ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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ども!!

舞翼です!!

今回はリクものを書いてみました。
楽しんで頂けたら幸いです(^^♪

では、後日談第27弾いってみよー(^o^)/
誤字脱字があったらごめんよ。
それではどうぞ。


第122話≪結婚記念日≫

二〇四二年。 二月。

現在、和真と紗季は、優衣の自室であることを話合っていた。

 

「パーティーかな?……やっぱり、もっと大きい方がいいかな?」

 

「豪華ディナーが良いと思うな」

 

和真と紗季は、腕を組んで考え込むだけだ。

そう。 和人と木綿季の結婚記念日に、催し物をしようと考えているのだ。

其処に助け船を出したのは、姉の優衣であった。

優衣は、主に和真と紗季に任せ、助言に回ろうと決めている。

 

「カズ君、紗季ちゃん。 頼りになる人が居るじゃないですか」

 

その人物とは、剣の世界で共に戦い、共に笑い合った親友たちだ。

和真と紗季は、数秒考え込んだ。

 

「……藍姉!」

 

「……明日奈!」

 

「そうです。 ねぇねぇと明日奈さんに聞けば、良い助言が聞けると思いますよ」

 

紗季と和真は「たしかに」と頷いた。

そうと解れば、行動するのみだ。

 

「あ、でも。 藍姉って何処に住んでるんだろ?」

 

「紗季も、明日奈が住んでる場所、わからないや……」

 

優衣が、右胸をポンと叩いた。

 

「姉の私に任せなさい」

 

「「お~」」

 

紗季と和真は、パチパチと拍手をした。

三人は助言を貰いに行く為支度をし、優衣の先頭の元、明日奈と藍子が住むマンションへ向かった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

明日奈と藍子が住む場所は、自身のマンションから徒歩で五分ほど歩いた所にある。

其処は、オートセキュリティが完備されたマンションだ。

優衣がマンションの玄関で、明日奈たちが住む部屋番号に電話をした。

 

『はーい、どちらさまですか?』

 

この穏やかな声は、明日奈だ。

 

「こんにちは、明日奈さん。 桐ケ谷優衣です。 カズ君と紗季ちゃんも居ますよ」

 

『今日はどうかしたの?――今、ロックを解除するね』

 

明日奈がそう言い終わると、入口のドアが、ガッチャ、と音を立て開かれた。

 

「明日奈さん。 ねぇねぇは居ますか?」

 

『藍子さんも、今日はお休みだよ。 今日は代わりの講師が授業してるみたい』

 

優衣たちは、安堵の息を吐いた。

 

「詳しい話は、お部屋でしますね」

 

『わかったわ』

 

優衣、和真、紗季はドアを潜り、エントランスに備え付けられているエレベータを使用し、明日奈と藍子が暮らしている三〇二号室を目指す。

エレベータを下り、三〇二号室のインターホンを鳴らすと、扉が、ガッチャ、と開かれる。

ひょこっと、明日奈が顔を覗かせた。

 

「久しぶりだね、優衣ちゃん。 和真君と紗季ちゃんもいらっしゃい」

 

「お久しぶりです、明日奈さん」

 

「こんにちは、明日奈さん」

 

「にちわー、明日奈」

 

優衣に続いて、和真、紗季だ。

明日奈は、ニッコリと笑った。 まるで、太陽の陽だまりのように。

 

「とりあえず、上がって。 藍子さんも中で待ってるから」

 

「「「おじゃまします!」」」

 

優衣、和真、紗季はそう言い、玄関で靴を脱いでから、リビング兼ダイニングに足を向けた。

リビングでは、藍子がお菓子の準備をしていた。

 

「いらっしゃい。 まずは座って」

 

優衣たちは、藍子に促され席に着く。

紗季の目線は、テーブルに中央に置かれた、クッキーが入った受け皿に向けられていた。

藍子と明日奈は苦笑した。

 

「いいわよ。 食べても」

 

「和真君と、優衣ちゃんもどうぞ」

 

紗季は目を輝かせ、クッキーに手を伸ばし口に運ぶ。

紗季は眼を細めた。

 

「おひしー」

 

優衣と和真も、クッキーを手に取り口に運ぶ。

 

「うん、市販のお菓子より美味しい」

 

「これは、ねぇねぇと明日奈さんの手作りですか?」

 

藍子は頷いた。

 

「そうよ。 私と明日奈さんが考えた、オリジナルクッキーよ」

 

「考え中のレシピもあるけどね」

 

優衣が、「そうでした。」と言い本題を口にする。

 

「――カズ君、紗季ちゃん」

 

「えっとね。 一週間後に、パパとママの結婚記念日があるんだ」

 

「私とカズ兄は、その日に何かお祝いがしたいな~、って」

 

明日奈と藍子は、なるほど、と相槌を打つ。

 

「和人君と木綿季ちゃんは、大喜び間違えなしね」

 

「和人さんは、大喜びして、その場で踊り出しちゃいますね」

 

明日奈と藍子は苦笑する。

その光景が、目に見えるように想像できるからだ。 和人は、誰もが認める親バカなのだから。

 

「何かあるかな?」

 

「何がいいかな?」

 

和真と紗季は、そう聞いた。

 

「自宅パーティーでもいいと思うよ」

 

「そうね。 和人さんと木綿季は、気持ちが籠ったプレゼントなら、小さなことでも喜ぶと思うわよ」

 

和真と紗季は、あれ?と首を傾げた。

二人が思っていたのは、高級レストランでお食事がいいのかな?と思っていたのだ。

 

「で、でも、紗季はケーキとか作れないよ……」

 

「そこは、私と明日奈さんに任せなさい」

 

「そうだね。 私と藍子さんも、その日絶対に休みを取るから大丈夫よ。 一緒にケーキを作りましょう」

 

実は、藍子と明日奈の有給休暇は、かなり溜まっているのだ。

二人は優秀な教授なので、休みを取れないと言うこともあるんだが。 また、二人の授業は生徒に解り易く、評価が高いのだ。

 

「じゃあ、オレは飾り着けかな」

 

「それなら、優衣も手伝いますよ」

 

「じゃあ、この事は秘密にしとくんだよ」

 

「いいですね」

 

「「は~い」」

 

こうして、一週間後に行われるパーティーの計画が練られたのだった。

お暇した優衣たち一行は、スーパーマーケットに寄った。 どのような事柄にも対応出来るように、優衣は軍資金を持ってきていたのだ。

ちなみにだが、優衣の貯金はかなり貯まってる。 中古車を二台買える金額と言っておこう。

パーティーに必要な物を購入し、手を繋いでスーパーマーケットを出、帰宅した。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

――結婚記念日当日。

壁の周りには、折り紙で作られた輪つなぎが飾られていて、天井には、折り紙を三角形に切って、鮮やかな飾り付けがされてる。

 

「出来たよ。 優衣姉」

 

「そうですね。 あとは、食器関連ですね」

 

「りょうかいです!」

 

和真と優衣はキッチンに向かい、引き出しからフォークと受け皿を人数分手に取り、それぞれの席の眼前に置いていく。

このようにして、飾りつけ等が終了したのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「紗季ちゃんは、泡立て器でボールの中の卵をかき回して」

 

「らじゃ」

 

そう言い、紗季は泡立て器を使って卵をほぐしていく。 途中でグラニュー糖を加え、約70度の湯煎をかけながら、色が白っぽくなるまでかき回わす。

湯煎を取り外してから、再びかき回し、徐々に生地がもっちりしていく。

 

「じゃあ、これも入れてかき回してください」

 

「はーい」

 

藍子がボールの中に入れたのは、電子レンジで溶かしたバターだ。

また、ふるいを、トントンと叩き薄力粉を加えていく。

かき回すと、先程より、もっちりと生地が変わっていく。

 

「それじゃあ、これに生地を注いでいこうか」

 

明日奈が用意したのは、ケーキ型のステンレスだ。

余りが残らないように、ヘラを使って型の中に生地を注いでいく。

 

「できたよ。 明日奈」

 

「じゃあ、それをオーブンに入れようか」

 

紗季はそっとステンレスの両端を持ち、オーブンの中に入れる。

扉を閉め、温度を約180度に設定し、約25分間温めていく。

 

「紗季ちゃんは、ケーキの焼き加減を見ててね」

 

「わかった」

 

この時間を利用し、明日奈が生クリームを泡立て、藍子はパレットナイフなど、最後に必要な道具を用意していく。

約25分が経過し、ケーキが焼き上がった。 それを、藍子がオーブンからゆっくり取り出す。

テーブルの上に置き、最後の仕上げに取り掛かる。

紗季が生クリームをパレットナイフで塗っていき、飾りつけとして、その上にイチゴを円状に乗せていく。 最後に、明日奈がチョコレートプレートを乗せた。

 

「完成! パパとママ、喜んでくれるかな?」

 

「ええ、それはもちろん」

 

「そうですね」

 

ケーキを落とさないように、リビングに備え付けられているテーブルの上に置いた。

とまあ、このようにして、準備がちゃくちゃくと進められていったのだ。

そして、約束の午後7:00。 和人と木綿季が帰宅した。 この時間に帰って来てと、紗季と和真が頼んだからだ。

リビングに入った和人と木綿季に向けて、クラッカーが鳴らされた。

 

「えっと、何だこれ?」

 

「今日、何かの行事あったけ?」

 

和人と木綿季は、疑問符を浮かべるだけだ。

 

「今日は、パパとママの結婚記念日でしょ」

 

「私とカズ兄で、パーティーを考えてみました」

 

そう言って、和真と紗季は笑った。

和人と木綿季は目を丸くした。 おチビたちが、結婚記念日を知っていたとは思わなかったからだ。

 

「お、おう。 ありがとな」

 

「う、うん。 完全に忘れてたよ」

 

そう。 和人は仕事が忙しく、木綿季は家事や副業などに携わっているので、完全に忘れていたのだ。

 

「てか、明日奈と藍子も居るのか」

 

「そうですよ。 和真くんと紗季ちゃんが、私たちに相談に来たんです」

 

「それで、お手伝いしようってことになってね」

 

「な、なるほど」

 

和人と木綿季は、和真と紗季に袖をクイクイと引かれ、席に着くように促された。

それから、全員が席に着いた。

席に着いてから、藍子がケーキを包丁で切り分け、それぞれの受け皿に取り分けていく。

ドリンク等も用意され、準備完了だ。

 

「このケーキは、紗季が作ったのか?」

 

「とってもいい出来だよ。 美味しそう」

 

「藍姉と明日奈に協力してもらったんだよ」

 

「飾り付け等は、オレと優衣姉だよ」

 

それから眼前に置かれたフォークを手にし、パーティーが開始された。

紗季が作ったケーキは、店で売っている物と遜色はなかった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

数分経過した頃、和真と紗季は立ち上がり、自室へ向かった。

プレゼントを取りに行く為だ。

それを手に持って、再び席に着席する。

 

「パパ、いつもありがとう。 これ、オレからのプレゼント」

 

そう言って、和真はプレゼントを手渡す。

 

「開けていいか?」

 

「いいよ」

 

和人が四角い箱を開けると、其処には腕時計が飾られていた。

無難な、SEIKOの腕時計だ。

 

「おお、腕時計か。 明日からは、これをつけていくよ」

 

「うん! ありがとう!」

 

和真は笑みを零した。

 

「次は、紗季だね。――紗季は、料理道具一式だよ。 優衣姉と一緒に選んだんだ」

 

そのプレゼント箱を、木綿季に手渡した。

 

「ありがと、紗季ちゃん」

 

明日奈と藍子は、体を小さくした。

 

「私と藍子さんは、何の準備も出来なかったんだ」

 

「はい、すいません。 仕事が忙しくて」

 

和人と木綿季は、首を左右に振った。

 

「いや、明日奈と藍子には、いつも感謝で一杯だよ」

 

「そうだね。 ボクと和人が今こうして居れるのも、明日奈と姉ちゃんのおかげだもん」

 

「そうだな。――あの世界からも脱出出来たのは、二人の力があったからこそだからな」

 

そう。 SAOは、和人だけでクリアしたわけではないのだ。

その後ろには、背中を支えてくれた人たちが居たからこそなのだ。

 

「そ、そうですか。 何か照れますね」

 

「そ、そうですね」

 

紗季はぷくっと頬を膨らませ、和真は興味心身で耳を傾けていた。

 

「むー、ずるい。 私もその話聞きたい」

 

「オレも聞きたい」

 

「そうだな。 紗季と和真には、来るべき日が来たら話すよ」

 

「うん、そうだね。 ママたちがSAOで何をやってたかをね。 それには、まだ心が追いつかないかもしれないんだ」

 

和真が頷いた。

 

「わかった。 それまで待つよ。 あ、二刀流のことは絶対教えてね」

 

「私は、黒麟剣のことね」

 

和人と木綿季は苦笑した。

まだ一度しか見せていないOSSだが、二人の興味を引くには十分だったらしい。

 

「そういえば、藍姉と明日奈さんもユニークスキル持ってるんだよね?」

 

「紗季、知ってるよ。 流星剣と疾風剣でしょ」

 

藍子と明日奈も、第35層のボス戦で一度解放しただけで、それ以降は封印してる。 ALOでのユニークスキルの所持者は、藍子と明日奈だけなのだ。

 

「そうですよ。 私が、疾風剣を所持してますよ」

 

「私は、流星剣になるね」

 

「あと、優衣姉との出会い方も聞きたい」

 

「紗季も聞きたい」

 

優衣は、頬を僅かに赤く染めた。

 

「そ、そうですか。 ちょっと恥ずかしいですね」

 

「ま、それは今後のお楽しみだ。 さ、食事の続きしようぜ」

 

その後は、談笑しながら楽しい時間を過ごした。

――今日という結婚記念日は、和人と木綿季の胸に刻まれる日になったのだ。




いや~、和人君と木綿季ちゃん幸せ者ですな~。
そして、藍子さんと明日奈さんは、東京大学の教授になってますね(^O^)
30歳代で教授とか凄すぎだね(笑)

ではでは、感想、評価、よろしくお願いします!!

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