ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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ども!!

舞翼です!!

投稿が遅れて申し訳ない(*- -)(*_ _)他の小説の投稿や、最近忙しくて……。
でも、空いた時間で書き上げました。
今回の話で文化祭は終了ですね。和真君たちの中学生活もこれで終了かな(多分だが)
てか、今後の後日談では、ソードアートしないかもですね……。(ま、前にも言った気が)(((;゚Д゚)))(震え声)

で、では、投稿です。
本編をどうぞ。


第136話≪思い出に残る文化祭≫

――文化祭当日。

3年C組が、クラスで決めたTシャツに袖を通し、お化け屋敷の最終確認を行っていた。

教室側の壁際には、血が滴るように紅いペンキで『廃校の最恐迷宮』と書いた黒い大弾幕張りつけた。

待っているお客さんには、恐怖のテレビを見てもらい、完全な闇になった教室でお化け屋敷がスタート。

初盤では、目の前に大量のマネキンが鎮座し、中盤でお化け役が驚かせる。 お化け役の衣装は、血みどろの白衣に、長い髪を前に垂らし顔を見えなくしてる。 某映画で言う『リング』のような感じであり、その人が僅かに追いかけるようになってる。

終盤では、日本人形を遠隔操作で動かして恐怖を煽り、窓が叩かれる音を聞き終了となる。

かなりクオリティが高いお化け屋敷に仕上がった。

……オレと葵も仕上がりを確認する為に一度体験したのだが、葵の悲鳴と震えが凄かった。

いやまあ、オレも怖かった。 マジで怖かった。 大事な事なので2回言ったぞ。

ちなみに、紗季と愛華も入った。 二人も悲鳴が凄かった。 出口に出た瞬間、へたり込んでたし。

 

「女子は団体で入った方がいいな。 一人で入ると、色々な意味でヤバいかも」

 

「う、うん。 女の子一人で入ったら、最悪の場合、気絶しちゃうかも……」

 

葵は、ぶるっと肩を震わせた。

おそらく、お化け屋敷のトラウマが蘇ったのだろう。

オレと葵がそう言うと、クラスの全員が頷いた。 また、話し合いによって、男子は一人でもOK。 女子は三人で、男女ペアならOKという事になった。

また、壇上から下りたオレと葵は、皆にタイムスケジュール表を配った。

午前の部、午後の部の空欄に、名前を入れるようになっている。 これを頼りに、自由時間や昼食をとってもらう。

 

「各係の人は話しあって、午前の部と午後の部を決めてくれ。 んじゃ、始めてくれ」

 

「開会式までの時間が迫ってるから、パパっと決めてね」

 

オレと葵そう言うと、各部署の人が一つに集まり、タイムスケジュールを決めていく。

 

「ああ、そうだった。 オレと葵でお化け屋敷を仕切るから、皆は楽しんでくれ。 最後の文化祭なんだしな」

 

「お化け屋敷のことは、和真君とわたしに任せて」

 

タイムスケジュールが決定したのを確認し、オレと葵が口を開く。

 

「開会式が始まるな。 皆、体育館に行こうか」

 

「みんな、楽しい文化祭にしよう!」

 

オレと葵が先頭になりクラスを出ると、それに続くようにクラスメイトも教室を出、体育館を目指す。

さあ、これから文化祭の始まりだ。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

体育館に到着し、各クラス事に整列してから数分後、開会式が行われ文化祭が開始された。

生徒は各クラスに戻り、自由時間を取る者と午前の部に分かれ、午前の部の人たちは出し物の衣装を羽織ったり、案内係に就くなどに別れた。

開始から数分後、女子五人が挑戦する事になった。 怖い話で恐怖を刷り込んでから、お化け屋敷の内部に入り込む。――数秒後、『きゃあああぁぁぁッッ!』と言う悲鳴が届いた。

教室内部の隠し部屋の椅子に座りながら、オレは呟く。

 

「よし、客受けはいいぞ」

 

「大丈夫かな? 女の子だけでは、かなり怖いから……」

 

隣に座る葵は、心配そうに呟く。

 

「大丈夫なはずだ。 作り物だし、団体で入ってるんだ」

 

3年C組のお化け屋敷を誰かが口コミしたのか、数十分で長蛇の列が出来たのだった。

いや、こんなに大盛況になるなんて、予想外すぎる……。

お化け役もかなり疲れるはずだ。 だが、お化け役のローテーションにはまだ時間がかかる。

オレは、スポーツドリンクを右手に持って立ち上がり、

 

「葵。 オレは水分を渡してくる。 それまで、ここは頼んだ」

 

「りょうかい」

 

オレは、隙を狙ってお化け役の元へ向かった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

お化け役の元へ向かったオレは、迫力ありすぎだな。マジで怖い。と思っていたのだった。

今は、そんなこと言ってる暇はない。 オレは小さな声で呼びかけた。

 

「き、桐ケ谷か?」

 

「そうだ。 荒谷、喉を潤して、もうちょっと頑張ってくれ。 あとちょと交代だから」

 

「お、おう。 外はどんな感じだ?」

 

「客受けは上々だ。 出口で、腰を抜かした人も居たぞ」

 

荒谷は、オレが差し出したスポーツドリンクを受け取った。

 

「桐ケ谷、サンキューな。 んじゃ、頑張るとしますか」

 

「頼んだぞ」

 

オレは、早足で隠れ部屋への席へ戻った。

 

「おかえり、どうだった?」

 

「まだ大丈夫そうだったな。 次の交代まではいけるはずだ」

 

交代の時間になり、葵がテーブルに置いたトランシーバーを手に取り、音声スイッチを入れる。

また、お化け役もすぐに交代出来るように待機。

 

「荒谷君、聞こえる」

 

『永瀬か』

 

「そう、交代の時間になったの。 青樹くんがそっちに行くから、素早く交代してね。 今なら、お客さんの隙をつけるから」

 

『了解』

 

それを聞き、葵はトランシーバーの音声機能をカットした。

オレは隣に立ったお化け役に、右手に持ったスポーツドリンクを渡す。

 

「お客の数が増して、動く量が多くなる。 汗も掻くはずだ。 小まめに水分補給をして、脱水症状には気をつけるんだぞ。 交代になったら、トランシーバーで声を送る」

 

「了解だ」

 

お化け役は、素早く動き隠し部屋から出た。

数分して、荒谷が戻って来た。 その表情はとても満足そうだ。 お化け役が成功して満足。と言った所だろう。

 

「お疲れ。 休憩したら、もう一回頼むぞ。 それまで一時間位あるから、好きな所を見て回って来ていいぞ。 だが、五分前には戻って来てくれ」

 

「わかった。 五分前には戻る」

 

そう言って、荒谷は衣装を脱いでから、隠し扉から外に出た。

オレは外の状況を見ながら、

 

「受け付けが二人じゃ回らないかもな。 ヘルプっ居るよな?」

 

「うん、大丈夫。 この時間から入る子もいるから。――案内役はどうかな?」

 

「そこは大丈夫だ。 紗季と愛華がフル稼働中だ」

 

紗季と愛華の動きはきびきびしていて、二人一役的な感じだ。

受付も子も合流し、三人になった。 これならスムーズに運ぶ事が出来るはずだ。

 

「さてと、オレらも気合を入れて取り組みますか」

 

「だね。 頑張ろう!」

 

再びオレたちは、全体確認に就いた。

また、お化け役が二度交代した所で昼食時間になった。 昼食の一時間は、クラス全体の出し物は一時休憩になるのである。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「つ、疲れた」

 

オレは、テーブルに突っ伏していた。

 

「はいはい、午後も頑張ろうね」

 

そんなオレ見て、葵は笑みを零しながら、オレの頭を撫でてくれた。 いや、何と言うか。 気持ちよくて眠たくなるんですが。

オレはむくりと上体を起こし、

 

「そうだな。 あと、ライブには間に合うらしいぞ」

 

「沢山練習したからね。 少しだけ楽しみかな。 でも、上手く歌えるかな……」

 

「ま、オレも楽しみではあるな。 最高のライブをしようぜ。 歌の方は、オレたちもフォローするから心配するな。 てか、『入り込めれば』問題ないさ。 さて、飯にしようぜ」

 

「りょうかいです」

 

配られた弁当を開き、割り箸を割ってから手を合わせ、料理を口に運ぶ。

味わってから飲み込み、オレは唸った。

 

「う――んっ。 やっぱ、葵の弁当の方が旨いな。 てか、徐々に上手くなってきてるのは気のせいか?」

 

葵は、若干頬を赤く染め、

 

「えへへ、そうかな。 でも、料理の研究はしてるんだよ。 和真君には、美味しい物を食べて欲しいから。 しょ、将来一緒に暮らす為にも、ね」

 

オレは腕を組みながら

 

「葵は、同棲まで考えてるのか。 うちの両親の所のマンションでも借りるか? 大学は東大で」

 

「ふふ、和人さんと木綿季さんの背中を追う形になるね。 そういえば、和真君は和人さんのお仕事を手伝ってるみたいだけど」

 

葵は、不思議そうにオレを見た。

オレは、そのことか。と言ってから、

 

「オレは将来、父さんの仕事の手伝いをしたいと思ってるんだ。 もちろん、面接もちゃんと受けるぞ。 正式な就活生としてな。 落とされても、空いた時間に手伝いはするって決めてるんだ。 それが、オレの親孝行になると思うからな。 まあ、母さんは紗季に任せるけど。 意外にオレも、将来設計が出来てんのな」

 

今思った。 現在進行形で文化祭の最中じゃん。

何で、将来の話をしてるんだろうか? でもまあ、聞かれても問題ないから構わないけど。

弁当を食べ終えて作業に戻ろうとした時、副リーダー二人が部屋の中に入って来たのだった。

はて、何の用だようか?作業の変更を伝えに来たとか?

 

「午後の役は、オレたちが引き受けるよ」

 

「桐ケ谷君と、永瀬さんも、一緒に文化祭を回りたいはずでしょ。 校内デートしてきていいわよ」

 

3年生の全クラスには、オレと葵が付き合ってる事が知られてるらしい。 学年公認カップルと言う事にもなる。

 

「んじゃ、お言葉に甘えるな。 葵も良いよな?」

 

「もちろんだよ。 和真君の隣には、わたしが居ないとね」

 

オレは葵の言葉を聞き、苦笑するだけだ。

 

「そうだな。 オレの隣に葵が居るのは、決定事項だからな」

 

副リーダーたちは、オレと葵を見て溜息を吐いた。

 

「さっきの弁当は足りなかったけど、今ので満腹になったわ」

 

「私もごちそうさま。 早く行った行った」

 

副リーダーたちに、しっしっとされ、オレと葵は部屋を後にし、昇降口で靴に履き替え外へ出たのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

校内に出て向かった先は、3年B組が開いていた飲料店だった。

どうやら、此処にはホット関連も売っているらしい。

此処でオレは、ホットコーヒーとホットミルクティーを購入した。ミルクティーを葵に渡し、オレと葵は花壇の石段に腰をかけた。

プルタブを開け、コーヒーを一口飲み息を吐く。 隣に腰を下ろした葵も、ミルクティーをちびちび飲んでいた。

オレは空を見上げながら、

 

「何かいいな。 こういうの」

 

「うん。 何か落ち着くね」

 

オレたちの周りには、二人だけの空間が形成されていた。

誰にも邪魔されない空間だ。

 

「……和真君。 大好きだよ」

 

「ああ、そうだな」

 

オレは何かに気づき、我に戻った。

 

「…………此処が学校って忘れそうになった。 あ、あぶねー」

 

「わ、わたしもだよ。 わたしたちがのんびりしてる時の空間だったから。 つ、つい」

 

「以後気をつけようぜ。――それより、葵は回りたい所はあるか?」

 

葵は思案顔をした。

唇に人差し指を当て、

 

「うーん、特には。――さっきも言ったけど、わたしは和真君が隣に居てくれるだけでいいんだ」

 

照れ隠しに、オレは頭を掻いた。

 

「オレもそうだけどな。お前が隣に居てくれるだけで、辛いことでも頑張れるんだぞ。 まあ、簡潔に言うとだ。――オレは、葵が世界一大好きってことだ」

 

そう言い、オレは葵の額を小突いた。

また、葵は幸せそうに微笑んだのだった。

 

「そろそろ時間だし、体育館に向かうか」

 

「OK」

 

オレと葵はそう言い、歩幅を合わせ歩き出した。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

体育館に入ると、配置の準備が始まっていた。

演奏順では、3年C組が最後に執りになってるらしい。

いや、何で最後なの、凄いプレッシャーなんですが。

また、1学年の2学年の演奏が終わり、3学年、オレたちの番である。 オレは急いで壇上に上がり、手伝いに向かう。 配置を完了させ、自身が演奏する楽器を手に取った。 アンプ等の準備も完了だ。

ベースを下げたオレが、口を開く。

 

「練習といきますか。 んじゃ、千本桜から」

 

「「「OK」」」

 

愛華が鉢でリズムを取り、全員の演奏が始まった。

体育館にリズミカルな音楽が響き、この音楽を耳にした観客たちが、徐々に体育館に集まって来たのだ。――さっきは全然だったのに、何で急に人が集まったの? 意味がわからん……。

 

「(か、和真君……。 こんなに人が来るなんて聞いてないよ……)」

 

「(い、いや。 オレも予想外なんだよ……。 こんなに来るなんて……)」

 

「(大丈夫だって。 紗季たちなら成功間違えなしだよ)」

 

「(おー! 言うね、紗季。 まあでも、ここまで来たらやるしかないしょ)」

 

「(てか、ライブの最初って、自己紹介をするような……。 そんなもの考えてないぞ……)」

 

いや、マジで。 自己紹介なんてどんな風にすればいいんだ。

さっぱりわからん。

そして、運命の時間がやって来た。

 

「皆ー! 3年C組のライブに来てくれてありがとう! わたしたちのバンド名は、KKNS」

 

それって、オレらの名字の頭文字。 愛華さんや、ちょいと安直すぎない。

まあ、思いつかなかったオレが言えた事じゃないけど。

 

「ごめんね、皆! 数週間前に結成したバンドだから、話せる事がないの。 だから名前だけで許して! じゃあ、紹介するね!――学校一の可愛イケメン、ベースの桐ケ谷和真」

 

ぺこりと頭を下げるオレ。

そうすると、観客が盛り上がった。……いや、盛り上がる要素何処にあったの? てか、愛華さんや、可愛イケメンってなんやねん。

 

「ギターの桐ケ谷紗季。 紗季は、和真の双子の妹でもあるんだ!」

 

「桐ケ谷紗季です。 よろしく!」

 

盛り上がる観客。

だから、何でやねん……。

 

「クラスの可愛いドジっ子、永瀬葵! 葵には、彼氏がいるから告白はしない方がいいね! 玉砕してヘコムだけだぞ~」

 

「よ、よろしくお願いします。 な、永瀬葵です」

 

盛り上がる観客。

いや、だから……もう突っ込むのは止めにしよう。

 

「最後にわたし、ピチピチの中学生、新沢愛華でーす! あ、そうそう。 紗季とわたしに告白しても、お眼鏡に叶わなかったらバッサリするんで、そこんところよろしく~。 とまあ、こんな感じで自己紹介は終了だね。 んじゃ、曲に行ってみようか」

 

愛華から、視線が皆に送られる。

 

「(皆、千本桜から女々しくて、紅で行こう。 徐々に盛り上げていく感じで)」

 

「(了解。 最後に締めのバラードって感じか?)」

 

「(紗季もそれに賛成かな。 途中に入れるより、最後の方が締まるしね)」

 

「(わ、わたしもOKだよ。 声が出るように頑張るね!)」

 

方針が決まった所で、全員が頷いた。

愛華が鉢でリズムを取り、――演奏が始まった。 観客はかなりの盛り上がりを見せ、それに後押しされるように、オレたちも俄然やる気が湧いてくる。

盛り上がりを見せた所で、最後のクールダウンに、君の知らない物語だ。 他の歌も凄かったが、バラードでの葵の美声は、観客に感銘を受けさせるようだった。

 

「これで、KKNSを終わります。 ありがとうございました!」

 

「「「ありがとうございました!」」」

 

愛華が最初に言い、それに続いて、オレと紗季、葵が頭を下げた。

すると観客から、

 

『アンコールはないのか! もっと聞きたいぞ!』

 

『もう一曲くらい頼むよ!』

 

と言われ、オレたちは困惑気味だ。

いやまあ、保険で“僕らだけの歌”があるが。

 

「(和真君、やろうか)」

 

「(……了解した)」

 

「(紗季もOK)」

 

「(わ、わたしもです)」

 

全員の了承が出た所で、アンコールだ。

愛華が息を吸い込み、

 

「アンコールいきます! 僕らだけの歌!」

 

『わあああぁぁぁあああ!!』と凄い歓声だ。

演奏が始まり、観客もオレたちも最高潮だ。 演奏が終わり礼をして、弾幕が垂れ、今度こそオレたちの思い出に残る文化祭が終了した。

文化祭の結果は、クラス審査とライブが優勝したのだった。 また、オレたち四人で打ち上げに行ったのは、別のお話――。




最後まで読んでいただきありがとうございます!!
和真君たちが作ったお化け屋敷、絶対に怖い……。うん、怖いはずだね(;^ω^)
ライブ等は、勘も混ざっているのでご容赦を……。てか、愛華ちゃん、いいキャラしてるぜ。即興の自己紹介は凄い(*‘ω‘ *)
次回は、優衣ちゃんの大学生活が書きたいですな(予定ですが)
やっぱ、ソードアートしませんな(^_^;)

追記。
後日談をシリーズ化しようと思ってる今日この頃。
でもシリーズ化すると、完結が見えなくなっちゃうんですよね。ははは( ̄▽ ̄;)

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