-Ruin-   作:Croissant

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後編

 

 

 記憶に浮かぶのは雪の降る村——

 

 寒いのに、一人なのに暖かいそんな場所——

 

 

 目指すものはお父さん——

 

 求めるのはお父さん——

 

 お父さんに会いたくて、お父さんに助けてもらいたくて——

 

 

 死んだという言葉も理解できず、ただ会った事も無いお父さんの事ばかり考えてたあの頃——

 

 

 危なくなったら来てくれる。そう信じて危なくなる事ばかり考えていた——

 

 

 危ない、危険、ピンチ……そういった事がよく解らなくて、

 

 お父さんみたいな“英雄”が駆けつける。それがどれくらい危険な状況か想像も出来ない。

 

 

 村の皆がいてくれる。

 

 ずっと一緒にいてくれる。それが当たり前だと思ってた——

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう、あの日まで——

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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            ■十八時間目:EUREKA (後)

 

 

 

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 床に描かれた魔法陣。

 その魔法の輝きの中、二人は額をつき合わせていた。

 

 ネギと明日菜の二人である。

 

 魔法陣は特殊な魔法を発動&維持し続ける為の物で、儀式的な意味合いが強いようだ。

 二人はトランス状態で意識を共有し続けているのである。

 

 意識シンクロの魔法——

 

 ネギが 明日菜に行っている魔法がこれである。

 二人には身長差があるので、階段の段差を使って額の位置を合わせているのはご愛嬌だ。

 

 

 

 何だかんだで発生したエヴァの城での宴席。

 それなりにノリのいいメンバーがいた事もあってか、騒ぎが始まってしまうのはもはや必然なのか。

 それが終わったとはいっても、24時間はここから出られないので、結局はここで一晩泊まってゆく事となった。外での経過時間は一時間だが。

 そしてその夜、用足しに起きていた明日菜は、夜中だというのに一人みっちりと魔法の復習をしているネギを発見し、根詰め過ぎだとスリーパーホールドという名のスキンシップで休憩させ、横島同様に以前から疑問に思っている事……

 どうしてそこまで頑張れるのか、その理由を聞く事にした。

 

 ——のだが……

 

 

 「ちょっとお話……聞いてもらっていいですか?」

 

 

 ネギに先を取られてしまう。

 

 これだけ気に掛けてくれているのに何も喋らずにい続けるのも失礼であるし、何より積極的に裏に踏み込んでくる明日菜を心配したという事もある。

 

 裏に関わるという事がどれだけ危険が伴うのか。

 いや、自分もかなり認識が甘いのであるが、彼女よりは先んじている。

 それに修学旅行の晩のハルナのように、ただ“いた”というだけで石にされたという事例もあるのだ。

 

 だから自分のパートナーになってくれた明日菜には、

 これだけ自分を心配してくれる明日菜には、自分がいる世界がどれだけ危険であるのか伝えたかったのである。

 

 

 

 「mater Musarum,Mnemosyne,ed se nos alliciat」

 

 Mnemosyne(ムネーモシュネー)は記憶を意味する。

 

 そんな単語を込めて小さく紡がれた呪文は自分への扉。

 

 大切な思い出なのに禁忌の扉でもある記憶。

 

 そんな自分の意識とシンクロさせ、記憶を覗かせるのだ。

 

 

 未だ痛むのも事実だが、何も知らずにいて彼女が危険を避けられないよりはずっとマシだ。

 

 

 だからネギは——

 

 

 —ここが六年前、僕が住んでいた山間の村です—

 

 

 ずっと押し隠していた記憶を、自分のパートナーになってくれた少女に曝け出した。

 

 

 

 

 夢に入る時のような軽い落下感。

 

 何処までも落ちてゆく感覚があるのに不思議と不安感が湧かず、それでいて無作為に浮かぶ風景の中に溶け込んでゆくような気もしてくる。

 

 明日菜の意識は何時しかその中に紛れ込んでいた。

 

 

 

 そして今、彼女の周囲の光景はヨーロッパの町並みに変わっている。

 

 正確にはネギの言っていた通り、山間の村。

 村というと日本でのイメージが強く、店も施設も何も無いという殺風景なものがあるが、バーを兼任していると思われる小さなレストランもあるし、ちゃんと病院もある小さな町というのが正直なところ。

 

 流石に魔法使いという不条理な存在はいる様だが、小さなせまっ苦しい日本しか知らない明日菜から見ればやはり立派な町に見える。

 

 

 そんなネギにとっては懐かしく、明日菜にとっては物珍しい風景の中に彼女は佇んでいた。

 

 

 『ふーん……って、何で私 裸なのよーっ!?』

 

 

 ——何故かマッパで。

 

 

 —あっ……ス、スミマセン

  でも、そーゆーもので仕様なんです—

 

 

 ネギの記憶の中なので“今の彼”の姿は無いし、どうも仕様らしいので手の施しようがないっポイ。彼にできるのはアナウンサー宜しく明日菜に状況を説明できる事くらい。

 

 やっぱりウッカリはそのまんまのようである。

 

 

 

 

 

 「しっかし……キティちゃんも悪やなぁ……」

 

 「ふふん。良い褒め言葉だ……つーか、キティちゃんはやめいっ」

 

 

 

 額をつき合わせる形で記憶を明日菜に“観せている”ネギ。

 

 当然、何をやっているのか理解できない のどかにはネギと明日菜がおでこをくっ付けて合って仲良しかましている風にしか見えずサッパリサッパリのチンプンカンプン。

 彼女にできる事は物影でオロオロするだけだった。

 

 そこへやって来たのは『ナニやっとんだ?』とこれまた訳の解っていない横島と、

 

 

 「ふぅん。アレは思考シンクロの魔法だな」

 

 

 自分の敷地内で夜中に勝手に魔法を使用しているのだから気付かぬ訳が無い、この別荘の主であるエヴァと従者二人。

 

 外の時間は兎も角、“ここ”の今は深夜。

 そんな時間に何だか汗ばんでいるネギと、何故か胸元を肌蹴させている明日菜が額をつき合せていたらそりゃ(横島は嫉妬も込み)理由を知りたくもなるだろう。

 まぁ、エヴァは単なる興味もあっただろうが、口八丁に暗示まで織り交ぜてのどかを誑かし、彼女のアーティファクトである『いどのえにっき』を使わせたのだ。

 だからこそ零れた横島のセリフである。

 

 ……流石にド汚い横島でも、女の子の恋心までは利用できないのだ。

 

 

 さて、そんな風にエヴァによって便利に利用されている のどかのアーティファクト、『いどのえにっき』。そこにネギの過去が(ヘタクソな絵で)描き出されていた。

 

 とは言うものの、ここらを見たところでは別段変わった事は無いようだ。

 

 無茶をかましたり悪戯をやったり、大人の言う事にむきになったり……横島が自分の過去と照らし合わせてもやはり大差は無い。

 

 可愛い従姉弟の女の子や、おしゃまではあるがこれまた可愛らしい幼馴染の女の子がいるくらいで……横島的にはガッデムであろうけど。

 それでもまぁ、よくある子供時代と言えなくもなかった。

 

 

 ある一点を除けば——であるが。

 

 

 

 

 少女らと共にしばらく黙って『えにっき』を見つめていた横島であったが、ふとある点が気になった。

 

 些細な事であったが、勘の良さでは定評のある彼なのだから、一度気にするとそれの理由を素早く探し始めてしまうのだ。

 

 無論、記憶の流し読みであるから関連する情報がホイホイ出てくるわけではないのだが、それでも様々な点で現れてくるはずの“それ”が殆どそれが見られないのは異常としか言えない。

 

 

 流石にこれは……と気になり過ぎた所為だろう、横島は『えにっき』から目を離さず、横で胡坐をかいて同じように『えにっき』を見つめているエヴァに問いかけた。

 

 

 「なぁ、キティちゃん。ネギの周りって大人はいねぇのか?」

 

 「キティちゃん言うなっ!!

  知るか。ぼーやが一人で住んでたと言ってるのだからそうなんだろうさ」

 

 「あー……いや、そーいう意味じゃなくて」

 

 「何だ? まどろっこしいヤツだ。ハッキリ言え」

 

 

 そう言われると気になっただけなので言い辛い。

 

 それに画面(絵面?)は子供視点なのだから表に出ていないだけかもしれないし、事実とは違うかもしれない。

 

 でもやっぱりどうしても気になるし、ウッカリ問いかけたものだから最後まで言わないとエライ目に合わされてしまう。

 

 半ば脅される形で仕方なく横島は疑問点を口にした。

 

 

 「悪りぃ事やったらキッチリ怒って、良い事やったらしっかり褒めてやる。

  子供を育てる大人だったら当然すんだろ?

  ずっと見てんだけど出て来ねぇんだよ。アイツの記憶の中にそんな大人が」

 

 

 それは——と言いかけてエヴァは次の句が出てこなかった。

 

 当時のネギは3〜4歳。人格形成に気を使わねばならない時期だ。特にこの時代から魔力だけはあるだろう強大な魔法使いの子供である。幼い時からそういった教育は必要不可欠の筈だ。

 

 しかし目の前で明かされているネギの過去にはそういった教育を施す大人の姿が全然出て来ない。

 

 無論、腫れ物を扱うように……まではやっていないようであるが、おじさんとやらが離れを借して一人暮らしをさせる。

 

 流石に飲食云々の世話はしているようであるが、どこかの新世紀アニメの少年の話ではないが、それだけで普通に育つわけが無い。

 

 そんな環境で遊びも一人で行っているし、何かしらの学び事も一人。

 

 横島がずっと疑問を感じているのは、放置としかいえないこの環境においている理由だ。

 大切な英雄の一人息子というのなら、もっと養育に力を入れているはず。

 

 

 いやそれ以前に、これは子供の育て方ではない。

 

 

 幼い時にいきなり吸血鬼にされたエヴァだからこそ身に沁みているのだが、情操教育というものの影が見当たらないのは問題ではないだろうか?

 

 実際、このネギの年齢だったらしっかりと叱ってやる大人も必要な訳で、魔法は使えずとも魔力だけは人一倍あるという子供なのだから、物心ついいたころからしっかりと世の善し悪しを教える教師役も必須だろう。

 

 それを踏まえて見てみると、ネギの周囲は確かに優しげな大人ばかりではあるが、養育という点では穴だらけでちぐはぐだ。

 当時の幼いネギも今と殆ど変わらず、とんでもなく呑気なものだから寂しさは伝わってこないのだが、英雄の二世に対する扱い云々以前に、普通の幼児に対する教育法にしても何かが欠けているようにも思えてしまう。

 いや、そう言われて気付くのも何であるが、子供が一人ぼっちでいる事を知ってて殆ど接触していないのなら、これは立派にネグレクト……虐待だ。

 

 

 実際、叱る者止める者がいないのだから記憶の中で悪戯は激化してゆく。

 子供がよくやる危ない行為から、だんだんと命に関わってくるレベルに。

 

 例えば木から飛び降りる。危ない事には違いないが、これくらいならまだ良いとしよう。

 

 しかし、荒々しく吠える犬の綱を切るとか、冬の湖に飛び込むといった行為は流石に黙っててはいけない。

 

 ブルドックは元々牛と戦わせる為に生み出された闘犬だから気の荒いヤツを相手にすれば本当に命の危機であるし、冬の湖は論外だ。

 

 凍死していないのは奇跡であるし、溺れた上に40度の熱を出してぶっ倒れている。

 それだけで済んだといえばそれまでであるが、その熱にしたってかなりの高熱なのだから拙過ぎる。

 

 にも拘らず周囲の大人は元気のいいことだとか平気でぬかしている。

 

 

 横島は、違げーだろ!! ちゃんと怒れよ!! と思わず激昂しかけた。

 

 子供だってバカじゃない。

 それがネギのような聡い子供なら尚更だ。本気で心配して怒ったなら理解できるはずである。

 

 無論、横島の両親(特に母親)のような叱り方までやる必要は無い。あのレベルになると『そんなに死にたいんやったら、私が殺したらぁっ!!』に移行しそうだし、ネギのような性格の子供ならトラウマになってしまいかねない。

 それでも、最低限怒ってやる事が愛情だと彼は思っているし、おそらく間違いではないだろう。

 

 尤も、自分も最近になって出来が悪い自分を心配し続けてくれた愛情だと理解できたのであるが。

 

 

 「何だぁ? このみょ〜な環境……」

 

 

 だが、そんな彼から見ても本気で心配して見せているのは従姉弟っポイ少女と幼馴染の女の子だけ。

 もちろん大人たちも気遣いはちゃんとしているだろうが遠巻きは頂けない。

 

 “自由な環境に置く”ってのは、“放置する”って事じゃねぇんだぞ?! と言いたい横島だった。

 

 

 それに——

 

 

 「……ダチがいない? つーか、ネギ以外に子供がいねぇ」

 

 

 幼馴染っポイ女の子もいたが、その子も村の外の学校(寮生活?)いるようで偶にしか会えないらしい。

 

 そうなると必然的にネギは一人で遊ばねばならないのだが……遊びにしてもモラルにしても、教えてくれるであろう大人の姿が無い。

 

 ネギ視点の記憶だから——というのは理由にも言い訳にもならない。何故なら『色々教えてもらった』という記憶すらないという事なのだから。

 唯一あるのは父親の文句を言われる記憶くらい。後は父親に対する称賛や彼が残した逸話や伝説。

 

 ネギを真っ直ぐに見、ネギ自身に向けた言葉は皆無に等しい。先に述べた二人くらいしかいないのだ。

 

 

 「ふむ成る程な……

  確かに……」

 

 

 横島に指摘されて気付いた、というのも面白くない話であるが、言われてみて初めてそうだと理解できる。

 

 

 いや、よくよく考えてみると“おかしな環境”ではない。

 極ありふれた環境であり、当たり前の光景といえよう。

 

 

 子供を育てる環境ではなく、一人暮らしの魔法使いの生活だとすれば——だが。

 

 

 自分がこんな事に寂しさを感じていたのは遥か過去。だから気付き難くなっていたのかもしれない。

 

 フィルターを取って改めて見たそれ。

 ネギを取り巻いている環境は、魔法使いを一人暮らしさせているそれに他ならないのである。

 

 普通の感覚で接してみれば、横島でなくとも何だこれは? と思うだろう。

 

 

 そして綴られた思い出はまだ続いている。

 

 流石に高熱で死に掛けた上、従姉弟を泣かせたのは堪えたのだろう。悪戯はすっかり鳴りを潜め、少しばかりやんちゃではあるが普通の子供のに戻っていった。

 

 尤も、環境は相変わらずであったが……

 

 

 「ネギ先生——……」

 

 「しっかりしてるってゆーか……寂しい環境だよね」

 

 「うーむ……」

 

 

 そういった歪な環境に対する感想も色々。

 少女“ら”は同情したり、ストレートに呆れたり。

 

 つーか、

 

 

 「何で皆して起きんだよ……」

 

 

 こんな夜中(?)にテラスの隅っこでゴソゴソやってただけというのに、何処でナニを聞きつけたのか少女ら全員が集まっていた。

 

 

 「ふと目覚めると寝床に横島殿が不在でござった故……」

 

 「朝倉に夜這いでも掛けたかと思たアル」

 

 「ぴぃ〜」

 

 

 ……OK、理解した。

 テメェらオレをどんな目で見てやがる。

 

 そんなドアホな妄想の所為で皆を起こし、のどかまでいないものだからしょーもない邪推をかまして、自分を探す かのこの後を追ってきたという訳か。

 

 まぁ、かのこはしょうがない。目覚めたら彼がいなかったのだからそれは驚いただろうし。

 何しろ今もぴぃぴぃ鳴いて擦り寄っているのだし。

 

 

 「ウンウン。横島さんけっこー大胆だったよねー?」

 

 「お前ぇも大ボラこくんじゃねーっ!!

  ウソだからっ 全く持って冤罪だらっ!! 

  二人してそんな瘴気出さんないでーっ!!

  って、ゼロまでっ!? お前ぇはオレといただろ!? アッサリ信じんじゃねーっ!!」

 

 

 ナニかに追い詰められ、切羽詰った所為か零をゼロと呼ぶ横島。

 いや、マジに怖いし。

 

 

 「うるさいぞ犬ども。屠殺されたいか」

 

 「「「きゃいん」」」

 

 

 無論、このヒトが最凶だが。

 

 

 「おめーの所為でいらん汗かいたわ」

 

 「あはは……まぁまぁ」

 

 

 和美は結構軽いが、横島はまだフテている。

 

 それを癒すかのように鹿の子を撫でくり撫でくりしているのだが、これがまたけっこー落ち着くのだから大助かり。かのこ大活躍だ。

 

 とは言っても、怒られた事は大して気になってはいない。向こう(、、、)で散々怒られ慣れてるし。

 

 彼が気にしているのは、ラクガキ程度の絵とはいえ、ネギの過去を曝している事。

 

 これ以上騒ぐと怒れるエヴァに物理的に壊されそうであるし、押し付けられる適切な理由も思いつかないのであるが、何だか彼女らに見せてはいけない気がするのだ。

 

 エヴァは兎も角、自分は見ておかないとネギの性格を把握し切れないし、楓にも知っておいてもらった方が良いという気もする。

 

 が、楓がいる以上は古菲も混ざってくるだろうし、超初心者とはいえ夕映らも魔法を習い始めている。

 

 となるとちょっとは魔法世界の裏を見せた方が良いかもしれないのだ。

 

 横島の否定する理由も単なる予感でしかない。だから面と向かって見るなという言葉も言えなかったのである。

 

 

 だが、横島は自覚が無いから思いつかなかったのかもしれない。

 

 彼のそれは予感。

 

 向こうの世界でも、こっちの世界でもトップクラスの霊能者が感じた予感なのである。それはもう予知の一歩手前と言って良い。

 

 それも何時もの嫉妬とかではなく、別の方向の……

 

 横島がシリアスにいやな予感がする時は碌な事が無いのである。

 

 

 彼の想いとは裏腹に、ネギの幼年期は過ぎてゆく。

 

 一人ではあるが、穏やかに寝起きをし、

 

 一人ではあるが、つたない魔法の練習を続け、

 

 一人ではあるが、子供らしく森の中で遊ぶ…… 

 

 

 ちくちくとした痛みが横島を刺すがそれでも横島は観察を続ける。

 

 見ている内にどんどん気持ちが高まってくる。

 

 ネギの根本を知らねばならないという想いが強まってゆく。

 

 今のネギが持つ危うさを知らねばならない。歪みの根元を見なければならないという想いが強まってくる。

 何時にないシリアスな表情で、横島はラクガキを凝視し始めていた。

 

 

 普通の子供らしく、そしてやはり歪な生活は淡々と続く。

 

 それだけなら問題は無い。

 

 既に問題だらけなのであるが、それでもまだ許容できる。

 

 叩き治す事も可能なのだから。

 

 それだけであってほしいという気持ちとは裏腹に、何かがあると勘が告げる。

 

 

 

 

 そして——

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 春も近づいた冬の終わりの日。

 

 

 

 

 

 唐突に村が滅びを迎えた——

 

 

 

 

 

 何時ものように泉まで遊びに出ていたネギが、一ヶ月ぶりにやってくる従姉弟を迎えに村に戻って目にしたものは……

 

 

 燃え盛る家々。

 

 石像と化した知り合いや、世話をしてくれているおじさん。周りにいてくれた人々。

 

 そして、異形の集団。

 

 

 「……ひっ」

 

 「む……」

 

 

 如何に落書きのような絵でも、その脅威は伝わってくる。

 

 何せネギの主観なのだから、その恐怖や絶望は計り知れない。

 

 少女らは息を呑み、エヴァですら眉を顰めた。

 

 それ程の数。

 村への攻撃としてはありえない規模なのだ。

 

 

 『うおっ!? 危ねぇっ!!』と思わず腰を上げかかり、『落ち着けよ』と零に抑えられる横島。

 

 楓にしたって驚いているのだが、流石に零はチャチャゼロ期にこのような修羅場を幾つも潜っているからか落ち着いた物だ。どちらかというと、横島が慌てている方によっぽど焦った事だろう。

 

 他の少女らも口を押さえたり唖然としたりしていて大変だが、命のやり取りがエヴァと零に次いで多い横島が焦ってどうするという説もある。まぁ、お人よしの性格からであろうが。

 

 

 今目の前で明日菜に過去を明かしているのだから無事に切り抜けられた事に間違いは無いだろう。

 

 まだ完全に焦りが抜けたわけではないが、零の宥めもあって見た目だけでも落ち着く事に成功し、ようやくエヴァの横に腰を戻せた。

 

 やれやれと溜息を吐く横島。

 

 改めて見るとこれが根本にあったのかと納得も出来た。

 

 成る程。確かにこんな過去があれば力も求めるだろうなぁ……そう横島は得心した。

 

 いや、今の時点ではそうとるのが普通だろう。

 

 

 

 

 ——だが。

 

 

 

 

 魔の軍勢を前に、幼いネギは泣き続けている。

 

 小さな言葉を呟き、何かに謝罪しながら。

 

 焦っていた所為で読み飛ばしてしまったのだが、不意に現れた文字を見て横島は凍りつき、前のページのネギの言葉を読み返してぞっとした。

 

 

 

 

 『ぼくがあんなこと思ったから』

 

 

 

 

 

 自分の所為で、

 自分がピンチになったら父親が助けに来てくれる。そんな事を思ったからこんな事に……と自分を責めて泣いている。

 

 

 まさか……コレ(、、)か?

 コイツ()そうなのか?

 

 

 

 そんな横島の困惑を他所に、ネギを取り囲む異形の集団。

 

 持ち合わせている力で言えば下位のようではあるが、その数が凄まじい悪魔達。

 

 歪んだ力あるモノの仕業か、或いはそういった集団の仕業か不明であるが、少年を取り巻く世界が奪われた事だけは確かである。

 

 そしてその少年の命も風前の灯火だった。

 

 

 現れる異形の巨躯。

 

 如何に英雄の息子とはいえ、戦い方すら知らぬ今のネギに抗う術は無い。

 

 振り上げられる拳。

 

 意識をシンクロさせている明日菜も、そして思わず少女らも叫ぶがどうとなる訳が無い。

 

 エヴァですら身体をピクリと動かせたのだから、想いは同じなのだろう。

 

 

 尤も、横島が悟ったようにこの場にネギがいるという事は助かっているという訳で——

 

 

 

 

 ドンッ!! と鈍い音が響き、悪魔の打撃は完全に停止させられた。

 

 巨大な拳が叩きつけられる瞬間、間に割り込んだ一人の男が、事もあろうに片手で受け止めたのである。

 

 筋力のサイズからして絶対に不可能な事。

 

 魔力での強化は間違いなかろうが、それでも桁外れの強化である。

 

 

 「……ナギ……」

 

 「え?」

 

 

 エヴァの唇から思わず零れた名。

 

 その声に反応したのは誰だったか。

 だがそれを確認する間も無く戦闘……一方的な殲滅が始まった。

 

 

 一方的——

 

 そう、正に一方的だった。

 

 いや、そもそも比較するのが下位の悪魔では話にもならないのかもしれない。

 

 一体一体は元より、複数が、何十体の悪魔が、何百体の集団が襲い掛かろうが腕の一振り、ただ一撃の蹴りだけで消し飛ばされてゆく。

 

 

 紡がれる魔法は、ネギの詠唱速度など足元にも寄れず、

 

 放たれる雷撃は天の雷よりも激しく、

 

 魔の集団を消し飛ばし、大気を焦がし、山を抉り取る。

 

 

 圧倒的。いや、その言葉すら戯れに過ぎないのかもしれない。

 

 これが伝説とまで言われた英雄の力なのか。

 

 錯覚……かもしれないが、過去の英雄である彼、ネギが追い続けている彼の父親に対し、奇しくもその様子を見守っていた少女ら全員、

 

 そして今、過去の画像の中で首をへし折られた悪魔は件の男に対し同じ印象を持った。

 

 

 即ち、

 

 どちらがバケモノかわからない——と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 神魔を身近に知る横島から見ても、ナギの実力は人の範疇を大きく超えていた。

 

 下手をすると中級の魔族くらいはあるだろう。

 

 何せ横島が嫉妬を覚える前に、怖気を持ったのだからそれは間違いない。

 

 少なくとも(横島の知る)ベルゼブル等のレベルでは話にもなるまい。

 どれだけクローンを放とうとそれら全ては瞬殺されて塵と化すだろう。

 

 どうやったらヒトがここまで強大な力を持てるのか? エヴァも記憶を思い出して感心しつつも呆れていた。

 

 

 その間にも物語は止まりはしない。

 

 初見で父親だと理解できなかったネギは彼から少しでも離れようと駆け出してしまう。

 

 が、その先には生き残りの悪魔とそれに付き従う魔の影。

 

 それに気付いたネギだったが既に時遅く、逃げようにも足が竦んだか動けなくなっていた。

 

 悪魔の口から放たれる光線。

 

 しかし逃げる術は無い。

 

 そんな幼子の窮地を救ったのは、何時も口うるさい老魔法使いと、従姉弟の少女。

 

 二人がかりでレジストしたようだが、それでも力及ばず老魔法使いと少女は足から石になってゆく。

 

 身体の大半を石に変えられながらも老魔法使いは最後の力を振り絞って、何かしらのマジックアイテムなのだろう小瓶を取り出し、眼前の悪魔と眷属(?)をその中に封じた。

 

 

 戦いにすらならない、単なる抗いの行為はこうして終わりを告げた。

 

 やはり悪魔や魔には普通は勝てない。

 

 それは如何に不意を衝かれたとはいえ、魔法使いだらけの村の人間が抵抗らしい抵抗も出来ず石にされたというのに、悪魔に大した被害を与えられていない事からも解る。

 

 そんな悪魔の群れを力押しだけで討ち勝てているのはナギが単に規格外なだけなのだろう。

 

 

 戦いが終わった後、全てを片付けたのであろうナギが二人の元に現れ、小高い丘の上にまで避難させた。

 

 静かで平和だった村は火に包まれ、ネギの思い出と共に灰塵と化してゆく。

 

 従姉弟の少女は一応、ナギの魔法(しかし彼は治療魔法は得意ではなさそうだ)によって石化は止められている。とは言っても応急処置に過ぎないようであるが。

 

 

 その後、ナギは形見だといってネギに杖を託し、何故かその場から消えていった。

 

 後に残されたのは重症の従姉弟と、父を求めて泣くネギ——その二名のみ。

 

 それなりの人間が生活をしていた村が一夜で滅ぼされ、(石化されているだけなので不適切であるが)生存者はこの二名のみ。

 

 

 生存者がいた、というだけで最悪の結果でその事件は終了したのだった——

 

 

 

 

 

 

 

 

 「どうしたでござる?」

 

 

 ネギと明日菜が記憶の旅から帰還を果たした時、待っていたのは泣き顔の少女の群れ。

 

 同情からかお人よしの勢いからか、或いはそれら全てからだろう、ネギが吐く相変わらずの自虐的なセリフをスッパリ否定し、彼を慰めているつもりか、励ましているつもりか定かではないナゾの宴会が再開。

 

 主であるエヴァの意見もすこんと無視し、備蓄を喰らい尽くす勢いでドンちゃん騒ぎをおっ始めたのだった。

 

 

 

 その最中、ふらりと姿を消していた横島の姿を追っていた小鹿と楓……と零は、侍女人形らから情報を聞き、月がよく見える一つ上の階のテラスに座り込む彼を見つけて話しかけたのである。

 

 横島は気配に——特に女性の気配に敏感だ。

 飛び付くように膝に乗って来た かのこにもあんまり反応を見せていない。

 何時もの事なので無意識に頭を撫でてはいるが、ぼんやりと偽りの月を見つめたまま。

 

 普段ならぼーっとしてても美少女二人が近寄って来ている事に気付けぬ訳が無いのであるが……

 

 

 「おい……どうしたよ」

 

 

 声を掛けつつ、すたすたと歩み寄る零にも反応を返さない。

 

 先を越された楓も慌てて近寄るがやはり反応が無い。

 

 

 「ンだぁ? そのツラは」

 

 「? れ、零殿!?」

 

 

 慇懃無礼というか、あえて“何時も通り”に話掛ける零であるが、彼の表情は冴えない。

 

 楓も零の行動に焦ったように彼の顔色を伺うが、目にも何時もの力が無いし、顔色も悪い。

 というか、痛ましい。

 

 当の零も話し掛けはしたものの二の句に繋げるネタが思い付けず、ただ横に立って顔を見上げる事しか出来ない。

 かのこですら、小さくぴぃと呟くように鳴いて見上げる事しか出来ていないのだから。

 

 黙って隣に立つだけ。それだけしか出来ない楓は、子供である自分に悔しさが浮かんでいた。

 

 

 「……なぁ、楓ちゃん」

 

 「ふ、ふぇっ!? 何でごじゃるか!?」

 

 

 黙って月光を浴び続けていた三人だったが、どれくらい時間が経ったのか解らないが、不意に横島が口を開いた。

 

 唐突に声を掛けられ、慌てた楓は声が裏返って再度慌てるのであるが横島は気にもしない。いや、気付いてすらいない。

 

 それがまた痛々しさを感じさせ、慌てていた楓も直に沈静する。

 

 

 「火傷した時ってさ、普通どうやって治そうとする?」

 

 「は?」

 

 

 唐突に奇怪な質問をされて答に窮する。

 

 何に悩んでいるのかよく解っていないが為に回路が繋がらないのかもしれない。

 

 零も意図を掴めずただ横島の言葉を待った。

 

 

 しかし、何故か横島は言葉を紡がない。

 

 饒舌とまでは行かないが、普段の彼は問い掛けに対してわりと答えてくれる。

 

 守秘義務をちゃんと理解している為か、一般人と裏の関係者との線引きもちゃんとしているので、一応は裏に関わっている楓や古達にはかなり噛み砕いて答えてくれるのである。

 

 おまけに説明が妙に上手いものだから、二人とも疑問が浮かべば直に質問していた。

 

 

 が、今の横島の口はかなり重い。

 

 

 楓もその沈黙はかなり気拙く、ともすれば逃げ出したい程であったのだが、横島が放っている雰囲気が楓の足をこの場に留めさせていた。

 

 どちらかというと零の方が聞きたそうであったし、先に動いたのであるが、

 

 

 「……あのさ、ひでぇ火傷でも目立った痕が見えねぇ事あるだろ?」

 

 

 その前に横島がやっとではあるが重そうに口を開いた。

 

 

 「へ? あ、あぁ、そうでござるが……」

 

 

 被害が真皮にまで及んでいたりする場合、直には現れずじわじわと下から上がって来る事がある。

 何においての治療もそうなのであるが、火傷はとにかく早期治療が一番大切なのだ。

 

 無論の事であるが、戦いというものを知っている楓と零の二人はその程度の事はよく解っている。

 解っているのであるが……

 

 

 「そんなの自分じゃ解りにくいし、誰かに治療してもらわないと酷ぇ痕が残ったりするよな?」

 

 「それがどう……… っ っ ! ? 」

 

 

 吐き出すような横島の言葉に、やっと楓は——

 

 楓と零は彼の言いたい事が解った。

 

 

 「オレにはネギがずっと一人で火傷に水掛けてるようにしか見えない。

 

  痛くて痛くてしょうがないのに誰も気付いてくれず、一人で火傷に水を掛けて誤魔化してる。

 

  それ以外の治療法も探せなくて、

 

  それ以上の治し方も解らなくて、ヒリヒリするほど冷たい水掛けてる。

 

  そんな風にしか見えない……」

 

 

 ネギが件の事件に逢ったのは三歳くらい。

 

 知人、恩人、思い出の場所、思い出の品を一度に失い、

 

 完治したのかどうか不明であるが、従姉弟の少女の足が石になって砕けるところまで目にしている。

 

 これで心に傷を負っていない方がどうかしているだろう。

 

 

 横島は確信している。

 

 ネギは間違いなくPTSD(Post-traumatic stress disorder 心的外傷後ストレス障害)を負っていると。

 

 

 心理学に詳しくない横島であったが、異常であると気付いた事も多い。

 

 例えて言うなら、魔法を悪い事に使う魔法使いの存在をエヴァに出会うまで完全に失念している事が挙げられる。

 

 村を襲った悪魔らを召喚したであろう、『悪い魔法使い』という存在を頭の隅に押しやっているのだ。

 

 

 しかし、ある意味それは救いと言えなくも無い。

 

 そうでなければ“魔”に関係する事柄全てに怯え、事件の日を思い出せるであろう火や雪、石像等を目にする度に悲鳴を上げたり、泣き喚いたりして日常生活も難しかったかもしれないのだ。

 

 だがその代わり、自分のいた場に破滅を齎した悪魔をたった一人で討ち払い、瀕死だった姉すら救った者……魔法界の英雄である父の背を追い続けている。

 

 少しでも追いつこう、少しでも近寄ろうと、以前とは違うベクトルで無茶をし続けており、無意識的に行っているようであるが、第三者から見れば丸わかりのレベルで強さを求めている。

 

 超絶に強い者として父を追い求めている依存度も異様に高い。

 

 学校に秘匿されている魔法書から禁呪にまで手を伸ばし、独学で会得している事から既に憧れや思慕とかの範疇を超えている。

 

 

 エヴァの話では、そのナギはネギの年齢の時はもっと凄かったらしい。

 だから…とでも言うのだろうか、ナギの背を追っているだけにしか見えていないかもしれない。

 

 それが素人の目から見た感想なら、横島も納得できたであろうけど。

 

 

 

 「……なぁ、ゼロ……」

 

 「んだよ」

 

 

 『零だ』と訂正させず話を聞く。

 

 

 「魔法使いってさ、『正しい魔法使い』ってのを目指すんだよな?」

 

 「あぁ、まぁな……」

 

 

 ウチのご主人みたいなの以外はな。

 

 

 「明らかに過去を引きずってるネギの無茶な行動を黙認した挙句、

  あんな精神状態でここに来させて修業させてる……それも正しい事なんか?」

 

 「それは……」

 

 

 零がチャチャゼロとして確立した時は魔女狩りの真っただ中。

 15世紀〜16世紀などといった暗黒時代を経ている為、ネギのような経験をした子供の例も事欠かない。というより数え切れないくらいいた。

 

 主であるエヴァはそんな激動の歴史を泳ぎ切っている。大体、その程度の事で壊れていたら話にもならないのだ。

 

 当然、彼女と共に数百年という長い期間を血生臭く生きてきた分、零はそういった事には疎いなんてもんじゃないのである。

 

 が、生きてきた歴史よりかなり短いとはいえ、この甘っちょろい学園で生活をし、偽りではあるが生身の肉体を得た今では何となくそれが理解できるような気がした。

 

 

 そして楓ははっきりと“それ”を感じ取っている。

 

 

 「オレ……解んなくなってきた……」

 

 

 ——正しい者。

 

 NGO団体の名を借り、世界の裏で所謂『正義の味方』のようなものを目指して活動していると聞くこの世界の魔法使い。

 

 なればこそ成長過程で惨劇を体験した者がどういった障害を心に抱えるのか……記憶等の心に作用する魔法を使える者がそこらにいる以上、そういった事態を知らぬはずが無いのだ。

 

 だが、ネギは過去を抱えたまま、その事に気付きもせずに駆け続けている。

 

 

 横島は暗にこう言っているのだ。

 

 ネギの心の傷を、傷痕を癒していない。

 

 いや、傍目にも癒す気がないとしか映らない。

 

 ショックを受けるであろう被害者の件は完全に隠蔽しているし、ネギに僅かにも伝えようとしていない。

 

 

 

 時が癒すとでも思った?

 

 あまりに症状が表に出ていないから、魔法医師達も気付かなかった?

 

 

 或いは、考えたくもないが………英雄の息子だから——?

 

 

 

 

 

 だとしたら、

 

 自分は………

 

 

 

 

 

 

 

 横島の葛藤が解り、

 理解してしまったが故に彼に掛ける言葉を失った二人はただ立ち尽くしていた。

 

 

 

 横島は上空に浮かぶ偽りの月を見上げてまた溜息を吐く。

 

 

 月を見ながら言葉を零したようであるが、小声過ぎて二人の耳には届かなかった。

 

 

 ただ、誰かに向けられた謝罪のような気がしたのだが……流石にそれを問いただす勇気は湧いてくれない。

 

 

 

 

 向こうから響いてくる二次会の喧騒が、

 

 

 

 

 ただ虚しかった——

 

 

 

 





 普通に考えれば、あんな過去があれば絶対にPTSD起こすんでね? からこの話の元が出ました。
 思い出の場所とかも全部一気に無くしてますし、知人全員目の前で石にされてますし、ネカネさん目の前で足砕けてますし、何故かネギだけ悪魔達に殺されかかってますし。

 普通に考えたら、魔法そのものを恐怖するようになるか、そうでなくとも石化魔法に対する恐怖感を植えつけられてる筈。いえ、最低でも悪魔とかに絶対的な恐怖を持つようになると思います。
 そうならなかったのは、そんな悪魔の集団を殲滅し、ネカネに掛けれられていた石化を止めたナギを圧倒的な存在として植えつけているからでしょう。怖がってる描写もありましたから絶対的な強者というイメージとなってるでしょうね。
 事実、ネギは向き不向きは兎も角として、石化を解く魔法の研究をせずに攻撃魔法ばっか強化してますし。

 最初にコレを書いた時は、村が襲われた事も、ネギが助かったのも実は茶番で、過程を作って英雄にしようとしてたんでは…と邪推したものです。
 今のお話読む限り、そこまで深くなかったよーでorzですが……

 兎も角、何とこここまでこぎ着けました。ようやく次からヘルマンです。
 と言っても変化は然程ありませんけどね。それはしょーがないんですけど。
 あの子とあの子が仲間入りw それを待ってくださっている方もいらっしゃられるようで感謝の極み。
 楓達にライバルが+され、癒し担当も+です。
 今年中にどこまで進むかな〜?
 てなところで続きは見てのお帰りです。
 ではでは〜

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