ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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ども!!

舞翼です!!

投稿が遅くなって申し訳ないです(-_-;)
違う作品に浮気したり、活動報告見て今後どうするか考えたり、他の作品も投稿しなくちゃって焦ったり……。まあいろいろですね。

……え、何でクリスマスに投稿できるかって?舞翼はボッチクリスマスだからですよ(血涙)
てか、久しぶりの投稿なので、何か不安っス……。

さ、さて、気を取り直して、本編をどうぞ。


第142話≪ホワイトクリスマス≫

 二〇五三年。 十二月二十五日。

 今日はキリストの誕生日であり、世間一般でいうクリスマスだ。 そして今日、俺たち夫婦は、東京の穴場スポットにあるイルミネーションを見に来ていた。

 イルミネーションは、紫、オレンジ、青、緑と、光が放たれ、とても幻想的だ。

 

「わあ~、綺麗だねぇ~」

 

「そだな。綺麗だ」

 

 俺たちは沈黙し、数秒間この光景に見入った。

 うむ。 目を奪われる綺麗さだ。

 

「そういえば、ここはどうやって見つけたの?」

 

「ん、ああ。七色と悠が情報源だ」

 

 良い場所(穴場)はないか?と相談した所、七色たちは揃ってこの公園と言ったのだ。

 ともあれ、俺たちは近場のベンチに腰を下ろした。

 

「やっぱり、冬の風は冷たいね。――えいっ」

 

 俺の右腕に抱き付く木綿季。

 女の子特有の膨らみが当たるが、平常心平常心。

 

「……ゆ、木綿季さん。 あ、当たってますよ」

 

 つい、敬語になってしまう俺。 てか、世間一般の男子はこうなりますって。……いや、ないか。

 木綿季は、悪戯っぽく笑った。

 

「当ててるんだよ、和人♪」

 

「そ、そうか。……まああれだ。 このまま続けたら、今日の夜は大変だと思うが」

 

「OKOK。 バッチこいだよ」

 

 俺は、木綿季の頭に右手掌を乗せた。

 

「……バカ。 女の子がそんな言葉を使ったらいかんぞ」

 

「てへへ。 つい」

 

「ったく」

 

 そのまま、木綿季の頭をぐりぐりする俺。

 周りを見渡すと、カップルがちらほらと窺える。 どうやら、デートスポットにもなってるらしい。 ホントに穴場なの?と言う疑問が浮上してくるが、一旦それは置いておこう。

 ともあれ、今は――、

 

「木綿季、実はだな」

 

「んー、どうしたの?」

 

「まあうん。 これからのプランが一切ないんだわ。……すまん」

 

 申し訳なさそうな俺を見ながら、木綿季は、クスクスと笑った。

 

「いいっていいって。 ボクは、和人とこうして居られるだけで満足だから」

 

 やばい、かなり嬉しい言葉です。

 まあでも、俺も木綿季と一緒に居られれば、特にこれと言った要望はないんだが。 そう、木綿季が隣に居てくれることが重要なのだ。

 俺たち空を見上げ、冬の空で輝きを放っている星を見ていたら、白い綿菓子に似たものが頬に当たった。 それは俺の体温により、溶けていく。

 

「雪か」

 

「ホワイトクリスマスだよ」

 

 そう言って、木綿季は無邪気に笑った。

 それから木綿季は、マフラーで口元を覆うようにした。 俺たちはベンチから立ち上がり、即興で決めた丸の内へ行くことにしたのだった。

 また、徒歩で移動してる時も、周囲はクリスマス一色だった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 丸の内に到着し、一番最初に目に止まった店はスイーツ店。 俗に言う、ケーキ屋さんだ。 木綿季と話し合い、スイーツ店へ行くことに決まった。

 店内に入ると、カランカランと、ドアベルが鳴り、店の奥から店員がショーケースの前までやって来た。

 

「木綿季はなにを食べるんだ?」

 

 木綿季は、ショーケースの中に入っている様々な種類のケーキを見ながら、

 

「うーん、モンブランにしようかな」

 

「んじゃ、俺はミルクレープにするか」

 

 注文し、店員が専用のトングでケーキを取り、取り皿の上に乗せ、ショーケースの上に乗せた。 注文したケーキたちは、通常のケーキと比べると値段が高い。 いやまあ、俺にとっては微々たるものなんだが。

 会計をし、店内のテーブル席の上にケーキが乗った取り皿を置き、俺たちは向かい合わせになるように着席した。

 

「「いただきます」」

 

 フォークを持ちながら合掌し、ケーキを一口サイズに切り込んでから、ケーキにフォークを突き刺し口に運ぶ。 ミルクレープは、クレープとクリーム、様々な果実がマッチし、口の中で蕩ける旨さだ。 これならば、値段が高いのにも納得である。

 

「和人、一口頂戴♪」

 

「いいぞ」

 

 俺は一口サイズにミルクレープ切ってから、それをフォークで刺して、それを木綿季の口元まで運ぶ。

 

「木綿季、あーんだ」

 

「あーん」

 

 俺が運んだケーキをもぐもぐと食べ、ごっくんと飲み込んだ。

 

「どうだ?」

 

「美味しいよ。 普通とは、一味違う感じかなぁ」

 

 大人になると味覚が過敏になると言うが、本当のことなのかもしれない。 いやね、俺は迷信だと思ってたんだよ。

 木綿季は悪戯な笑みを浮かべながら、

 

「和人、間接キスだね♪」

 

 高校時代の俺だったら、かなり取り乱していただろう。 だがまあ、今は夫婦だ。 これ以上の――――、いや、やっぱりこれ以上言うのは止そう……。

 

「まあそうだな。 間接キスだ」

 

 木綿季は、頬を膨らませた。

 

「ぶぅ~、もっと動揺してくれてもいいのにっ。 あの頃(SAO時代)に戻った感じでさ」

 

「あの頃ねぇ。 つか、あの頃(SAO時代)の俺って、かなりのコミュ症で、人見知りだったよな……」

 

「うん、そうだよ」

 

 そ、即答ですか。 ちょっと傷つく……。

 でもまあ、この頃から木綿季は俺の隣に居てくれて、支えてくれたのだ。 木綿季には、感謝で一杯だ。 で、この後に、俺を支えてくれる人が増えたんだよなぁ。――俺の親友、紺野藍子と結城明日奈だ。

 そう、SAOがクリアできたのは、三人が支えてくれたからだ。

 まあ、思いに耽るのはこの辺にして、

 

「……あの頃は、木綿季の仲介が必要な時が多々あったしな」

 

「そうだね。 今じゃ、良い思い出だよ」

 

「そうだな。 てか、今後どうする? 帰るか?」

 

「うーん……そうだ! 夜景デートしようよ!」

 

 まあ確かに、イルミネーションじゃ物足りない気もしていた。

 だからまあ、木綿季の提案に賛成だ。

 

「ちょっと歩くけど、横浜みなとみらいに行くか」

 

 木綿季は微笑みながら、

 

「夜景デートの鉄板だね」

 

「ま、まあ、俺にそういうのを期待しちゃいかんよ」

 

「いえいえ、構いませんよ。 旦那さま」

 

 ……木綿季の真面目口調は、違和感しかないです。

 でもまあ、ここは俺も乗ろう。

 

「ありがとうございます。 お嬢様、愛してます」

 

 あ、あれれ。 なんか余計な事を言ったような……。

 

「ふふ、ボクも愛してるよ」

 

 このままだと二人の世界に突入してしまうので、俺は咳払いをした。 てか、公共の場だし。

 

「さ、さて。 早くケーキを食べちゃおうぜ」

 

「そうだね。 あ、食べさせてくれるの?」

 

「ま、まあ、木綿季が望むなら」

 

 高校時代の俺だったら、悶え死にそうになっていたと思う。 これ、結構マジで。

 

「じゃあお願いね。 ボクも、あーんしてあげる」

 

「お、おう」

 

 そういうことなので、俺たちは食べさせ合いながらケーキを間食した。

 それから店を出て、横浜みなとみらいへ向かった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 俺と木綿季は横浜みなとみらいに到着し、汽車道を散歩しながら夜景を眺めている。ビルや観覧車の明かりと、街灯が湖を照らし、通路の脇では、オレンジ色の光が照らしている。

 

「凄いね。 なんか、別の世界に来たみたい」

 

「いや、別の世界は言いすぎだろ。 まあ、普段は見られない光景だけど」

 

 この場所は、現実世界から切り離されたようだ。……あれ、俺も言いすぎなような気がするが……。 まあ、気にしたら負けである。

 汽車道を通り抜けると、銀河パークに辿り着く。 公園のイルミネーションも凄かったが、銀河パークも負けていない。

 

「うし、写真撮るか」

 

 ちなみに、スマホでだ。

 スマホで、カップルでの写真撮影は二十代までだと世間で思われてるらしいが、俺は三十代もいけると思っていたりする。

 俺がスマホをポケットから取り出し、ライトアップされたクリスマスツリーを背にする俺たち。

 

「和人。 もっと寄って寄って」

 

「お、おう」

 

 俺と木綿季の距離は、頬と頬が触れ合う距離だ。

 なんで女の子は、こんなにも甘い香りがするのだろうか? 不思議でならない。 てか、俺の理性がガリガリ削られていく。

 ともあれ、写真撮影が終わりました。

 撮った写真を一言で表すと、仲良しカップルといった所だ。

 

「和人、あとでボクのスマホにも送ってね」

 

「了解だ」

 

 写真を撮り終えてから俺たちは歩き出し、銀河パークを後にした。

 夜景デートの締めは、観覧車だ。 俺と木綿季は販売機でチケットを買い、係員にチケット渡し、ゲートを潜る。 それから、観覧車の管理をしてる係員の指示に従い観覧車へ乗り込む。 観覧車が徐々に昇って行くと、東京地区の夜景が見渡せる。

 

「……凄ぇな」

 

 見下ろして見る夜景は、先程とは違う綺麗さと言えばいいのか。 そんな感じだ。

 

「うん、凄い綺麗だよ!」

 

 木綿季のテンションもかなり上がっている。

 やっぱりあれだな。 俺は木綿季の笑顔を見るだけで、幸せな気持ちになる。

 

「どうしたの、和人。 さっきからボクのこと見てるけど」

 

「いや、楽しそうだなと思ってな」

 

「そりゃもちろん。 でね、ボクがこんなにも楽しめるのはね、和人が隣にいてくれるからなんだよ」

 

 かなり嬉しんですが。 今すぐ抱きつきたいレベルだ。 まあでも、観覧車が揺れちゃうので、危ないからできないけど。

 一周した所で、俺たちは観覧車から下りた。

 

「さて、帰るか」

 

「そうだね。 帰ろう」

 

 そう言ってから、俺たちは帰路に着いた。

 かなり楽しいデートになったのは間違えなかった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 マンションに到着すると、木綿季は一目散にマンションの中に入って行った。

 俺は、どうしたんだ?と思いながら首を傾げてから、玄関で靴を脱いでリビングへ向かう。

 

「じゃ~ん。 メリークリスマス!」

 

 木綿季の恰好は、黒髪の上に赤い小さな三角帽子がちょこんと乗せ、肩をむき出しにして赤い服を身に纏い、白い綿毛の赤いスカート履いた姿だった。――サンタコスチュームだ。

 この衣装どっかで見たことが……――思い出した。 大学の時代に、お袋が木綿季に挙げたコスチュームだ。 てか、大学時代のコスチュームに袖が通るとか、木綿季のスタイルの良さが窺える。

 

「おう、メリークリスマス」

 

「ちぇ~、反応が淡白すぎるよ、和人」

 

「いやまあ、もう十年以上も一緒にいるし、あとアレだしな」

 

「まあそうだけど」

 

 木綿季は、アレの意味が解ったらしい。 まあ、言葉にするのは恥ずかしいやつだ。

 それから、ソファーに座る俺と木綿季。 マンションの中は寒くはないが、俺は木綿季の肩にブランケットをかけた。

 

「楽しかったなぁ。 また、デートしようね」

 

「そうだな。 これからもずっとな」

 

 俺たちの距離が徐々に縮まり、唇と唇が重なった。 これが、俺たち夫婦のホワイトクリスマスだ――。




この小説が始まって、もう二年が経つんすね。月日が流れるの早ぇー。
この小説も、次で完結にしようかなぁ。とも考えているんですよね。で、次話を書き始めてたり(笑)

てか、桐ケ谷夫婦のクリスマス。羨ましいです。
若干、前と被ってしまったのは、申し訳ない……。

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