狂人の面を被った小者   作:狂乱者

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第八話「少年狂気」

 

 シェーレ救出に失敗した後、タツミとブラート、レオーネが持ち帰った情報はナイトレイド内に冷酷かつ冷徹でありながら、空間が赤に染まる程の激情を生み出した。

 仲間であるシェーレに侮辱の極みを与え、人間の生を弄ぶ所業をしたジーダス一味に、彼らの殺意は爆発寸前まで膨れ上がる。

 それでもボスであるナジェンダは拳を振り下ろし、椅子にぶつける事で、ある程度の殺意を抑え、情報の整理を始めた。

 

 ギャオス四天王の戦闘能力は、そこまで高くない、という事。

 帝具持ちとの戦闘経験が浅い事を見抜いたボスは、彼らへの過剰警戒を悔いる。

 ジーダスへの襲撃を躊躇していた理由の一つに、ギャオスの存在があったからだ。

 しかし、ブラート、レオーネレベルならば無傷で勝利出来る、という事が分かったのは大きな収穫である。

 それでも彼らの化け物染みた生命力は危険である事に変わりないのだが。

 また彼らの持つ武具は文献にも情報が載っていないため、「未知の帝具」か「臣具」である、との判断が下された。

 

 ジーダスは「死者蘇生の薬」を生成している、という事。

 ありえない話ではあるが、シェーレが蘇ったこともある。

 上半身と下半身を切断された人間が死んでいない、という事はまずありえない。

 帝具による復活もありえず、これはとりえず保留される。

 

 ジーダス邸の地下は4階まであり、地下1階には大量の酒と薬、2階にはイリス・アーベンハルトの物であろう実験室と怪画制作室、3階、4階に至っては不明、という事。

 酒は常に飲んでいるジーダスの好みによる物だと推測されるが、薬は不明である。

 先程の死者蘇生薬である可能性も高い。

 3階、4階は全く不明であり、情報収集しようにも、自宅地下では難しい。

 この件も保留となっている。

 ただシェーレが死の間際に残した事から、重要である事は間違いない。

 

 以上の事が今回の任務で分かった情報である。

 既にジーダス宅は判明しているため、ナジェンダは早目に彼の存在を消しておこうと、準備を始めていた。

 レオーネが持ってきた他の情報により、エスデスが帝具持ちのみを集めた部隊を結成しようとしている事が分かり、その結成よりも早く決着を付けたかったのだ。

 ギャオスの二人が欠員している事も関係している。

 

 しかし、ナイトレイドが動く前に、エスデスの方が早く行動を開始してしまった。

 ナイトレイドを装い、次々と良文官を殺していく事件に対応せざるを得なくなり、結果、エスデスの三獣士を始末し、帝具の回収が出来たが、同時にブラートを失う事になった。

 インクルシオはタツミが継承し、彼の熱い魂と思いは幼い戦士に受け継がれる。

 

 戦闘力ではエスデスに次ぐ、とまで称されたブラートの喪失は大きな痛手であり、戦力増加のために、ナジェンダは革命軍本部に向かう。

 このためジーダスを後回しするしかなかったのだ。

 その間にも、狂人は怪画を生み出し、異常者共に売り捌いていく。

 

 またナイトレイドには不安事項が存在していた。

 レオーネの顔が、ギャオスにバレたかもしれない事である。

 レオーネに対峙したGと呼ばれる少女は、右腕を失い、身体に大型包丁が突き刺さっても死なない化け物である。

 この化け物は瀕死の状態のまま、地面の崩落に巻き込まれたため、死んだと推測しているが、その生命力故に、生きている可能性も勿論あった。

 最初はラバックが帝都内を歩き、手配書を探したが、一向に見付からなかった。

 襲撃から既に10日以上経過しているが、未だに手配書が配られる様子はない。

 これによりGが死んだと判断したナイトレイドは、一つの不安事項を消した。

 

 

 これがスカルノフ殺害依頼から、現在までのナイトレイドの動きである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝都 エスデス主催 都民武芸試合会場

 

 普段の楽しみが公開処刑ぐらいの都民たちは、久々に開かれた武芸試合大会に、心躍らせていた。

 死から離れ、己の技と技、力と力を競わせ、闘い合う、この会場では帝都に久しく、熱気を渦巻かせていた。

 実際はエスデスの恋の相手を見つける、という目的の元、開催されているだけなのだが。

 知らぬが仏。参加者と見物客は闘争の中で声を荒げていた。

 

 

「次の試合が最後の組み合わせですね」

 

 闘技場の最上階、特別席に座り、欠伸をしているエスデスの横で、整った美形青年であるランが告げる。

 決闘上のリングに上がる二人の少年に対し、司会者を買って出たウェイブが、マイクを使って試合を盛り上げる。

 

「東方! 露天商 アルビノ!」

 

 四季を全く考えない黒いコートを全身に羽織り、赤黒く長いマフラーをした、鋭い眼光の少年がリング上で、身動き一つ取らずに立っている。

 黒いセミロングの髪と、マフラーを口元まで巻き、目しか見えないその姿は、暗殺者を思わせるようであった。

 

「西方! 鍛冶屋 タツミ!」

 

 対するタツミも彼に劣るとも勝らない眼光で、相手を睨む。

 年端は同じくらいであるが、タツミにはナイトレイドに入り、様々な経験をして来た、という武器がある。

 一方の少年、アルビノの素性は不明だが、現状のタツミが簡単に敗北する事は無いだろう。

 

「(両方共、少年か……このタツミってのは年の割りに落ち着いてやがんな。結構な修羅場を潜ってきたと見える)」

 

 司会のウェイブは己の観察眼を働かせ、タツミを観察する。

 

「(アルビノは……未知数だな)」

 

 彼が未熟だからかどうかは不明だが、アルビノの実力は不明であり、それが一層、彼の強さの不明度を際立てている。

 

「はじめっ!」

 

 ウェイブの合図と同時に、タツミの後方に回ったアルビノの蹴りが、顔目掛けて放たれる。

 

「(速い!)」

 

 エスデスすら腰を上げ、アルビノの攻撃を褒める。

 しかし、彼女が気になったのはタツミのその後の行動も含まれている。

 

「ッ!」

 

 アルビノの蹴りを、腕を使ってガードするタツミ。

 少年の防御に黒髪の少年は、さして驚きもせずに後方に飛ぶ。

 直後、タツミの拳が今までアルビノの居た空間を突く。

 タツミの反応速度も中々だが、アルビノも上々である。

 

 飛んだアルビノが態勢を立て直す前に、タツミが彼に近づき、拳のラッシュを放つが、アルビノは全て紙一重で避けていく。

 一瞬の隙を突き、今度はアルビノが攻撃側に回るものの、タツミはアルビノの拳を、両手を使って捌いていく。

 お互いの一撃一撃が相手を気絶させる程の威力であるが、当たらなければ意味がない。

 攻守を交代し、攻防を続け、一分が経過した時、痺れを切らしたタツミが右手の拳に力を溜める。

 ここで攻撃するは無粋と考えたアルビノも同様に、右手に力を溜め、お互い、全く同じタイミングで拳を放つ。

 

 タツミの拳はアルビノの左頬に、アルビノの拳はタツミの左頬に。

 所謂、クロスカウンターという奴が決まる。

 盛り上がっていた会場も、この時ばかりは静まり返った。

 

 拳を振るい、拳を受けたまま動かない2人。

 一瞬の時が、何時間にも感じたが、やがてアルビノの顔が笑う。

 

「……やりやがる」

 

「……お前こそ」

 

 言葉を交わした後、タツミ、アルビノ双方は後方に下がり、距離を取る。

 会場に熱気が戻り、最高潮へと盛り上がっていく。

 

 

「凄まじいですね。あの二人」

 

「……あぁ」

 

 最上階のランの言葉に、上の空で返すエスデス。

 今、彼女の心は2人の少年で埋め尽くされようとしていた。

 しかし、まだ足りない。

 彼女の心を射止めるには、あと一つ、何かが欠けていた。

 

 

 再び地面を蹴り、跳躍で距離を詰める二人の少年。

 アルビノの横薙ぎをタツミはしゃがんで交わし、タツミの足払いをアルビノは僅かに跳ぶ事で避ける。

 一進一退の攻防は、今度は5分に渡って繰り広げられた。

 

 やがてお互いが一定の距離を取り、肩で息をし始めた頃、一迅の風が吹き、アルビノのマフラーの先端が、彼の顔に掛かる。

 この隙を見逃さなかったタツミは距離を詰め、腹部に強力な蹴りを喰らわせる。

 だが攻撃を耐え切ったアルビノは吹き飛ばず、タツミの足を両手で掴むと、投げ飛ばそうと身体を動かす。

 しかし、身体が浮き上がった瞬間、アルビノの力を見極めたタツミのもう片方の足が、彼の米神にヒットし、脳の振動により、アルビノは倒れる。

 同時に、足を持たれていたタツミも地面に背中から着地する。

 

「そこまで! 勝者! タツミ!」

 

 右手を挙げ、試合終了を宣言するウェイブ。

 

「いっつつ……」

 

 立ち上がり、背中を擦るタツミに全ての観客たちが声援を送る。

 その中には彼に武芸試合大会に出る事を進めたラバックとレオーネの姿もある。

 全員の声援を受け、タツミの顔は自然と笑んでいた。

 

「やったぜ!」

 

 

 彼の笑顔は、欠けていたピースを嵌める事となる。

 トクン……と高鳴ったエスデスの顔は乙女そのものとなり、ゆっくりとリングへと続く階段を降りて行く。

 

 エスデスが階段を降り始めると同時に、アルビノは起き上がり、座ったままで周囲を見渡す。

 

「……負けた……か」

 

 敗北したにも関わらず、何処か爽やかな表情なアルビノは、立ち上がり、タツミに拍手を送る。

 気付いたタツミに彼に近づき、声を掛ける。

 

「おめでとう。お前の勝ちだ」

 

「いや。お前も凄かったよ。アルビノ」

 

「謙遜するな。お前は俺より上。それだけだ」

 

 右手を差し出すアルビノに、タツミも右手を差し出し、握手を交わす。

 

「(強いし、嫌味の一つも言わない……こんな奴が帝都にもいるなんてな……)」

 

 アルビノの印象は最高であり、タツミは彼の様な人間が、帝都にいることを驚き、悔やんでいた。

 その時、背後でエスデスがリングに上がる音がする。

 すぐにアルビノは握手を止め、少し後ろに下がる。

 

「タツミ……といったか。良い名前だ」

 

「ど、どうも……」

 

 エスデスを目の前にし、タツミはブラートの死を思い出し、唇を引き締める。

対する将軍様は胸ポケットを探りながら、タツミを見る。

 

「今の勝負、実に鮮やかだった。褒美をやろう」

 

「ありがとうございます」

 

 優勝賞金を故郷への仕送りにしようと参加したタツミは、貰える物は当然、金と思っていた。

 だが、エスデスは恥らいのある笑顔を見せながら、タツミに鎖付きの首輪を嵌める。

 

 

「今から……私のものにしてやろう」

 

 

「……え?」

 

 急展開に付いて行けないタツミにエスデスは笑顔のまま、タツミを引き摺る。

 叫ぶタツミの首筋に軽く手刀を食らわせ、気絶させると、今度は抱きかかえたまま、リングから降りようとするエスデスに一抹の殺意が向けられる。

 

 彼女の背後には、目付きをギラつかせた蹴り態勢のアルビノが迫っていた。

 エスデスは驚く事もなく、振り返り、片足のみで少年の蹴りを相殺してしまう。

 

「……何のつもりだ?」

 

「タツミは嫌がっていた。それは拒否を意味する。ならば敗者である俺は、勝者のタツミを救い出す使命がある」

 

 将軍が向ける殺意には全く怯まず、タツミを返せと言う少年に、エスデスは多少の興味を抱く。

 されど、自分に手を上げようとした者に対して、彼女は容赦などしない。

 

「……良いだろう。この世は弱肉強食。そのマフラーの様になっても文句は言うなよ?」

 

「何……?」

 

 アルビノがマフラーの先端を見ると、僅かながら凍り付いており、エスデスが足で地面を軽く鳴らすと、先端は粉微塵となって砕け散った。

 

「――――――!!」

 

 刹那、殺意に満ちた眼光でエスデスを睨んだアルビノが、タツミと戦った時には比べ物にならない速度で蹴りを放つ。

 

「ほう!」

 

 またも蹴りで相殺し、力のままアルビノを吹き飛ばす将軍エスデス。

 地面に着地したアルビノは獣の様な四速歩行のまま、水色長髪の女性を睨み続ける。

 数秒が経過した後、少年は手刀を作り、一直線に敵へと突っ込む。

 一方のエスデスはタツミを降ろし、右手を差し出す――――

 

 

 

 

「全く。ハシャギ過ぎですよ」

 

 

 

 

 瞬間、ジーダスが二人の間に割って入る。

 アルビノの蹴りを片手で受け止め、エスデスの地面を這う氷を足踏みの衝撃だけで掻き消してしまう。

 非常識な光景に観客たちは驚愕する。

 

「すみません。エスデス将軍。コイツは私の手の者でして……帰ったら躾けておきやすので、ご勘弁願いません?」

 

 アルビノの足を掴み、容赦なくリングに叩き付けながら、ジーダスは笑顔で謝罪する。

 エスデスは敵に向ける冷酷な視線を狂人に向けるも、すぐにタツミを抱きかかえる。

 

「今回だけは大目に見よう。だが、次に来た時は……」

 

「ありがてーです。感謝ですよ。さ、帰りますよ。アルビノ」

 

「うるせぇ……ソイツは俺のマフラーを壊しやがった……あの子から貰った大切なマフラーを……!! アザ……ガハッ!!」

 

 叩きつけられた事により、顔面から血を流しながらもしゃがみ込み、何かを叫ぼうとするアルビノであったが、その前に吐血してしまう。

 まるで体内で何かが暴れ、言葉の先を言わせない様に。

 

「ジーダス……テメェ……ッ!!」

 

「馬鹿でやがりますねぇ。勝手にやらせる訳ないでしょう」

 

 そんな少年の悪態に嫌気が刺したのか、彼以上の速度で近づき、頭を掴むと、そのままリングの床に叩きつけるジーダス。

 白目を剥き、気絶した少年を引き摺り、ジーダスは将軍に一礼し、去っていく。

 

 反対側ではエスデスが愛おしい瞳で気を失ったタツミを見ながら、宮殿に向かう。

 残された観客は展開に着いていけず、ラバックとレオーネは顔を見合わせる。

 

「な、何がどうなっているんだー!?」

 

 

 

 

 また武芸大会はエスデスが帰った事により中止。

 優勝賞金はとりあえずタツミの物となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕刻 ギョガン湖 砦入り口

 

 

「じゃ、じゃあ、これで頼むぜ……」

 

「はいはい。承りました。ご安心を。皆さんの安全は保障します」

 

 帝都から南東に位置するギョガン湖と呼ばれる湖周辺の砦にて、鉄仮面を被った男が、ジーダス・ノックバッカーに大量の金が詰まった袋を渡していた。

 狂人は笑顔で袋を受け取り、上記の言葉を発する。

 

 今回、彼は単独で山賊の砦に乗り込み、数人を惨殺した後、無理矢理に会談の場を設けたのであった。

 会話の内容は「金と引き換えに、山賊たちの安全を保障する」というものである。

 いきなり仲間を殺された山賊たちは怒り狂うものの、ジーダスとの力量さに圧倒され、仕方なく、交渉に応じるしかなかったのだ。

 思案など必要ない、暴力による脅し。

 内容は守る気などないだろう、という事は誰にでも想像出来たが、それでも逆らう事は出来なかった。

 それこそが強者の特権なのだから。

 

 

 袋を担ぎ、砦を後にしたジーダスの前に、数人の人影が見えた。

 数日前に会った面々である、イェーガーズのメンバーである。

 

「あ! ジーダスさん!」

 

「げ。じゃなかった。どうも。イェーガーズの皆さん」

 

 先頭を歩くセリューがジーダスを見つけ、駆け寄ってくる。

 先日の一件により、彼女はすっかり「彼が正義を信奉している」と信じ込んでしまっている。

 故に、こうして笑顔で挨拶出来るのだ。

 

「此処は悪の蔓延る危難な場所ですよ? 早く私たちの後ろへ!」

 

「え、あ、ちょ……」

 

 珍しく戸惑うジーダスの背中を押し、無理矢理後方に並ばせる。

 彼女は善意でやっている事であり、流れの主導権を完全に握っていたために、仕方なく、逆らわずに並び歩くジーダス。

 彼の持つ袋をクロメが怪しそうに見ていたため、「食べ物ではない」とだけ告げておいた。

 

 

「また金稼ぎ? アンタも好きねぇ」

 

「仕方ねーですよ。最近は良い顧客がどんどん死んでやがりますので」

 

 この間は友人の間柄であったバックがナイトレイドによって殺されてしまった。

 最後に会ったのはオーガを売り飛ばした時のオークション会場だったため、約束を破ってしまった事を思い出す。

 しかし、死者の事などどうでも良いジーダスは、すぐに目の前の状況にどうするか考え始める。

 

 セリューを先頭に歩くイェーガーズの最後尾で、ジーダスとスタイリッシュは小さな声で会話をしていた。

 この会話内容をセリューに聞かれると、また一悶着ありそうだからだ。

 

「そうそう。あの子たち。私の好きにして良い訳?」

 

 ふと、スタイリッシュは思い出したかの様に、あの子たち、JとGの事に話題を移す。

 色町で瀕死の重傷を負った2人だが、ある程度は回復したため、現在はスタイリッシュの元で、新たな身体を調整して貰っている所なのだ。

 当然、JとGの2人はスタイリッシュの下にいる。

 

「えぇ。実験事故で死ななければ、ご自由に」

 

「んま。私がミスをすると思ってるの? この「神ノ御手 パーフェクター」を持つ、この私が!」

 

 両手に電子的部品を搭載した手袋らしき帝具を見せつけながら、ポーズを決めるスタイリッシュに、イェーガーズの全員が振り返り、彼を見る。

 ジーダスは呆れながら、苦笑いをするしかなかった。

 

 そうしている間に、山賊たちの砦は目前まで迫ってきていた。

 

 

 

 

 圧倒的。

 その言葉だけで現状は片付いてしまう。

 

 セリューの両腕は「十王の裁き」と呼ばれる様々な武器へと変貌し、敵をなぎ払い、クロメの帝具「八房」と呼ばれる日本刀が、敵を次々と切り裂く。

 ウェイブは生身の蹴りで敵兵を倒し、ボルスの帝具「ルビカンテ」、火炎放射器が、水程度では消えない炎で山賊を焼き殺す。

 イェーガーズの強さに逃げ出そうとした奴らの額を、ランの翼の帝具「マスティマ」が射抜いていく。

 

 強者による絶対的な蹂躙を、少し離れた岩場で見ていたエスデスとタツミ。

 タツミはイェーガーズの力に呆然とし、エスデスはタツミの一挙一動に胸を高鳴らせていた。

 

 様々な人間が己の行動をしている中、狂人は一人、ポケットから取り出した錠剤を空に放り投げた後、口でキャッチし、飲み込んだ。

 

 

 


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