ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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ども!!

舞翼です!!

あれですね。大人編に入ってから、メインが子供たち(和真君と葵ちゃん)になってますね(;^ω^)
な、何かタイトル詐欺やね……ははは(-_-;)
ともあれ、書きあげました。
今回の話は、ちょいと長くなりそうですな。分割して投稿になりそうです。
ちょいと甘く書いてみました。上手く書けたな?

それでは、後日談第34弾いってみよー(^o^)/
本編をどうぞ。


第132話≪班決めと事前準備≫

二〇四六年。 六月。

 

オレはいつものように、葵と登校していた。

クラスの皆も、オレと葵が一緒に登校するのが当たり前になってるらしい。

一度だけ、葵が風邪で休んだ事があるんだが、其の時女子からの質問攻めが凄かった。

いや、まあ、まだ付き合ってないんだよ。 何かおかしくね。

ともあれ、今月末に行われる行事の話をしていた。

 

「和真君、一緒の班になろうね」

 

オレは苦笑した。

 

「わかってるって、前からの約束だからな。 てか、他のメンバーはどうする? 確か、五人体勢だろ」

 

葵は唇に人差し指を当て、うーん、と手を当てた。

 

「紗季ちゃんに愛華ちゃん……神崎君、かな」

 

「……最後、渋ったな」

 

葵は、しゅんとするだけだ。

 

「え、いや、……うん」

 

「なるほど。 まだ、男慣れしてないのか」

 

葵は、ゆっくり頷いた。

 

「か、和真君は大好きな人だから、例外だよ。 な、仲良く話せる男の子は、和真君だけでいいとも思ってるけど」

 

「おう、とても光栄なことだな」

 

そう言って、オレは、葵の頭をくしゃくしゃ撫でてあげた。 葵も嫌がることなく、受け入れてくれる。 『も、もう、髪型が崩れちゃうよ。 バカ』とも言っていたが。

 

「楽しみだよ、修学旅行。 京都だっけ?」

 

「そだな。 自由時間は二人で回るか? うちの父さんと母さんも、新婚旅行は京都だったらしいけど」

 

「そうなんだ。 わ、わたしたちも、そうなりたいね」

 

「へ?」

 

オレは、声が裏返ってしまった。

まああれだ。 葵の中では、すでに将来が決定してるらしい。 てか、オレら中学生。 色々と早いような……。

葵は、先程の言葉を振り返り、顔を真っ赤に染めた。

 

「え、えっと、……今のは、ち、違うの」

 

「お、落ち着け。 今のは忘れるから」

 

まあ、100%無理だが。

 

「そ、そうしてくれると、た、助かります」

 

話していたら、学校の校門前に到着した。

校門前で先生に挨拶をしてから、昇降口で上履きに履き替え、自身の教室へ向かう。

教室の前の扉を開け、オレは葵に、じゃあまた。と言ってから席に着いた。

オレが席に着くのを待ち構えたように、隣に座るオレの悪友、神崎裕也が椅子に座りながら此方に体を向けた。 また、上体を前に倒し前傾姿勢だ。

 

「和真。 修学旅行の班決めに、オレを入れてくれないか? 後一人足りないんだろ?」

 

何と言うか、コイツ必死過ぎないか?

紗季と愛華はこのクラスのムードメーカーで人気があるし、葵は誰もが認める美少女だから仕方ないと思うけど。

ちなみに、紗季と愛華のガードは、以前のオレより固い。 連絡先を知っているのも、限られた女子と、オレだけだ。

まあ、葵に手を出そうとした男子は、オレが締めるけど。……付き合ってないのに、オレ独占欲強くないか。

ともあれ、一限目のSR時間になり、担任教師が教室に教材を持って入ってくる。

壇上に上がり、

 

「一限目のSRの時間を使って、修学旅行の班決めをするぞ」

 

「「「「「はーい」」」」」

 

クラスのほぼ女子が返事をする。

 

「それじゃ、班決め開始」

 

各々は席を立ち、班を決めていく。

オレは、紗季と愛華、葵の元へ行く。 その間、後ろに着いて来た裕也は、メッチャ緊張していたが。

 

「か、和真。 お前、何で平然と居られるんだよ」

 

「友達……。 いや、妹と親友たちだからな」

 

「いやいや、わたしは親友の枠でいいと思うけど、葵は恋人じゃないかな。 てか、クラス全員が、そういう認識だから」

 

今そう言ったのは、親友の愛華だ。

此れを聞いた裕也はオレをジト目で見、愛華は、違うのと首を傾げ、妹の紗季は、うんうんと頷き、葵は、頬を少しだけ桜色に染めていた。

 

「そ、そうなのか。 てか、まだ付き合ってないけど」

 

「もう、じれったい。 修学旅行中に付き合っちゃいなさいよ。 いい?」

 

「「は、はい」」

 

愛華に気圧され、頷く事しか出来ないオレと葵。

そんな中、徐々に班が決まっていった。

このクラスは、全員で40人。ということは、8班できるという計算だ。

班が決まった所で、壇上の先生が、パンパンと両手を叩く。

 

「よし。 班が決まった所で、各自席に着けー」

 

がっくりと肩を落としてる裕也を連れ、自身の席に戻るオレ。

てか、話せなかったからって、そんなに落ち込むなよ。

ともあれ、こうして今月末の行事、修学旅行の班が決まった。 其れから、修学旅行のしおり、緊急連絡先の配布、お金は幾らまで。という連絡事項があった。 また、お菓子は500円までらしい。

まあ、こうして一限目が終了した。 休み時間になり、オレは葵の席まで歩み寄った。

葵もオレに気づき、体を此方に向け、笑みを浮かべながらオレを見た。

 

「和真君、どうしたの?」

 

葵は首を傾げた。

オレは、提案だけど。と前置きをし、

 

「修学旅行で必要な物、買いに行くか?」

 

「あ、そうだね。 今日の放課後行こうか」

 

「そだな。 一度帰ってから、迎えに行くよ」

 

「だ、大丈夫だよ」

 

オレは、葵の額を小突いた。

 

「いいんだよ。 いつもそうだろ」

 

「う、うん。 お、お願いします」

 

あれだ。――男子からの嫉妬の眼差しが凄い。 女子からは、温かい視線だが。

まあ、教室内で、甘い空間を作ったオレが悪いんだけど。

その時、休み時間を終える、チャイムが鳴った。

 

「んじゃ、またな」

 

「うん、また」

 

とまあ、このようにして、オレの放課後の予定が決定した。

各授業を受け、時間が経過し、放課後となった。

オレと葵は一度帰り、着替えてから買い物に行くことになった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

オレは、Vネックの黒シャツに黒アンクルパンツ、黒のバレエシューズ、水族館で購入したヒトデのネックレスといった真っ黒装備で、葵の家へ向かっていた。

 

「おーい、和真君」

 

家の庭を出て、ぶんぶんと手を振っている、葵の姿が映った。

また、葵も、紺色のヨークギャザーシャツに紺色のテーパーイージパンツ、赤いチェクのシャツを腰に巻いている。 首には、オレと対になるイルカのネックレスが掛けられている。 長い黒髪は、ゆるふわストレートに流れていた。

オレは葵に歩み寄り、片手を上げた。

 

「悪い、待たせたか?」

 

「ううん、待ってないよ。 わたしが先に出て来ただけだよ」

 

葵は笑顔で答えた。

 

「そか、よかった。 大人っぽくて似合ってるぞ」

 

「ん、ありがとう。 和真君もかっこいいよ」

 

「おう、サンキューな」

 

「行こっか。――ん」

 

オレは苦笑してから、葵の手を優しく握った。

対する葵も、優しく握り返してくれた。

 

「行くか」

 

「うん! 楽しみだね」

 

オレと葵は、東京駅付近にあるショッピングモール目指して歩き出した。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「うわ~、大きいねー」

 

葵はショッピングモールに入り、感嘆な声を上げた。

まあ確かに、都内では1、2位を争うショッピングモールなので、かなりの大きさだ。

本屋やフードコート、レディースやメンズ服、ショッピングセンターなどがあり、とても魅力的だ。

 

「葵。 目的を忘れたらダメだぞ」

 

「わ、わかってます。 修学旅行の買い物だよね。……う~、デートがよかったよ」

 

目的を見失いそうになったね、葵さんや。

てか、後半の言葉も聞こえてるぞ。

 

「いや、二人で出かけてるんだから、デートじゃないのか?」

 

これを聞いた葵の顔が、見る見る紅潮した。

 

「き、聞こえてたの」

 

「うん、ばっちりな」

 

「うぅ~。 は、恥ずかしい」

 

葵は、若干涙目だ。

てか、コイツはどんな表情をしても可愛い。 いや、既に分かってたことか。

 

「買い物が終わったら、店を見て回るか?」

 

「い、いいの?」

 

「いいぞ。 あ、でも、荷物は程々にしてくれ」

 

「だ、大丈夫だよ。 お店を見るだけだから」

 

「ホントか? まあいいけど」

 

オレと葵はエレベータに乗り込み、三階にある雑貨屋に向かう。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

向かった雑貨屋は、昔の雰囲気が出てる店だ。 なので、落ち着いて買い物ができる。

葵は籠を持ち、必要な物を入れていく。

手鏡に絆創膏、リップクリーム、トランプ等だ。

ちなみに、お菓子も500円分購入した。

 

「よし、これでOKかな。 和真君の分も入れたからね」

 

「助かる。 葵は、できる女の子だな」

 

「へっへー、女の子は、家庭的じゃないと。 将来の為にもね」

 

「なるほど」

 

其れからレジに並び会計を済ませる。

もちろん、お金はオレ持ちだ。 荷物持ちもオレだけどな。

まあ、重い物を持たせて、葵に負担をかけさせたくない事もあるけど。

その時だった。 一つの店が、葵の目に止まったのだった。 その店とは――――指輪店だ。

 

「ね、ねぇ、和真君。 あそこ行ってみない」

 

「いいけど。 オレらには、まだ早くないか?」

 

「いいからいいから」

 

「まあ、葵が見たいならいいけど」

 

そう言いながら、オレと葵は指輪店に入った。

店内は広々としており、様々な指輪が陳列されていた。 高い物では、30万という代物も置いてある。 店の奥には、まだ高そうな代物がありそうだが。

店内を回っていたら、葵が一点を見ていた。 其処に目を落とすと、シンプルなシルバーのペアリングだった。

値段は、3万円だ。 オレの軍資金は7万円。 購入出来る金額だ。 まあ、中学生が持つ金額ではないと思うが。

 

「欲しいのか?」

 

「……欲しいかな」

 

どうやら葵は、無意識に呟いたらしい。

 

「ん、わかった。――すいませんー」

 

オレは、店員を呼んだ。

 

「か、和真君。 わたしは、見てるだけでも大丈夫」

 

「でも、欲しんだろ? てか、時既に遅しだ」

 

そう。 女性の店員が、此方に来ていたのだ。

店員が口を開く。

 

「いらっしゃいませ。 お決まりでしょうか?」

 

オレは人差し指で、ペアリングを指した。

 

「このペアリングが欲しいですけど」

 

「かしこまりました。――イニシャルなどは、どう致しますか?」

 

「彫り込みが出来るんですか?」

 

「ええ、当店では出来ますよ」

 

女性店員が鍵を開け、ペアリングを取り出し、ジュエリートレイの上に乗せた。

オレは、葵に声をかけた。

 

「どうする?」

 

「えっと、えっと」

 

どうやら、まだ混乱してるらしい。

葵は一度深呼吸をしてから、口を開いた。

 

「で、できれば、欲しいです」

 

店員は頷き、

 

「では、彫り込みをしますね。 どのように彫り込みますか?」

 

「そうですね。 K、AとA、Kでお願します」

 

「かしこまりました。 少々お待ち下さい」

 

ジュエリートレイに乗せたペアリングを、店の奥に持って行った。

店の奥に、その専用の機械があるのだろう。

 

「か、和真君~」

 

葵は、若干涙目だ。

 

「どったの? あ、ペアリングのことね」

 

「う、うん」

 

「ま、金のことなら気にするな。 ペアリングも、学校に嵌めていかなければ大丈夫だ。 日頃の感謝の気持ちだと思って、受け取ってくれ」

 

「あ、ありがとう」

 

こう話していたら、ジュエリートレイにペアリングを乗せた店員が戻ってきた。

どうやら、作業が終了したらしい。

 

「此方でよろしいでしょうか?」

 

オレと葵は、トレイに乗ったペアリングの内側を見た。

内側には、K、AとA、Kと刻まれていた。

 

「ええ、大丈夫です。 葵もこれでいいか?」

 

「だ、大丈夫です」

 

「此方に」

 

オレは、店員の後を追い、受け渡しの椅子に座る。

隣に、葵も着席した。

 

「其れでは、此方になります」

 

オレと葵はペアリングを受け取り、オレは葵の左手人差し指に、葵はオレの左手人差し指にペアリングを嵌めた。

女性店員は微笑んだ。 何故か、異様に恥ずかしくなるんですが。

 

「では、お値段が3万円になります」

 

オレは財布から、3万円を取り出し店員に渡した。

これで会計は完了だ。

 

「確かに、丁度頂きました」

 

店員が立ち上がり、オレ、葵と続く。

店員が小さく頭を下げ、

 

「当店のご利用ありがとうございました。 またのお越しをお待ちしております」

 

オレと葵も小さく頭を下げ、店を後にした。

店を出た葵の横顔を見ると、僅かに赤く染まっていた。

 

「どうした?……やっぱり、嫌だったとか」

 

「そ、そんなことないよ! と、とても嬉しいです。――ありがとう、和真君。 一生大切にするね」

 

その笑顔は、誰もが見惚れる笑顔だった。

 

「そ、そうか。 オレも大切にするな」

 

「あ、あの、修学旅行に持っていってもいいかな?」

 

「構わないぞ。 先生と生徒にバレないようにな」

 

「だ、大丈夫だよ。 ネックレスもバレてないしね」

 

まあ、紗季と愛華にはバレてるが。

この二人には、隠し事は難しいと思う。

 

「和真君。 プリクラ撮ろうよ」

 

「ん、ああ、いいけど」

 

オレと葵は、ペアリングを嵌めたまま、エレベータに乗り込み1階のゲームセンターに向かった。

ゲームセンターの中に入り、奥に進むと、『プリクラコーナー』という垂れ幕が掲げられた扉があった。 扉を潜り足を踏み入れると、様々なプリクラの機械が目に入った。

 

「沢山ありすぎて、どれが良いか解らないんだけど」

 

「それは任せて」

 

葵は、オレの手を優しく握り、選んだプリクラ機内部に入っていく。

お金を入れ、背景などを選択し、写真撮影になった。 どうやら、撮り直し機能もあるらしい。

 

「えいっ」

 

「うおっ」

 

葵は、オレの腕に抱き付いてきた。

また、女の子を特有の膨らみが、ほぼダイレクトに当たる。――だが、オレは理性の化け物なので大丈夫なはずだ。

 

「あ、葵さん。 近くないですか?」

 

「近づかないと、フレームに入らないもんっ」

 

葵は、ぷんぷんと怒るだけだ。

まあ、わざとだと思うけど。

3、2、1、0とカウントダウンがされ、シャッターが切られた。 どうやら、上手く撮れたようだ。 てか、撮り直しとなると、オレの理性がガリガリ削られるので、ヤバかったと思う。

最後に、葵がらくがきをし、外に出た。

出来たプリクラを見ると、2人はハートに囲まれ、その上には『ずっと一緒』の文字が書かれていた。

オレは出来たてのプリクラを見ながら、

 

「写真の中で一番恥ずかしかったかもな、プリクラは」

 

「そうかも。 ほぼ密閉空間だから」

 

プリクラを切りとり、バックの見えない所に貼った。

葵もオレと同様だ。

 

「さて、プリクラも撮ったことだし、帰るか」

 

「そうだね。 帰ろっか」

 

オレと葵はショッピングモールを出、葵の家を目指して歩き出す。

既に、空も夕焼けが照らしていた。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

葵の家まで到着し、オレは言葉をかける。

 

「ペアリングはバレないように」

 

「ん、わかってるよ。 でも、お母さんたちにはバレちゃいそう」

 

葵の話によると、母と父には、隠し事は不可能らしい。

まあ、オレもそうなんだが。

 

「オレもだ。 たぶん、紗季と愛華にもバレるな」

 

「紗季ちゃんと愛華ちゃんなら、大丈夫だよ」

 

「だな。 てか、隠すのが無理そうだ。 この二人は、エスパーだな」

 

「そうかも」

 

オレと葵は、顔を見合わせ笑い合った。

やはり、コイツと居ると楽しい。 いつまでも一緒に居たい気分だ。

 

「明日は寝坊するなよ」

 

「も、もう、それは言ったら、メっだよ」

 

オレは苦笑した。

 

「悪い悪い、――んじゃ、またな」

 

「ん、また」

 

オレは手を振ってから、踵を返し帰路に着いた。

また葵は、オレの後ろ姿が見えなくなるまで、見送ってくれた――。




和真君と葵ちゃんの修学旅行の班決め+デート?ですね。
ええ、ペアリングとネックレス、それにプリクラですよ。羨ましいィー(血涙)
お菓子は500円まで(笑)小学生かッ!(←乗り突っ込み)
和真君。リア充やね☆
あ、ショッピングモールも、雑貨屋以外も回りましたです。服屋とか本屋ですね。

てか、大人編に入り、和人君と木綿季ちゃんが、和真君と葵ちゃんにシフトした感じです。
いやまあ、和人君と木綿季ちゃんの話を、ほぼ書いてしまったというのもあるんだが。

次回は修学旅行(京都)になりそうです。
ちなみに、皆は学年が上がっても、クラスは同じですよ。
ではでは、感想、評価、よろしくお願いします!!

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