ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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どもっ!!

舞翼です!!

更新ちょいと遅れたね。

ロストソングのユウキちゃん可愛いー。
猫耳ヤバいって!!

っと、失礼、取り乱したよ。

決めた。 何処かで猫耳を書こう。
まぁ、前置きはこれくらいにして。

誤字脱字があったらごめんよ。

それではどうぞ。




第63話≪闇と氷の世界ヨツンヘイム≫

今俺たちが居る場所は、妖精の世界の地下に広がる、もう一つフィールド、邪神級モンスターが支配する闇と氷の世界《ヨツンヘイム》。

こうなった原因は、俺たちが休憩する為に視界に入った森の中の小村に降下し、その村の宿屋に入ろうとした時、村の形が崩れミミズ型モンスターになったのだ。

簡単に言えば、その宿屋が寄せ餌だったという訳だ。

ミミズ型モンスターも俺たちを食べる事が出来ず、消化器ツワーをしてから、投げ出させた。

後から分かった事なんだが、そのミミズ型モンスターは、此処《ヨツンヘイム》に強制移動されるトラップだったのだ。

それに此処ヨツンヘイムには、邪神級モンスターがうようよ居るらしい。

だからまぁ、今こうして(ほこら)に避難している。

 

「おーい、起きろ―」

 

リーファは小声で俺を起こそうとするが、俺は『くうくう』と寝息を立てている。

ユウキが膝枕してくれて、頭も擦ってくれている。

そりゃ眠くなるって。

それに今のリアル時刻は、午前二時を回っている。

 

「ねぇー、ユウキちゃんも何とか言ってよ」

 

どうやらリーファは、ユウキに助け船を求めたようだ。

ユウキは優しく声を掛けてくれた。

 

「もう終わりだよ」

 

「……あと、五分」

 

俺はうとうとしながら呟き、瞼を閉じた。

ユウキは『はぁ』と溜息をついてから、

 

「起きないと………もう膝枕してあげないよ」

 

「はい! 起きました!」

 

俺はバネのように上体を起こした。

 

「ユウキさん……」

 

「リアルでも膝枕してあげるから、子猫のような目でボクを見ないの」

 

「……おう」

 

会話を終えた後、俺とユウキは気持ちを切り替えた。

リーファは一つ咳払いをしてから、これからの事を話した。

 

「話を戻すよ―――ええと、脱出プランはあるの、二人とも」

 

「「ない!」」

 

脱出する為に此処からログアウトしてもいいのだが、現在俺たちが居る祠は、宿屋でも安全地帯でもないから、此処でログアウトしたら空っぽになった仮想体(アバター)が一定時間取り残されてしまう。

空っぽになったアバターは、よくモンスターを引き寄せるのだ。

モンスターに襲われ死亡してしまったら、セーブポイントであるシルフの街《スイルベーン》へ戻されてしまう。

俺とユウキの目的は、アルヴヘイムの央都《アルン》へと辿り着くことだ。

死亡してしまったら、此処まで遥々(はるばる)旅して来た意味が無くなってしまう。

 

「……そこまでハッキリ言わなくても……」

 

「そう言えばリーファちゃん、 此処って邪神級モンスターが出るんでしょ?」

 

リーファは、ユウキの問いに頷いた。

 

「居るわよ。 それも君たちが相手に出来ないほどの邪神がね。 君たちが散々苦戦した最強サラマンダーも、邪神一体を相手にして二十秒持たなかったらしいよ」

 

「………そりゃまた……」

 

「………うん。 ボクとキリトでも、邪神の相手は無理そうだね……」

 

俺とユウキは同時に溜息をついた。

邪神を倒して進もうと思ったんだけどな。

 

「このヨツンヘイムは飛べないんだろ」

 

「そ。 翅の飛行力を回復させるには、日光か月光が必要なの。 でも此処にはどっちも無いからね……。 闇妖精族(インプ)なら地下でも少しだけなら飛べるらしいけど……」

 

とリーファが言い、ユウキを見る。

俺は真剣な表情になり、言った。

 

「ダメだぞ。 こんな場所を一人で飛ぶなんて」

 

「大丈夫だよ、そんなことしないから」

 

ユウキは優しい声音でニッコリ笑い言ってくれた。

 

お前が襲われる所なんて絶対に見たくないからな。

それに、あんな経験はもうしたくない。

 

「飛ぶのは無しと言う事で。 うーん、そしたら邪神狩り大規模パーティーに合流させてもらって、一緒に地上に戻るくらいしかないかなー」

 

「ユイちゃんに聞いてみようか」

 

ユウキは自分の肩の上で眠る小さな妖精の頬を優しく突いた。

 

「ユイちゃん、起きてー」

 

ユイは睫毛を二、三度震わせから、体をむくりと起こした。

右手を口元にあて、左腕を大きく伸ばして、大きな欠伸をした。

 

「ふぁ……。――おはようございます、パパ、ママ、リーファさん」

 

ユウキは寝起きのユイに、優しく話し掛けた。

 

「おはよう、ユイちゃん。 起こしちゃってごめんね。 今近くに他のプレイヤーが居ないか、確認して欲しいの」

 

「了解です、ママ。 ちょっと待ってくださいね……」

 

ユイは頷いてから瞼を閉じる。

数秒後、ユイはふるふると首を振った。

 

「すいません、わたしがデータを参照できる範囲内に他のプレイヤーの反応はありません。 それ以前に、あの村がマップに登録されていないことに気付いていれば……」

 

それを聞いたリーファは、反射的にユイの髪を指先で撫でていた。

 

「ううん、ユイちゃんのせいじゃないよ。 あの時あたしが、周囲プレイヤーの索敵警戒を厳重に、なんてお願いしちゃったから。 そんなに気にしないで」

 

「うんうん。 ボクも気にしてないから大丈夫!」

 

「……ありがとうございます。 ママ、リーファさん」

 

リーファは視線を俺に向けた。

 

「ま、こうなったら、やるだけやってみるしかないよね」

 

「「何を?」」

 

俺とユウキは、同時に小さく声を上げた。

 

「あたしたちだけで地上に出るのよ。確か、何処かに階段があったはずだわ。―――邪神の視界と移動パターンを見極めて、慎重に行動すれば行けるはずよ」

 

「「「おー」」」

 

俺とユウキとユイは、小さく拍手した。

 

すると、遠くの方から“ぱるるるるぅ”と大音響な咆哮が放たれた。

これは間違いなく邪神モンスターから放たれたものであった。

地面を揺るがすような足音も轟く。

 

「げっ、もしかして今の邪神の鳴き声か……」

 

「大きな足音が近づいてきているね……」

 

「そうね、早く此処を離れましょうか……」

 

上から順に、俺、ユウキ、リーファだ。

逃げないと、ぷちっと()られてしまう。

俺は耳を澄ませてみた。

 

「いや、待った。 様子が変だ」

 

「うん。 一匹じゃないんだよ」

 

どうやらユウキにも聞こえてようだ。

邪神の大音響の後に、“ひゅるる、ひゅるる”という木枯らしのような声も混ざっているのだ。

 

「二匹もッ!! 早く逃げないと!!」

 

「いえ、違いますリーファさん」

 

ユイがリーファに細く叫んだ。

 

「接近中の邪神級モンスター二匹は……互いを攻撃しているようです!」

 

「えっ……邪神が互いを攻撃するって聞いたことないよ」

 

「ねぇ、キリトにリーファちゃん。 様子見に行かない」

 

「俺も気になっていたしな。 行こうか」

 

「わ、わかったわ」

 

俺とユウキとリーファは頷き合い、邪神が戦闘している場所へ足を踏み出した。

数歩進んだだけで、二匹の邪神はすぐに視界に入った。

じっと眼を凝らし、二匹の邪神を見た。

縦三つ連なった巨大な顔の横から四本の腕を生やした巨大な邪神と、やや小柄な象水母(ぞうくらげ)の姿に似た邪神だ。

だがどう見ても、三面邪神の方が優勢だ。

三面邪神が携えている巨剣が水母邪神の胴体に叩き込まれるたびに、悲鳴にも似た鳴き声を上げている。

 

「ど……どうなっているの……」

 

リーファは暫し無言になり、呆然と呟いた。

 

「ねぇ、キリトくんユウキt「「おう(うん)、助けようか!」」」

 

「えッ、何で解ったの!?」

 

リーファは、俺とユウキの言葉を聞いて驚いていた。

 

「リーファは俺の妹だぞ。 妹が何を考えているかくらい解るって」

 

「リーファちゃんはボクの義妹なんだからね。 リーファちゃんが考えている事くらい解るよ」

 

俺は邪神を見てリーファに訊ねた。

 

「で、どっちを助ける?」

 

「苛められている方を助けようよ」

 

リーファの代わりにユウキが答えた。

リーファも頷いている。

う~ん、でもどうやって助けようか?

いや待てよ、小柄な邪神は……水母(クラゲ)……だよな?

俺は周囲を見渡し、肩に乗っているユイに問いかけた。

 

「ユイ、近くに水面はあるか!? 川でも湖でもいい!」

 

「あ、そういうことね」

 

ユウキは手をポンと打っていた。

 

「え、どういうこと?」

 

リーファは首を傾げていたが。

すると、ユイが叫んだ。

 

「あります、パパ! 北に約二百メートル移動した場所に、氷結した湖が存在します!」

 

「よし……いいかユウキ、リーファ。 其処まで死ぬ気で走るぞ」

 

「久々に全力全開走れるよ!! ボク達に付いてくるんだよ、リーファちゃん」

 

俺とユウキの言葉にリーファは戸惑っている。

 

「え……え?」

 

俺は腰から投躑用のピックを取り出し右腕を振り、

 

「せいッ!!」

 

ピックを三面邪神の眼と眼の間に命中させた。

すると、三面邪神がこちらにターゲットを切り替えた。

 

「ぼぼぼるるるぅぅぅ!!」

 

と三面邪神が怒りの雄叫びを上げ地面を轟かせながら、此方に近づいてくる。

 

「……逃げるぞ!!」

 

そう言ってから、俺は北に向けて雪煙を散らして走り出した。

 

「了解♪」

 

ユウキも俺の後に続く。

 

「え、ちょっ……」

 

リーファは口をパクパク動かしてから、俺とユウキを追う。

三面巨人の邪神も咆哮を轟かせ、追いかけて来る。

 

「待っt……や……いやあああああああ!!」

 

リーファは悲鳴を上げ俺とユウキを追うが、みるみるリーファを引き離す。

 

「ひぃぃどぉぉいぃぃぃぃ!!」

 

リーファは両足の回転速度を上げ、全力で走った。

すると、前の二人が雪を蹴散らして停止した。

リーファはユウキに抱き止められた。

直後、ぱきぱきぱきっ、という音が響き渡った。

その音は、三面邪神が雪下にあった氷を踏み抜いた音であった。

 

「そ、そのまま沈んじゃえぇ……」

 

リーファは三面邪神に力一杯懇願したが、そう簡単にいかなかった。

足を上手く使って此方に近づいて来たのだ。

だが、象水母邪神の二十本近い肢が一斉に伸び上がり、三面邪神を水中で拘束した。

どうやら水母邪神は、あの後逃げずに追いかけて来たらしいのだ。

水母邪神の拘束により、三面邪神のHPバーがどんどん減少していく。

数秒後、三面邪神はポリゴンの欠片となり、四散した。

 

「作戦、成功したの?」

 

ユウキが俺に聞いてきたので、

 

「まぁ、そうだな」

 

と答えた。

水母邪神が追いかけて来てくれなかったら、俺たちは殺られていたな。

まぁ、水母邪神に倒してもらう作戦だったのだが。

すると水母邪神が眩い純白の光を包まれ、形状を変えた。

放射状に真っ白い輝きを帯びた、四対八枚の翼が広げられた。

それから俺たちを巻き取り背中に放り投げ、お尻から墜落した。

まぁ、俺は『ひえええぇぇっ』と情けない声を出してしまったが……。

ユウキとリーファは、口を閉じていたな。

 

「痛てててて」

 

「うん。 ボクも痛かったよ」

 

「私もよ」

 

仮想世界では痛みを感じないんだが。

 

「ねぇねぇ、この邪神に名前つけようよ」

 

リーファが提案してきた。

 

「うーん、トンキーってのはどうだ?」

 

「ボクはそれでいいと思うよ」

 

「私もそれでいいと思うわ。―――おーい邪神くん、キミは今からトンキーだからね」

 

リーファが言うと、トンキーが小さく鳴いた。

この名前でいいということだろう。

トンキーの上に乗る事数分。

世界樹の根っこに近づくにつれ、何か金色に輝く物を発見した。

根っこの氷柱の一番下――鋭く尖った先端に。

 

「なぁ、あの輝いている物って何だ?」

 

俺はリーファに聞いた。

リーファは遠見水晶(アイススコープ)の魔法の大きなレンズを覗き込みながらこう言った。

 

「《聖剣エクスキャリバー》だよ、あれ。 たった一つの武器……最強の剣」

 

「さ、最強」

 

欲しいなー、最強の剣。

 

「キリト、今はやる事があるでしょ。 今度みんなで取りに行こうよ」

 

う、確かに。 今はランとアスナの救出が最優先。

今回は諦めよう。

 

「だな。 今度みんなで取りに行こうぜ」

 

「そうだ! 代わりにボクが何かしてあげるよ」

 

「マジか!!」

 

「はいはい。 二人の世界に入らないの」

 

うん、リーファの突っ込みが板についてきたな。

それからトンキーは、世界樹の木の根まで運んでくれた。

順番にトンキーの背中から脱出階段に飛び移る。

この階段を上がれば央都《アルン》に到着する。

 

「助かったよ、トンキー」

 

「うん。 ありがとね」

 

「また来るからね、トンキー。 それまで元気でね」

 

上から順に、俺、ユウキ、リーファだ。

俺たちはトンキーに感謝の言葉を述べた後、トンキーは嬉しそうな声を上げ、そのまま物凄い速さで降下していく。

不思議な邪神はヨツンヘイムの暗闇に溶けていった。

 

「さ、行こ! この階段を登れば《アルン》だよ!」

 

「おう!」

 

「うん!」

 

俺たちは階段を上り央都《アルン》に向けて足を踏み出した。

 




遂に《アルン》まで書けたよ。

あと、邪神狩りパーティーはカットしたよ。
書かなくてもいいかなっと思っちゃって(汗)

ここからノープランなんだよね(汗)
どうしようか……。

ご意見、ご感想、評価よろしくお願いします!!


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