ユウキが行くSAO   作:雪零

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1週間過ぎてしまった…そして攻略会議が遠い…

グダグダだと思いますがご容赦ください


アルゴと行くpart2

sideユウキ

 

「「「ギルドを作ってくれ!?」」」

 

急にアルゴがそんなことを言い出した。ギルドって…そもそもギルド作成のクエストなんてまだ出てないよ…?

キリトもやっぱり同じ考えみたいで

 

「いや、アルゴ…ギルド設立のクエストなんて発見されてないし、βテストの時もそれがあったのは3層だったはずだ」

「暫定でいいんダ。『ギルドを作る』っていう姿勢を保ってくれればナ」

「どういうこと?ボク達には知名度なんてないし、そんなことしても意味ないと思うんだけど…」

 

それこそ「ふーん」で流されて終わるような事だ。話のタネにもならないんじゃ…

 

「まあ、メリットいろいろあるんだけどナ。とりあえずは一つ、勘違いを訂正しておくヨ」

「勘違い?」

「そうダ。知名度云々ってところのナ」

「???」

 

ボク達はそろって頭に?を浮かべる。え?まさかボク達って物凄く有名だったりするの…?

 

「アーちゃんはともかく、キー坊とユーちゃん。ふたりは相当有名だゼ。アーちゃんも知る人ぞ知る、ってくらいには有名人ダ。あ、勿論悪い意味じゃなくナ」

 

やっぱりそうなんだ…。っていうかアスナまで。んーっ!嬉しいような照れくさいような…でもやっぱり嬉しいね!

そんな風にボクが内心小躍りしてると、隣に若干青い顔の人物が一名。言うまでもなくキリトだね。

コミュ障気味なキリトには「実はアナタ有名人です」なんて報告、嬉しくないか…

ボクは結構嬉しいんだけどなー。ALO時代にデュエルの宣伝とかしてたからなれちゃったのかも。

アスナも微妙な顔。やっぱり喜んでるのってボクだけなのかな…ちょっと寂しい。

 

「ユーちゃんはともかく、キー坊とアーちゃんは嫌そうだナ」

「当たり前だろ…。第一、なんで俺が有名なんだよ。悪名ならわからんでもないが、いい方向で有名になるようなことなんてした覚えないぞ」

「ボクも同意見かなー。確かに危ないプレイヤーを何人か助けたりしたけど、それだけでそんなに有名になるとは思えないし…」

「私も心当たりなんて全くないんだけど…」

 

ボク達は三人そろって首を捻る。なんでそんな有名に…。っていうかその前に

 

「アスナ。アスナが有名な理由ならボク知ってるよ?」

「え?本当?」

「うん。キリトにも言ったと思うけど、前線に出て戦ってるプレイヤーには知ってる人も少なくないんじゃないかな?『凄腕の細剣使い(フェンサー)がいる』って」

 

キリトもボクに聞いた話を思い出したようで、あーそういえばそんなことも…。なんて言っている。あの時言ったことは全くの口からでまかせなんかじゃなくて、割と真実なんだ。ただ、アルゴから情報を買う前から知っていたってだけでね。

一方、アスナは初耳だったようで、それを聞いて顔を赤くして蹲っている。うう、可愛い!思わず抱きしめたくなっちゃうよ!

 

「…なんだろう、今少し寒気が」

 

すぐに持ち直してしまった。さすがアスナ。自分を律するのが上手だね。うん。決してボクが邪なことを考えたのを察知されたわけじゃないから。察知されたわけじゃないから!

 

「それで?アスナはわかったけど、俺たちはどうしてなんだ」

 

それはボクも気になる。『前の』アスナによると、キリトはずっとソロだったって言ってた。つまり、このアルゴからの頼みは存在しなかった、もしくは断ったってこと。だけど、キリトがずっとソロだったのは、キリトがニュービーからβテスターに向けられた恨みを一身に背負ったからだとも聞いてる。それも踏まえて考えると、そんな事件がまだ起きてないことから見ても、断る理由のないキリトがこのときアルゴの話を断った可能性は低いと思う。…コミュ障を理由に断った可能性も残ってるけど、割とお人好しのキリトが、女の人の頼みをそんな理由で断ったりはしないと思う。キリトっていわゆる『天然ジゴロ』ってやつだし。最近だと『一級フラグ建築士』とも言うんだっけ。…この2週間だけでもかなりやらかしてたもんね。コンビ組んでるボクをほったらかしにして。…って、思考が盛大に逸れてる逸れてる。

 

ともかく、『前の』キリトがこの頼みを受けてないと仮定すると、頼みを持ち掛けられた、つまりプレイヤーたちに有名になった理由はボクにあるって考えた方が良さそう。勿論、ボクがいなくてもこの世界では『そう』なるんだって言われると反論できないけどね。その場合どうしようもないから可能性からは除外。

ボクがこの世界でやったことを、順に洗い出していこう。特にキリトに関係することと言えば…

 

①キリトとはじまりの街で出会って一緒に狩りへ

 

うん。この時点でもう行動が違うのは確定だよね。『前』はボク、SAOにログインすらしてなかったし。そもそも年齢が…ゲフンゲフン。

 

②一緒にクラインにレクチャー

 

③はじまりの街から出るときにキリトについていく

 

④一緒にホルンカへ

 

⑤クエスト『森の秘薬』『森の守護者』クリア

 

⑥時々プレイヤーを助けつつトールバーナへ

 

⑦迷宮区でアスナを助け、今に至る

 

 

うーん…確かにちょくちょくキリトの行動に干渉してるけど…それによって有名になる要素が見えない。もう諦めてアルゴに聞こうか。う~なんか凄い敗北感…

 

「ボクも考えてみたけど、全然わかんないや。アルゴ教えて~」

「ユーちゃんに頼まれたんじゃ仕方ないナ。教えてやるヨ」

「それは俺だったら教えないってことなのか…」

 

なんかキリトが落ち込んでるけど、ほっとこう。今は理由を聞くのが先だよね。

 

「クラインってプレイヤーに心当たりはあるカ?」

「クライン?うん。今もちょくちょく連絡取り合ってるけど…それがどうかした?」

「そいつがナ、はじまりの街でレクチャーしてるんだが、レクチャーした相手に必ず伝えてることがあるんダ」

「「伝えてること?」」

「『情報源はβテスターのキリト。それと相棒のユウキってプレイヤーだ』ってナ」

「「なっ!?」」

「あ、それ、私も聞いたことある」

「「ええっ!?」」

 

驚愕の事実。原因はクラインだった。

っていうか、アスナ知ってたんだね…なんで教えてくれなかったのさ。

 

「あ、あははは。はじまりの街にいたころは、私いっぱいいっぱいで…。そういう噂があったなーってくらいにしか知らなかったから。キリトとユウキって名前も聞かなかったし」

「ちなみに、どんな噂だったんだ?」

「えっと、確か…『情報提供してニュービーの手助けをするプレイヤー達がいる。情報源はβテスターとニュービーのペアらしい』って」

「まあ、大体そんなとこだナ。アーちゃんは名前で伝わってない方の噂を聞いたみたいだけどナ。他には『キリトとユウキってプレイヤーが率先して情報を集めてみんなの手助けをしている』とか、『キリトとユウキは、βテスターとニュービーの垣根を取り払うためにβテスターとニュービーでパーティを組んで、手を取り合えと示唆している』とかだナ。あとは、実際にキー坊達に助けられたプレイヤー達が、体験談を広めてるらしいゾ」

「クラインのやつ…余計なことを…」

 

まさか、クラインがねー…。まあ、理由は大体察しがつく。

多分、βテスターにもいい人がいるっていう事を示して、プレイヤー間の摩擦を減らすのと、もう一つは…

 

「そういってやるナ。多分、これもキー坊の為なんだからナ」

「俺の為?どういうことだ?」

「この話が広まれば、少なくともキー坊がβテスターってだけで疎まれることはなくなるだロ?」

「あ…」

 

やっぱりアルゴもそう考えたんだね。後でメッセージでも送ってクラインに確認しておこっと。

…フフ、クラインが照れて悶絶する様子が目に浮かぶね♪

しばらくその暖かい空気を堪能していたボク達だけど、そこでアスナがおずおずと切り出した。

 

 

「あ、あのー。キリト君とユウキが有名人なのはわかったけど…それがギルド設立にどう関わってくるの?」

「「「あ…」」」

 

ボクとキリトとアルゴはそろって間抜けな声を出す。完全に本題を忘れてたね…。

 

「そ、そうだよアルゴ。ボクたちが有名なのがどうギルド設立に関わるのさ」

「ま、一言で言っちまえば攻略の為だナ。今言った通り、キー坊とユーちゃんにご執心の前線プレイヤーは割と多イ。ソイツらが無所属で放っておかれるよりもキー坊達がまとめちまった方が足並みが揃うからナ」

 

なるほど。確かにそうかもしれないけど…でもそれなら3層まで進んでからでも構わないんじゃ?

今から「ギルドを作る」なんて宣言しても…そりゃ、人員募集にはなるだろうけど、やっぱりそれだけだ。

そんな疑問を察したのだろう。アルゴが説明を続ける。

 

「今からギルド設立の姿勢を見せる訳は、キー坊達の安全のため、いや、βテスターとニュービーのこれ以上の確執を防ぐ為ダ」

「えーっと、さらに訳が分からないんだけど…」

 

クラインのおかげ(?)で確執は減ったんじゃ…

 

「いくらクラインのおかげでだいぶ改善されたって言ってもナー。まだまだβテスターを疎んでるやつは多イ。それに、問題はそれだけじゃないんダ」

「聞かせてくれ。アルゴ」

「ああ。キー坊達が有名になった経緯はさっき話したロ?そのせいで…って言うとクラインが悪いように聞こえるがそうじゃなイ。ようは、キー坊に嫉妬するβテスターがいるんダ」

「は?嫉妬?なんで」

「『自分たちがニュービーに疎まれててやりにくいのに、一人だけ楽しやがって』みたいな感じだナ。ニュービーからも『所詮βテスターのくせにいい気になるな』って声があがってル」

 

逆恨みと八つ当たりだし…。でも、なんでアルゴがギルドを作れって言ったのかはこれでわかった。

アルゴが警戒してるのは、反発するプレイヤー達によるキリト(とついでにボク)の攻略阻害。あと、それに伴うプレイヤー間の確執。ボク達の邪魔をすれば、逆にそれを快く思わないプレイヤーも出てくる。そうなったら泥沼になっちゃうからね。

露骨に邪魔してくるかはまだわからないけど、少なくとも、ボク達が評価されるのが気に入らないプレイヤーが、このまま最前線にボク達を置いておくことはしないと思う。なんらかの形でボク達の邪魔をしてくるはず。

それを防ぐには、今のうちにボク達を慕ってくれてるプレイヤーに声をかけて、ギルドができるまでの間所謂一つの勢力を作ること。そうすれば、それをまとめるボクたちは攻略のためにそれなりに重要なはず。確執を埋められるかはわからないけど、足を引っ張り合うようなことにはならなくなる…と、思いたい。

それに一番問題なのが、それをしないと…

 

「PK、か…」

 

…やっぱり。ボクと同じことに思い至ったらしいキリトが、そう呟く。アルゴもそれに頷く。プレイヤーが直接手を下さなくても、MPKなんて手段もあるし、確率は低くないと思う。アスナはよくわかっていないのか、首をかしげていた。うん。可愛い…じゃなくて、キリトはネットゲーマーとしての経験から、ボクは前の世界の情報からPKに思い至ったけど、アスナには考えもしないことなんだろうな…。HPが0になったら、現実でも死に至るこの世界で、同じプレイヤー同士で殺し合うなんてことは。ボクだって信じたくないけど、実際にそういうプレイヤーがいる以上、警戒しなきゃいけない。

 

「…お話を遮って申し訳ないんだけど」

「…うん。何でも聞いてよ」

 

アスナもボク達と一緒にいるなら、知っておかなきゃならないことだから。ちゃんと説明しよう。

 

「…PKって、なに?」

「「「そこから!?」」」

 

…どうやら説明はまだ長引きそう。

 

 




ユウキ「…あとがき、かー」
キリト「テンション低いな。こんなこと言い出したときはいつもハイテンションなのに」

ユウキ「作者のテンションがこんなだから…じゃないや。ほら。本編でボク、割と場を和ませようと必死なのに、話題的にシリアスになっちゃうから。…ボク頭使うより戦ってるほうが性に合ってるんだよねー」
キリト「俺も戦ってた方が気が楽だな…。ってか、どの辺が和ませようとしてたんだよ」

ユウキ「そこはほら…地の文とか?」
キリト「他人の心なんて読めるか!」

ユウキ「えっ!?ボクって他人なの!?」
キリト「いやそこじゃないだろ」

ユウキ「ひどいよキリト…大事な相棒だと思ってたのに…」
キリト「あ、いや、俺もその、ユウキには感謝してるし、えーと」

ユウキ「キリトがデレた!」
キリト「わざとかよわかってたよチクショウ!」

ユウキ「残念だったねーキリト。どれくらい残念かというと、家にあるラノベ整理してたら被ってたのが3冊分くらいあって落ち込んでる作者くらい残念」
キリト「それはなんか方向性が違う」

ユウキ「じゃあ、某推理アクションゲームの残姉ちゃんくらい?」
キリト「これって起こった出来事が残念って話で、人間性が残念って話じゃないよな?それとも俺自体が残念って言いたいのかそうなのか」

ユウキ「やだなー冗談だって。ほら落ち込まないで」
キリト「」

ユウキ「うごかなくなっちゃった…まあそうそろそろ(文字数的に)いい時間だしこの辺でおしまいだね。ではまた次回!
















…攻略会議まだかな~」
作者「頑張るからもう少しまってお願い!」

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