舞翼です!!
今回は、日常編だね。
上手く書けたかわからんが。
誤字脱字があったごめんよ。
それではどうぞ。
第72話≪想う気持ち≫
俺は放課後を心待ちにしていた。
木綿季とデートをする日だからだ。
今日は化粧をしてくれるらしいな。
絶対綺麗だろうな~。
俺がそんなことを考えていたら、隣席の男子が声を掛けてきた。
「カズ。 今日は《姫》とデートの日なんだろう」
「あー、それ俺も知ってるよ」
「ちょっと待て!? 何でお前らがそれを知っているんだ!?」
《婚約者》は知られていることはいいとして。
デートの日を、何でこいつ等が知っているんだ??
「この事は学校の全員が知っていると思うぞ。 城の新聞に書いてあったからな」
「だな。 カズが《姫》と同棲している事も書いてあったぞ」
こんな的確な情報を流せる奴なんて、俺が知る限りじゃ一人しかいないぞ。
それから午前中の授業が終了し、庭園のベンチで食事を摂ることにした。
俺は木綿季に聞いてみた。
「なぁー、木綿季。 何処から情報が漏れたんだろうな??」
「多分、アルゴさんが情報を撒いたんだと思うよ。 新アルヴヘイムで開催した、女子会の内容をね」
『その時、アルゴさんも参加していたよ』と最後に付け加えた。
アルゴも参加してたんかい!!
俺は心の中で突っ込んでしまった。
「まぁいいじゃん。 全生徒がボクと和人の関係を知っているんだからさ」
「そうだな。 お前とは将来一緒になることが決まっているんだしな」
その時、後ろから声がした。
「あんたら、傍から見るともう夫婦ね」
声の主は里香であった。
その後ろには明日奈、藍子、珪子の姿も見えた。
何で此処に居るんだ??
俺の疑問に里香が答えた。
「あんた、今何で私たちが此処に居るの??と思ったでしょ」
なんで解った!?
里香はエスパーか!?
「あんたの思っていることは、単純で読みやすいのよ」
「そ、そうなのか……」
今後は気を付けないと。
すると、藍子が爆弾?を放り込んだ。
「和人さんと木綿季って同じ部屋で、同じベットに寝ているんでしたっけ??」
「……まぁ、うん、そうだ」
俺は木綿季に顔を向けた。
木綿季は明後日の方向に顔を向けていたが。
俺は木綿季の頭を撫で、優しく囁きかけた。
「木綿季、俺は怒ってないよ。 ちょっと驚いただけだよ」
「……本当に」
木綿季は眼をうるうるさせ、俺を見上げていた。
これで許せない男子は居ないはずだ。
これを見ていた藍子が、笑みを浮かべた。
「ふふ、和人さんと木綿季って、俗に言うバカップルですね」
「そうですね。 私もいい人見付けないとな~」
「明日奈、藍子、あんたらなら男を虜に出来るでしょうが。 私と珪子は色々と頑張らないといけないけど」
「そうですよ~。 明日奈さんと藍子さんのスタイルが羨ましいです!!」
それから後ろの四人は、隣のベンチに腰を下ろし昼食を摂った。
昼食を摂った後、皆で雑談をしてから、個々の教室に戻った。
放課後、昇降口で木綿季と合流して帰宅する事にした。
その帰り道、木綿季が俺の腕に体を密着させ、こう言った。
「今日は久々のデートだね。 楽しもうね、和人。 大好きだよ」
ヤバい、可愛すぎる。
上目使いで覗き込まれると、破壊力が凄まじい。
俺は木綿季の長い黒髪を撫でながら、言った。
「ああ、俺も大好きだよ。 今日は楽しもうな」
歩く事数分、眼の前に桐ケ谷家が見えてきた。
木綿季の手を引きながら、庭に足を踏み入れ、玄関のドアを開けた。
「「ただいまー」」
「おかえりなさいー」
直葉がリビングからスリッパをパタパタと鳴らしながら、こちらにやって来た。
直葉は俺を見て言った。
「お兄ちゃんは二階の自室で着替えて来てね。 木綿季ちゃんにおめかしをするからさ。――さ、木綿季ちゃんはこっちだよ。 着替えも用意してあるからこれに着替えてね」
と直葉に言われ、木綿季はリビングに連行されて行った。
俺は着替えてから、待ち合わせである公園の噴水広場にやって来ていた。
あの後直葉に一緒に行けばいいじゃないかと言ったら、『お兄ちゃんはロマンが無いな。 待ち合わせをしてから、デートするのがいいんじゃん』と言われ、先に来た次第だ。
乙女心なのだろうか? 俺にはよく分からん。
数分間待っていると、横から足音が聞こえてきた。
どうやら木綿季が待ち合わせ場所に現れたようだ。
俺は隣を見て固まってしまった。
いや、見惚れてしまったのだ。
その姿は白いワンピースに袖を通し、顔は薄く化粧が施されている。
腰の辺りまで伸びている長い黒髪は、後頭部に纏めポニーテールにして、ヘアゴムで止めている。
何時も前髪にしているリボンの代わりに、ヘアピンをしている。
何時もの活発な少女では無く、清楚な女性と言った感じだ。
木綿季は顔を近づけて首を傾げた。
「どうしたの和人。 何か変かな」
「いや、そうじゃなくて、何時も印象と全然違うから。 あの、その、とても似合ってるよ。 可愛いよ」
「気に入って貰えてよかったー。 鏡を見たら『本当にボク?』ってなったからさ」
自分でもそうなったのか。
まぁ、凄く変わっているからなー。
「最初は驚いたよ」
「ボクも驚いちゃったしね」
「さ、行こうか」
それから手を繋ぎ、目的地に向かった。
俺たちが訪れた店は指輪店。
俺は事前に木綿季の薬指のサイズを測っていた。
だから、どのサイズの指輪を買えばいいか解っているのだ。
俺は店内を見回り、一つの指輪に眼を向けた。
装飾は施されていないシルバーの色をした指輪だ。
値段は一つ三万円。
この金額なら購入する事が可能だ。
実は、アルバイトをして金を溜めていたのだ。
それと自分の貯金を合わせて、指輪を購入出来る金額になったのだ。
俺は近場に居た店員を呼び、言った。
「すいません、これください」
俺はガラスケースを指差し、指輪を取り出してもらう。
うん、これにしよう。
アンクラッドで嵌めていた指輪に少し似ているな。
「彼女さんにプレゼントですか??」
「はい、そうです」
「では、こちらですね」
俺は指輪を差し出され、受け取った。
次いで、隣に立っている木綿季の顔を見た。
「嵌めていいかな??」
「……うん」
木綿季は頬を少しだけ赤く染め、頷いた。
俺は屈み、ゆっくりと左手薬指に指輪を嵌めた。
「和人もだよ。 ほら、貸して」
木綿季も俺の左手薬指に指輪を嵌めてくれた。
店員さんは、俺たちを見て微笑んでいた。
「幸せになってくださいね」
店員さんにそう言われ、俺たちは答えた。
「「はい。 幸せになります」」
代金を払い、店を出た。
店を出て数歩歩いてから立ち止まり、木綿季が俺に顔を近づけた。
動いたらキス出来てしまう距離だ。
「一生大切にするね。 ボクの宝物だよ」
木綿季と俺の唇に重なった。
触れ合うだけのキスだった。
「ああ、宝物だ。 一生大切にする」
すると、周りから声が聞こえてきた。
『いやー、今の若者は熱いねー』、『リア充爆発しろッ』等々。
俺たちは失念していた。
此処が街中であることだったという事に。
俺と木綿季は顔を真っ赤にしながら、帰路に着いた。
家に帰って食事を済ませ、自室に戻った。
俺と木綿季はベッドに腰を掛けている。
「今日は楽しかったな」
「うん、楽しかったね。 一生心に残る思い出になったよ。ありがとね、和人」
「俺も一生に残る思い出になったよ」
俺は顔を見合わせた。
これも言っとかないとな。
俺は木綿季の手を優しく握り、
「木綿季。 順番が逆になっちゃったけど、これから言うこと聞いてくれないか??」
「うん、いいよ」
俺は大きく深呼吸してから、言葉を紡いだ。
「俺はお前のことが世界で一番好きだ。 俺と結婚してください」
「……はい、喜んで。 ボクも和人のことが大好きです。 よろしくお願いします」
木綿季はニッコリと笑ってくれた。
それから唇が重なり長いキスをした。
「この指輪を学校に嵌めていっていいかな??」
「おう、いいぞ。 俺も嵌めていくしな」
「ねぇ、和人。 結婚したいね」
「そうだな」
結婚したら俺たちの名字はどうなるんだろう??
“桐ケ谷 木綿季”、“紺野 和人”
う~む、どっちも捨て難いな。
「和人。 何考えていたの?? 大体解るけどさ」
「結婚したら名字はどうなるのかな~、と思ってな」
「う~ん、ボクが和人の家に嫁ぐから“桐ケ谷 木綿季”じゃないかな」
「だな。 あと、“あれ”を言ってくれないかな??」
木綿季は少し考えた後、『あ、あれね。 いいよ』と言ってくれた。
「和人、おかえりなさい。 ご飯にする? お風呂にする? それともわ・た・し」
と首を傾げて言ってくれた。
一度言われてみたかったんだよな~。
男の夢だよね。
「ちょっとだけ恥ずかしかったよ」
木綿季はもじもじしながら頬を朱色に染めた。
それから笑みを浮かべて、言った。
「まぁ、和人はご飯でしょ」
「いや、最初から順番だな。 もうちょっと大人になってからだがな」
「今からでもいいけど……」
俺は歯切れの悪くして答えた。
「いや、うん、まぁ、えーと」
「冗談だよ。 今すぐじゃなくてもいいよ。 ボクはその時まで待つよ」
「……おう」
うん。 俺は甲斐性なしだね……。
「和人は大人になったら、ボクに何て呼ばれたい??」
「和人のままでいいぞ」
木綿季は顎に人差し指を当て、
「う~ん、そうじゃなくて。“貴方”とか“旦那さん”とかあるじゃん」
「あー、そういう事か。 う~ん、”貴方”がいいな」
「じゃあ、結婚して少し経ったらそう呼ぼうかな」
「頼んだ」
俺たちは何年後の話をしていたのだろうか??
まぁ、そう遠くない話だと思うが。
木綿季は立ち上がり、引出しから着替えを取り出した。
見慣れてしまった光景でもあるんだよな。
「じゃあ、お先にお風呂貰うね。 入って来てもいいからね」
そう言ってから木綿季は俺の部屋から出て行き、風呂場に向かった。
それから小さく呟いた。
「一緒に風呂入ったら、俺の理性が吹き飛んじゃうよ」
数時間後。
木綿季が上がってから俺も風呂場に向かい、数分で上がり自室に戻った。
それから寝る支度をして、俺たちは顔が向い合せになるように横になった。
「一緒に寝る事が当たり前になってきたね」
「そうだなー、最初はちょっと緊張したけどな」
「じゃあ、寝ようか。 明日も早く起こしてあげるから、ちゃんと起きるんだよ」
「……おう、善処するよ」
「そこは『大丈夫だ』、じゃないの」
「頑張って起きるさ。 さ、寝ようぜ」
「うん、おやすみ和人」
俺はそれを聞いてから、木綿季の上に布団を掛けてあげた。
「おやすみ、木綿季。 大好きだよ」
それから俺も布団を自身に掛け、眠りに就いた。
今日は心に残る日になった。
ユウキちゃんは、女子会で色々と話してしまったんでしょうね(笑)
ユウキちゃん可愛すぎ!!
自宅に帰ってからは部屋着に戻ったということで(リボンも)
あと学校での呼び方は、リアルネームにしましたー。
お風呂は、現実世界と仮想世界では違うんでしょね~(笑)
現実世界でもプロポーズしましたね。
この時系列はGGOの前ということで。
ご意見、ご感想、評価、よろしくお願いします!!