機動戦士ガンダムSEED Gladius   作:プワプー

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ガンダムUCのTV版が終わってしまいました(泣)
最近UCばっか見てるなぁ、と食傷気味に感じつつもやっぱり見るとみると引き込まれ…。
そして10月から鉄血の2期が始まります。
思えば、こんなにも連続で、ガンダムの作品を見ることができるなんて…
嬉しい限りです。


PHASE-41 いつか来た道

 

 

 朝もやのかかるオノゴロ島の岩壁の一部が、まるで切り取られたかのように、その部分が上へと持ちあがっていく。そして、その中から、まわりの自然とは不釣り合いなドックが姿を表し、そしてその奥から白亜の戦艦がゆっくりと姿を表す。そして、その周りにはオーブの護衛艦隊が待機していた。

 ドックの監視ブースからはその艦を見送る姿があった。

 ウズミとエリカはもちろん、艦に乗らずここにいることを決めたカガリ…そして、キラの両親であった。

 結局、キラは両親に会うことはしなかったが、ウズミの計らいか、出航の見送りに呼び、ガラス越しではあったが、キラと対面させてあげたのであった。

 白亜の戦艦は護衛艦にまるで守られるようにゆっくりと進み出た。

 いよいよ、アークエンジェルのアラスカへ向けての最後の航海が始まったのだ。

 

 

 

 

 白亜の戦艦の出航の様子を離れた海岸より見ている1人の男の姿があった。

 ゲンギ・イーサンである。

 「あの艦に…。」

 さきほどウズミから聞いた話に困惑していた。初めは信じられなかったが、嘘をつくとは思えない。が、ゲンギの胸中は複雑な思いであった。

 「どうか、ハウメアよ…、護りたまえ…。」

 ただゲンギにできることは祈ることのみで、靄の中に消えていく艦を静かに見送った。

 

 

 

 

 

 ついにこの時が来た。

 オーブの艦隊が島群より北東へと向かっていると、発令所から聞いたアスランはそこにアークエンジェルがいることに確信していた。

 他のパイロットたちはすでに己の愛機に搭乗し、報告を待ち構えていた。アスランもまた足早に格納庫へ向かい、アスランは愛機、イージスのコクピットで静かに待機する。

 (艦隊より離脱艦あり!艦特定…『足つき』です!)

 コクピット内で発令所から報告を聞いてもアスランは感情を表に出さず、努めて冷静を保っていた。

 「出撃する!今日こそ足つきを落とすぞ!」

 ボズゴロフが浮上し、上部ハッチが、そして、海中の大型ドライチューブが開き、次々と機体が発進していった。

 

 

 

 

 「…っレーダーに反応!」

 オーブの領海を出て間もないアークエンジェルのブリッジ内に早速緊張が入った。

 「…待ち伏せをかけていた、ということか。」

 報告にナタルが歯噛みした。

 「機種特定…急いでっ。」

 マリューの指示にトノムラは急いで確認作業を行う。

 「データ照合っ!イージス、デュエル、ブリッツ、シグーですが…。」

 トノムラの歯切れの悪い言葉にマリューはCICの方へ振り向く。

 今までずっと追いかけてきた4機のGにバスターの姿がないのも疑問だが、トノムラの反応は違ったものであった。

 「…速い。グゥルに乗ったMSでもこんな速度では…。特にイージスっ、他の3機に先行してきますっ!」

 「対潜、対モビルスーツ戦闘用意っ!」

 マリューは矢継ぎ早に指示を促した。

 

 

 

 

 (…逃げ切れればいい!厳しいと思うが、各自健闘をっ!)

 マリューの叱咤激励を通信機越しに聞きながら各々準備を始めている。

 アークエンジェルから煙幕弾を放ち、同時に艦橋の両脇のスモーク・ディスチャージャーからも煙を発せ、艦を覆わせていく。

甲板上の防戦態勢のため、ストライクと[トゥルビオン]、ジンがすでに出ていて、スカイグラスパー1号機にはエールストライカーが、2号機にはソードストライカーを装備され発進していく。

 (…GAT-X106 クリーガー、第2カタパルトへ…。)

 2機に続き、クリーガーが発進準備に入る。手には125㎜長射程ビームライフルを持ち、サイドアーマーにカービンをマウントしている。

 モニターに映るミリアリアの表情は少し曇った表情であった。トールがスカイグラスパー2号機のパイロットとして出撃したという事情があったためである。

 ここ最近ずっとシミュレーショターに入っていたトールは出航前に志願してきた。あまりの熱心な志願にムウもマードックも支援だけならと、渋々認めた。

 「大丈夫だよ、ミリィ。」

 ヒロはそれを感じ取り励ました。

 「ムウさんがしっかりフォローしてくれるし、それに僕たちもいる。…だから心配しないで。」

 一瞬、ミリアリアは目を丸くするが、すぐに微笑んだ。

 (そういう気の利いた言葉…もっとかける人がいるんじゃない?ルキナとか…。)

 「ええっ!?」

 こちらの反応を伺っていたミリアリアは通信ウィンドに顔を寄せ小声でささやいた。

 (…でも、ありがとう。嬉しいわ。)

 と言い終え、こちらが聞き返す前に、ふたたびオペレーターの職務に戻っていった。

 (クリーガー、カタパルト装着。)

 すでに外ではモビルスーツもスカイグラスパーも発進している。自分が遅れるわけにはいかない。

 (…発進、どうぞ。)

 ミリアリアの言葉をともに前方の発進信号が変わる。

 「ヒロ・グライナー、クリーガー、行きます!」

 それを合図に、ヒロはクリーガーを発進させ、スカイグラスパーの後を追った。

 

 

 

 

 (わあぁっ!)

 まもなく煙幕の中を駆け抜けている時、ビーム光が見え、トールの上ずった声が通信機か聞こえた。

 ヒロはトールの身に何かあったのかと心配になり、クリーガーをさらに加速させ、煙幕の外に出た。すぐにスカイグラスパーの飛行予測ルートの方に視線をうつすと、2号機は無事であった。

 うまくかわしたのだろう…。

 ホッとするつかの間、ヒロは飛んできたビーム砲の方に長射程ビームライフルを構え、スコープで覗いた。

 いくら、こちらに迫って来る速度が早くでもまだ距離はある。だが、ビーム砲がここまで届くとは…。

 ヒロは目を凝らし、見るとその正体に思わず声を上げた。

 「えっ…あれって?」

前方から見慣れない赤い戦闘機が近づいてくるが見えた。先端にビーム砲が装備されそこから撃ってきたのであろう。

 するとその戦闘機はこちらを捉えたのであろうか、急に速度を落とした。

 ふとヒロが疑問に思っていると、その赤い戦闘機は見る見るうちに姿を変え、MSへと変形した。

 その姿はみたことのあるMSであった。

 「あれは…イージス!?」

 だが、その形状は今まで見て居たものとは違っていた。

 本来MA形態時のみしか使用できなかった『スキュラ』をMS状態でも使用可能にするようにコクピット部分がせりあがっており、武装は大型のビームライフルとシールドと変わっていた。MA形態時に翼になっていたウイングバインダーは換装され、火力増強としてレールガンが備えられている。

 「今…イージスの相手をしている暇なんてないのに…。」

 このライフルではエネルギー消費が激しい。できれば応戦したくなかった。が、このまま背を向けて離れることもできなかった。

 すると、アークエンジェルを覆っている煙幕から強力なビーム砲が放たれた。

 イージスはそれをすれすれにかわす。

 「今だっ。」

 ヒロはその隙を見て、クリーガーを上空へと加速させる。

 「待ていっ!」

 後から追いついたデュエルが逃がさないとばかりにビームライフルをクリーガーに向ける。デュエルは、アサルトシュラウドと背部のバックパックを外し、ディンの飛行用ユニットにビーム砲とレーザー重斬刀を装備したバックパック(データ上にあったストライクのI.W.S.Pをザフト独自に開発した装備)である大気圏内用装備「ジェグス」を装備していた。

が、ふたたび、煙幕の中からビーム砲を放たれた。

 「…散開だ!」

 こちらから敵を捕捉できない以上、ひとつに固まるのは危険だ。アスランは後ろから来るクトラドとニコルを含め、指示を出した。

 

 

 

 

 「…はずした!?」

 この煙のなかからでは見ることはできないが、敵機に当たった爆発光がないため、キラはそう確信した。上空にいるスカイグラスパーから座標と射撃データを送ってもらって、そこから敵の動きを予測し、アグニを撃ったが、やはり自分の目での狙撃より難しい。

 それに…。

 ガコンッ。

 エールストライカー部に備えられているエネルギーパックが1つパージされた。やはり電力消費が激しかった。

 「こうなったら…。」

 こんな重い装備(・・・・・・・)を背負って高くジャンプできるかどうかわからないが、ここにいつまでもとどまっているよりはマシだ。

 ストライクを高く駆った。

 (おいおい、煙幕の意味ないだろっ!?)

 フォルテの制止の声が聞こえるが、それを尻目にさらに推力のままに上がっていった。

 

 

 

 

 

「なっ!?」

 アスランはいきなり煙の中から姿を現したストライクはもちろん、その姿に驚いた。エール、ランチャー、ソードストライカーをすべて装備したような重装備であった。

 だが、従来のエールストライカーよりもはるかに推力があるのか、自機の上を

 落下と共に、ストライクはシュベルトゲーベルを抜き、こちらに振り下ろす。

 アスランはシールドを掲げ、それを防いだ。

 どの道、そんな重い装備では一瞬。

 ストライクはさらに下降していった。

 「もらったーっ!」

 イザークはビームライフルを構えた。

 そんな重い装備では、このようにジャンプするモーションが遅れる。

 「…ムウさんっ!」

 キラはデュエルのビームライフルの銃口から目を逸らさず、通信機に叫んだ。

 そして、トリガーを撃つ瞬間に、マルチプルアサルトストライカーをパージし、ビーム光はストライクとストライカーの間を抜けていった。

 ディアクティブモードになったストライクは甲板に着地するとすぐに上を見上げる。1号機が滑り込んでくる。キラはタイミングを見計らってふたたび甲板をジャンプする。

 (プレンゼント、落とすなよっ!)

 ムウのいつもの軽い調子が聞こえ、スカイグラスパーのエールパックとシールド、ビームライフルが切り離された。

 「させるかー!」

 デュエルはビーム砲を放とうと、スコープで狙うが、[トゥルビオン]に阻まれた。

 その間にストライクはエールを装着し、ふたたび機体が色づいた。

 そして、そのままエールのスラスターを吹かし、ビームライフルで、デュエルの翼を撃ちぬいた。

 「くそー!」

 翼を片方失ったデュエルはバランスを崩し、海へと落下していった。

 「ザフトも追加装備を次々と増やしてきたか…。」

 後方のいたフォルテはつぶやいた。

 おそらくあの装備はアサルドシュラウドと同じく、ジンやシグーなどの強化パーツとして開発されたものであろう。大気圏内ではアサルドシュライドを装備したままでは重量によって使い勝手が悪くなり、MSとの白兵戦を想定したデュエルの性能を落としてしまう。

 ジンとシグーと同じくすべてにおいて広く対応できる汎用型のデュエルだからこその装備なのだろう。

 フォルテがなにかと感心していると、コクピット内に敵機が近づいている警告音が鳴り響いた。目の前をみると、煙の残る後方より突如としてブリッツが姿を現したのだ。

 バックパックをデュエル同様ディンの翼を使用しているが、違うのは2対の鉤爪があることであった。

 いったいいつからそこにっ1?

 突撃機銃で応戦するフォルテは驚きを隠せずにいた。

 ミラージュコロイドを使用して近づいたとして、慣性移動のできる宇宙空間と違い、大気圏内ではスラスターを吹かせなければ移動できない。そうであれば、その熱で発見できる。訝しんでいると今度は上空より無数の弾丸が降り注ぎ、あわてて避ける。

 見ると、シグーディープアームがいた。

 かの機体もまた大気圏内装備、デュエルと同じ「ジェグス」を装備していた。

 「アマルフィっ、ジン(こいつ)は俺がおさえる。『足つき』を…。」

 「わかりました。」

 シグーの援護をもらったブリッツはジンを通り過ぎる。

 フォルテは背後を撃とうとしたが、上空からのシグーのビーム砲に邪魔された。

「くそ…。どいつもこいつも飛べやがってっ!」

 フォルテは毒づいた。

 ブリッツを見送りながら、クトラドはニコルの操縦に感心した。

 ミラージュコロイドを展開してもスラスターの熱量によって探知されないためにカバーを長く覆っているが、それ以外に、スラスターを吹かさなくてもある程度滑空できるようにブリッツの大気圏内装備は施されている。

 が、滑空するにしても気流に乗らなければうまくできず、それはかなりの技量を要する。ずっと宇宙ぐらいの人間ならなおさらだ。

 なるほど、この地球に降下してからずっとこの地球の自然を観察しているニコルだからこそ、覚えがよかったのだろう。

 一方、ジンを抜けたブリッツはアークエンジェルに向けトリケロスのビームライフルを向けた。

 「これで…。」

 この状態から攻撃するのは抵抗がある。

 できるなら投降を呼びかけたいが、この『足つき』は味方に多大な被害をもたらした。それに、アスランの隊長としての任務を達成させたい。

 その思いでトリガーを引こうとした瞬間。ブリッツの目の前に、ジン偵察タイプが現れ、体当たりを食らわす。

 いきなりのことで思わずよろけそうになるが、踏ん張り、ブリッツは2対の鉤爪を左手に装備し、[トゥルビオン]の突撃機銃を持っている右腕を挟み込む。

 「くっ…。」

 ルキナはなんとかこの鉤爪から脱しようと動かすもまったく動じず、銃を撃てども、相手はPS装甲のため、効果はなかった。

 すると、右腕の方からギシギシときしむ音が聞こえてきた。

 あの鉤爪は万力みたいなもの…!?

 コクピット内にも警告音がけたたましく鳴り響いている。

 しかし、すぐ後ろはアークエンジェルのブリッジだ。

 引くことはできない。

 [トゥルビオン]は逆に前に出て、左腕でブリッツのトリケロスを押える。

 「…なんて無茶を。」

 ニコルは相手に感心と呆れの混じった思いを抱いた。

 (アマルフィっ!そいつに構うなっ。艦を墜とせば、どのみち終わるっ!)

 通信機からクトラドの声が聞こえる。

 しかし、向こうも下がれない事情がある。うまくよけていくこともできないであろう。なら、正面から行くしかない。

 どちらも一歩も動かない状態が続いた。

 

 

 

 

 「くっ…、アマルフィっ!」

 このままでは時間が過ぎるだけだ。それに…。

 その時、上空からの気配にクトラドはハっと上を仰いだ。

 太陽を背に黒いシルエット、一瞬航空機に見まがうようなものがこちらに勢いよく降りてくる。

 「アマルフィっ!何かそっちに向かっているぞっ!」

 クトラドの叫び声にニコルはハッと上を見上げた。

 この状態では、どうすることできない。

 ニコルは苦渋の思いで、万力を離し、後ろに退いた。

 そして、それ(・・)は[トゥルビオン]をブリッツの間に割って入るように勢いよく降り立った。

 「…しまったっ!」

 ニコルはとっさにトリケロスのビームサーベルでクリーガーを薙ぎ払おうとするが、クリーガーはとっさに下に避け、その姿勢のまま、腰部のサーベルをとり、振り上げ、ブリッツの右肩をまるごと斬りおとした。

 右腕に武器の集中しているブリッツにとって致命的であった。残っているのはグレイプニールだが、それでアークエンジェルもどうにかできるものではない。

 これで…いち、抜けだっ。

 ヒロはブリッツをそのまま蹴り落とした。

 ブリッツはなすすべもなく、アークエンジェルから落ちていった。シグーディープアームズは不利と見たか一旦下がっていった。

 「間に合って、よかった…。」

 ヒロは大きく息をはいた。

 上空にいたクリーガーはアークエンジェルの異変に察知し、駆け付けたのだ。

 「それは、そうと…ヒロ。」

 いきなりジンがやってきたかと思うと、突撃銃のグリップをゴツンとクリーガーの頭に叩いた。おもわずヒロは「いたっ。」と言ってしまった。

 「おまえ、遠距離型のバスターの牽制のために上空待機だったんだぞ?それをほったらかして…また…。」

 すると、ヒロに遮られた。

 「いなかった。」

 「はぁ?」

 「はぁ?じゃなくてバスターがいなかったんだ。」

 「そりゃ、どういう…。」

 バスターがいない。

 たしかに今までの戦闘スタイルを考えれば、バスターも前に出てきて攻撃して来ている。今回、その姿を見せていないのは、後方にいるのかと思ったら、実は違っていた。

 じゃあ、どこにいるのか?

 フォルテとヒロが思案しているとブリッジでは別の動きがあった。

 「9時の方向!ソナーに感っ!この速さは…MSですっ!数1っ!」

 トノムラの報告にマリューとナタルは驚いた表情を見せた。

 いまごろ1機現れるとはっ!

 甲板にいたクリーガーとジンにも海面より黒い影が見え始め、次第にそれは浮かんでくるのを捉えることができた。

 2機はビームライフルと突撃機銃を構える。

 その黒い影がだんだんと大きくなり、とうとう姿を現した。それは流線型の、まるでグーンを思わせるような、しかし、それより大きな機体が姿をしていた。そして、海上より顔を出したその大型の機体は丸みのある先頭部が2つに左右に開き、上部のカバーが外されると、その中にバスターの姿が現れた。

 「バスターっ!」

 「なんだっ!?あのデカブツはっ!?」

 2人が驚くのもつかの間、バスターの両腕に持っているアームユニットおよび肩部のミサイルを放った。

 2機はあわてて、応戦し、攻撃を凌ぐ。

 バスターはふたたびアームを閉じ、海中へと潜っていった。

 「なんなんだ、いったい…。」

 2人は唖然としていた。つかの間、フォルテはなにか考え始めた。

 「…厄介だな。」

 バスターが潜っていった場所を見ながらフォルテは呟いた。

 「とはいえ、あれはどちらかというと、水中戦用の装備と言ってもいいだろう…。」

 「どのみち、水中用のMSはこっちにはないんだから、なんとかしないと…。」

 そう言いながら、ヒロはジンの持っていた無反動をクリーガーに持ち変えた。

 「おい?」

 「もともと、バスターを牽制するのは僕の役目だったんだ。それにクリーガーは飛行能力あるからなんとかしてみるよ。」

 そう言い、甲板から飛び立った。

 「やれやれ、珍しく積極的というか…。」

 フォルテはなかば呆れた様子で見送った。

 思えば、オーブの滞在がいい休養になったのだろう。ヘリオポリス以来、あそこまでながく休んだことはない。

 「…それよりも。」

 フォルテは[トゥルビオン]に向き直った。

 「そっちはどうだ?」

 フォルテはルキナに尋ねた。

 「右腕の関節部がやられたのか…。さっきからずっとアラーム鳴りっぱなしで…。」

 「そうか…。じゃあ、一旦下がった方がいいな。」

 おそらく、あの攻撃ではすぐに復調できそうにないし、メカニックたちに見てもらった方が言い。しかし、ルキナは不満げだった。

 「そんなっ、右腕以外は無事ですし、まだ行けます。」

 「いやっ、だから…万全の状態でないし…。」

 「私だけ退がることなできません。」

 ルキナにおされ、フォルテは頭を抱えた。

 「しゃあねえ…、じゃあ、俺の援護っていうことでどうだ?」

 後方に控えている自分のさらに後ろなら、もう直接MSと戦闘になることはないであろう。ルキナもそれに納得したのか、うなずいた。

 「…フォローする身になってくれよ~。」

 だいたいこういうのって普通はフラガ少佐がすることではないのか。

 フォルテは心の中でぼやいた。

 

 

 

 

 クリーガーはすれすれに低空飛行し、海を注視した。

 さきほどの攻撃から一旦、バスターは先頭部を開かなければ攻撃できない。その隙を狙えば、うまく行くはずだ。

 ふたたび浮上するバスターの影が見え始め、クリーガーは無反動砲を構える。

 海面に浮かんだバスターはクリーガーがこちらに向けているのに、焦った。

 「くっ…。」

 今、攻撃態勢に入ればやられる。

 なら…。

 「いけー!」

 バスターは変形を解かず、そのままクリーガーに突っ込んだ。ヒロもあわてて、無反動を放とうとするが、ぶつかった衝撃で、当たらなかった。

 そして、そのまま海中へを飛ばされる。

 「ここならっ!」

 バスターは一旦クリーガーから離れ、態勢を整えた。

 クリーガーはその勢いのまま、岩場に衝突した。

 「海中に…。」

 逆に向こうに有利な状況に持っていかれてしまった。

 バスターはふたたびクリーガーに迫り、魚雷を発射した。

 いくら不利な状況になってもやるしかない。

 クリーガーは無反動砲を放ち、その隙に、岩場を蹴った。

 魚雷はさく裂し、目の前を水泡が覆う。

 「やったかっ!?」

 視界が開けると、そこにクリーガーに姿はなかった。

 「なっ!?」

 あたりを見渡すと、上にクリーガーがいた。

 「くそっ。」

 バスターは上へと突進をかけるが、クリーガーにすんでのところで避けられた。

 この装備で急に反転するのは難しい。

 クリーガーはそのまま水中兵装の背中に接近し、ビームサーベルを抜き、兵装に当てた。

 ビームは水の中では完全に拡散してしまう、ということは逆に水の中ではないところで発生させればよい。

 クリーガーのビームサーベルをゼロ距離で発生させ、兵装を貫いた。

 「…くそぅ。」

 ディアッカはあわてて水中用兵装をパージした。その瞬間、兵装は爆発する。

 爆発の力に押されながら、バスターは水中でバランスを保とうと必死にペダルを踏んだ。が、そっちに集中していると、敵機が近づいてくる警告音がなった。

 「しまったっ!」

 気付いたときには目の前にクリーガーがいた。

 応戦の態勢に入る間もなく、クリーガーに蹴り飛ばされバスターは浅瀬の岩盤に激突した。

 「これでもう…。」

 海中よりあがって来ても、グゥルもない。もうバスターに戦闘能力はないに等しかった。

 クリーガーはそれを確認し、上へとあがりアークエンジェルへと戻っていった。

 

 

 

 

 

 残りはイージスとシグーディープアームズのみとなった。

 一旦、退いたクトラドはふたたび攻撃を仕掛けるが、2機に阻まれて突破できなかった。

 一方、イージスの方はというと…。

 未だストライクとの応射が続いており、一進一退であった。

 その状況を打開しようと、イージスは一度距離をとり、MA形態に変化し、急襲した。

  猛烈な勢いで来るイージスにライフルを向けるが、これでは当てることができないと悟ったキラはイージスのビームをかわしていく。

 なおも迫るイージスであったが、アークエンジェルからの砲撃により、一旦後退し始め、態勢を立て直そうと、近くに浮かんでいた群島にMS形態に戻り、着地しようとした。

 キラはその瞬間を見逃さなかった。

 ビームライフルを、イージスがまさに着地する瞬間、目の前に放った。

 いきなりの攻撃と衝撃で後ずさりした。

 その間に、アークエンジェルは進む。

 キラはストライクの残りのエネルギーに目をやった。

 だいぶ消費している。

 それならば、イージスも同様であろう。

 アスランも残っている戦力では攻めきれないとわかるはずだ。

 撤退してくれ…。

 しかし、キラの思いとは裏腹にイージスはふたたび攻撃を仕掛けてきた。

 なんでっ…。

 そして、群島の1つにイージスが一度態勢を立て直そうと着地する、その目の前をビームライフルを放つ。

 イージスはその衝撃で後ずさる。

 ストライクは甲板より、その場へと飛び降りた。

 「トールっ!ソードストライカーをっ!」

 (わかったっ!)

 念にはと、キラは換装するためにトールに告げた。トールもわかっていたのかすぐさまストライクのすぐ上に来て、ソードを射出した。

 ストライクはエールをパージし、そして、ソードストライカーを装着した。

 (ヤマト少尉っ!深追いするなっ!)

 ナタルの制止の声が通信機から聞こえてくるが、キラの頭には入ってこなかった。

 

 

 

 

 いきなりの攻撃に驚いたアスランは落ち着くのに、半歩遅れた。

 上を見上げると、『足つき』はどんどんと進んでいた。

 このままでは…。

 周りを見ても、残っている機体は自分とシグーしかいないのはわかっていた。

 だが、ここであきらめるわけにはいかなかった。

 アスランはアークエンジェルからのバルカン砲やミサイルの応射を食らっても、なおもビームライフルで撃つ。しかし、直撃を食らい、衝撃が襲う。

 それでも…と、ふたたび銃を構えた途端、警告音が鳴り響いた。ハッとアスランが見上げるとストライクが迫ってきていた。

 あまりの急な出来事で一拍遅れたイージスはライフルをストライクに向けるよりも前に、長剣が振り下ろされるのをみて、あわてて飛びのく。ふたたびライフルを向けるが、その前にストライクからの右こぶしのストレートを食らい、よろめいた。

 (やめろ、アスランっ!)

 その時、スピーカーからキラの声が聞こえてきた。

 (もう下がれ、きみたちの負けだっ!)

 その言葉にアスランはカッと血が上った。

 負けた…?キラに…?

 (ザラ隊長、撤…!)

 「なにをっ!?」

 その時、クトラドからの撤退を進言する通信が入ったが、それも耳に入らずアスランは喚いた。

 

 

 

 

 上空でこちらを攻撃していたシグーディープアームズが攻撃の手を止め、下がっていくのを確認したアークエンジェルは、もう追撃してこないと判断し、機動兵器たちに帰投命令を出した。しかし、ストライクは一向に戻って来ようとする素振りも見せず、イージスと対峙している。

 (ヤマト少尉、何をしているっ。)

 ナタルからの呼びかけにも応答がない。飛行能力のないストライクは帰艦できない。

 「…僕が行きますっ。」

 まだ、甲板に残っていたヒロはこの状況に歯がゆく思い、飛び立った。クリーガーなら飛行能力はあるし、ストライクを連れて帰れる。そして、ストライクのもとへと急いで向かった。

 

 

 

 

 「ザラ隊長っ!」

 一旦下がったクトラドは、アスランに呼びかけるが。いっこうに返事がない。

 おそらく、彼はまだ攻撃を続ける気でいるのであろう。

 だが、この状況ではどうすることもできない。まだギリギリまで好機はある。なにより、先ほどの様子から見ると、頭に血が上っているのであろう。

 (クトラドさんっ!)

 そこへニコルからの通信が入った。目をやると、彼もまた島に着地しているが、この状況をどうするか判断しかねていた。彼も一時撤退を思ったのだろうが、アスランからの指示がまったくなく、焦っているのであろう。

 クトラドは一旦、ブリッツの近くまで降りてくる。

 「ニコル、おまえはデュエルとバスターを連れて、戦線から離脱しろっ。隊長は俺が連れて帰る。」

 そう言い残し、クトラドはイージスとストライクの対峙している場所へ向かおうとするが、ブリッツもともやって来ようとした。

 (僕も…行きます!)

 アスランを心配しての事だろう。

 しかし…。

 「おまえは武装がもう何もないだろう!?そんなんで何ができる!」

 なおも引き下がらないブリッツを払いのけ、クトラドはシグーを駆った。

 するとアークエンジェルからクリーガーが降りてきて、ストライクとイージスの下へ向かって来るのが、見えた。

 ストライクの加勢に来たのか?

 クトラドはそうはさせまいと、クリーガーにバックパックのビーム砲を放った。

 「ストライクを下がらせるだけなのに…!?」

 ヒロはシグーからの攻撃を避け、ストライクをイージスの方に目を向けた。このまま、押し通していくこともできない。ストライクはイージスの方に集中し過ぎているのか、気付いてないようだった。

 「…ならっ。」

 ヒロはクリーガーを反転させ、カービンを構え、シグーを牽制するために撃った。

 

 

 

 

 キラとアスランにはそんな周りの様子など気付かず、お互い面と向かいあう。

 (アスラン、これ以上戦いたくないっ!)

 さらに続けて言われたキラの言葉にアスランは叫び返す。

 「なにを今さらっ!撃てばいいだろう!?おまえも言ったはずだ!」

 (アスラン…!)

 「お前もおれを撃つ、と…言ったはずだっ!」

 アスランは激高に任せ、ビームライフルを向け、トリガーに手をかけた。

 と、その時、イージスのコクピットから音が鳴ったかと思うと。フェイズシフトがダウンした。鮮やかな赤の機体色がメタリックグレーに変わっていく。

 カッとなっていたアスランは今まで警告音が鳴っていたのも気付かなかったのだ。

 しまった…。

 もうストライクへの攻撃の手段が残ってないのだ。

 アスランは愕然とした。

 一方、ストライクは、長剣は構えている。

 あれだけ言ったのだ。

 攻撃し来ないわけがない。

 長剣が自分に振り下ろされる。

 そう思っていた。

 が…。

 その時。

 (アスラン、下がってっ!)

 突然ニコルの声が響いた。

 2機に向かって、ミラージュコロイドを展開していたブリッツが姿を現し、ランサーダートの1本を片手にストライクに立ち向かう。

 

 

 

 

 それは突然のことであった。横から急にブリッツが現れたのだ。

 向かって来る敵を倒す。

これまで何度も経験した戦闘においての条件反射だった。

 ストライクはシュベルトゲーベルを振り下ろし、ブリッツめがけて弧を描くように下から斬りかかった。

 ほとんど無意識的に行った動作に気付き、止めようという意志にキラが思うまで、一拍かかった。

 その一拍の時間…すでに遅かった。

 重量のあるシュベルトゲーベルを止めることもできず、その遠心力そのままにブリッツに刃が吸い込む。

 思わず、腕を下げるが間に合わず、ブリッツの胴と脚を真っ二つに割っていった。

 

 

 

 (うわぁぁぁぁっ!)

 「ニコル…?」

 アスランはその光景を呆然としながらつぶやいた。

ブリッツの胴と脚が分かれる瞬間、ニコルの悲痛な叫び声が聞こえ、ブリッツの胴より上が落ちていく様。

 ほんの数秒がまるで長く感じられた。

 はじめは一体何が起こったのかよくわからなかった。

 すると、脚部の方に残っていたエンジンが火花を上げたかと思うと、大きな爆発を起こし、ブリッツの上半身も爆炎と衝撃を巻き込ませていく。

 「ニ…コ…ル?」

 起こった出来事の理解が追いついてきたときアスランの声が震えあがる。

 そんなバカな…。

 あの刃は自分が受けるはずだった。

 そう思っていた。

 なのに…。

 ニコルが自分を庇った。

 そして…。

 「ニコルー!」

 アスランは絶叫した。

 

 

 

 

 (ニコルー!)

 アスランの叫びにキラは、ビクリと体を強張らせた。

 そして、自分の両手をわらわらと操縦桿から離し、顔の近くまで上げた。

 今まで何度もトリガーを引いた。

 そこには何も伝わって来なかった。

 しかし、アスランの悲痛な叫び声によってそれが実感を伴って来る。

 まるで人を斬ったような感触が襲い掛かって来る。

 僕は…。

 

 

 

 

 

 

 どれだけそうしていただろうか。

 イージスとストライクも、その近くにいたクリーガーもシグーディープアームズもその場で固まった。

数秒前に起きた出来事に呆然としていた。

しかし、あちこちに散らばったブリッツの破片、残された上半身は、熱によって装甲が溶けかけ、ひしゃげていた。

 中のパイロットが生きているのは不可能に等しい…。

 そう、つきつけているようだった。

 (ニコル…。)

 (馬鹿な…。)

 すると、デュエルとバスターも陸に上がってきていたのだ。

 (くそー!ストライクーっ!)

 (アスランっ!)

 仲間を討たれた激情に駆られイザークが、続いてディアッカがストライクに向け撃つ。

 キラも横からの攻撃に気付き、パンツァーアイゼンで防ぎながら後退する。

 (ヤマト少尉!なにをしている!?)

 ナタルから叱咤の声が通信より聞こえる。

 そして上空ではアークエンジェルが近づいてきて、クリーガーがライフルで2機を牽制する。

 (戻れ!深追いする必要はないと言ったはずだ!)

 どうしていなかったのだろう。

 キラはその言葉に深く後悔する。

 クリーガーがやって来てストライクの手を掴み、上空へ引き上げる。

 「逃がすかー!」 

 デュエルのライフルで狙うが、上空のアークエンジェルの射撃に邪魔される。

 (よせ、イザーク。今は、下がるんだ!)

 ディアッカが援護しながら、今にも向かって行きそうなイザークを制する。すでにイージスはバッテリー切れを起こし、2機も残り少ない。

 未だ呆然と動かないイージスにもイーゲルシュテルンが降りかかるが、シグーディープアームズがイージスを守りながら防ぐ。

 (アスランっ!)

 そして、いまだ呆然と動かないアスランにも叱咤の声をかけた。アスランはいまだ手が震え、どうすることもできなかった。

 バスター、デュエルが下がり、イージスもシグーに抱えられるように下がっていった。

キラはその様子を、モニターで見て、そして爆散した1機の残骸にも目を向けた。

 (戦闘空域を離脱する!推力最大っ!)

 ストライクとクリーガーが着艦すると同時に、アークエンジェルは追撃が来ないうちにこの場から離れていった。

 

 

 

 

 

 彼らが去って数時間後…。

 1機の小型ヘリが島に着陸した。

 「さて…と。早いところ終えますか。」

 操縦席から降りてきて、まるで準備体操のごとく体を伸ばしたのはダンであった。彼はさきほど戦闘が行われた場所へと向かい、あたりの光景を見渡した。

 息を吸おうとすると、まるで熱気を吸い込んでしまったような、熱さと重さがあり口を覆う。ビームライフルを使用したためだ。

 MSの装甲を一発で打ち破るその威力は、流れ弾によって生み出された目の前の破壊を見れば一目瞭然だ。硬い岩や地面が粘土のように抉られていた。

 「これが…MS同士の戦闘か。」

 ここでは誰もいない無人島での戦闘であったが、もし人のいるところ、市街地であったらどうなっていたか…。

 想像しただけでも、嫌悪が走った。

 「というか…。」

 ダンは溜息をつき、ちょうどいい岩場に腰をおろした。

 「俺、せっかくの休暇になにやってるんだ?」

 はじめは、興味本位に、そして個人的にオーブのMSについて調べていた。すると、どこから嗅ぎ付けたか、かの組織に知れることになった。己が、かの組織としての仕事から離れて久しいが、やはり属する者。ゆえに、半ば使いパシリとして、調査することになってしまった。

 今回も、サハク家が戦闘で破壊されたG兵器を回収するために動いていて、先回りして情報を得るようにと言われここきたのであった。

 「けど、なんで()なんだ?」

 あの組織の力をもってすれば、軍の情報部やらどこにでも情報源はあるだろうに。

 「あの(おさ)め~。」

 どこか釈然とせず、腹の中がぐつぐつとしてきた。

 すると、彼の手元にあった通信機が鳴りだした。

 はじめはよもやこんな無人島にまで耳があるのかと思ったが、呼び出し音ではなかった。

 これは…。

 通信機を操作すると、なにか信号をキャッチしたようだ。

 救難信号のようだ。

 いったいどこからと、通信機を手に、信号元をたどっていくと、目の前にブリッツの胴体であったモノの前までやってきた。

 

 

 

 

 




あとがき
今回の4機の改造機を登場させるまでの話を少々…。
元々、大気圏外での戦闘を想定された4機ですが、やはりそれが足かせをなり原作では(まあ元々機体の特性を考えないでの戦闘もありましたが)1機のストライクに太刀打ちできませんでした。
原作でそれならば、飛行能力持ったMS2機いる状態じゃあさらに、ザラ隊無理じゃない?と思い、じゃあ大気圏内装備を付けようと思い至りました。
初期設定の段階では、作者独自の大気圏内装備の案がありましたが、ちょうどその頃、HDリマスターに合わせて、連載されたコミカライズ版に出てきて、そちらの方を出そうと思いました。とはいえ、そちらを出すには少々問題がありまして、イージス以外の3機はまだ雑誌面でしか設定のお披露目がされていない等々の理由で、多少変えています。
例えば、ブリッツがその例ですね。本当はあの鉤爪は強制放電の仕様になっていて、ゴールドフレームのマガノイクタチの前段階的な武装(エネルギー吸収はできない)になっているのですが、そもそもマガノイクタチの構想は中立国オーブの象徴を意識しているので、その系列の武器がそれ以外から出るのでは…と思い、万力タイプにしました。
個人的にはイージスとデュエルの武装は好きでした。
イージスはMA形態が戦闘機みたいで、まさしくガンダムの可変機的なカッコよさがあり、デュエルの場合、アサルトシュラウドで大気圏内運用は重量ありすぎな面もありましたから、これはこれでありかなぁと思っています。


最後に…
イージスは飛行形態で他よりも速いところで、思わず「3倍」とつけたくなっちゃいました。「赤い機体」だけに…。


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