舞翼です!!
今回はリクものを書いてみました。
楽しんで頂けたら幸いです(^^♪
では、後日談第27弾いってみよー(^o^)/
誤字脱字があったらごめんよ。
それではどうぞ。
二〇四二年。 二月。
現在、和真と紗季は、優衣の自室であることを話合っていた。
「パーティーかな?……やっぱり、もっと大きい方がいいかな?」
「豪華ディナーが良いと思うな」
和真と紗季は、腕を組んで考え込むだけだ。
そう。 和人と木綿季の結婚記念日に、催し物をしようと考えているのだ。
其処に助け船を出したのは、姉の優衣であった。
優衣は、主に和真と紗季に任せ、助言に回ろうと決めている。
「カズ君、紗季ちゃん。 頼りになる人が居るじゃないですか」
その人物とは、剣の世界で共に戦い、共に笑い合った親友たちだ。
和真と紗季は、数秒考え込んだ。
「……藍姉!」
「……明日奈!」
「そうです。 ねぇねぇと明日奈さんに聞けば、良い助言が聞けると思いますよ」
紗季と和真は「たしかに」と頷いた。
そうと解れば、行動するのみだ。
「あ、でも。 藍姉って何処に住んでるんだろ?」
「紗季も、明日奈が住んでる場所、わからないや……」
優衣が、右胸をポンと叩いた。
「姉の私に任せなさい」
「「お~」」
紗季と和真は、パチパチと拍手をした。
三人は助言を貰いに行く為支度をし、優衣の先頭の元、明日奈と藍子が住むマンションへ向かった。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
明日奈と藍子が住む場所は、自身のマンションから徒歩で五分ほど歩いた所にある。
其処は、オートセキュリティが完備されたマンションだ。
優衣がマンションの玄関で、明日奈たちが住む部屋番号に電話をした。
『はーい、どちらさまですか?』
この穏やかな声は、明日奈だ。
「こんにちは、明日奈さん。 桐ケ谷優衣です。 カズ君と紗季ちゃんも居ますよ」
『今日はどうかしたの?――今、ロックを解除するね』
明日奈がそう言い終わると、入口のドアが、ガッチャ、と音を立て開かれた。
「明日奈さん。 ねぇねぇは居ますか?」
『藍子さんも、今日はお休みだよ。 今日は代わりの講師が授業してるみたい』
優衣たちは、安堵の息を吐いた。
「詳しい話は、お部屋でしますね」
『わかったわ』
優衣、和真、紗季はドアを潜り、エントランスに備え付けられているエレベータを使用し、明日奈と藍子が暮らしている三〇二号室を目指す。
エレベータを下り、三〇二号室のインターホンを鳴らすと、扉が、ガッチャ、と開かれる。
ひょこっと、明日奈が顔を覗かせた。
「久しぶりだね、優衣ちゃん。 和真君と紗季ちゃんもいらっしゃい」
「お久しぶりです、明日奈さん」
「こんにちは、明日奈さん」
「にちわー、明日奈」
優衣に続いて、和真、紗季だ。
明日奈は、ニッコリと笑った。 まるで、太陽の陽だまりのように。
「とりあえず、上がって。 藍子さんも中で待ってるから」
「「「おじゃまします!」」」
優衣、和真、紗季はそう言い、玄関で靴を脱いでから、リビング兼ダイニングに足を向けた。
リビングでは、藍子がお菓子の準備をしていた。
「いらっしゃい。 まずは座って」
優衣たちは、藍子に促され席に着く。
紗季の目線は、テーブルに中央に置かれた、クッキーが入った受け皿に向けられていた。
藍子と明日奈は苦笑した。
「いいわよ。 食べても」
「和真君と、優衣ちゃんもどうぞ」
紗季は目を輝かせ、クッキーに手を伸ばし口に運ぶ。
紗季は眼を細めた。
「おひしー」
優衣と和真も、クッキーを手に取り口に運ぶ。
「うん、市販のお菓子より美味しい」
「これは、ねぇねぇと明日奈さんの手作りですか?」
藍子は頷いた。
「そうよ。 私と明日奈さんが考えた、オリジナルクッキーよ」
「考え中のレシピもあるけどね」
優衣が、「そうでした。」と言い本題を口にする。
「――カズ君、紗季ちゃん」
「えっとね。 一週間後に、パパとママの結婚記念日があるんだ」
「私とカズ兄は、その日に何かお祝いがしたいな~、って」
明日奈と藍子は、なるほど、と相槌を打つ。
「和人君と木綿季ちゃんは、大喜び間違えなしね」
「和人さんは、大喜びして、その場で踊り出しちゃいますね」
明日奈と藍子は苦笑する。
その光景が、目に見えるように想像できるからだ。 和人は、誰もが認める親バカなのだから。
「何かあるかな?」
「何がいいかな?」
和真と紗季は、そう聞いた。
「自宅パーティーでもいいと思うよ」
「そうね。 和人さんと木綿季は、気持ちが籠ったプレゼントなら、小さなことでも喜ぶと思うわよ」
和真と紗季は、あれ?と首を傾げた。
二人が思っていたのは、高級レストランでお食事がいいのかな?と思っていたのだ。
「で、でも、紗季はケーキとか作れないよ……」
「そこは、私と明日奈さんに任せなさい」
「そうだね。 私と藍子さんも、その日絶対に休みを取るから大丈夫よ。 一緒にケーキを作りましょう」
実は、藍子と明日奈の有給休暇は、かなり溜まっているのだ。
二人は優秀な教授なので、休みを取れないと言うこともあるんだが。 また、二人の授業は生徒に解り易く、評価が高いのだ。
「じゃあ、オレは飾り着けかな」
「それなら、優衣も手伝いますよ」
「じゃあ、この事は秘密にしとくんだよ」
「いいですね」
「「は~い」」
こうして、一週間後に行われるパーティーの計画が練られたのだった。
お暇した優衣たち一行は、スーパーマーケットに寄った。 どのような事柄にも対応出来るように、優衣は軍資金を持ってきていたのだ。
ちなみにだが、優衣の貯金はかなり貯まってる。 中古車を二台買える金額と言っておこう。
パーティーに必要な物を購入し、手を繋いでスーパーマーケットを出、帰宅した。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
――結婚記念日当日。
壁の周りには、折り紙で作られた輪つなぎが飾られていて、天井には、折り紙を三角形に切って、鮮やかな飾り付けがされてる。
「出来たよ。 優衣姉」
「そうですね。 あとは、食器関連ですね」
「りょうかいです!」
和真と優衣はキッチンに向かい、引き出しからフォークと受け皿を人数分手に取り、それぞれの席の眼前に置いていく。
このようにして、飾りつけ等が終了したのだった。
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「紗季ちゃんは、泡立て器でボールの中の卵をかき回して」
「らじゃ」
そう言い、紗季は泡立て器を使って卵をほぐしていく。 途中でグラニュー糖を加え、約70度の湯煎をかけながら、色が白っぽくなるまでかき回わす。
湯煎を取り外してから、再びかき回し、徐々に生地がもっちりしていく。
「じゃあ、これも入れてかき回してください」
「はーい」
藍子がボールの中に入れたのは、電子レンジで溶かしたバターだ。
また、ふるいを、トントンと叩き薄力粉を加えていく。
かき回すと、先程より、もっちりと生地が変わっていく。
「それじゃあ、これに生地を注いでいこうか」
明日奈が用意したのは、ケーキ型のステンレスだ。
余りが残らないように、ヘラを使って型の中に生地を注いでいく。
「できたよ。 明日奈」
「じゃあ、それをオーブンに入れようか」
紗季はそっとステンレスの両端を持ち、オーブンの中に入れる。
扉を閉め、温度を約180度に設定し、約25分間温めていく。
「紗季ちゃんは、ケーキの焼き加減を見ててね」
「わかった」
この時間を利用し、明日奈が生クリームを泡立て、藍子はパレットナイフなど、最後に必要な道具を用意していく。
約25分が経過し、ケーキが焼き上がった。 それを、藍子がオーブンからゆっくり取り出す。
テーブルの上に置き、最後の仕上げに取り掛かる。
紗季が生クリームをパレットナイフで塗っていき、飾りつけとして、その上にイチゴを円状に乗せていく。 最後に、明日奈がチョコレートプレートを乗せた。
「完成! パパとママ、喜んでくれるかな?」
「ええ、それはもちろん」
「そうですね」
ケーキを落とさないように、リビングに備え付けられているテーブルの上に置いた。
とまあ、このようにして、準備がちゃくちゃくと進められていったのだ。
そして、約束の午後7:00。 和人と木綿季が帰宅した。 この時間に帰って来てと、紗季と和真が頼んだからだ。
リビングに入った和人と木綿季に向けて、クラッカーが鳴らされた。
「えっと、何だこれ?」
「今日、何かの行事あったけ?」
和人と木綿季は、疑問符を浮かべるだけだ。
「今日は、パパとママの結婚記念日でしょ」
「私とカズ兄で、パーティーを考えてみました」
そう言って、和真と紗季は笑った。
和人と木綿季は目を丸くした。 おチビたちが、結婚記念日を知っていたとは思わなかったからだ。
「お、おう。 ありがとな」
「う、うん。 完全に忘れてたよ」
そう。 和人は仕事が忙しく、木綿季は家事や副業などに携わっているので、完全に忘れていたのだ。
「てか、明日奈と藍子も居るのか」
「そうですよ。 和真くんと紗季ちゃんが、私たちに相談に来たんです」
「それで、お手伝いしようってことになってね」
「な、なるほど」
和人と木綿季は、和真と紗季に袖をクイクイと引かれ、席に着くように促された。
それから、全員が席に着いた。
席に着いてから、藍子がケーキを包丁で切り分け、それぞれの受け皿に取り分けていく。
ドリンク等も用意され、準備完了だ。
「このケーキは、紗季が作ったのか?」
「とってもいい出来だよ。 美味しそう」
「藍姉と明日奈に協力してもらったんだよ」
「飾り付け等は、オレと優衣姉だよ」
それから眼前に置かれたフォークを手にし、パーティーが開始された。
紗季が作ったケーキは、店で売っている物と遜色はなかった。
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数分経過した頃、和真と紗季は立ち上がり、自室へ向かった。
プレゼントを取りに行く為だ。
それを手に持って、再び席に着席する。
「パパ、いつもありがとう。 これ、オレからのプレゼント」
そう言って、和真はプレゼントを手渡す。
「開けていいか?」
「いいよ」
和人が四角い箱を開けると、其処には腕時計が飾られていた。
無難な、SEIKOの腕時計だ。
「おお、腕時計か。 明日からは、これをつけていくよ」
「うん! ありがとう!」
和真は笑みを零した。
「次は、紗季だね。――紗季は、料理道具一式だよ。 優衣姉と一緒に選んだんだ」
そのプレゼント箱を、木綿季に手渡した。
「ありがと、紗季ちゃん」
明日奈と藍子は、体を小さくした。
「私と藍子さんは、何の準備も出来なかったんだ」
「はい、すいません。 仕事が忙しくて」
和人と木綿季は、首を左右に振った。
「いや、明日奈と藍子には、いつも感謝で一杯だよ」
「そうだね。 ボクと和人が今こうして居れるのも、明日奈と姉ちゃんのおかげだもん」
「そうだな。――あの世界からも脱出出来たのは、二人の力があったからこそだからな」
そう。 SAOは、和人だけでクリアしたわけではないのだ。
その後ろには、背中を支えてくれた人たちが居たからこそなのだ。
「そ、そうですか。 何か照れますね」
「そ、そうですね」
紗季はぷくっと頬を膨らませ、和真は興味心身で耳を傾けていた。
「むー、ずるい。 私もその話聞きたい」
「オレも聞きたい」
「そうだな。 紗季と和真には、来るべき日が来たら話すよ」
「うん、そうだね。 ママたちがSAOで何をやってたかをね。 それには、まだ心が追いつかないかもしれないんだ」
和真が頷いた。
「わかった。 それまで待つよ。 あ、二刀流のことは絶対教えてね」
「私は、黒麟剣のことね」
和人と木綿季は苦笑した。
まだ一度しか見せていないOSSだが、二人の興味を引くには十分だったらしい。
「そういえば、藍姉と明日奈さんもユニークスキル持ってるんだよね?」
「紗季、知ってるよ。 流星剣と疾風剣でしょ」
藍子と明日奈も、第35層のボス戦で一度解放しただけで、それ以降は封印してる。 ALOでのユニークスキルの所持者は、藍子と明日奈だけなのだ。
「そうですよ。 私が、疾風剣を所持してますよ」
「私は、流星剣になるね」
「あと、優衣姉との出会い方も聞きたい」
「紗季も聞きたい」
優衣は、頬を僅かに赤く染めた。
「そ、そうですか。 ちょっと恥ずかしいですね」
「ま、それは今後のお楽しみだ。 さ、食事の続きしようぜ」
その後は、談笑しながら楽しい時間を過ごした。
――今日という結婚記念日は、和人と木綿季の胸に刻まれる日になったのだ。
いや~、和人君と木綿季ちゃん幸せ者ですな~。
そして、藍子さんと明日奈さんは、東京大学の教授になってますね(^O^)
30歳代で教授とか凄すぎだね(笑)
ではでは、感想、評価、よろしくお願いします!!