魔法少女が許されるのは15歳までだと思うのだが 作:神凪響姫
なんでこんな頭悪い小説書いてるんでしょうね自分?(今更
あ、余談ですが、オリ主タグは必要なんでしょうかねと今頃思い至りました。
なのはじゃないと言えばそうですし、そうだと言えばそう、なんじゃ、ない、かな?(誰に対して
ご意見お待ちしております。
第5話 一日なんてそんなんです
~本日は、八神はやてさんの一日の様子をご覧ください~
朝6時。
いつものように早起きしたはやては、傍らで眠るヴィータを起こさぬよう、静かにベッドから降ります。
その際寝がえりをうったヴィータが、寝言を呟きました。
「や、やめろ! アタシはパンの精霊じゃねぇ……!」
意味が分かりませんでした。
朝7時。
朝食を作っていると、ザフィーラが庭でラジオ体操をしているのが見えました。
上半身裸で。
「やっぱり幼女が一番……っ!」
爽やかな汗を流しながら爽やかに叫んでいるので、とりあえずはやてはSW-M24を取り出して窓から狙い撃ちましたが、光り輝く汗が銃弾を跳ね除けました。気持ち悪いことこの上ない光景でした。
朝8時。
リビングで寝ていたシグナムがやってきました。どうやら良い香りにつられて起床した模様です。
ちなみに眠い目をこすりながら、ライオンのぬいぐるみ片手のパジャマ姿です。なんかどこかの剣の英霊のような感じがしました。
「主。そろそろカロリーの摂取が必要な時間です」
「素直に腹が減ったと言えたわけ」
まぁこれでもあの二人よりかはマシだな、とはやてはため息をつきました。
朝9時。
ヴィータが散歩してくると出かけ、シグナムが録画していたプ○キュアを見ている間、はやては本を読んで過ごします。
なお、ザフィーラは先程まで部屋の片隅で筋トレをしていたのですが、
「フッ、フッ! 筋肉、筋肉! 筋肉が唸る、唸りを上げる! うおおおお! すげぇ唸りだッ! こいつぁ筋肉革命だ……!」
と一人でハッスルしつつ汗を散らしていて非常にむさ苦しかったので窓から投げ捨てました。
朝10時。
黙々と本を読みふけるはやてが静かな趣味に時間を費やしていると、戻って来たヴィータが扉を開けました。
「おーす。はやて、何読んでんだ?」
「ああ、これだ」
『世界拷問器具大全 ~鋼鉄の処女は薔薇の色~』
ヴィータは何も見なかったことにしました。
朝11時。
ザフィーラがいきなりでかけたいと真剣な顔で申し出てきました。
「主よ。済まぬが少々暇を頂きたい」
「構わんが、一体どこへ行くつもりだ」
「ああ。良い天気なので近所を散歩でもと思ってな」
「それは建前で本音は何だ?」
「近くの小学校に行って幼子に撫で回されて来ます」
はやてはワルサーP38を引き抜きました。ザフィーラは脱兎の如く走り去って行きました。
昼12時。
部屋の掃除をしていると、シャマルが気だるげに起きてきました。
「おはようはやてちゃん。今日も良い朝ね」
「もう昼だ馬鹿者」
「違うわはやてちゃん。業界じゃ朝だろうと夜だろうといつでもおはようなのよ?」
「すまん。分からない……貴様が呼吸する理由が」
「はやてちゃん、微妙に辛辣になってきたわね私限定で……。はっ! これはひょっとして私限定の―――ツンデレッ!?」
騒音公害は放置できないので発砲して黙らせました。
昼1時。
暇を持て余したのか、珍しく家事を手伝うと名乗り出たシャマルを渋々傍らに立たせ、昼食の片づけを行うはやて。
気分がいいのか、シャマルは小さく歌いだしました。
「はじめて~の~チュウ~♪ キミとChu~♪」
「ぬ。キテレツか」
「捻じ込んでく~舌が~♪」
「おい」
「嫌だって言~う、け~ど僕、Oh! 抵抗、でき~なーい~よ~♪」
フォークが突き刺さりました。
昼2時。
鬱陶しいので頭を押さえたままさめざめと泣くシャマルを買い物に行かせ、はやてはようやく一休みできました。
「やはり午後の一杯はブレンドに限る……」
などと恰好つけて熱いコーヒーを口にしたら、苦さと熱さで口から吹きだしてしまいました。
こんな姿誰にも見せられん、といそいそと床にぶちまけたコーヒーを拭いていましたが、ふと人の気配を察知したはやては、立ち上がって廊下へと続く扉を全力で開きました。
赤い血がペンキのようにぶちまけられていました。殺人現場のようでした。
三十分後、貧血気味のシャマルが戻って来たので、はやてはお帰りのドロップキックを叩き込みました。
昼3時。
はやてが洗濯物を取り込んでいた時のことでした。え? 車椅子なのにどうやってですって? 気合ですよ気合。原理なんて分かりません。
怪しげな視線を察知したはやては、またシャマルか、と思い、物干しざおを投げ槍のように構えて投擲しました。
ドスッ、と鈍い音を立てて茂みに突っ込みました。
すると、
「あ、主……」
満身創痍のザフィーラ(人間形態)が這いでてきました。
頭から物干し竿を生やした状態で。
「ぬ、ザフィーラ! 一体どうした!? 誰の仕業だ!」
自分が原因の一つであることをすっかり忘れている様子でした。
「や、ヤツらに襲われた……主、お逃げ下さい」
「何、ヤツらだと!? 一体何者なのだ!」
「追手が、すぐ、そこまで……ハッ!?」
ザフィーラが顔を青ざめさせて、振り向きました。
そこには、
「容疑者を発見しました。これより連行します」
「そこのお嬢さん、危ないので離れて下さい」
濃紺の制服を来たおじさんたちがいました。
「……つかぬことを窺うが、こやつは一体何をしでかしたのだ?」
「ええ。実は近所の小学校に用務員の恰好をした見慣れぬ男が出没しているとの情報が匿名の電話で知らされまして。急行したところ、犬の耳を生やした怪しげな変態が地べたを這いずっていたので、生理的不快感を抱いた本官がエルボーをキメてしまいまして」
「間違ってない判断だから気に病むな」
「ありがとうございます。……ところでお嬢さん、この男と知り合いですか?」
じっと疑るような目線を向けられ、はやては一瞬思考しました。
一瞬だけでした。直後には爽やかな笑顔を浮かべていました。
「あかんわぁ、私みたいな子供と、こないな怪しい筋肉ダルマなおっちゃんと何ら接点あるはずないやないですか。いつも街の平和守ってくれるお兄さん方には感謝しとりますわ」
涙を滝のように流すザフィーラを視界から外し、はやては警官の人たちに手を振りながら、ついでにザフィーラには真人間になるまで帰ってくんなくんなと思いました。
なお、草葉の陰で事態を静観していたヴィータは、「はやて、すっかり立派になって……!」とかなりトンチンカンな感想を抱いておりました。
昼4時。
そろそろ買い物からシャマルが戻って来る頃合いだろう、と時計を眺めていたはやては、唐突に玄関のインターホンが鳴らされているのを聞きました。
客人か、と思いつつ玄関へ向かうと、扉を開けたそこには、
「あ、はやてちゃん! やっと出てきてくれ、」
扉を閉めました。
確かにシャマルの声が聞こえました。聞こえましたが、眼前にあったのは、成人女性が袋を幾つも抱えてブリッジしている光景でした。しかもこちらに向かって股間を向けている姿は百年の恋も音速の三倍で空の彼方へ飛翔するレベルでした。
何も見なかった、と後退しようとしましたが、ピンポンピンポンと連打してきたので嫌々ながらも扉をまた開けました。勿論ブリッジしたままのシャマルしかいませんでした。あの体勢でどうやってチャイムを鳴らしたのか不思議な上に不気味です。
「ほう。器用なことをするなシャマル。器械体操の練習か?」
「いやね、はやてちゃん……これには深い理由があってね」
「どんなだ」
「買い物袋からお野菜がこぼれ落ちそうになったから拾おうとしてこうなっちゃったのよ」
「だからと言ってブリッジするのか分からん」
「だって後ろにこぼれたから振り返って取るよりブリッジした方が早いかなって」
思考が理解不能でした。
すると体重を支えている腕が限界に達したのか、次第に大きく震えてきました。
「う、うわ、もう、ダメッ、はやてちゃん、助けて!」
「うむ。……上に乗っかってくれようか?」
「なんでそうなるのよぉっ!?」
「後一歩が踏み出せない貴様に、勇気を分け与えてやろう」
「お願いだからもっと状況を選んでっ!」
「ふふふ、あと何秒もつかな……?」
「ストップウォッチで計ってないで助けてよぉーッ!!」
わりとマジな涙声になっていたので、仕方なくはやては買い物袋を奪い取りました。
安心したのか、くるりと回転して着地したシャマルは何事もなかったかのように笑いました。何もかも手遅れでした。
「時にシャマル。帰りが遅かったようだが、何を寄り道していたのだ?」
「え? いやねぇはやてちゃん、ちょっと遠回りしてお散歩しただけで何も買ってないわよ」
「ほほう。余は何を買ったかなどとは問うておらんのだが」
「見て、はやてちゃん。夕日が綺麗ね……」
「曇っているだろうが! 貴様また同人誌を買い込みに行きおったな!」
「そんなの買うわけないじゃない! 本当にちょっとお散歩してただけなの!」
「そうか。ならば済まなかったな―――だがそのポケットのカメラはなんだ」
「昨今地域開発で都市化が著しい海鳴市の今の情景を一枚の思い出として残しておこうかと……」
「成程。―――ならこの小学生男児ばかりが映っている写真は消しても構わんな?」
「止めてはやてちゃん! 後生だから勘弁して! どうしてそんなヒドいことするの!? 鬼! 悪魔!」
はやては無言でカメラを壁に叩きつけました。
あー、と四つん這いになって嘆くシャマルを完全に無視してはやては家に戻りました。
夕方5時
出かけていたヴィータとシグナムが帰ってきました。ようやくまともな二人が帰って来たとはやては安堵の息をつきました。
夕飯の準備にとりかかるべく支度し始めると、賑やかになった背後のリビングでヴィータたちが話す声が聞こえてきます。近頃、自分に対して隠し事が増えたような気がしてならないはやては、気に留めた様子を表だって見せずとも、心の中では少々疎外感を抱いておりました。けれども、いつか話すと言ったヴィータの言を信じ、彼女らを家族のように思っている――まぁ素直に口に出すことはまずありませんが――はやては寂しさを感じながら待ち続けることにしました。
けどやっぱり気になるっちゃあ気になるので、後ろで行われる会話にそっと耳を傾けました。
「どうだ……? 今どれだけできてる?」
「今日だけでまだ8ページほどだな」
「ちょっとゆっくりペースね……期限まで時間も少ないわ」
「かと言って、主の元を遠く離れるわけにもいくまい」
「せめてもっと素早く行えれば良いのだが……」
「効率を重視すると時間が足らないわ」
「余裕をもって本の余白を埋めねば……」
「大丈夫だ。まだ時間はあるんだ、なんとかなる」
真面目に語らう彼らの横顔はシリアス百パーセントでしたが、普段の彼らを見ているとどう考えても『
はやてはまさか割と常識人なヴィータやシグナムまでもが汚染されてしまったのかとひどくショックを受け部屋に閉じこもってしまい、ヴィータが説得してもシグナムが半泣きで喚いてもシャマルがエロ本を掲げて踊ってもザフィーラがドアの隙間から覗き込もうとしても出てこず、ホントにホントにどうしましょうと慌てておりましたが、最終的にシャマルとザフィーラがタックルを敢行しようとしたところで、「あ、鍋を忘れていた」とケロッとした顔で出てきたはやてが扉を蹴り開けたので顔面を強打しました。
夕方6時。
遅れてしまった分を取り戻すべく協力を要請したはやての傍らで、せっせと鍋の準備を行うシャマルとヴィータ。
ヴィータがふと、唐突に口を開きました。
「そういやさ。料理のさしすせそって、なんなんだ?」
時たま誰もが思う疑問に答えたのは、意外にもシャマルでした。
「ヴィータちゃん、それ常識よ?」
「んだよ、じゃあオメェ全部言えんのか?」
「当然じゃない。いい? 覚えておいてね。……まず、砂糖」
「ああ」
「次に、塩」
「成程」
「そして、酢」
「おう」
「あとは、醤油」
「あ、それか」
「最後に、……その他色々よ」
「ちょっと待て」
はやてが止むを得ず突っ込みました。
「え? なにか間違ってた?」
「やかましい! たまには真面目になるかと思えばとんでもないわ! 貴様の脳内にはまともな知識は存在せんのか!」
「やぁねぇはやてちゃん、ちょっとふざけただけじゃないの」
じゃあ正解はなんなのだ、と問うと、シャマルはキッパリ答えました。
「砂糖醤油・醤油・酢醤油・せうゆ・ソイソース」
「どこかで聞いたようなギャグを飛ばすでないわ!」
「ささっとオリーブオイル・静かにオリーブオイル・素早くオリーブオイル・せーのでオリーブオイル・そしてオリーブオイル」
「それは速水もこ○ちのさしすせそだ!」
「先に行け、ここは俺が食いとめる!・死にたくないならここにいろ、俺は部屋に行ってるぜ!・すぐに戻る、後は頼んだ!・戦争が終わったら俺、結婚するんだ・そうか、全て分かったぞ!」
「それは死亡フラグのさしすせそだ! しかも料理関係ないだろうが!」
「先っちょだけだから!・宿題はやったけど家に忘れた・すぐ返すから金貸して!・先生は怒らないから言ってみなさい!・そろそろ本気出す!」
「信用ならんさしすせそだな!」
「さっぱり爽やか!・しっとりほろ甘!・スパイシーな悲しみ!・せつない苦み!・みそ!」
「最後だけ正解してどうするのだ!」
この日、夕飯の時間はとても遅かったそうな。
夜7時。
ようやく完成したご飯をいただく五人。
「「「「「いただきます」」」」」
食事時はさすがに平和なようで、時々冗談を交えて談笑したり、テレビを眺めたりしながら、それぞれ充実した時間を過ごします。
「ぬ。ヴィータ、醤油をとってくれ」
「ああ」
はやてに醤油を手渡しました。
「あ、シグナム、悪いんだけどよ、ソースとってくれ」
「了解した」
ヴィータにソースをあげました。
「む。ザフィーラ、塩をとってくれまいか」
「いいだろう」
シグナムに砂糖をサーブしました。
「すまんがシャマル、カメラを持っててくれ」
「ええ構わないわ」
カメラを預けるザフィーラ。
「はやてちゃーん、ちょっと服をはだけてくれるー?」
「このたわけが!」
フライパンが直撃しました。
夜8時。
夕食後。何故か全員揃ってテレビにかじりついている光景に戦慄したはやては、一体これから何が始まるのだろうと物陰からこっそり見守っていました。
すると、スッとDVDをセットしたヴィータは、ソファに静かに腰かけました。
やがて8時になると、
『8時だヨ!』
「「「「全員集合ーッ!」」」」
古すぎました。
夜9時。
「さて、風呂に入るか」
その一言で室内に緊張が走りました。
「さて、一緒に入るか」
ザフィーラが立ち上がりましたがはやてのアルゼンチンバックブリーガーで沈められました。
「さて、撮影に移るか」
カメラを携え移動したシャマルをヴィータが引きとめバックドロップしました。
「さて、拙者は寝るか」
非常にマイペースなシグナムさんでした。
「貴様ら……少々はっちゃけすぎだろう。もっと落ち着き払って行動できんのか」
ペンギンに『空飛べよ!』と言うくらい無理な注文でした。
「はやてちゃん、私はね、きっと逃れられない運命の糸で操られている、世界の奴隷なのよ……」
「主、我には為すべきことを為さねばならぬ時があるのです。それが今ここにある、ただそれだけのこと……」
意味深な台詞で己の行為を正当化し始めたので、はやてはシグナムに救援を求めました。
「おいシグナム。こやつらをなんとかせい」
「分かった! ザフィーラ、チンチンでござる!」
意味が分からん、とはやては唖然としましたが、股間を押さえてキャインキャインと野太い声で泣き出すザフィーラを見てもっと唖然としました。シャマルでさえ痛ましげな目をザフィーラに向けております。なんだというのでしょう。
ともあれ、ザフィーラがうるさいことこの上ないので、ため息をついたはやては窓を開けるとザフィーラをベランダへ蹴り飛ばして即座に閉めました。冬の大気が彼の頭を冷ましてくれることでしょう。
なお、シャマルは最終的に洗髪中に特攻してきたので、タイルの床に石鹸を撒いておいたはやては滑走して行くシャマルを無視してヴィータと愉しげに話していました。すぐ傍で壁に激突する音がしましたがはやてとヴィータの耳には届きませんでした。
……後日、仁王立ちした筋肉マッチョの男がベランダで凍りついているのが目撃されたとか。
夜10時。
風呂上りにソファに腰かけアイスを頬張ってると、何処からかシャマルがやってきました。
また何かロクでもないことをするのでは、と構えるはやてですが、シャマルははやてとは違うソファに腰かけ、手に持っていた手帳に何かを黙々と書き始めました。
拍子抜けしたはやては安心したように肩の力を抜きますが、こちらには目もくれず一心不乱に何かを書くシャマルに関心を抱いたのか、そっと席を立つと、シャマルの後ろ側へと回ります。車椅子で移動するとバレでしまうので、物陰をほふく前進しながら移動しました。
シャマルは夢中になっているのか、気づく様子はありません。
腕の力でソファにしがみつき、上半身を引き上げました。
息を殺しながら位置を調節し、後ろから覗き込みます。
すると、
「あ、ンァッ…余のバベルを見るでないっ」
はやてはいやいやと頭を振りながら手で顔を覆った。
ところがギッチョン、ヴィータは血糖値全開とばかりに鼻血ブーになりつつもズボンを脱がしにかかった。チャックを下ろし、手際良くズボンを剥ぎ取れば、Oh!Welcome your エクスカリバー……!
「パンツがとってもウェット&メッシーだぜ」
パンツの布越しに上からはやてのコンコルドを撫でながらヴィータはいたずらっぽく笑う。
「ンン…アッ、勝手に触、るなっ……」
「何言ってんだ……ほら、とっても綺麗なアロンダイトじゃねぇか……」
「そ、そうか……?」
「ああ。―――心配すんな。言っただろ? アタシのアイゼンは伊達じゃないってな」
「連れてってくれるのか、余とお前の
「アタシはいつだってクライマックスだぜ」
そっと熱いベーゼをかますと、ファイナルフュージョン三秒前。
三、二、一……ドッキングライザー!
「ひと思いにヤレ―――ッ!」
「ふぉおおおおおお! モーレツッ!!!」
色んな意味で頭痛がしました。
「……………………………………」
理解が及ばず思考停止しかけたはやては、とりあえず無言で水をぶっかけました。
「きゃああああ!? 何するのよはやてちゃん! ワケが分からないわ!」
「余の方が分からんわ……貴様が人間である理由が」
「私は一応人間ですぅーっ! もー折角いいネタが浮かんだと思ったのにぃー」
プンスカ怒っているシャマルがなんとなく癇に障ったので、ヴィータを呼んであるがままを話したところ、アイゼンを振り回して突撃する少女が廊下を突っ走っていきました。
夜12時。
そろそろ寝ようと思い、はやては部屋のベッドに腰かけ、今日一日を振り返っていました。
いつも通りの騒がしい一日。ヴィータら四人と出会ってからは、騒ぎの絶えない毎日を送っていました。彼女たちと出会ってから今日までのこの時間は、ずっと一人で生きていたはやてにとって、気苦労の絶えない日常でもあり、同時に賑やかで楽しい雰囲気が溢れる一時でもありました。
常識人のヴィータ、無邪気なシグナム、筋肉のザフィーラ、奇人のシャマル。個性溢れる彼らとの出会いは突然で、けれども彼らとの出会いは間違いなく、変化のない無色の世界を、面白おかしく色づけてくれました。
こんな騒がしい日々がずっと続いて欲しい。口では言わずとも、はやては心底そう願っていました。朝起きてから寝るまで一人きりで過ごすよりも、誰かと共に料理を作り、帰りを待ちながら、話すことを考える時間のほうが、ずっとずっと、幸せなのですから。
不自由はあっても、不満などありませんでした。
だから、はやては願わずにはいられません。
もっと、もうちょっとだけ、この楽しい人生を満喫させて欲しい。
どこにいるのか分からないけれど、神様という存在がいるならば、手を合わせて祈ります。
五人で過ごす毎日を、奪わないで下さい。
明日もまた、賑やかな一日を送れますようにと祈りながら、はやては目を閉ざそうとして―――
「シャマルテメェかぁああああああッ! 洗濯カゴからはやての下着持ちだしたのは!」
「誤解よヴィータちゃん! 今回私は何もしてないわよ! やったのはザフィーラです!」
「何だと!? シャマル貴様裏切りおったな! 即刻そこに直れ! 成敗してくれる!」
「オマエもなぁあああああああああああああああああああああッ!!」
でもやっぱもうちょっとまともに……は無理なので、できるだけ静かにして欲しいと思うはやてでした。
あ、シャマルの手帳は私も何言ってるかちっとも分かりません。ええ。誰があんな意味不明な文章書けるんですかね。ええ。