ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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今回はユウキの出番無いです。

ごめんなさい。

それでは、どうぞ。


第7話≪月夜の黒猫団≫

第10層 迷宮区

 

此処の層は、主にゴブリン達が根城にしている迷宮区だ。

ここのモンスターは俺の全力のソードスキルで一掃できるし、もしダメージを喰らってしまっても戦闘時回復(バトルヒーリング)スキルによる自動回復で長時間は潜って居られる場所だ。

そんな中、集団ゴブリンに追いかけられているパーティーを発見した。

あのパーテイーはソロプレイヤーの俺から見てもバランスが悪いパーティーであったのだ。

俺は一瞬、躊躇ったがそのパーティーを助太刀する事に決めた。

 

「ちょっと前、支えましょうか?」

 

「すいません、お願いします。やばそうだったらすぐ逃げていいですから」

 

「分かりました」

 

俺はこのパーティーの前衛に立ちゴブリンを葬る手伝いをしたのだ。

ソードスキルは上位の物は使わず下位の物しか使わなかった。

トッププレイヤーとばれない様にする為だ。

ゴブリン達は問題無く葬る事ができた。

これは出口まで送った方が良いかもしれない。

また襲われたら今度こそ危ないからな。

 

「出口まで送りましょうか?」

 

「心配してくれて、どうもありがとう。それじゃ、お言葉に甘えて。出口まで護衛、頼んでもいいですか?」

 

「はい。分かりました」

 

それが《月夜の黒猫団》のギルドリーダー、ケイタの第一声だった。

 

 

 

第11層「タフト」NPCレストラン

 

「ありがとう……。 本当にありがとう。 凄い、怖かったから……。 助けに来てくれた時、ほんと嬉しかった。本当にありがとう」

 

俺はこの言葉が聞けただけで、あの時に助けて良かったと思った。

この言葉を言ってくれたプレイヤーはサチと言うプレイヤーだった。

 

「本当に助かりました。ありがとうございます。あのっ…お名前を伺っても…?」

 

「コンビを組んでいるキリトだ。 よろしくな」

 

「誰とコンビを組んでいるのですか? あと失礼を承知で聞きますが。 キリトさんのレベルはお幾つで?」

 

「ケイタ、敬語は無しにしよう。 コンビを組んで居る相棒の名前は言えない。 すまん。 後、コンビ狩りの時も基本1対を2人で狩るスタイルだ効率は良くないよ。後レベルも言えない」

 

コンビ狩りの事は嘘だ。

もしトッププレイヤーと分かってしまったら怖がられてしまう。

 

「じゃあ、キリト。 急にこんな事言うのは変だけど君達、僕達のギルドに入らないかい?」

 

「……ちょっと、待ってくれ、相棒にメッセージ送るから」

 

「分かった」

 

数分後、ユウキからメッセージが返ってきた。

内容はこうだ。『ギルドには、入らないけど手伝い、協力ならしていいよ。

後細かいことはキリトが決めていいよ』と。 多分、気を遣ってのことだろう。

俺が《ビーター》とばれない様に、本当にあいつはこういう場面で的確な指示ができるな。

お前とコンビを組めていて俺は本当に良かったよ。

 

「ギルドには入れないけど協力、手伝いなら出来るんだが、どうする?」

 

「分かった。 それでお願い出来るかな?」

 

「了解した。 じゃあ何か有ったら、メッセージ飛ばしてくれ。 これが俺の連絡先な。 じゃあ、俺は帰るな?」

 

「今日はありがとう。 じゃあまた」

 

「またな」

 

 

 

第50層「アルゲード」主街区

 

俺はユウキに、今日有った事を包み隠さず話した。

 

「今日は《月夜の黒猫団》と言うギルドをさっき伝えた経緯で助けたんだ。 協力、手伝い頼んでもいいかな?」

 

「うん。 了解したよ」

 

「じゃあ、よろしくな」

 

 

 

第11層「タフト」NPCレストラン

 

俺はケイタの呼び出しによって第11層に来ていた。

 

「キリト、待たせて悪いな」

 

「いや、全然待ってないから大丈夫だったよ」

 

「そうか。よかった」

 

「で、今日はどうしたんだ?」

 

「僕達は攻略組の仲間入りをしたいんだ」

 

「なんでだ?」

 

「あの迷宮区を1人で狩りが出来るからさ。なんか知っていると思って」

 

まさか、こんな言葉を聞かれるとは。

 

「うーん。 情報量の差じゃないかな。 あいつらは効率のいい狩り場や、どうやれば強い武器が手に入るとかの情報を独占しているからな」

 

それには、俺も入っているが。

 

「そりゃ、そう言うのもあるだろうけどさ。 僕は意志力だと思うんだよ。仲間を守り、そして全プレイヤーを助け出すって言う意志の力だと思うんだ。 そう言う力が有るからこそ、攻略組ギルドは危険なボスに挑戦し勝って来ていると思うんだ。 僕らはまだ守ってもらう側だけど。 いつかきっと、彼らに追い付けると信じているんだ」

 

まさかSAOでこんな考えを持っているプレイヤーが居るとは、俺は思ってもみなかった。

 

「そうか……。 そうだよな」

 

俺にはこの様に答える事しか出来ないんだ。 すまん。

 

「サチを槍から片手剣の前衛にコンバートしようと思うんだが。 キリトはどう思うかな?」

 

それは無理な注文だ。俺がサチを見た時にはモンスターと戦っているのに目を瞑りながら攻撃をしているからだ。 出来れば生産職に転向するべきだ。

 

「それは無理なんじゃないかな。 俺が助けに入った時サチは目を瞑りながら攻撃をしていたんだ。 前衛に転向させるのは自殺行為だよ。 出来れば生産職に転向させるのが一番いいと思うが」

 

「そうか、なら前衛が出来る人を探さないとな。 キリトが入ってくれれば、何の問題も無いんだけど」

 

「すまん。 それは出来ないんだ」

 

「分かった。 今日はこの事の相談だったんだ。 時間を空けてくれてありがとう」

 

「また、何かあったら呼んでくれ」

 

「うん。 また頼らせてもらうよ、今日はありがとう。またね」

 

「おう。 じゃあまたな」

 

この日の夜にケイタからメッセージが飛んできた。

サチが居ないと、俺は第11層の水路の中でサチを見つけた。

多分隠蔽スキルの能力が付いたマントを使っていたのだろう。

 

「サチ。 みんな探していたよ」

 

「キリトなんで此処が分かったの?」

 

索敵スキルをコンプリートしているとは口が裂けても言えない。

だから俺は言葉を濁した。

 

「勘かな」

 

「……そっか」

 

やっぱりこの世界に捉えられ、モンスターと戦う日々は怖いのだろうな。

 

「みんな心配しているよ、みんなの所に戻らないと」

 

「ねぇ、キリト。 一緒にどっか逃げよ」

 

なにっ!!

 

「……それは心中しようと言う事かな」

 

「それも良いかもね」

 

すまん…。 それは俺には出来ないんだ。 俺には帰る場所が有るのだから…。

 

「私、死ぬのが怖い。 怖くて、最近よく眠れないの……。 ねぇ、何でこんなことになっちゃたの、なんでこのゲームの中から出られないの? 本当に死ななきゃいけないの? あの茅場って人の言っている事は本当なの?……こんな事に何の意味が有るの?」

 

それを俺に聞かれても答える事は出来ないんだ。 だから俺が思っている事を言おう。

 

「たぶん、意味なんてない。 誰も得はしないんだ。 この世界が出来た時にはもう、大事な事はみんな終わっちゃったんだ…」

 

「そう……」

 

「みんなの所に戻ろうか?」

 

「分かった」

 

俺はケイタにサチの居る場所を伝え、迎えに来る様にとメッセージを飛ばした。




こんな感じです?どうでしたでしょうか?

ご意見、ご感想、よろしくお願いします!!

次回もお楽しみに!!

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