ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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どもっ!!

舞翼です!!

今回の投稿はめちゃくちゃ不安です。

あと、ランさんの立ち位置どうしよう…。

キリト君はユウキちゃん一筋にしようと思います。(ネタバレ)

それでは、どうぞ。


第33話≪格の違い≫

翌日。

俺達は、起床アラームによって目を覚ました。

今は、朝の8:30だ。

俺は、起きあがり戦闘服に身を包み、武器を装備した。

ユウキは、俺より早く起床していた。

すでに、戦闘服と武器を装備していた。

 

「じゃあ、行こうか」

 

「OK」

 

俺達は、第74層転移門前に向かった。

 

 

 

♦♦♦♦♦

 

 

第74層 転移門前

 

転移門前には、ユウキの姉ランが俺達を待っていた。

 

「姉ちゃん。 おはよう」

 

「おはよう。 ラン」

 

「おはようございます」

 

俺達は、朝の挨拶を済ませアスナを待つことにした。

 

 

10分後。

 

「来ない」

 

「だねー」

 

「ですね」

 

上から順にキリト、ユウキ、ランだ。

俺達は、転移門のすぐ傍に立っている。

転移門から青いテレポート光が発生した。

空中に人影が実体化し、そのまま俺に向かって飛んできた。

 

「きゃぁぁぁぁ! よ、避けてー!」

 

「うわぁぁぁぁ!?」

 

このプレイヤーは転移門ゲートに飛び込んで、そのままここまでテレポートしたから俺に向かって飛んできたんだろう。

 

「なっ、な……!?」

 

「…………?」

 

俺の手に、何やら好ましい不思議な感触が伝わってきた。

なんだこれは?

 

「や、やーーーっ!!」

 

突然耳元で大音量の悲鳴が上がり、俺の後頭部は激しく地面に叩きつけられた。

同時に体の上から重さが消滅する。

俺は、後頭部を擦りながら上半身を起こした。

目の前に、ペタリと座り込んだ女性プレイヤーがいた。

その女性プレイヤーは、赤と白を基調とした《血盟騎士団》のユニフォームを着込んでいる。

俺に飛んできた女性プレイヤーは、血盟騎士団副団長《閃光》のアスナであった。

アスナの両腕は、胸の前で交差をしている。

もしかして、……胸を……、触ってしまったのか…?

俺は、恐る恐る右隣に立っている、ユウキとランを見た。

マジかよ。 二人からあり得ない殺気が漂っているよ……。

後ろには、修羅が見えるし…。

ヤバい。 後で殺される。

とりあえず……、アスナに挨拶をしないと。

 

「や……やぁ、おはようアスナ」

 

アスナに挨拶が終わった後、ユウキが声をかけてきた。

 

「後で夫婦会議をするからね!!」

 

「はい……」

 

「キリトさん。 私も会議に混ざりますからね!!」

 

「わっ、わかりました」

 

俺は心の中で呟いた。 短い人生だったなと。

アスナが姿を現した直後、新たな人影が転移門から出現した。

今度の転移者はきちんと地面に足を付けている。

光が消え去ると、そこに立っていたのは《血盟騎士団》のユニフォームを着込み、やや装飾過多気味の金属鎧と両手用剣を装備した男であった。

その人物は、アスナが昨日撒いた護衛だった。

確か名前は、クラディールだっけか。

アスナは、出現した人物を見て俺の後ろに隠れた。

 

「ア……アスナ様、勝手なことをされては困ります……」

 

アスナ様って。

こいつ、アスナを崇拝しているプレイヤーか?

 

「さぁ、アスナ様、ギルド本部まで戻りましょう」

 

「嫌よ、今日は活動日じゃないわよ! ……だいたい、アナタなんで朝から家の前に張り込んでいるのよ!?」

 

こいつ、ストーカーか?

 

「ふふ、こんなこともあろうと思いまして、一ヶ月前からずっとセルムブルグで早朝より監視の任務についておりました」

 

うん。 こいつ、ストーカーだ。

 

「そ……それ、団長の指示じゃないわよね……?」

 

「私の任務はアスナ様の護衛です! それにはご自宅の監視も……」

 

「ふ……含まれないわよ。バカ」

 

クラディールは、怒りと苛立ちの表情を浮かべ、かつかつと歩みよると俺の後ろに隠れたアスナの腕を掴んだ。

 

「聞き分けのないことを仰らないでください……。 さぁ、本部に戻りますよ」

 

俺は右隣に立っている、ユウキとラン見た。

ユウキとランは、頷いてくれた。

俺がこれから実行する事に賛成してくれた。 ということだろう。

俺は、アスナを掴んだクラディールの右手首を握り、街区圏内で犯罪防止コードが発動してしまうギリギリの力を込める。

 

「悪いな。 お前さんのトコの副団長は、今日は“俺達”の貸し切りなんだ」

 

「そうだよ。 おじさん」

 

「そうね」

 

「貴様ら……!」

 

クラディールは軋むような声で唸った。

 

「アスナの安全は、俺達が責任を持つよ。 別に今日ボス戦をやろうって訳じゃない。 本部にはあんた一人で戻ってくれ」

 

「ふ……ふざけるな!! 貴様らのような雑魚プレイヤーにアスナ様の護衛が務まるかぁ!! わ……私は栄光ある血盟騎士団の……」

 

「あんたよりはマトモに務まるよ」

 

「ガキィ……そ、そこまででかい口を叩くからには、それを証明する覚悟があるんだろうな……」

 

クラディールは、震える右手でウインドウを呼び出すと、俺の視界にシステムメッセージが出現した。

【クラディールから 1vs1 デュエルを申し込まれました。 受諾しますか?】

発光する文字の下に、Yes/Noのボタンといくつかのオプション。

俺は、左隣に居るアスナに視線を向けた。

アスナは小声で言った。

 

「団長には、私から報告するから。 大丈夫よ」

 

続いて、右隣に居るユウキとランを見た。

ユウキとランは、小声で言った。

 

「格の違いを見せ付けてあげなよ」

 

「見せ付けてください」

 

「了解」

 

俺は、三人に聞こえる様に呟いた。

Yesボタンに触れ、オプションの中から《初撃決着モード》を選択した。

メッセージは【クラディールとの 1vs1 デュエルを受諾しました】と変化、その下で六十秒のカウントダウンが開始される。

 

「ご覧くださいアスナ様! 私以外に護衛が務まる者など居ないことを証明しますぞ!」

 

クラディールは、腰から大ぶりの両手剣を引き抜く。

俺も背中に装備している愛剣を引き抜く。

俺とクラディールは、五メートルほどの距離を取って向き合った。

カウントを待っていたら、周囲に次々と野次馬が集まってきた。

 

「《黒の剣士》キリトとKoBメンバーがデュエルだとよ!!」

 

野次馬は、口笛を鳴らしたり、野次を飛ばしている。

だが、カウントが進むにつれ、それらの声が聞こえなくなっていた。

クラディールは、剣を中段やや担ぎ気味に構え、前傾姿勢で腰を落としていた。

俺は、剣を下段に構えて緩めて立つ。

カウントが0になり【DUEL!!】の文字が飛散したと同時に俺は地面を蹴っていた。

ほんの一瞬遅れてクラディールの体も動き始めた。

クラディールは、驚愕の表情をしていた。

下段の受身姿勢を見せていた俺が、突進したからだ。

クラディールが放ってきた技は両手用大剣の上段突進技《アバランシュ》だ。

優秀な高レベル剣技だ。

モンスターが相手ならばな。

俺は、上段の片手剣突進技《ソニックリープ》を選択した。

技の威力は、向うのほうが上だ。

だが、俺の狙いはクラディール本人ではない。

二人の距離が凄まじいスピードで縮んでいく。

大きく後ろに振りかぶられた大剣が、オレンジ色のエフェクト光を発しながら俺に向かって撃ち出されてくる。

一瞬早く動き出した俺の剣は、斜めの軌道を描き、黄緑色の光のエフェクト光を発しながら、攻撃判定の発生する直前の奴の大剣の横腹に命中した。

武器と武器の衝突した場合の結果のひとつ、それが《武器破壊》。

クラディールの両手剣が横腹から圧し折れた。

そのまま俺と奴は、空中ですれ違い、位置を入れ替え着地した。

折れた奴の両手剣の上半分が、中間に有る石畳に突き刺さった後、両手剣の上半分はポリゴンを四散させた。

クラディールの手に残った下半分もポリゴンを四散させた。

 

「すげぇ、いまの狙ったのか」

 

この言葉と同時に歓声が上がった。

俺は、クラディールにゆっくり歩み寄る。

俺は、小声で言った。

 

「武器を替えて仕切りなおすなら付き合うけど……。 もういいんじゃないかな」

 

クラディールは、軋む声で「アイ・リザイン」と呟いた。

俺の横に歩み寄ってきたアスナが冷ややかな声で言葉を発した。

 

「クラディール、血盟騎士団副団長として命じます。 本日をもって護衛役を解任。 別命があるまでギルド本部にて待機。 以上」

 

「……なん……なんだと……この……」

 

クラディールは、呪詛であろう言葉を呟きながら、俺を見据え予備の武器を装備し直し、犯罪防止コードに阻まれるのを承知の上で斬りかかろうとしていた。

だが、奴は自制すると、転移門に足を進め「転移…グランザム」と呟いた。

野次馬は、散っていき俺達四人が残された。

 

「……ごめんなさい、嫌なことに巻き込んじゃって」

 

「ボクと姉ちゃんは大丈夫だよ」

 

「俺も大丈夫だ。 それよりアスナは大丈夫なのか?」

 

アスナは弱々しい笑みを浮かべて見せた。

 

「ええ。 いまのギルドの空気は、ゲーム攻略だけを最優先に考えてメンバーに規律を押し付けたわたしにも責任があると思うから……」

 

「アスナの頑張りがあったからこそ、攻略がここまで進んだんだ」

 

「そうですよ。 アスナさん」

 

「そうだよ。 アスナ」

 

「ありがとう。 三人とも」

 

アスナは、俺達の言葉を聞き、張り詰めていた頬を緩めた。

 

「じゃあ、三人に前衛(フォワード)を頼もうかな」

 

「じゃあ、ボクと姉ちゃんが前衛をやるね」

 

「そうしましょうか」

 

「……俺が前衛をやるよ。 後一人は三人の中から決めてくれ」

 

俺達はこのようなやり取りをした後、第74層迷宮区に足を進めた。

 




どうでしたか?

ぐだぐだですよね。

今回の話はレベルが高すぎです…。

僕だけだと思いますが…。

あと、夫婦会議はもう少し話が進んだら書こうと思います。

ご意見、ご感想、よろしくお願いします!!

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