ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

110 / 144
ども!!

舞翼です!!

ネタがすぐに思い浮かんだので、早く投稿が出来ました(^O^)
今回の話の前半は、激甘ですね。
後半は、オリキャラが登場しますよ~。
てか、後日談は春夏秋冬で進んでますね~。今気付いたぜ。

それでは、後日談第15弾いってみよー(^O^)/
誤字脱字があったらごめんよ。
それではどうぞ。




第110話≪バレンタインとユイの想い≫

二〇三〇年。二月十四日。

――今日はバレンタインデーだ。

キッチンのテーブルの上には、各種調理道具とチョコが並べられ、最愛の人がエプロンを身に付けキッチンへ立ち、手作りチョコを作ってくれている。

俺は、リビングに設置してあるテーブルの椅子へ座りながら、料理をしている奥さんを眺めていた。

木綿季は完成したチョコを皿の上へ乗せ、両の手で皿を持ちながらリビングへ移動し、テーブルの上へ置いた。

 

「和人。 ハッピーバレンタイン!」

 

「ありがとな。――おお~、旨そうだな!」

 

「ありがと♪ これはね、トリュフだよ」

 

「こ、これは絶対旨いぞ!!」

 

俺の視線は、皿の上に乗ったトリュフに釘付けになっていた。

綺麗に形作られ、丹精が込められている。

――店に出せるレベルだ。

 

「た、食べていいか?」

 

「いいよ。 召し上がれ」

 

木綿季は優しく微笑み、向かいの椅子へ座った。

 

「い、いただきます」

 

トリュフを一掴みし、口の中に放り込んだ。

すると、口一杯にほろ苦い甘さが広がった。

――あまりの旨さに、俺は夢中に手を動かし、トリュフを頬張った。

向かいへ座る木綿季は、微笑みながら俺を眺めていた。

 

「どうかな? 美味しい?」

 

俺は無言で首を縦に振った。

リスのように頬を膨らませているので、言葉が出せないのだ。

俺は数秒掛けて、トリュフを飲み込んだ。

 

「お、美味しいです……」

 

「よかった~、味は確かめたんだけど、ちょっとだけ不安だったんだ」

 

「いや、メチャクチャ旨かったぞ。 それに出来たてを食べられるとか、最高だよ」

 

「そ、そう。 嬉しいな」

 

「てか、木綿季は食べないのか?」

 

俺がそう言うと、木綿季は暫し考え込んでから、頬を赤く染め上目遣いで俺を見てきた。

 

「え、えっとね。 和人がボクに食べさせてくれるなら……ダメかな」

 

「お、おう、いいぞ」

 

俺はトリュフを片手で一掴みし、木綿季の口許まで持っていく。

 

「あ、あ~ん」

 

木綿季は、トリュフを持った指ごとパクリと食べてしまった。

俺は予想外の事で、顔をカーッと赤く染めた。

俺は、指をゆっくりと抜いた。

 

「(こ、これは心臓に悪いぞ……)」

 

心臓の鼓動が“ドクドク”早くなっていて、音が聴こえてきそうだ。

俺の理性は一瞬ぶっ飛びそうになるが、寸前の所で抑える。

 

「た、確か、ALOでユイが待ってるんだっけか?」

 

「う、うん。 ぼ、ボクはお皿を流しに持っていくから、先にINしてて大丈夫だよ」

 

「お、おう、了解した」

 

俺は椅子から立ち上がり、寝室へ向かった。

寝室のドアを潜りベットの横まで移動した俺は、ベットの上へ横になると、傍らに置いてあるアミュスフィアを頭に被り、妖精の世界へ飛び込む言葉を発した。

 

「リンク・スタート」

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦

 

第二十二層《森の家》ログハウス。

部屋の中央に降り立った俺の胸に飛び込んで来たのは、愛娘のユイだ。

 

「パパ! ハッピーバレンタインです!」

 

ユイから、ハート形のチョコレートを受け取った俺は、ユイの頭を撫でながら感謝の言葉を贈った。

 

「ありがとな、ユイ」

 

「えへへー、実は、ママと一緒に作ったんですよ。 パパ、食べてみて下さい」

 

「おう、頂くわ」

 

俺は撫でている手を解いてから、ユイから受け取ったハート型チョコレートを一口齧りした。

口の中で溶けたチョコレートは、現実世界の味と遜色がなかった。

 

「どうですか?」

 

ユイが首を傾げて聞いてきた。

 

「うん、旨いよ。 良く出来てるぞ」

 

俺の言葉にユイは、ぱっと表情を輝かせた。

 

「わあぁ、やりました。 ママ、やったーです!!」

 

後ろを振り向いてみると、ユウキがログインしていたのだ。

ユイはユウキも元へ駆けて行き、ユウキはそれを優しく抱き止める。

 

「やったね、ユイちゃん」

 

「はいです!」

 

ユイは成功した事に喜び、ユウキにギュっと抱き付いた。

すると、ユイが顔を覗かせた。

 

「えっと、ママはパパにチョコをあげたんですか?」

 

ユイの不意打ち?により、俺とユウキは先程の事を思い出してしまい、完熟トマトのように顔を赤くしてしまった。

 

「う、うん。 ママはパパにチョコをあげたよ」

 

「お、おう。 ちゃんと貰ったから大丈夫だぞ。 ユイ」

 

ユイはユウキの腕の中から離れ、数歩後方へ移動してから、俺とユウキを交互に見た。

 

「これは、何かありましたね。――パパとママのラブラブな話、聞きたいです」

 

「ま、まぁ、俺はいいけど……。 ユウキは?」

 

「う、うん。 ボクもいいよ」

 

それから、俺とユウキは先程あった事をユイに話してあげた。

すると、ユイはこう言った。

 

「パパとママは、いつもラブラブなんですね。 私も、その場に居たかったです」

 

ユイの声は少しずつ、小さくなっていった。

それを見て、俺が言葉を発した。

 

「ユイも、現実世界で一緒に暮らせるようになるぞ。 研究が上手くいけば、ユイを現実世界に顕現する事が可能になるんだ」

 

「それが成功すれば、ママとショッピングやお料理ができるようになるよ」

 

俺とユウキがそう言うと、ユイにはとても嬉しそうにしていた。

この情報は、ユイには最高のプレゼントだったのだろう。

 

「本当ですかッ!!」

 

「ああ、本当だぞ。 だから、もう少し待っててくれるか?」

 

「それまでにママは、ユイちゃんのお部屋とか、生活用具を用意しとくね」

 

「はい!!――パパ、ママ。 ありがとうございます」

 

ユイはその場で涙を流していた。

ユウキは、ユイも元までゆっくりと近づき、包み込むように優しく抱きしめた。

 

「んじゃ、俺とユウキはログアウトしても大丈夫か?」

 

「大丈夫? ユイちゃん、寂しくない?」

 

ユイは顔を上げ、笑みを浮かべた。

 

「はい、大丈夫です。――私、待ってます。 パパとママと暮らせるのを」

 

「おう、任せろ。 絶対に成功させるからな」

 

「うん、一緒に暮らそうね」

 

そう言ってから、ユウキは抱擁を解き、左手を振りメインメニュー・ウインドウを開き、一番下に表示させている《Log Out》へ指を動かした。

俺もユウキに倣って《Log Out》ボタンまで指を動かす。

 

「じゃあ、パパとママは現実世界へ帰るな」

 

「ユイちゃん、またね」

 

「はい」

 

俺とユウキはユイを見てから微笑みかけ、《Log Out》ボタンへタップし、現実世界へ戻った。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦

 

それから数ヵ月後。

俺は大学のVR研究室に徹夜をして籠っていた。 既に朝日が見える時刻だ。

俺が実験室に籠っている理由は、――ユイを顕現出来る装置の完成まで、後少しだからだ。

そして最後のピースが嵌まり、――完成した。

 

「カズ。 完成したな……。 これを完成させる事は、カズの夢でもあったんだろ?」

 

今声を掛けた人物は、俺が一年時に知り合った友人だ。

彼の名前は、如月悠(きさらぎ ゆう)

悠とは一緒の学部であり、同じ実験チームのメンバーである。

 

「……ああ。 取り敢えず、教授を呼んで来てくれないか。 俺はここから動けん」

 

それから数分後、VR研究を取り仕切る教授が実験室へやって来た。

 

「桐ケ谷君。 如月君から聞いたんだが、完成したのかい?」

 

「はい。――最初に俺が出した条件を覚えてますか?」

 

「これを世間に出す前に、桐ケ谷君が一度だけ私用で使用をする事だったな。 覚えているとも」

 

「じゃあ……」

 

「うむ。 使ってくれたまえ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

俺は現実世界にユイを顕現する為の機具などを設置し、端末からユイに話し掛けた。

 

「ユイ。 起きてるか?」

 

すると、ユイは欠伸をしながら返事をしてくれた。

 

『おはようございます、パパ』

 

「――今からユイを、現実世界へ顕現させるからな」

 

ユイは俺の言葉に凄く驚いていた。

 

『ほ、本当ですかッ!!??』

 

「ああ、――それじゃあ、いくぞ」

 

『はい! お願いします!』

 

俺は装置を起動させた。

すると、装置の中のカプセルが白く輝き、人型を形作った。

其処には、黒髪のロングヘアーを自然に流し、白いロングのワンピースを着た少女が立っていた。

ユイは俺の顔を見てから、カプセルの扉を開け、俺の胸の中へ飛び込んで来た。

俺は体勢を崩しそうになるが、足に力を込めて体勢を立て直した。

 

「パパ、パパ。 会いたかったです」

 

「おう、俺もだ」

 

俺はユイの腰に手を回し、ポンポンと背を優しく叩いた。

悠がおずおずと声を掛けてきた。

 

「か、カズ。 パパって?」

 

「ああ、ユイは俺の子供だ。 ちなみに、母親は木綿季だ。 経済学の“姫”の方が解りやすいか?」

 

みんな知っていると思うが、と付け足した。

俺と木綿季の噂話が確信した次の日には、二年の間には既に広まっていたのだ。

それから数日で、大学全体に広まってしまったのだ。

……恐るべし、大学の情報網。

 

「教授。 この事は内密でお願いします」

 

「そうだな」

 

「悠もいいか?」

 

「了解だ。――まさか子持ちだとは、これがバレたら色々大変になるもんな」

 

「じゃあ、俺は帰ります。 この装置は、教授と悠に任せます。 何かあったら、何時でも呼んでください」

 

俺はユイとの抱擁を解き、手を繋いでから、俺とユイは扉に向かい歩き出した。

そして俺が扉を開け、外へ出てから扉を閉めた。

 

「よし、帰るか。 俺たちの家へ」

 

「はい! パパとママのお家にお邪魔するの、楽しみです!」

 

数分歩き、マンションへ到着した。

階段を上り、二〇一号室の扉の前に立ち、鍵を開けてからドアノブを捻り押し開けた。

ユイも入ったのを確認してから、扉を閉めた。

 

「「ただいま(です!)」」

 

「おかえりなさい」

 

リビングからパタパタと歩きながら、木綿季が迎えてくれた。

木綿季は、俺の隣に居る少女を見て眼を見開いた。

 

「も、もしかして……ユイちゃん」

 

「はい! ユイです。 ママ」

 

「ユイちゃん!!」

 

木綿季は、ユイを抱きしめた。

 

「和人、成功したんだね」

 

「ああ。――取り敢えず、リビングへ行こうぜ」

 

俺は靴を脱いで、リビングへ向かう。

木綿季も抱擁を解いてから、ユイと一緒にリビングへ向かった。

テーブルの椅子にはユイが木綿季の隣へ座り、俺は木綿季と向かい合わせになるように着席した。

ユイは、リビング内をぐるりと見ていた。

 

「どうだ、ユイ。 ここが俺と木綿季が一緒に暮らしている場所だ」

 

「とても綺麗な所ですね。 私も、今日からここに住めるんですね」

 

「そうだよ。 ユイちゃんの部屋と生活用具も揃えてあるからね。 足りないも物があったら、ママとショッピングしようね」

 

「はいです!」

 

「よし、今日からユイは、桐ケ谷優衣だ。 どうだ?」

 

「……桐ケ谷……優衣……。 今日から私は、桐ケ谷優衣です!!」

 

「おう、よろしくな。 優衣」

 

「これからよろしくね。 優衣ちゃん」

 

「パパ、ママ。 これからよろしくお願いします」

 

優衣はぺこりと頭を下げた。

――この日は、思い出の一ページに刻まれた。




遂にユイちゃんが現実世界に登場です!
てか、話がぶっ飛びすぎたかな……(汗)
大学二年で装置を完成させるとか、凄すぎでしょ!
まあ、チームなので四人体制ですが。
完成まで残っていたのは、悠君だけだったんでしょうね。
これのレポート見た教授が、作ってくれって頼み、チームを作って作製してたんでしょうね。で、条件を付けたと。
そして、二人の関係はもうばれてましたね(笑)
ユイちゃんの名前は結衣か優衣で悩みましたが、優衣にさせていただきました。

後日談のクオリティが落ちてきているような……。
大丈夫であって欲しい(>_<)
さてさて、リメイク版も執筆しなければ。

それでは、ご意見、ご感想、評価、よろしくお願いします!!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。