舞翼です!!
ネタがすぐに思い浮かんだので、早く投稿が出来ました(^O^)
今回の話の前半は、激甘ですね。
後半は、オリキャラが登場しますよ~。
てか、後日談は春夏秋冬で進んでますね~。今気付いたぜ。
それでは、後日談第15弾いってみよー(^O^)/
誤字脱字があったらごめんよ。
それではどうぞ。
二〇三〇年。二月十四日。
――今日はバレンタインデーだ。
キッチンのテーブルの上には、各種調理道具とチョコが並べられ、最愛の人がエプロンを身に付けキッチンへ立ち、手作りチョコを作ってくれている。
俺は、リビングに設置してあるテーブルの椅子へ座りながら、料理をしている奥さんを眺めていた。
木綿季は完成したチョコを皿の上へ乗せ、両の手で皿を持ちながらリビングへ移動し、テーブルの上へ置いた。
「和人。 ハッピーバレンタイン!」
「ありがとな。――おお~、旨そうだな!」
「ありがと♪ これはね、トリュフだよ」
「こ、これは絶対旨いぞ!!」
俺の視線は、皿の上に乗ったトリュフに釘付けになっていた。
綺麗に形作られ、丹精が込められている。
――店に出せるレベルだ。
「た、食べていいか?」
「いいよ。 召し上がれ」
木綿季は優しく微笑み、向かいの椅子へ座った。
「い、いただきます」
トリュフを一掴みし、口の中に放り込んだ。
すると、口一杯にほろ苦い甘さが広がった。
――あまりの旨さに、俺は夢中に手を動かし、トリュフを頬張った。
向かいへ座る木綿季は、微笑みながら俺を眺めていた。
「どうかな? 美味しい?」
俺は無言で首を縦に振った。
リスのように頬を膨らませているので、言葉が出せないのだ。
俺は数秒掛けて、トリュフを飲み込んだ。
「お、美味しいです……」
「よかった~、味は確かめたんだけど、ちょっとだけ不安だったんだ」
「いや、メチャクチャ旨かったぞ。 それに出来たてを食べられるとか、最高だよ」
「そ、そう。 嬉しいな」
「てか、木綿季は食べないのか?」
俺がそう言うと、木綿季は暫し考え込んでから、頬を赤く染め上目遣いで俺を見てきた。
「え、えっとね。 和人がボクに食べさせてくれるなら……ダメかな」
「お、おう、いいぞ」
俺はトリュフを片手で一掴みし、木綿季の口許まで持っていく。
「あ、あ~ん」
木綿季は、トリュフを持った指ごとパクリと食べてしまった。
俺は予想外の事で、顔をカーッと赤く染めた。
俺は、指をゆっくりと抜いた。
「(こ、これは心臓に悪いぞ……)」
心臓の鼓動が“ドクドク”早くなっていて、音が聴こえてきそうだ。
俺の理性は一瞬ぶっ飛びそうになるが、寸前の所で抑える。
「た、確か、ALOでユイが待ってるんだっけか?」
「う、うん。 ぼ、ボクはお皿を流しに持っていくから、先にINしてて大丈夫だよ」
「お、おう、了解した」
俺は椅子から立ち上がり、寝室へ向かった。
寝室のドアを潜りベットの横まで移動した俺は、ベットの上へ横になると、傍らに置いてあるアミュスフィアを頭に被り、妖精の世界へ飛び込む言葉を発した。
「リンク・スタート」
♦♦♦♦♦♦♦♦
第二十二層《森の家》ログハウス。
部屋の中央に降り立った俺の胸に飛び込んで来たのは、愛娘のユイだ。
「パパ! ハッピーバレンタインです!」
ユイから、ハート形のチョコレートを受け取った俺は、ユイの頭を撫でながら感謝の言葉を贈った。
「ありがとな、ユイ」
「えへへー、実は、ママと一緒に作ったんですよ。 パパ、食べてみて下さい」
「おう、頂くわ」
俺は撫でている手を解いてから、ユイから受け取ったハート型チョコレートを一口齧りした。
口の中で溶けたチョコレートは、現実世界の味と遜色がなかった。
「どうですか?」
ユイが首を傾げて聞いてきた。
「うん、旨いよ。 良く出来てるぞ」
俺の言葉にユイは、ぱっと表情を輝かせた。
「わあぁ、やりました。 ママ、やったーです!!」
後ろを振り向いてみると、ユウキがログインしていたのだ。
ユイはユウキも元へ駆けて行き、ユウキはそれを優しく抱き止める。
「やったね、ユイちゃん」
「はいです!」
ユイは成功した事に喜び、ユウキにギュっと抱き付いた。
すると、ユイが顔を覗かせた。
「えっと、ママはパパにチョコをあげたんですか?」
ユイの不意打ち?により、俺とユウキは先程の事を思い出してしまい、完熟トマトのように顔を赤くしてしまった。
「う、うん。 ママはパパにチョコをあげたよ」
「お、おう。 ちゃんと貰ったから大丈夫だぞ。 ユイ」
ユイはユウキの腕の中から離れ、数歩後方へ移動してから、俺とユウキを交互に見た。
「これは、何かありましたね。――パパとママのラブラブな話、聞きたいです」
「ま、まぁ、俺はいいけど……。 ユウキは?」
「う、うん。 ボクもいいよ」
それから、俺とユウキは先程あった事をユイに話してあげた。
すると、ユイはこう言った。
「パパとママは、いつもラブラブなんですね。 私も、その場に居たかったです」
ユイの声は少しずつ、小さくなっていった。
それを見て、俺が言葉を発した。
「ユイも、現実世界で一緒に暮らせるようになるぞ。 研究が上手くいけば、ユイを現実世界に顕現する事が可能になるんだ」
「それが成功すれば、ママとショッピングやお料理ができるようになるよ」
俺とユウキがそう言うと、ユイにはとても嬉しそうにしていた。
この情報は、ユイには最高のプレゼントだったのだろう。
「本当ですかッ!!」
「ああ、本当だぞ。 だから、もう少し待っててくれるか?」
「それまでにママは、ユイちゃんのお部屋とか、生活用具を用意しとくね」
「はい!!――パパ、ママ。 ありがとうございます」
ユイはその場で涙を流していた。
ユウキは、ユイも元までゆっくりと近づき、包み込むように優しく抱きしめた。
「んじゃ、俺とユウキはログアウトしても大丈夫か?」
「大丈夫? ユイちゃん、寂しくない?」
ユイは顔を上げ、笑みを浮かべた。
「はい、大丈夫です。――私、待ってます。 パパとママと暮らせるのを」
「おう、任せろ。 絶対に成功させるからな」
「うん、一緒に暮らそうね」
そう言ってから、ユウキは抱擁を解き、左手を振りメインメニュー・ウインドウを開き、一番下に表示させている《Log Out》へ指を動かした。
俺もユウキに倣って《Log Out》ボタンまで指を動かす。
「じゃあ、パパとママは現実世界へ帰るな」
「ユイちゃん、またね」
「はい」
俺とユウキはユイを見てから微笑みかけ、《Log Out》ボタンへタップし、現実世界へ戻った。
♦♦♦♦♦♦♦♦
それから数ヵ月後。
俺は大学のVR研究室に徹夜をして籠っていた。 既に朝日が見える時刻だ。
俺が実験室に籠っている理由は、――ユイを顕現出来る装置の完成まで、後少しだからだ。
そして最後のピースが嵌まり、――完成した。
「カズ。 完成したな……。 これを完成させる事は、カズの夢でもあったんだろ?」
今声を掛けた人物は、俺が一年時に知り合った友人だ。
彼の名前は、
悠とは一緒の学部であり、同じ実験チームのメンバーである。
「……ああ。 取り敢えず、教授を呼んで来てくれないか。 俺はここから動けん」
それから数分後、VR研究を取り仕切る教授が実験室へやって来た。
「桐ケ谷君。 如月君から聞いたんだが、完成したのかい?」
「はい。――最初に俺が出した条件を覚えてますか?」
「これを世間に出す前に、桐ケ谷君が一度だけ私用で使用をする事だったな。 覚えているとも」
「じゃあ……」
「うむ。 使ってくれたまえ」
「あ、ありがとうございます」
俺は現実世界にユイを顕現する為の機具などを設置し、端末からユイに話し掛けた。
「ユイ。 起きてるか?」
すると、ユイは欠伸をしながら返事をしてくれた。
『おはようございます、パパ』
「――今からユイを、現実世界へ顕現させるからな」
ユイは俺の言葉に凄く驚いていた。
『ほ、本当ですかッ!!??』
「ああ、――それじゃあ、いくぞ」
『はい! お願いします!』
俺は装置を起動させた。
すると、装置の中のカプセルが白く輝き、人型を形作った。
其処には、黒髪のロングヘアーを自然に流し、白いロングのワンピースを着た少女が立っていた。
ユイは俺の顔を見てから、カプセルの扉を開け、俺の胸の中へ飛び込んで来た。
俺は体勢を崩しそうになるが、足に力を込めて体勢を立て直した。
「パパ、パパ。 会いたかったです」
「おう、俺もだ」
俺はユイの腰に手を回し、ポンポンと背を優しく叩いた。
悠がおずおずと声を掛けてきた。
「か、カズ。 パパって?」
「ああ、ユイは俺の子供だ。 ちなみに、母親は木綿季だ。 経済学の“姫”の方が解りやすいか?」
みんな知っていると思うが、と付け足した。
俺と木綿季の噂話が確信した次の日には、二年の間には既に広まっていたのだ。
それから数日で、大学全体に広まってしまったのだ。
……恐るべし、大学の情報網。
「教授。 この事は内密でお願いします」
「そうだな」
「悠もいいか?」
「了解だ。――まさか子持ちだとは、これがバレたら色々大変になるもんな」
「じゃあ、俺は帰ります。 この装置は、教授と悠に任せます。 何かあったら、何時でも呼んでください」
俺はユイとの抱擁を解き、手を繋いでから、俺とユイは扉に向かい歩き出した。
そして俺が扉を開け、外へ出てから扉を閉めた。
「よし、帰るか。 俺たちの家へ」
「はい! パパとママのお家にお邪魔するの、楽しみです!」
数分歩き、マンションへ到着した。
階段を上り、二〇一号室の扉の前に立ち、鍵を開けてからドアノブを捻り押し開けた。
ユイも入ったのを確認してから、扉を閉めた。
「「ただいま(です!)」」
「おかえりなさい」
リビングからパタパタと歩きながら、木綿季が迎えてくれた。
木綿季は、俺の隣に居る少女を見て眼を見開いた。
「も、もしかして……ユイちゃん」
「はい! ユイです。 ママ」
「ユイちゃん!!」
木綿季は、ユイを抱きしめた。
「和人、成功したんだね」
「ああ。――取り敢えず、リビングへ行こうぜ」
俺は靴を脱いで、リビングへ向かう。
木綿季も抱擁を解いてから、ユイと一緒にリビングへ向かった。
テーブルの椅子にはユイが木綿季の隣へ座り、俺は木綿季と向かい合わせになるように着席した。
ユイは、リビング内をぐるりと見ていた。
「どうだ、ユイ。 ここが俺と木綿季が一緒に暮らしている場所だ」
「とても綺麗な所ですね。 私も、今日からここに住めるんですね」
「そうだよ。 ユイちゃんの部屋と生活用具も揃えてあるからね。 足りないも物があったら、ママとショッピングしようね」
「はいです!」
「よし、今日からユイは、桐ケ谷優衣だ。 どうだ?」
「……桐ケ谷……優衣……。 今日から私は、桐ケ谷優衣です!!」
「おう、よろしくな。 優衣」
「これからよろしくね。 優衣ちゃん」
「パパ、ママ。 これからよろしくお願いします」
優衣はぺこりと頭を下げた。
――この日は、思い出の一ページに刻まれた。
遂にユイちゃんが現実世界に登場です!
てか、話がぶっ飛びすぎたかな……(汗)
大学二年で装置を完成させるとか、凄すぎでしょ!
まあ、チームなので四人体制ですが。
完成まで残っていたのは、悠君だけだったんでしょうね。
これのレポート見た教授が、作ってくれって頼み、チームを作って作製してたんでしょうね。で、条件を付けたと。
そして、二人の関係はもうばれてましたね(笑)
ユイちゃんの名前は結衣か優衣で悩みましたが、優衣にさせていただきました。
後日談のクオリティが落ちてきているような……。
大丈夫であって欲しい(>_<)
さてさて、リメイク版も執筆しなければ。
それでは、ご意見、ご感想、評価、よろしくお願いします!!