ゆっくりとゆっくり隊長   作:koth3

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今回ゆっくりたちは余りでません。


ゆっくりとゆっくり隊長と薬師の病闘記 前編

 白玉楼から帰って数日経ったけど霊夢さんにはすごく怒られてゆっくりたちには拗ねられてしまった。何がいけなかったんだろう? 理由を聞いたら余計怒られた。うう、理不尽だよ。けど、萃香さんからは笑いながら「男なら其れ位の甲斐性が無きゃ!」って肩を叩きながら褒めてくれた。

 あと、一つだけ変わった事が有る。それは。

 

 「じゃあ、行ってきます!」

 「それではしばし預からせて頂きます」

 「ゆっくりしていってね!」

 

 妖夢さんが良く博麗神社に訪れるようになってくれた。だから博麗神社で近くに転がっていた☯←こんな感じのボールでドッジボールをした。なんだか妖夢さんの様子が可笑しかったけどそれでも最後には笑っていたから良かった!

 唯今日は妖夢さんと遊びに行くわけじゃなくて診察に行くことになった。さっきからくしゃみが何でだか知らないけど止まらない。特に緑色の髪の毛をしたベースが赤の格子柄の入った服を着た優しそうな女の人が神社を訪れた時が酷かった。くしゃみだけじゃなくて鼻水がずるずる出て止まらなくなって顔がぐちゃぐちゃになっちゃった。霊夢さん曰く「花粉症ね」らしい。だから迷いの竹林の中にある永遠亭っていうところで薬をもらってくることになったけど霊夢さんは仕事が。萃香さんは旧都? っていう場所に行っていて今はいないから今日も神社を訪れていた妖夢さんに連れて行ってもらうことになった。始めていく場所だからどんな場所なのかな? すっごい楽しみ。

 

 

 

 ふぅ、意外と大変ね。医者というものも。私は一応薬師なんだけど一番医療技術を持っているのは事実だし。此処で私が医療行為をやめたら其れこそ下手すれば異変クラスの事態になっちゃうし。

 益体も無い事を考えるのはやめましょう。さて次の患者は……。あら、初診の患者ね。如何やら花粉症のようだから薬を処方してほしいということか。多分すぐに終わるでしょう。そんな甘い事を考えていたのが悪かったのだろう。この時私は不老不死となってからもなる前からも一番大変な思いをすることになるとは思いもしなかった。

 

 

 

 ここまで来るのに妖夢さんに抱っこしてもらってここまで来た。何でもここは迷いの竹林って言って歩いてはいると迷って危ないらしい。だから抱えてもらって空を飛んでいる。一応ゆっくりたちに運んでもらえれば空も飛べるんだけど今はゆっくりたちの大多数がすねているから空を飛んでくれないから有りがたい。大人しく空を運ばれている最中に下を見れば凄い竹が沢山生えていた。しかもそれがすごい勢いでどんどん伸びていてびっくりした。

 

 「此処が永遠亭?」

 「そうですよ。此処の医者は腕前だけは(・・・)確かですから」

 

 何かその言い方だと腕だけ良くて他の部分がダメなような気が。うん、あまり気にしないようにしよう。それにしても竹の香りがしているんだろうけど今の状態では竹の香りもしない。喋り辛くはないけど鼻が詰まっているようで呼吸しづらく香りも嗅げない。

 

 「クシュン」

 「大丈夫ですか?」

 

 うー、鼻がむずむずするのはまだ治らないや。大人しく永遠亭の待合室で待っていると僕の名前が呼ばれた。早く治してもらおうと走って行ったら怒られちゃった。

 

 「ダメですよ。病院で走っちゃ」

 「はーい」

 「はいは伸ばさない」

 「はい」

 

 うー、こういったところは妖夢さんは厳しいな。

 

 

 

 

 花粉症という事だけど間違いないわね。アレルギー反応があったし。紺色の質素だけれどもしっかりとしたつくりの和服を着た子供の診察を済ませてどうしても気になったことを子供の隣にたたずんでいる危険物を携えた少女に尋ねる。

 

 「ねぇ、子供が病院に来るのは分かるわ。それに保護者が来るのも。此処は危険だからね。でもね、何で半人半霊が子供を連れてくるの? 貴方の子供じゃないでしょう?」

 

 まったく訳が分からないわ。

 

 「決まっています。私の婚約者ですから」

 「そう、こんやk……えっ?」

 

 えっ、この子何言っているの? 少し意味が分からないわ。内心で慌てているとさらに畳み掛けるようにのろけ話と取れるような話が飛び出てくる。

 

 「分かったわ、分かったから! 少しここで待っていて!」

 

 そののろけ話に押された私は隣で口を開けていたうどんげを捕まえて奥に行く。

 

 「うどんげ、貴方彼女が言っている意味が分かる?」

 「い、いえ。正直言っていきなり婚約者と言われても。それにあんな子供が婚約者という言葉の意味を理解しているはずが」

 「そ、そうよね。ああ、安心したわ。てっきり本気で言っているのかと」

 「あ、あの、師匠?」

 「何かしらうどんげ?」

 

 余裕を取り戻した私は微笑みながらうどんげを見る。

 

 「彼女、本気で言っていましたよ」

 

 さて、次の患者を診るとしましょう。

 

 「ああ、現実逃避しないでください!」

 「放しなさい! 私は肉体は診れても精神は診れないのよ! 精神はうどんげの担当でしょう!」

 「嫌ですよ、私だって! 幾らなんでも!」

 

 うどんげに押し付けてしまおうと思ったのに。そう思ったらうどんげの抱き着きの力がさらに強くなってきた。

 

 「早く放しなさい! 私にそんな趣味はないわ!」

 「私だってありませんよ! 其れより如何するんですかあの二人!? 彼女に至っては一度精神病棟にでも入院させた方が良いんじゃ!」

 「入院施設なんてないわよ。それよりもあの子の治療よりむしろ半人半霊の治療をやっぱり優先するべきかしら?」

 「そうしたほうが良いかと」

 「そうね。さすがに寿命が違う。年齢差がありすぎる。種族が違う。この三拍子で応援するわけにはいかないわね」

 「はい」

 「うどんげ、此れから数日はあの子に診療という名目で来てもらうから貴方はあの半人半霊のカウンセリングをしなさい。いざとなったら狂気の瞳で見ても良いわ」

 「そんなぁ。コントロール効きませんよ!」

 

 それでもこうするしかないのよ。

 

 「うう。明日が来なければ良いのに」

 

 泣きながら明後日の方を見るうどんげを無視して私は二人の患者の方に戻っていく。思えばこの時よっぽど興奮していて混乱していたのだろう。私たちを見ているものに気が付かなかったなんて。

 

 「ゆっくり」

 

 




次話ではゆっくりたちの活躍を!! できたら良いな。そんな作者です。

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