機動戦士ガンダムSEED Gladius   作:プワプー

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第6話に訂正入ります。
簡単な登場人物紹介Ⅲのところですが、
 (誤)ラガルト→(正)ブライス
です。


もし、今後、誤字とかあれ?おかしいな、と思うところがあればご指摘お願いします。

では、第7話です。



第7話 別れ、そして旅立ち Ⅶ

 

 出発の当日の早朝。

 空は曇天で、今にも雨が降りそうだった。

 クレイグは空を見ながら、感嘆していた。

 「すげぇ、大佐の予報が当たったよ。」

 ヒュー、と口を鳴らした。

 「第八艦隊を中継するの同時に、宇宙からの映像と天気図送ってもらったから、それでわかるのよ。」

 ユリアがクレイグに種明かしをした。

 「まったく…。ホントにすげぇぜ。大佐は。」

 クレイグは改めて感嘆した。

 

 

 「僕は後ろですか…」

 ジンは座った状態で格納庫奥、リニアガン・タンクの後方に配された。

 本来リクライニングした状態で格納しているMSだが、ホルダーをうまく改修したためこのようにしていられる。

 リニアガン・タンクにはフェリナとユリアがいた。

 本当なら前方のコクピットでとフェリナは言われたが、後ろにいた方がMSの動きが見え、輸送機やスピアヘッドに指示出せるのが、フェリナの言い分だった。

 これで、後部ハッチを開いたまま、後ろからくるMSに応戦するつもりであった。

 「こんな狭い格納庫で暴れられても、困るし、走って追いつくのは無理だろ?だったらここで、がんばってもらわなきゃ。」

 ロブが少し戸惑っていたウェインに笑いながら言った。普通のジンと比べて足にスラスター増設していて機動力は上である。(これもロブがしてくれたことだ。)

 とはいえ、グゥルなしに輸送機に合わせ移動するのは困難であった。

 「まあ、仕方ないですね。」

 一旦、コクピットからでて、ケーブルで格納庫に降り立った。

 「いいのか。これで?」

 そこへガウェインがやって来た。

 「大佐。大丈夫です。」

 「いや、そっちじゃなくて…あの子の事だ。」

 ガウェインはヒロの事を聞いたのであった。昨日、ここを発つ旨を言いに町長の所に行ったとき、ウェインはヒロに会いにいったが二、三言しか話さなかった。

 「ちゃんと…話せばいいだろうが。」

 「自分もなかなか言い出せなくて。一応、メッセージを録音したんですが。それも渡せませんでした。…ずっとヒロに聞きたいことがあったんですけど、結局聞けませんでした。」

 「何を?」

 「それは…」

 言いかけた時、ウェインは外にいたクレイグに呼ばれた。諸々の確認らしい。

 話をそこで打ち切り、ウェインはクレイグの方へ向かった。

 ガウェインはウェインが他の隊員とのやり取りを見ていた。

 「ウェインもここに馴染めましたね。」

 そこへロブがガウェインの下にやって来た。

 「あいつも…軍に来て、いろいろあったからな。」

 ガウェインは初めてウェインに会った時のことを思い出した。

 「他の連中も…です。」

 「ああ。まったく…不思議なものだ。」

 

 

 いよいよ出発の時間が来た。

 一旦、広い道路にでて滑走路代わりとして飛び立とうとしていた。

 その様子をスピアヘッドから様子をみていたクレイグは笑った。

 「今頃、フィリップのヤツ、こんなやり方あるかってぶつぶつ言ってるんじゃね?」

 それが通信を通して聞こえたのか、ジェロームはクレイグに怒った。

 「もうそろそろ、発進だぞ!気を引き締めろ!」

 「わかってますって。」

 改めて輸送機を見ると、離陸に入っていた。二機のスピアヘッドはそれを確認し発進させた。

 

 「う~、やべ…、なんか緊張してきた…。」

 フィリップはクレイグの予想と少し違っていた。

離陸し始めたところで、ガチガチになりかけてた。

「普段のあの軽い口調はどうしたんですか?」

副操縦士を務めているダレンは励ましの意味を込めながら言った。

 「フィリップ、大丈夫だ。お前たちは、ただサンディアゴ基地の防空圏まで輸送機を飛ばせばいい。どう飛ぶかはフェリナたちがサポートしてくれてる。」

 「しかし、大佐…。ん?降り始めてきた。」

 窓にはポツポツと雨がついてきた。

 「ホントに…大丈夫でしょうか?」

 「向こうも条件は同じだ。こっちとしては、もう少し降ってもらいたいものだが…」

 ガウェインは操縦士の二人に笑いながら言った。

 

 

 

 

 

 ボスゴロフ級潜水母艦の発令所は慌ただしくなった。

 「間違いないんだな?」

 艦長は探索担当に念を押して聞いた。

 「はい!向こうの方に動きがありました。ただ、こちらを警戒し、陸地を移動しています。」

 それを聞き、艦長はすぐ様コクピットで待機していたアルテナに連絡した。

 「聞いての通りだノヴァーク隊長。相手は陸路を飛行する。我々は援護することは出来ない。貴隊の武運を祈る。」

「いえ、ありがとうございます。」

報告を受け、アルテナは一度、息を吸い呼吸を整えた。

 「ノヴァーク隊、出撃!」

 

 ジンが次々と潜水艦より飛び立ち、そして同時に発射されたグゥルに乗った。全部で六機。

 最後、アルテナのMSが出る。

 ジンとは違う。

 ZGMF-515シグーであった。グゥルに乗り、皆が準備できたのを確認し、指示を出した。

 「隊を3つに分け、移動する。先にマシューたち2機、ジンが先行して。ブライス、あなたは他の2機とともに後方をお願い。」

 「了解。」

 各々、輸送機へ向かって行った。

 

 

 

 

 ヒロはふと何かを感じた。

 「何?」

 それを確かめたくて、外に出てみた。

 『どうした、どうした?』

 手に持っていたジーニアスがヒロに尋ねた。

 「…ダメだ。…止めなきゃ。」

 地球軍に向かって来る部隊…そして、このあと起こること。

 それを直感で感じた。

 何を言ってるのかわからず、ジーニアスは困惑するばかりだった。

 でも、どうすれば…

 ふと、作業用ジンに目がとまった。

 これなら…

 ヒロはコクピットに乗った。

 初めて乗るMS。

 『大丈夫か?』

 ジーニアスが心配して尋ねた。

 操縦桿を動かしてみたり、フットペダルを踏み、動くか確かめた。

 ジンは彼の操縦に合わせ、動いた。

 よし…これなら…

 ヒロは直感のする方向へジンを発進させた。

 

 

 

 


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