さんの言葉に何も言えなくなった二人はごまかすように酒をあおって飲んでいる。

 

 「せっかく全力で暴れられたのに」

 「ゆゆ!!」

 

 こらこら、同意しない。

 

 「まあ、いいや。幻想郷のことは教えてやったし、帰るなら博麗神社にでも向かえば霊夢が帰らせてくれるはずさ」

 「いや、萃香。それが今は絶対に無理だ」

 「? なんで?」

 「霊夢がゆっくり霊夢にぶちぎれていてたぶん今はゆっくりが近づくだけで夢想封印してくるぞ」

 「どんだけ怒ってんだよ、霊夢は」

 

 え? それって。

 

 「紫は無理だろうしな。この子をさらったのは紫のようだしな」

 「ゆっくり⤵」

 「ゆっくり紫はスキマを今開けないの? 紫さんがスキマを閉じていて、乗っ取れないんだ」

 「あ~、じゃあ、もう帰れないな」

 「バ、バカ!! 萃香!!」

 「え?」

 

 帰れない? なんで? 嫌だよ!

 ヒック、

 

 「ん? って、ああ、泣くな!」

 「おおう!? 男の子なら泣かない、泣かない!!」

 「うう、うわ~~~~~~~~~~~~~~~~~ん!!!」

 「泣いちまった!!」

 「どうすんだよ魔理沙!!」

 「私が知るかよ!! 萃香こそ何か方法はないのかよ!?」

 「う~ん。! こうすりゃいいや」

 「ちょっ、おま!!」

 

 うわ~~~~~ゴボッ! ガボゴボゴボゴホ。

 ゲッホゲッホ。

 

 「何子供に酒飲ませてんだ!!」

 「いや~、こうすりゃ鬼の子なら泣き止むよ?」

 「そりゃお前たちだけだ!!」

 

 ヒック、ウィック。

 せきゃいがまわりゅ。ふちゃりがなにゅかいってりゅけりょあ、なんだゃろう。

 あ、ちょうちゅりゃ。

 

 「ゆっくり!! ゆっくゆっく」

 「ゆっくりたちどうした。ってあの子が見当たらない!!」 

 「え? あちゃあ。酒飲んでふらふらどっか行ちまったんだね。きっと」

 

 そんなこと言っている場合か、このあほ萃香!!

 そんなことを想いながら私は箒にまたがり空を飛ぶ。

 

 「萃香。お前は霧になってあの子を探せ。私は空から探す」

 「わかったよ。まあ、こうなったのはあたしが原因だしね。それにあの子は結構気に入ってんだ」

 

 二人で探すが、妖怪に襲われてたら……うん、問題ないな。一部のゆっくりは追いかけていったみたいだし。問題は霊夢だろう。霊夢に見つかったらマズイ。今の霊夢にとってゆっくりとあの子は見敵必殺のようなものだ。早く探さなきゃ霊夢にやられちまう。

 

 「頼む!! 竜神様でも神奈子でも諏訪子でもなんなら早苗でもいい。あの子を霊夢から守ってくれ!!」

 

 

 




おかしいな。本当は幻想郷に来て萃香とのギャグ会だったのに。
霊夢、妖怪より危険視されています。
さあ、ゆっくりとゆっくり隊長は霊夢から逃げられるのか!!
次回は一週間後くらいに投稿予定です。これからのどこに行くか、どの順番で回るかを考えますので。
今回のゆっくり紹介
ゆっくり萃香
親 名無し
能力 密と疎を操る程度の能力
地位 暴れん坊部隊の元締め
好物 酒

ゆっくり魔理沙
親 名無し
能力 魔法を使う程度の能力
地位 ゆっくり魔法使い達の共有財産(二名のゆっくりによる)
好物 キノコ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。