舞翼です!!
あれですね。大人編に入ってから、メインが子供たち(和真君と葵ちゃん)になってますね(;^ω^)
な、何かタイトル詐欺やね……ははは(-_-;)
ともあれ、書きあげました。
今回の話は、ちょいと長くなりそうですな。分割して投稿になりそうです。
ちょいと甘く書いてみました。上手く書けたな?
それでは、後日談第34弾いってみよー(^o^)/
本編をどうぞ。
二〇四六年。 六月。
オレはいつものように、葵と登校していた。
クラスの皆も、オレと葵が一緒に登校するのが当たり前になってるらしい。
一度だけ、葵が風邪で休んだ事があるんだが、其の時女子からの質問攻めが凄かった。
いや、まあ、まだ付き合ってないんだよ。 何かおかしくね。
ともあれ、今月末に行われる行事の話をしていた。
「和真君、一緒の班になろうね」
オレは苦笑した。
「わかってるって、前からの約束だからな。 てか、他のメンバーはどうする? 確か、五人体勢だろ」
葵は唇に人差し指を当て、うーん、と手を当てた。
「紗季ちゃんに愛華ちゃん……神崎君、かな」
「……最後、渋ったな」
葵は、しゅんとするだけだ。
「え、いや、……うん」
「なるほど。 まだ、男慣れしてないのか」
葵は、ゆっくり頷いた。
「か、和真君は大好きな人だから、例外だよ。 な、仲良く話せる男の子は、和真君だけでいいとも思ってるけど」
「おう、とても光栄なことだな」
そう言って、オレは、葵の頭をくしゃくしゃ撫でてあげた。 葵も嫌がることなく、受け入れてくれる。 『も、もう、髪型が崩れちゃうよ。 バカ』とも言っていたが。
「楽しみだよ、修学旅行。 京都だっけ?」
「そだな。 自由時間は二人で回るか? うちの父さんと母さんも、新婚旅行は京都だったらしいけど」
「そうなんだ。 わ、わたしたちも、そうなりたいね」
「へ?」
オレは、声が裏返ってしまった。
まああれだ。 葵の中では、すでに将来が決定してるらしい。 てか、オレら中学生。 色々と早いような……。
葵は、先程の言葉を振り返り、顔を真っ赤に染めた。
「え、えっと、……今のは、ち、違うの」
「お、落ち着け。 今のは忘れるから」
まあ、100%無理だが。
「そ、そうしてくれると、た、助かります」
話していたら、学校の校門前に到着した。
校門前で先生に挨拶をしてから、昇降口で上履きに履き替え、自身の教室へ向かう。
教室の前の扉を開け、オレは葵に、じゃあまた。と言ってから席に着いた。
オレが席に着くのを待ち構えたように、隣に座るオレの悪友、神崎裕也が椅子に座りながら此方に体を向けた。 また、上体を前に倒し前傾姿勢だ。
「和真。 修学旅行の班決めに、オレを入れてくれないか? 後一人足りないんだろ?」
何と言うか、コイツ必死過ぎないか?
紗季と愛華はこのクラスのムードメーカーで人気があるし、葵は誰もが認める美少女だから仕方ないと思うけど。
ちなみに、紗季と愛華のガードは、以前のオレより固い。 連絡先を知っているのも、限られた女子と、オレだけだ。
まあ、葵に手を出そうとした男子は、オレが締めるけど。……付き合ってないのに、オレ独占欲強くないか。
ともあれ、一限目のSR時間になり、担任教師が教室に教材を持って入ってくる。
壇上に上がり、
「一限目のSRの時間を使って、修学旅行の班決めをするぞ」
「「「「「はーい」」」」」
クラスのほぼ女子が返事をする。
「それじゃ、班決め開始」
各々は席を立ち、班を決めていく。
オレは、紗季と愛華、葵の元へ行く。 その間、後ろに着いて来た裕也は、メッチャ緊張していたが。
「か、和真。 お前、何で平然と居られるんだよ」
「友達……。 いや、妹と親友たちだからな」
「いやいや、わたしは親友の枠でいいと思うけど、葵は恋人じゃないかな。 てか、クラス全員が、そういう認識だから」
今そう言ったのは、親友の愛華だ。
此れを聞いた裕也はオレをジト目で見、愛華は、違うのと首を傾げ、妹の紗季は、うんうんと頷き、葵は、頬を少しだけ桜色に染めていた。
「そ、そうなのか。 てか、まだ付き合ってないけど」
「もう、じれったい。 修学旅行中に付き合っちゃいなさいよ。 いい?」
「「は、はい」」
愛華に気圧され、頷く事しか出来ないオレと葵。
そんな中、徐々に班が決まっていった。
このクラスは、全員で40人。ということは、8班できるという計算だ。
班が決まった所で、壇上の先生が、パンパンと両手を叩く。
「よし。 班が決まった所で、各自席に着けー」
がっくりと肩を落としてる裕也を連れ、自身の席に戻るオレ。
てか、話せなかったからって、そんなに落ち込むなよ。
ともあれ、こうして今月末の行事、修学旅行の班が決まった。 其れから、修学旅行のしおり、緊急連絡先の配布、お金は幾らまで。という連絡事項があった。 また、お菓子は500円までらしい。
まあ、こうして一限目が終了した。 休み時間になり、オレは葵の席まで歩み寄った。
葵もオレに気づき、体を此方に向け、笑みを浮かべながらオレを見た。
「和真君、どうしたの?」
葵は首を傾げた。
オレは、提案だけど。と前置きをし、
「修学旅行で必要な物、買いに行くか?」
「あ、そうだね。 今日の放課後行こうか」
「そだな。 一度帰ってから、迎えに行くよ」
「だ、大丈夫だよ」
オレは、葵の額を小突いた。
「いいんだよ。 いつもそうだろ」
「う、うん。 お、お願いします」
あれだ。――男子からの嫉妬の眼差しが凄い。 女子からは、温かい視線だが。
まあ、教室内で、甘い空間を作ったオレが悪いんだけど。
その時、休み時間を終える、チャイムが鳴った。
「んじゃ、またな」
「うん、また」
とまあ、このようにして、オレの放課後の予定が決定した。
各授業を受け、時間が経過し、放課後となった。
オレと葵は一度帰り、着替えてから買い物に行くことになった。
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オレは、Vネックの黒シャツに黒アンクルパンツ、黒のバレエシューズ、水族館で購入したヒトデのネックレスといった真っ黒装備で、葵の家へ向かっていた。
「おーい、和真君」
家の庭を出て、ぶんぶんと手を振っている、葵の姿が映った。
また、葵も、紺色のヨークギャザーシャツに紺色のテーパーイージパンツ、赤いチェクのシャツを腰に巻いている。 首には、オレと対になるイルカのネックレスが掛けられている。 長い黒髪は、ゆるふわストレートに流れていた。
オレは葵に歩み寄り、片手を上げた。
「悪い、待たせたか?」
「ううん、待ってないよ。 わたしが先に出て来ただけだよ」
葵は笑顔で答えた。
「そか、よかった。 大人っぽくて似合ってるぞ」
「ん、ありがとう。 和真君もかっこいいよ」
「おう、サンキューな」
「行こっか。――ん」
オレは苦笑してから、葵の手を優しく握った。
対する葵も、優しく握り返してくれた。
「行くか」
「うん! 楽しみだね」
オレと葵は、東京駅付近にあるショッピングモール目指して歩き出した。
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「うわ~、大きいねー」
葵はショッピングモールに入り、感嘆な声を上げた。
まあ確かに、都内では1、2位を争うショッピングモールなので、かなりの大きさだ。
本屋やフードコート、レディースやメンズ服、ショッピングセンターなどがあり、とても魅力的だ。
「葵。 目的を忘れたらダメだぞ」
「わ、わかってます。 修学旅行の買い物だよね。……う~、デートがよかったよ」
目的を見失いそうになったね、葵さんや。
てか、後半の言葉も聞こえてるぞ。
「いや、二人で出かけてるんだから、デートじゃないのか?」
これを聞いた葵の顔が、見る見る紅潮した。
「き、聞こえてたの」
「うん、ばっちりな」
「うぅ~。 は、恥ずかしい」
葵は、若干涙目だ。
てか、コイツはどんな表情をしても可愛い。 いや、既に分かってたことか。
「買い物が終わったら、店を見て回るか?」
「い、いいの?」
「いいぞ。 あ、でも、荷物は程々にしてくれ」
「だ、大丈夫だよ。 お店を見るだけだから」
「ホントか? まあいいけど」
オレと葵はエレベータに乗り込み、三階にある雑貨屋に向かう。
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向かった雑貨屋は、昔の雰囲気が出てる店だ。 なので、落ち着いて買い物ができる。
葵は籠を持ち、必要な物を入れていく。
手鏡に絆創膏、リップクリーム、トランプ等だ。
ちなみに、お菓子も500円分購入した。
「よし、これでOKかな。 和真君の分も入れたからね」
「助かる。 葵は、できる女の子だな」
「へっへー、女の子は、家庭的じゃないと。 将来の為にもね」
「なるほど」
其れからレジに並び会計を済ませる。
もちろん、お金はオレ持ちだ。 荷物持ちもオレだけどな。
まあ、重い物を持たせて、葵に負担をかけさせたくない事もあるけど。
その時だった。 一つの店が、葵の目に止まったのだった。 その店とは――――指輪店だ。
「ね、ねぇ、和真君。 あそこ行ってみない」
「いいけど。 オレらには、まだ早くないか?」
「いいからいいから」
「まあ、葵が見たいならいいけど」
そう言いながら、オレと葵は指輪店に入った。
店内は広々としており、様々な指輪が陳列されていた。 高い物では、30万という代物も置いてある。 店の奥には、まだ高そうな代物がありそうだが。
店内を回っていたら、葵が一点を見ていた。 其処に目を落とすと、シンプルなシルバーのペアリングだった。
値段は、3万円だ。 オレの軍資金は7万円。 購入出来る金額だ。 まあ、中学生が持つ金額ではないと思うが。
「欲しいのか?」
「……欲しいかな」
どうやら葵は、無意識に呟いたらしい。
「ん、わかった。――すいませんー」
オレは、店員を呼んだ。
「か、和真君。 わたしは、見てるだけでも大丈夫」
「でも、欲しんだろ? てか、時既に遅しだ」
そう。 女性の店員が、此方に来ていたのだ。
店員が口を開く。
「いらっしゃいませ。 お決まりでしょうか?」
オレは人差し指で、ペアリングを指した。
「このペアリングが欲しいですけど」
「かしこまりました。――イニシャルなどは、どう致しますか?」
「彫り込みが出来るんですか?」
「ええ、当店では出来ますよ」
女性店員が鍵を開け、ペアリングを取り出し、ジュエリートレイの上に乗せた。
オレは、葵に声をかけた。
「どうする?」
「えっと、えっと」
どうやら、まだ混乱してるらしい。
葵は一度深呼吸をしてから、口を開いた。
「で、できれば、欲しいです」
店員は頷き、
「では、彫り込みをしますね。 どのように彫り込みますか?」
「そうですね。 K、AとA、Kでお願します」
「かしこまりました。 少々お待ち下さい」
ジュエリートレイに乗せたペアリングを、店の奥に持って行った。
店の奥に、その専用の機械があるのだろう。
「か、和真君~」
葵は、若干涙目だ。
「どったの? あ、ペアリングのことね」
「う、うん」
「ま、金のことなら気にするな。 ペアリングも、学校に嵌めていかなければ大丈夫だ。 日頃の感謝の気持ちだと思って、受け取ってくれ」
「あ、ありがとう」
こう話していたら、ジュエリートレイにペアリングを乗せた店員が戻ってきた。
どうやら、作業が終了したらしい。
「此方でよろしいでしょうか?」
オレと葵は、トレイに乗ったペアリングの内側を見た。
内側には、K、AとA、Kと刻まれていた。
「ええ、大丈夫です。 葵もこれでいいか?」
「だ、大丈夫です」
「此方に」
オレは、店員の後を追い、受け渡しの椅子に座る。
隣に、葵も着席した。
「其れでは、此方になります」
オレと葵はペアリングを受け取り、オレは葵の左手人差し指に、葵はオレの左手人差し指にペアリングを嵌めた。
女性店員は微笑んだ。 何故か、異様に恥ずかしくなるんですが。
「では、お値段が3万円になります」
オレは財布から、3万円を取り出し店員に渡した。
これで会計は完了だ。
「確かに、丁度頂きました」
店員が立ち上がり、オレ、葵と続く。
店員が小さく頭を下げ、
「当店のご利用ありがとうございました。 またのお越しをお待ちしております」
オレと葵も小さく頭を下げ、店を後にした。
店を出た葵の横顔を見ると、僅かに赤く染まっていた。
「どうした?……やっぱり、嫌だったとか」
「そ、そんなことないよ! と、とても嬉しいです。――ありがとう、和真君。 一生大切にするね」
その笑顔は、誰もが見惚れる笑顔だった。
「そ、そうか。 オレも大切にするな」
「あ、あの、修学旅行に持っていってもいいかな?」
「構わないぞ。 先生と生徒にバレないようにな」
「だ、大丈夫だよ。 ネックレスもバレてないしね」
まあ、紗季と愛華にはバレてるが。
この二人には、隠し事は難しいと思う。
「和真君。 プリクラ撮ろうよ」
「ん、ああ、いいけど」
オレと葵は、ペアリングを嵌めたまま、エレベータに乗り込み1階のゲームセンターに向かった。
ゲームセンターの中に入り、奥に進むと、『プリクラコーナー』という垂れ幕が掲げられた扉があった。 扉を潜り足を踏み入れると、様々なプリクラの機械が目に入った。
「沢山ありすぎて、どれが良いか解らないんだけど」
「それは任せて」
葵は、オレの手を優しく握り、選んだプリクラ機内部に入っていく。
お金を入れ、背景などを選択し、写真撮影になった。 どうやら、撮り直し機能もあるらしい。
「えいっ」
「うおっ」
葵は、オレの腕に抱き付いてきた。
また、女の子を特有の膨らみが、ほぼダイレクトに当たる。――だが、オレは理性の化け物なので大丈夫なはずだ。
「あ、葵さん。 近くないですか?」
「近づかないと、フレームに入らないもんっ」
葵は、ぷんぷんと怒るだけだ。
まあ、わざとだと思うけど。
3、2、1、0とカウントダウンがされ、シャッターが切られた。 どうやら、上手く撮れたようだ。 てか、撮り直しとなると、オレの理性がガリガリ削られるので、ヤバかったと思う。
最後に、葵がらくがきをし、外に出た。
出来たプリクラを見ると、2人はハートに囲まれ、その上には『ずっと一緒』の文字が書かれていた。
オレは出来たてのプリクラを見ながら、
「写真の中で一番恥ずかしかったかもな、プリクラは」
「そうかも。 ほぼ密閉空間だから」
プリクラを切りとり、バックの見えない所に貼った。
葵もオレと同様だ。
「さて、プリクラも撮ったことだし、帰るか」
「そうだね。 帰ろっか」
オレと葵はショッピングモールを出、葵の家を目指して歩き出す。
既に、空も夕焼けが照らしていた。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
葵の家まで到着し、オレは言葉をかける。
「ペアリングはバレないように」
「ん、わかってるよ。 でも、お母さんたちにはバレちゃいそう」
葵の話によると、母と父には、隠し事は不可能らしい。
まあ、オレもそうなんだが。
「オレもだ。 たぶん、紗季と愛華にもバレるな」
「紗季ちゃんと愛華ちゃんなら、大丈夫だよ」
「だな。 てか、隠すのが無理そうだ。 この二人は、エスパーだな」
「そうかも」
オレと葵は、顔を見合わせ笑い合った。
やはり、コイツと居ると楽しい。 いつまでも一緒に居たい気分だ。
「明日は寝坊するなよ」
「も、もう、それは言ったら、メっだよ」
オレは苦笑した。
「悪い悪い、――んじゃ、またな」
「ん、また」
オレは手を振ってから、踵を返し帰路に着いた。
また葵は、オレの後ろ姿が見えなくなるまで、見送ってくれた――。
和真君と葵ちゃんの修学旅行の班決め+デート?ですね。
ええ、ペアリングとネックレス、それにプリクラですよ。羨ましいィー(血涙)
お菓子は500円まで(笑)小学生かッ!(←乗り突っ込み)
和真君。リア充やね☆
あ、ショッピングモールも、雑貨屋以外も回りましたです。服屋とか本屋ですね。
てか、大人編に入り、和人君と木綿季ちゃんが、和真君と葵ちゃんにシフトした感じです。
いやまあ、和人君と木綿季ちゃんの話を、ほぼ書いてしまったというのもあるんだが。
次回は修学旅行(京都)になりそうです。
ちなみに、皆は学年が上がっても、クラスは同じですよ。
ではでは、感想、評価、よろしくお願いします!!