ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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どもっ!!

舞翼です!!

今回は一番長いのかな?

爆弾落とせたかな~。

ガス漏れ程度かもしれません(汗)

まぁ、ワードは少し進化させましたが…。

あと、寝袋の大きさは二人が入れる大きさで。

それでは、どうぞ。


第27話≪ドラゴンの巣とクリスタルインゴット≫

第55層 氷雪地帯 

 

「寒いんだけど……」

 

「ボクも寒い……」

 

「お前ら余分な服とかないのか」

 

「「ない……」」

 

俺はウインドウを操作し二着の厚手のコートを二人に手渡す。

 

「キリトは、寒くないの?」

 

「そうよ。 あんたは寒くないの?」

 

本当は、めちゃくちゃ寒い。

なぜ、俺が厚着をしないかというと先ほど渡した予備のコートで俺の分が無くなってしまったからだ。

さっき渡した二着の厚手のコートは俺とユウキの防寒用コートだったしな。

それに、インゴットを取得するフィールドが氷雪地帯だったなんて予想外だったし。

まぁ、インゴットを取得するまでの辛抱だしな。

ここは、やせ我慢しよう。

 

「寒くない……」

 

数分後。

このクエストのトリガーとなる村の長のNPCを発見し話を聞くことに成功したのだが…。

 

「聞き疲れた……」

 

「ボクも疲れた……」

 

「私もよ……」

 

俺達が話を聞き終わった頃には村はすっかり夕景に包まれていた。

 

「……まさかフラグ立てでこんな時間を食うとは」

 

「これからどうするの?」

 

とユウキが聞いてくる。

 

「うーん、ドラゴンの所にいくか。 ドラゴンは夜行性らしいからな」

 

「OK」

 

「リズもそれでいいか?」

 

「いいわよ」

 

「じゃあ、行くか」

 

「「了解(―)」」

 

雪山を登ること数十分、切り立った氷壁を回り込むと、西の山の山頂に到着した。

そこには、巨大なクリスタルの柱が伸びている。

残照の紫光が乱反射にて虹色に輝くその光景は幻想的の一言だ。

 

「ここに、例のインゴットをドロップするドラゴンが?」

 

「そのはずよ」

 

「じゃあ、ユウキの傍を離れるなよ。いいな?」

 

と俺はリズに念を押して言っておく。

 

「了解したわ」

 

「じゃあ、ボクの傍から離れないでね」

 

リズはユウキの傍に行った。

よし。これなら安全だな。

 

「じゃあ、行くぞ」

 

姿を現したのは、氷のように輝く鱗を持った白竜だった。

巨大な翼を緩やかにはばたかせ、宙にホバリングしている。

ドラゴンはまず氷のブレスを俺の正面から吐いてきた。

 

「グオァァァァァ!!」

 

俺は剣を目の前で回転させて、ブレスを防ぐ盾を作った。

だが、完全にブレスを防ぎきれていなかった為、HPが減少するがに戦闘時回復(バトルヒーリングスキル)よる回復で何とかなった。

だが、次の瞬間、俺は雪に足をとられてしまった。

俺にドラゴンの鋭い鉤爪による攻撃が襲いかかる。

剣で攻撃の軌道をずらせば、多少のダメージで済むので問題はないが、でもここは山の山頂だ。この鉤爪による攻撃で大きく吹き飛ばされたら命に関わる。

だが、俺は攻撃を食らうことも、大きく吹き飛ばされることもなかった。

どうして攻撃がこないんだ?

その理由はすぐに分かった。

ユウキがクリスタルの陰から出てきてドラゴンに片手剣ソードスキル《ヴォーパルストライク》を放ったからだ。

この攻撃によりドラゴンのHPゲージはレッドまで落ちた。

俺はすぐに態勢を整えドラゴンに対して剣を構えなおした。

 

「すまん……。 助かった」

 

「もぉ、本当に心配させて。 やっぱりキリトの傍にはボクがいないとね」

 

次の瞬間ドラゴンは一際高く舞い上がり両の翼を大きく広げた。

やばい、突風攻撃だ!!

俺達は空高く投げだされた。

この軌道のまま下に落ちたらマズイ。

俺は右手を動かし、前方に振りぬいた。

重い突き技の反動で俺達は穴の壁面目指して角度を変え、俺達は右手を振りかぶり思い切り穴の壁面に剣を突き立てた。

この動作によって落下する勢いを止めつつ穴の中に落ちた。

 

 

ドラゴンの巣の中

 

「助かったな……」

 

「たっ、助かった」

 

「ポーション飲んでおくか。 一応な」

 

「そうだね」

 

俺のHPはイエローまで落ちていた。

隣に居るユウキも同じだろうな。

 

「すまん……。 こんなことになって……」

 

「気にしなくていいよ」

 

「ここからどうやって出ようか?」

 

「そうだねー。 結晶使えないしね」

 

「ところでリズはどうしたんだ?」

 

まさか、あのままってことは無いよな……。

 

「リズには第48層に転移してもらったよ」

 

「それは、俺が雪に足を取られた瞬間に?」

 

「そうだねー」

 

なんでこんな事になったんだ。

ただ、俺達はインゴットを取得する為に第55層に来ただけなのにな。

 

「考えてもしかたないよ。 とりあえずゴハンにしようか?」

 

「えっ、ここで作れるの?」

 

この穴の中で料理が出来るんですか?

 

「簡単な物しか作れないけどね」

 

ユウキは、アイテムストレージからパン、レタス、ハム、タマゴを取り出した。

 

「サンドイッチでもいい?」

 

「ありがとな。 ご馳走になるよ」

 

「はい。 どうぞ」

 

「じゃあ、いただきます」

 

俺がいま食べているサンドイッチはミックスサンドだ。

何時も食べているけどやっぱりうまいな。

 

「なぁ、ユウキ。 助けってくるのか?」

 

一生このままなのかな?

 

「リズに、このことは『ボク達が第55層の雪山に遭難したから助けに来てって、アスナに伝えといて』って言っておいたから大丈夫だよ。 たぶん明日の朝には、助けが来るんじゃないかな?」

 

「そっか」

 

「朝までなんか話すか??」

 

「いいね。 これまでの冒険や出会いの事を話そうよ」

 

「おう。 そうしよう」

 

俺達は、たくさんの事を話した。

アスナとの第1層での出会いの話、第1層で起きた出来事の話、竜使いの少女と出会った話、ユウキの姉と出会った時の話、圏内事件の話、たくさんなことを話した。

 

「こんなに沢山の出来事があったんだな」

 

「そうだね。 ボクとキリトは、たくさんの出会いや出来事を一緒に経験してきたんだね」

 

「そうだな。 色々な出来事があったな。 それに、お前とは一年近く行動を共にしていたからな」

 

「ボクとキリトって、いつも一緒にいたんだね」

 

「《はじまりの街》を出てからこれまでずっと一緒だったな。 これからも一緒にいような」

 

「ボクはそうするつもりだよ。 ずっと一緒にいようね。 あともう一つ言っておくね、ボクは何があってもキリトから離れないからね。 これは決定事項だからね」

 

「そうか。 じゃあ、俺もお前から離れないようにするよ」

 

「寝ようか?」

 

「そうするか。 あっ、そういえばユウキって寝袋持っているか?」

 

「ボクは持ってないよ」

 

俺はアイテムストレージを開き寝袋が二つあるか確認をした。

だが、寝袋一つしかなかった。

この寝袋は、ユウキに渡そう。

 

「寝袋が一つしかなかったからユウキが使えよ。 俺はそのへんの雪の上で寝ているからさ」

 

ユウキは俺から寝袋を受け取った。

 

「じゃあ、キリトは寒さに堪えながら寝るっていうことだよね?」

 

「まぁ、そうなるな」

 

俺は次のユウキの言葉で目を見開いてしまう。

 

「ねぇ、キリト寒いから一緒に寝よう」と

 

この日、俺達は一緒の寝袋に入って寝たのであった。

 

 

 

次の日の朝

 

「よく寝た~。 あれ動けない?? なんで??」

 

そういえば昨日こいつと一緒寝たんだっけ…。

よくもまぁ、あんな大胆なことができたもんだな。 昨日の俺は。

でも、なんで動けないんだ??

こいつ、俺のことを抱き枕にしているからか…。

 

「愛しているよ……。 キリト……」

 

「えっ……」

 

この言葉を発してすぐにユウキが起きた。

 

「……おはよう……、キリト」

 

「おう、おはよう。 お前さっき言ったこと覚えている??」

 

「えっ……、何のこと??」

 

「えっと、俺のこと……、愛しているって……」

 

「……うん」

 

「そうなのか……」

 

やっぱりさっきの言葉、聞き間違えじゃなかったのか…。

 

「ねぇ、キリトはどう思っているの……??」

 

「えっと……」

 

どうしよう。

正直に言った方がいいのかな。

 

「俺もお前のことを愛してるよ」

 

「……そっか」

 

「じゃあ、起きるか」

 

「そうだね」

 

俺達は気持ちを切り替えて立ち上がった。

 

「ねぇ、キリト。 あれ何かな?」

 

「あれって?」

 

俺が見た物は、朝の光を反射して、何か雪の奥で光っている物であった。

 

「「これって俺(ボク)達が採りに来た金属!?」」

 

「なんで此処にあるの?」

 

「なぁ、ユウキ。 俺の予想聞く?」

 

「聞いてみようかな……」

 

「多分この穴はドラゴンの巣だよ。 つまり、あの金属はドラゴンが食べた水晶を腹の中で精製「もうそこまででいいよ」……分かった」

 

「あの金属はキリトが採ってきてね」

 

「了解」

 

あのインゴットってドラゴンの排泄物だよなー。

まぁ、これでインゴットを取得する目標は達成だ。

俺はこの金属をストレージに収納した。

あとは、此処を出るだけだな。

 

「ねぇ、キリト。 ドラゴンって、夜行性だよね……。 朝になるということは此処に帰ってくるっていうことだよね」

 

「……だな」

 

俺達が話している間にそいつはやって来た。

 

「グオァァァ!!」

 

鳴き声を轟かせながらドラゴンは巣に降りてくる。

 

「じゃあ、さっきの作戦でいくぞ」

 

「了解」

 

俺達は即興で作戦を作ったのだ。

頼りない作戦だが。

俺達は助走を付けドラゴンの巣の壁を水平に走りだした。

途中まで登った後、俺達はドラゴンの背中へ。

 

「で、ここからどうするの?」

 

「考えてない……」

 

「じゃあ、ドラゴンを驚かせて上へ飛んでもらおう」

 

「そうするか!」

 

俺達の会話はドラゴンの背中で行われた。

俺とユウキはドラゴンの尻尾の先端部分を引っ張った。

すると、ドラゴンはこの現象に驚いたようで上へ向かって急上昇を始めた。

 

「よしっ、地上が見えた。 背中から跳ぶぞ」

 

「了解」

 

俺達はドラゴンの背中から飛び降り雪の上へダイブした。

 

「「出れた(よ)!!」」

 

助かった~。

じゃあ、このまま武具店に行くか。

こいつに言わないと。

 

「じゃあ、このまま≪リズベット武具店≫へ行くか? あと、リズとアスナにドラゴンの巣から出られたことと、インゴットが取れたことを伝えといてくれ」

 

「OK」

 

俺達は第55層の氷雪地帯のフィールドから歩いて、

第48層「リンダース」にある≪リズベット武具店≫に向かった。

 

 

 

 

第48層「リンダース」

 

 

リズベット武具店 店内

 

「リズベット武具店へようこそー!」

 

「昨日ぶり。 リズ」

 

「昨日ぶりだな。 リズ」

 

と俺達は答えた。

 

「心配したんだよ。 ユウキちゃん」

 

アスナは親友のユウキが心配で駆けつけたようだ。

 

「ありがとう、アスナ。 こんなに心配してくれて」

 

「心配するに決まっているじゃない。 ユウキちゃんは私の親友だよ」

 

「あの~。 そろそろ俺の剣を作りたいんですけど」

 

「じゃあ、作りましょうか!!」

 

とリズが言ってくれた。

 

「「よろしく!!」」

 

 

 

リズベット武具店 工房にて

 

「片手用直剣でいいのよね?」

 

「おう。 よろしく頼む」

 

俺、ユウキ、アスナは、来客用の椅子に腰をおろして工程を見守った。

 

“カン”“カン”“カン”

と心地よい音を立てながらインゴットを叩く鍛冶屋のリズベット。

 

「できたわ。えーと、名前は《ダークリパルサー》ね。“闇を払うもの“って意味かしら?」

 

「試しに振ってみていいか?」

 

「どうぞ」

 

俺はこの剣《ダークリパルサー》を5、6回振ってみた。

 

「重いな。 ……いい剣だ。 あとこの剣の鞘も見繕ってくれるか?」

 

リズは黒い鞘を見繕ってくれた。

 

「よかったわ。 あんたの希望どおりの剣が作れて」

 

「よかったね。 キリト」

 

「よかったわね。 キリト君」

 

上から順に、リズベット、ユウキ、アスナだ。

 

「で、代金はいくらだ?」

 

「代金はいらないわ」

 

「なんで??」

 

「代金の代わりに教えて欲しいことがあるのよ」

 

「教えてほしいこと??」

 

「あんた、ユウキのことどう思っているの??」

 

「……それは答えないといけない質問ですか……?」

 

「そうよ!!」

 

それって代金よりも高いような気が……。

てか此処には、ユウキとアスナがいるんだぞ。

 

「で、どうなのよ」

 

なんでアスナは聞き耳立てているの…。

 

「じゃあ、likeかlove。 で簡単でしょ答えるの」

 

もうこれって尋問だよね…。

これってもう逃げ道がないの。

 

「えっと…………love……」

 

おい。 お前ら、なに顔赤くしているんだよ。

ユウキなんて顔真っ赤じゃん。

多分俺も真っ赤だろうけどさ。

 

「じゃあ、ユウキちゃんはキリト君のことどう思っているの??」

 

「そうよ。 キリトも言ったんだからユウキも言わなくちゃ、そうしないとフェアじゃないわ」

 

アスナさん。なんでそんなに目を輝かせているの?

リズさんの言葉は、逃げ道を封じさせているよね。

 

「えっと、ボクは…………love……」

 

「「きゃぁぁぁぁ!!」」

 

リズとアスナは凄いテンションがあがった声で「きゃぁぁぁぁ!!」とあがった声で叫んでいた。

 

「あんたら結婚しちゃえば」

 

「そうだよ。 しちゃえば」

 

とリズとアスナが言った。

 

「それとこれとは話が別だよな??」

「うん……。 そうだね……」

 

おい、お前らこの状況どうすんだよ。

 

「今日の所はこれくらいにしてあげる。 アスナもそれでいい?」

 

「今度もあるっていうことだよね」

 

「いいよね。 二人とも??」

 

「「はい」」

 

と俺達は答えることしか出来ない。

二人ともめっちゃテンションあがっているし。

 

「今度此処でお茶会やろうよ」

 

「いいね!! 私、その日には攻略のお休みを取るね」

 

「二人もいいわよね??」

 

「「わかった」」

 

「じゃあ、解散―」

 

 

俺達はお互いを意識しながら第50層に戻ったのであった。

 




爆弾になりましたかね…。

てか、もうキリト君はユウキちゃんと早くくっつけって言う感じですよね。

じれったい。

今後どうしよう…。

みなさんはどう思いますか?

ご意見、ご感想、優しくお願いします!!


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