ガンダムGジェネレーションオンライン   作:朝比奈たいら

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第三章『インパラの親友、インパラが親友』(1)

 

 

地球連邦軍本部ジャブロー。

それがいったい基地なのか、要塞なのか、はたまた都市なのかは形容しがたい。

分かっているのは、南米アマゾンの地下に存在する

巨大な施設の集まりであるという事だ。

その巨大さから、連邦軍の上層部でも全容を把握出来ていないと言われる。

 

そんなジャブロー基地に、一人の男が居た。

名を†白銀のインパラ†という。

厨二臭いハンドルネームであるが、ごく平凡な顔をした青年だ。

 

第二次降下作戦の前日、

インパラは基地に《ミデア輸送機》が駐留しているのを見つける。

そのミデアにはガンキャノンが三機ほど積み込まれていた。

この時点でガンキャノンとは結構やり込んでいるプレイヤーなのだろうと思ったが、

それよりも気になったのはガンキャノンが三機分という事である。

インパラは所持者であろうノーマルスーツ(パイロットスーツ)の男に声をかける。

 

「失礼、このガンキャノンを積んだらミデアは飛べないのではないか?」

 

ノーマルスーツの男はその意味を理解出来ず聞き返す。

 

「何故だ?」

 

「小説版ジオニックフロントでは、

 ガンダム6号機《マドロック》がミデアで運べなかった。

 ガンキャノン三機となれば、それは重量オーバーであろう」

 

「いや、そんな事ない。

 このゲームでは通常サイズならミデアは三機まで入るはずだぞ」

 

返答を聞いて、インパラはゲームの運営に対し

小説版を読んでないのかと心の中で舌打ちをした。

まぁ、そこまで細かい事には頭が回っていないのだろう。

 

「そうか、すまない。

 では君、私の部隊に入ってくれ」

 

「いきなり何を言い出すんですかねぇ……」

 

突然の勧誘に男は憮然とした表情になる。

インパラはそれに気付いているのかいないのか、

男の好意的ではない顔を見なかったかのように振舞う。

 

「私は銀色をパーソナルカラーにしているのだがね、

 一応連邦一のエースを目指している。

 だというのに、仲間が全部抜けてしまったのだよ。

 せっかくザニーも買ってやったというのに」

 

不遜な態度で言うインパラを見て、男はすぐ状況を理解した。

ああ、この男は頭がちょっとおかしい人なのだなと。

彼が部隊長をやっているというのは解ったが、

恐らくその隊員達はこの男の無駄に偉そうで理屈の通らない部分に嫌気が差したのだろう。

少なくとも自分だったら、誰もこの様な人物を部隊長としたいはずが無いと思う。

ノーマルスーツの男は溜息を吐くと、厄介な上官を諭す様に言った。

つまり、めんどくさそうな雰囲気を隠さず返したのだ。

 

「残念ながら、俺は部隊に入るつもりはないんですよね。

 一人でモビルスーツをコレクションするのが趣味なんで。

 それに多分、あんたよりエースの部隊も知ってるんで」

 

「何だと? ニュータイプの私より強い奴がいるというのか」

 

ニュータイプってあんた……と男は呆れる。

本当になりきりプレイをしているのかは知らんが、

とりあえず予想以上に狂った人物だというのは理解出来た。

 

「ええ。いますよ。イドラ隊っていうんですがね」

 

 

 

ノーマルスーツの男

――名を『フォイエン』というらしい――をほぼ強制的に近い形で案内役にさせ、

インパラはイドラ隊の部隊ルームへと到着する。

 

「どうもフォイエンさん。そちらの方は……?」

 

「ぜひイドラ隊に会いたかったらしいですよ」

 

隊員の一人がフォイエンに挨拶をするが、当のインパラは困惑していた。

このイドラ隊とかいう部隊のメンバーが全員女だったからである。

半分辺りが中学生とかそこら辺であろう。

大学生くらいの娘も居たが、明らかに小学生だろうという子も居た。

この様な子供達がそれほどのエースなのだろうか。

そんな事よりも問題なのは、この娘達が全員美少女であった事だった。

いかにもロリコン好きされそうな少女からお姉さん系まで、

シーマでなくともよりどりみどりと言ってしまうだろう。

 

「ちわっす! イドラ隊に入りに来ました! よろっす!」

 

「はぁ!?」

 

フォイエンはインパラのテンションの変わり具合に驚く。

フォイエンと話していたイドラ隊の中で唯一メガネをかけた女がインパラを手で制す。

 

「あの、私達は身内の部隊でして他に人を入れるつもりはないんですよ」

 

「むう……」

 

インパラは本気で悩む。

自分はエースとして戦局を左右する予定の人物だ。

となれば、やはり自分が部隊長を務めるべきであろう。

イドラ隊は身内の部隊だと言うし、

そうなればさすがに関係者ではない自分がイドラ隊の部隊長にはなれない。

勧誘も入隊も出来ないとあれば……

 

「頼みがある。君達イドラ隊に入るのは諦めるが、

 個人的にフレンド登録を受けてもらえぬか。

 そちらが望むなら出来る限りの支援もしよう」

 

こいつは目的を見失っているのではないか、とフォイエンは思う。

てっきりエースの座をかけて対戦でもするのかと思ったが。

 

「いきなりそう言われましても……」

 

「いいじゃんリュイ姉ちゃん、フレンド登録ぐらい。

 ネトゲは人が多い方が楽しいよ」

 

「でもアリエル。知らない大人には付いて行かないのが常識だよ」

 

「だけどマリエル。知ってる人以外と付き合わなかったら

 友達の輪は広がらないんだよ」

 

メガネの女性と、双子の姉妹と思われる小学生の二人がそれぞれの返答を返す。

とりあえずインパラは会話からイドラ隊員の名前を記憶しにかかった。

十数人のメンバー全てをすぐ記憶出来るわけはないので、

まずは雰囲気と名前を一致させようとする。

 

イドラ隊のメンバーはインパラの前にも関わらず、

遠慮なしに彼をどうするか議論を始めた。

最初は否定的であったメンバーも、

隊員としてではなく個人的なフレンド登録という事を鑑みて

特に問題は無いという結論に達した。

 

「よし。リーダーである私が許可します」

 

「カナル、リーダーって言いたいだけなんじゃないかな」

 

頭に赤いリボンを付けた部隊長が仲間の声を無視して承認すると、

インパラは嬉しそうに「やりぃ!」と声を上げた。

先程までの気取った雰囲気はどこに行ったのだと、フォイエンは呆れてみせる。

インパラがフレンド登録を行う為メニューウィンドウを操作すると、

フォイエンの目の前にメッセージが現れた。

それはフレンドになる為の申請が届いた事を示している。

 

「……俺はイドラ隊員ではないんですが」

 

「君もイドラのフレンドだろう?

 友の友は友だよ。

 ついでであるし、君も結構なプレイヤーだと見るが」

 

そもそも、インパラにとってはそれが本命であった。

周りがジムとかザクだとかを使っている現状で、

ガンキャノンを三機も持っているプレイヤーはそうそう居ない。

先程の脈絡の無い勧誘も、彼からしてみればごく当然のスカウトであった。

 

また厄介な知り合いが増えたなぁと思いつつ、

フォイエンはフレンド申請を許可した。

自分が友人を選べる立場だと思うほど自惚れていない。

そう信じたいという意味が、少しはあったのかも知れない。

言い訳を作るほどには、彼は人として強くなかったのだろうか。

自分の全てが分かるわけではないのは確かであった。

 

 

 

「ガンダムアライブだと? 漫画版か何かか?」

 

インパラはイドラ隊と自己紹介を終えてしばらく談笑した後、

フォイエンのマイルームへ乗り込んだ。

どうやら彼はオリジナルMSを作る事や、機体のコレクションがゲームの主目的らしい。

イドラ隊のMSも彼が改造を担当しているとの事であった。

 

「違う、機体の名前だ。

 最も、《ガンダムアライブ》という名前しか決まってない。

 正式サービスになるまでは大きな改造は出来ないからな。

 だというのに、随分無茶な要求をしてきている。

 他にもガンキャノンの改造も頼まれたが……これがその設定だ」

 

フォイエンは数ある設計図の中から一つを選ぶ。

設計図と言っても、大まかな特徴が書いてあるだけの物だ。

それを見たインパラは少しばかり驚いた顔をする。

自分とてオリジナル機体は作る予定であるが、

原型が行方不明な事に関してはその設計図と共通していた。

 

「エールステップ隊オグレス発案、《ガンキャノンアライブ》。

 武装が両肩1200ミリキャノン砲と大型ビームサーベルに、

 装甲の倍化……ガンキャノンの装甲が倍化だと?」

 

「ぼくのかんがえたさいきょうのもびるすーつ。

 と、今時小学生でもそんな無茶な発想はしないと思うとな。

 エールステップっていうイドラ隊と親交のある部隊から言われたんだが、

 今の段階ではそんな機体は作れん。

 仮に正式サービス後に作れたとしても機体は大型化するだろうな」

 

ドムのジャイアント・バズーカを受けても

致命傷とならないガンキャノンの装甲をさらに倍にするという。

それだけでなく、メイン武装は1200ミリだ。

120ミリの間違いかと思ったが、どうやら本気で桁違いの兵器らしい。

なお、1200ミリといえば120センチであり、

旧世紀における戦艦大和の主砲、46センチ主砲の三倍近い口径である。

 

しかし、これはゲームであるからして現実ほどコストを考える必要が無い。

求められるのは性能を抑えた量産機ではなく、ワンオフの強力な機体である。

そう考えれば、こうした常識外れの機体も理に適っているという見方も出来なくは無い。

 

「このオグレスという人物にも興味が出てきたぞ。

 この機体、悪くないかもしれん」

 

「止めておけ。これ以上変人同士がくっついてどうする。

 ともかくガンキャノンアライブはガンダム6号機の

 300ミリキャノン程度で我慢してもらおうと思おうとな。

 ガンダムアライブは……後で考える」

 

フォイエンとて整備兵やMS開発者として自分の技術を試したいとは思う。

しかし現状で無茶をするのは躊躇われた。

彼はインパラとは反対に、量産性を消してしまうべきではないと考える。

もし撃破されればまた一から作らねばならないし、

そうするとプレイヤーの金を喰う事になる。

コストを抑えつつ敵軍の主力より性能を上回る。

今初めて、ザクに対抗してジムを作り出した

連邦技術部の優秀さに気付かされたのであった。

 

「明日だ。300ミリでいいから、明日までに

 このガンキャノンアライブとやらを完成させてくれ」

 

「ちょっと何言ってるか分かんないっすね……」

 

「悪くない機体だと言っただろう。

 私がテストパイロット役をやると言っているんだ。

 明日の第二次降下作戦時に間に合えばいい。

 イドラ隊のデータを見たが、君の作った機体は優秀だ。

 つまり君が優秀だという事だよ」

 

イドラ隊のジムはどれもパイロットに合わせてカスタマイズされている。

中でも高機動型に改造されたオレンジ色のジムは

元がただのジムだというのにライトアーマー以上の機動力を持っている。

パイロットの技量や特性に合わせてベストな機体を作り上げるのだから、

フォイエンという人物は優秀だと言った。

ストレートに褒められたフォイエンは戸惑いつつも、悪い気はしなかった。

メニュー画面を開いてパーツの値段を確認すると、迷う事なく各部品を購入していく。

 

「後でオグレスに渡すんだ、壊すなよ」

 

「頼んだぞ、相棒」

 

「いつそうなった!」

 

「相棒の相棒は相棒だよ」

 

 

 

翌日、ジオンの北米攻略作戦、第二次降下作戦が開始された。

何故降下作戦なのかというと、第一次降下作戦の時もそうだったのだが

ジオンは地球上に拠点を持っていなかったからである。

 

元々ジオン公国は地球から離れたスペースコロニー群サイド3の事であるから、

地球に領土を持たなくて当然だ。

だから地球上の全ては連邦軍が支配下においていた。

そこをHLVで降下し、制圧するのである。

第一次降下作戦で占領した東ヨーロッパのオデッサから北米まで飛ぶわけにはいかない。

ヨーロッパのほとんどはまだ連邦の領域であるし、

そこを強行軍で行こうとするならば重要拠点であるイギリス、ベルファスト基地からの

迎撃を覚悟しなくてはならない。

だからHLVで宇宙から直接降下するのだが、例の如く連邦の迎撃が上がっていた。

本来ならルウム戦役で連邦の宇宙艦隊は壊滅しているのだが、

このゲーム上でのルウム戦役はクローズドベータテストの話であり

そのデータはオープンベータになった時に失われていた。

 

インパラはイドラ隊と共にアメリカ上空で迎撃に当たる。

この時点で出来るだけ数を減らし合うのだ。

敵が大気圏突入を始めたら、こちらもそれを追う事になる。

フォイエンから受け取った改造機、

銀色に塗装したガンキャノンアライブのコックピットからは戦闘の光が見える。

前回は不覚を取ったが、二回も負けっぱなすわけにはいかない。

特に、松下太白星という銀色のエースには。

 

「皆、松下という銀色の機体を見つけたら教えてくれ。

 私が撃墜し、銀色は私の物だと思い知らせてくれる」

 

「なるほど、なら『赤い彗星』を見たら私に。

 メインヒロインの座をかけて勝負してやります」

 

「どっちもかませ犬の雰囲気しかしない……」

 

ソール3のコリーンが苦笑する。

ソールリーダーのカナルは赤色をパーソナルカラーにしており、

シャア・アズナブルやジョニー・ライデンを勝手にライバル視していた。

ちなみに、ガンダムに銀色の機体はさほど多くない為インパラの敵は当面松下である。

イドラ隊と談笑しつつ、インパラは前線へと機体を向かわせる。

一応機体のテストもあって、宇宙空間でのデータも取らなくてはならない。

 

イドラ隊からは四人が宇宙に上がっていた。

残りは地上のキャリフォルニアベースと

北米東側の『ニューヤーク基地』で防衛に当たるらしい。

彼女達は三機程度で小隊を組み、その単位で戦闘を行っていた。

 

宇宙に出ているのは部隊長のカナルをリーダーとするソールチームであった。

指揮官用ジムのカナルがソールリーダー、

オレンジ色の高機動型ジムのフラムがソール2、

黒いジムキャノンのコリーンがソール3となる小隊である。

その他にサノザバスというイドラ隊最年長の女性が

サラミス級巡洋艦の艦長として上がっている。

この人は主に部隊旗艦の艦長を務める人物であった。

 

イドラ隊の発艦後、サラミスが砲撃を行う。

何故発艦後かというと、サラミスは元々MS搭載能力を持たず

直接艦の外側にMSをワイヤーで固定するという方法を取っていた。

だから砲の真ん前に置かれたMSをどかさないと砲撃できないのである。

 

「フォーゲル1、サノザバスより各機。

 サラミスはHLVの護衛に回るわ。

 この前みたいに特攻されたらまずいから」

 

「ソールリーダー了解。全機、ゴー!」

 

サノザバスは乗艦を後方に下がらせる。

そしてソールチームは前線へと飛び出して行った。

一足先に戦線へ到達したインパラは、

手近なザクへ向けて300ミリキャノンの照準を合わせる。

ブースト後の硬直を狙い、両肩のキャノンを発射する。

砲弾が命中すると、一撃でザクは吹き飛んだ。

 

「一撃でザクを撃破か!」

 

中距離支援機であるガンキャノンが前に出てきたのを見て、

近くのザクが狙いをこちらに絞ってくる。

インパラはスラスターとAMBACシステムを使いザクの攻撃を巧みに回避した。

AMBACシステムとは、要するにスラスターを使わず

手足を動かした時の反動で機体を姿勢制御するシステムである。

MSが兵器として不向きな人型をしていても宇宙空間で機動性に優れているのは、

このAMBACシステムによるところが大きかった。

 

事前に大まかな説明を受けていたが、

このガンキャノンアライブは装甲と共に重量も増加しているものの、

スラスターを強化している為宇宙空間での機動性は通常のガンキャノンと同等らしかった。

敵のザクが二機接近してくる。

インパラはキャノンの片方を牽制に使い、

それを避けた時の硬直を狙って手持ちのビームガンを放った。

被弾し動きを止めたザクにもう片方のキャノンを叩き込む。

吹き飛ばされたザクの爆発を確認する前に、もう一方のザクへと向き直る。

敵の機種はザクⅠであり、距離を縮めるとマシンガンを捨ててタックルをしかけて来た。

 

ザクⅠにもヒートホークは装備されているが、原作にて素手で戦ったシーンが有名で

『連邦VSジオン』などのゲームでは素手での格闘が得意な機体とされている。

このプレイヤーもその影響を受けたのだろう。

インパラはスラスターを使い、ザクⅠと正面衝突する。

すると、逆にザクⅠの方が仰け反った。

当然ながら、単純な重量ならガンキャノンの方が重いからだ。

ザクⅠの頭を手で捕まえてメインカメラを塞ぐと、

ガンキャノンアライブの腰部からビームピックを取り出して

それをザクⅠのコックピットへ突き刺した。

ビームサーベルほどの長さはないが、

この距離でザクのコックピットを貫くには十分である。

 

「さすがだフォイエン」

 

未完成とはいえ、通常のガンキャノンを凌ぐ武装と装甲能力を鑑みるに

重装型やガンキャノンⅡなどの制式化された機体に匹敵すると思われる。

もしも正式サービス後にオグレスという人が提案したような完全体になったとしたら、

きっとサイコガンダムの様な巨大で強大な機体になるだろう。

 

「フラム、コリーン。インパラさんに全部取られちゃうよ!」

 

「そんなに焦らなくても、敵はいっぱい居るってば」

 

イドラ隊、ソールチームの三機が追いついてくる。

部隊長のカナルをコリーンがなだめているが、ほとんど効果は無い様子だった。

 

「私達の機体で戦果を挙げられねば、フォイエンが泣くぞ」

 

「言われずともやらいでか! 赤色のエースは貰いました!」

 

インパラに煽られたカナルは、ビームライフルを取り出すと

適当なザクに狙いをつけてトリガーを引いた。

 

「どーん!」

 

放たれた高圧縮のメガ粒子ビームは、ザクの胴体を貫いて爆散させる。

ザクがビームを受けた時の動きを見て、

まるでスレンダーのようだなとインパラは感心した。

 

「それはガンダムのと同じか?」

 

「フォイエンさんは、ガンダムほどのではないけどザクなら一撃だって言ってました。

 結構お金かかりましたけれど」

 

「ふむ。なら量産は難しいか」

 

話している間にも戦局は常に流動的である。

味方のジムと敵のザクは押し押されの戦闘を展開していた。

降下までにはもう少し時間がある。

 

「HLVを狙えないかな」

 

「でも、たぶんジオンさんも分かってると思います!」

 

コリーンが提案するが、フラムは敵もおそらく読んでいると判断した。

前回敵がこちらのHLVまで突破出来たのは奇跡であると。

 

「なら、とにかく敵を倒せばいいんだよ」

 

カナルはそう結論付けると、再びザクに向けビームライフルを放つ。

胴体への直撃はなかったが、ザクの左腕が吹き飛んだ。

 

「陸の事は地上で考える、か。

 なら宇宙はソールチームに任せるぞ」

 

「合点承知の助です! フラム、コリーン、前に出るよ!」

 

「りょーかいです!」

 

「へへっ、キャノンで前かぁ。燃えるなぁ」

 

ソールチームは前進を始める。

インパラは後に続くか迷ったが、この機体なら多少の無茶を受けてくれると判断する。

出来れば対艦戦のデータも取りたいところだった。

 

「あのムサイまでなら行けるか。下から行けば」

 

インパラは一番前に出ているムサイ級巡洋艦を示す。

辿り着くまでは周辺のMSから十字砲火が来るだろうが、

取り付いてしまえば落とすのはたやすい。

 

「ようし。目標はあのムサイまで。

 ソールチーム、突撃!」

 

カナル達とインパラは敵陣へ突入する。

敵MS隊からの集中砲火で各機ともいくらか被弾した。

全てを避けきったのはフラムの高機動型ジムのみである。

 

ムサイとの距離がみるみる縮まるも、ムサイはインパラ達を撃てなかった。

ムサイ級の主砲は前にしか付いていないし、

対空機銃のたぐいもまったく装備されていない。

これは戦闘艦はあくまでMSの輸送と支援砲撃の為に存在するという

ジオンの戦法に合わせた艦である。

だからこの艦は後方や下方から接近されるのに弱い。

そしてインパラ達はムサイの下を取っていた。

 

「捉えた、どーん!」

 

カナルがビームライフルを撃つ。

それはムサイの船体を貫くが、致命傷にはなっていない。

 

「カナル、エンジンと砲塔、ブリッジを狙え。

 対艦の基本だぞ」

 

「ブリッジってどこです?」

 

「何だと……!? 一番上に決まってるだろうが!」

 

「実は私、ガンダムのアニメって一つも見た事無いんです」

 

インパラは絶句する。

ガンダムをまったく知らない奴がこのゲームをやっていた事も、

そんな人物を部隊長としているイドラ隊にも驚いた。

 

「わたしがやってみます!」

 

フラムが後方に回り、ムサイの二つのエンジン部分をビームガンで撃ち抜く。

ムサイは誘爆を恐れたのかエンジンを両方とも切り離したが、

それは艦を完全に止めてしまうという意味である。

 

「なら、上はボクが!」

 

コリーンはムサイの上まで一気に上昇し、

ビームスプレーガンとキャノンでムサイの砲塔を破壊する。

そしてブリッジに向け、機体を全速力で突進させた。

 

「でりゃあぁぁっ!」

 

コリーンはジムキャノンでムサイのブリッジにドロップキックを放った。

このゲームは宇宙空間でも音が鳴る為、

ブリッジはメゴパッと酷い音を立てて粉砕される。

 

「どういうんだ……!?」

 

インパラはコリーンの戦法に疑問を持ちながらも、

残った船体にキャノンを何発か撃ち込む。

ムサイは誘爆を重ね、撃沈されていった。

 

「へへっ、やーりぃ!」

 

「チームワークの勝利ですよ! チームワーク!」

 

「カナル、君は何かしたか……?」

 

ともあれ、ムサイ一隻は落とせた。

せっかく溜まった経験値を無駄にする事はないだろう。

ただでさえソールチームとインパラの機体は金がかかっているのだ。

落とされれば損失は大きい。

 

「よし、逃げるぞ!」

 

インパラの合図で全機後退しようとした時、

ふとインパラはモニターの隅に一風変わったザクを見た。

一見《MS‐06Zサイコミュ試験型ザク》に見えなくもない深緑色のザクである。

それはショットガンを両手に装備しているものの前には出ず、

意図的に後方に留まっているかの様に見えた。

おそらく地上戦に向けて温存しているのだろうか。

少し気にはなったが、それ以上詮索しようとも思わない。

 

(銀色の機体ではないしな)

 

インパラはよもや、松下が銀色ではないザクゾルダートに乗ってるとは思いもしなかった。

なのでその機体を無視し、ソールチームと共に後退して行く。

帰り道にも被弾した為、フラムの高機動型を除く三機は修理の為サラミスまで後退した。

着艦したカナルとコリーンのジムに、NPCの整備兵が駆け寄る。

 

「私はそろそろHLVに戻る。宇宙は君達に任せたぞ」

 

「了解です。地上の皆によろしく」

 

インパラはHLVに向かいつつ前線を最大望遠で確認する。

オレンジ色のジムが数機のザクを翻弄しているのが見えた。

 

「これは戦局の一つも変えて見せんと、立場が無い」

 

声に出して呟きつつ、HLVに着艦し地上戦に備える。

しばらくした後、両軍のHLVは北米大陸へと降下していった。

 

 

 

インパラのHLVはキャリフォルニアベースの一角に着陸した。

このキャリフォルニアベースは空軍基地から潜水艦基地まで様々な施設の集まりであるが、

インパラが降りたのは滑走路やシャトル打ち上げ施設のある区画であった。

PS2版の『ガンダム戦記』に出てきた場所だな、と思う。

 

「インパラさん、宇宙の方はどうです?」

 

「拮抗しているかな。ソールチームはよくやっている」

 

HLVから出てきたインパラを緑色のジムが出迎えた。

初めてイドラ隊の部隊ルームに行った時、最初に会ったメガネの女性だ。

比較的には年長で、19歳だと聞いた。

名前はリュイで、第二小隊であるルーナチームのリーダーであった。

 

「カナル達は無事なんですか」

 

ルーナ2であるクリフが言う。

彼女のパーソナルカラーは青であり、髪の色もジムの色も青であった。

 

「皆よくやっている。

 特にフラムの高機動型な、あれはまったく被弾していない」

 

「良かった……フラムの機体は装甲が薄いですから」

 

クリフの様子を見て、インパラは少し疑問を覚えた。

心の底から心配している様に見えたからだ。

 

「本物の戦争じゃあるまい。

 本当に死ぬわけでもなし、心配しなくとも」

 

「ええ、それは、そうなんですけれども」

 

「仲が良いのだな」

 

「えっ……そう、ですね。

 可愛いとは思いませんか」

 

ほう、とインパラは興味を持つ。

女同士で仲が良いのはよいことだ。

個人的にもそれはよろしい。

 

「うふふ……クリフちゃんはカナルちゃんとフラムちゃんと両手に花がしたいのよね」

 

「そ、そういう意味では……!」

 

ルーナ3であるラストの言葉にクリフがたじろぐ。

彼女はこのチームでは最年長であり、

さすがに中学生のクリフにはかなわないようだった。

 

「じゃあこの戦いが終わったらってやつね」

 

「ラストさん、露骨な死亡フラグを立てないで下さい。

 ……HLV、来ますよ!」

 

リュイが叫ぶと、上空から大量の敵HLVが降下するのが見える。

あの中のいくつかはこの区画に着陸するだろう。

 

「撃ちますねー」

 

ラストはそう言うと、高台から上空へ向けて砲を放つ。

彼女の搭乗機はジムではなく、《RX‐75ガンタンク》である。

脚部はキャタピラ式でありMSというよりは戦車の様な機体であるが、

遠距離からの砲撃力は高い。

 

両肩の120ミリキャノンがHLVの一つに命中し、中の機体もろとも爆散する。

ラストは降下中のHLVを何機か撃ち落してみせた。

着陸したHLVからはザクや《マゼラアタック》戦車が出てくる。

単純な正面からのぶつかり合いになるなと、インパラは予想した。

 

「ルーナリーダーより各機、

 この戦線を突破されないようにしてください。

 後方には司令部の一つがあります」

 

「了解した」

 

インパラはラストから離れた高台に登ると、上から敵機にキャノン砲を浴びせた。

元々、キャノンタイプはこうやってアウトレンジから敵機を撃破するのが本領である。

ラストのガンタンクもそれに続き、遠距離からいくつかの敵機を撃破する。

 

しかし両軍共に相当な戦力を投入しており、すぐに戦況は近距離での格闘戦となった。

インパラは高台へ跳躍してきたザクを蹴り落とし、とどめにキャノンを撃ち込む。

戦闘開始から数十分と経っていないが、この場所も危険になりつつある。

 

「ラストさん、あなたはもっと下がった方がいい」

 

「ごめんなさいね」

 

同じく接近して来た敵を両腕のボップミサイルで撃ち落しつつ、ラストは後退を始める。

ガンタンクは両腕がガンランチャーなので格闘戦は出来ない。

装甲は厚いだろうが、取り付かれればまず撃破されるだろう。

 

ルーナチームの他にも味方は参戦していたが、どうにも押されつつある。

機体性能では連邦が勝っているはずなのだが。

こういった対戦ゲームでは何があるか分からない。

そしてスポーツにしろゲームにしろ、対戦というのは流れに乗った側が勝つのだ。

 

「押し留めるだけでいいんです!」

 

リュイがマシンガンを連射しながら後退する。

彼女のジムにはビームガンが装備されていたが、

既にエネルギーを使い果たしており今使っているマシンガンは倒れた味方機の物である。

そうしている間にも味方は次々と撃破されてゆき、リュイは後ろの高台へ逃げ込んだ。

上からだと戦況が良く見えたが、それは酷いものであった。

インパラも、傍で援護射撃をしていた名も知らぬジムキャノンが吹き飛ぶのを見て

舌打ちしつつリュイの言に賛同する。

 

「そうだ。壁になればいい。頑強な絶壁に」

 

「絶壁……? くっ!」

 

クリフが銃撃に晒される。

ザクがマシンガンを連射しながら突撃してくるが、

弾丸を受けつつもクリフはビームサーベルを抜きザクを横薙ぎに切り払った。

 

「なら、私のジムは装甲が強化されてますから前に留まります」

 

「なら私もだ。

 このガンキャノンアライブが、ただの支援用モビルスーツでないところを見せてやる」

 

インパラは高台を飛び降りると、着地地点にいたザクに飛び蹴りを喰らわす。

ビームガンで倒れるザクのコックピットを撃ち抜きつつ、

辺りに散らばる残骸の中から味方機の100ミリマシンガンを見つけた。

マシンガンを左手に拾うと、両手両肩の全火器を使って一斉射をかける。

ザクやマゼラアタックが何機か火を吹いた。

この戦場は劣勢かもしれないが、このイベントでは敵機の撃墜数が一定に達するか

司令部のいくつかが撃破されるかで勝敗が決まる。

今こうやって戦っている事は無駄にならないはずだ。

 

その時、一機のザクが現れた。

通常の緑色ではなく、明るい茶色に塗装された角付きのザクだ。

それはスラスターを噴かして突撃し、ザクマシンガンで味方のジムを一機撃破する。

モニターの表示を見た瞬間、インパラは全ての銃口をそのザクへと向けていた。

 

「冗談ではない!」

 

ザクのデータには、『ガルマ・ザビ』とあった。

機体は《MS‐06FSガルマ専用ザク》と書いてある。

それはこの機体が原作に登場するキャラクター、

『ネームドNPC』だという事を示していた。

ネームドは突発的に現れるが、特にイベント時は出現率が高いらしい。

パイロット能力と機体レベルが高く、倒すのは困難であると

公式サイトには書いてあった。

 

原作では、ガルマは後に北米大陸の司令官となる。

だからこそこの降下作戦に出現したのだろう。

インパラはこれ以上押し切られてたまるかという思いと、

ガルマを落とせばエースに近づくという欲求に駆られて一斉射を加えた。

何発か命中したはずなのだが、ガルマのザクは健在である。

 

「まだだッ!」

 

インパラは跳躍し、ガルマに体当たりをかける。

ガルマは一瞬怯んだが、すぐにスラスターを使い横に逃れた。

インパラはすぐにカメラを動かすが、

相手を捉えた時にはガルマがこちらへショルダータックルを仕掛けていた。

ザクの肩にはトゲの付いたスパイクアーマーが装備されている。

ガンキャノンの胸部にそれが突き立ち、機体に穴を開けた。

コックピットが激しく揺さぶられるのを、歯を食いしばって耐える。

ガルマは突進しつつ、ヒートホークに手をかけていた。

 

「このガンキャノンアライブが、やらせるものか!」

 

インパラが咄嗟に放った言葉は、

自らの腕ではなく友人が作った機体を称えるものだった。

インパラはスラスターを噴かして踏み止まり、ザクの顔にある動力パイプを掴んだ。

 

「見るがいい、我が盟友が作りしガンキャノンアライブの奥義を!」

 

インパラはそのまま力任せにザクの動力パイプを引きちぎる。

ガンダムさながらの戦法を受け、ガルマは後ろに大きく仰け反る。

転倒はしなかったものの、よろけるガルマにインパラは飛び膝蹴りを見舞った。

スラスターを使い、そのまま宙返りに入る。

そして宙返りの最中、空中から両肩の300ミリキャノンをガルマへ叩き込んだ。

直撃を受けたガルマは仰向けに倒れる。

 

着地したインパラはビームピックを抜き、

起き上がろうとするガルマザクのコックピットにそれを突き立てた。

装甲を貫く音と共にスパークが走る。

しばらくして、ガルマのザクは活動を停止……大破したのだ。

 

「私を誰だと思っている。私だぞ!」

 

インパラが叫んでいる内にも、周囲では戦闘が続いている。

ガルマにとどめを刺したインパラにも、また新たにザクが向かってきた。

 

「どこからでも来い! 近づく奴はみんな灰にしてやる!」

 

今までのGジェネであれば、

今のインパラのテンションは超強気状態と表現出来ただろう。

実際、誰にも負ける気がしない。

キャノンで向かってくるザクを仕留め次の敵を探そうとした時、

画面に作戦失敗の文字が流れ戦場に居る全ての機体の動きが止まった。

 

「何だと!」

 

モニターには、連邦の司令部を一定以上破壊された事が示されている。

この区画は無事であるが、他の司令部が撃破されたらしい。

 

「負けですね……ニューヤークの方が無事だといいけど」

 

リュイが言い終わる前に、連邦軍は強制的に近辺の拠点にワープさせられた。

インパラ達が飛ばされたのは南米ジャブローである。

 

「戦闘に勝って戦争に負けたか。

 フォイエンはどっちの方が喜ぶかな」

 

インパラは溜息を吐きつつ、メニューウィンドウを開く。

フォイエンとは、イドラ隊の部隊ルームで落ち合う事にしようと思った。

 

 

 

ジオンの北米大陸への降下作戦は成功した。

連邦は北米西側のキャリフォルニアベースと、

東側のニューヤークという二つの重要拠点を失った事になる。

 

イドラ隊は全機無事であった。

一説によると、ニューヤークでは

専用のザクⅠに乗った青い巨星『ランバ・ラル』の出現が決定的な打撃となったらしい。

ニューヤーク方面を防衛していたイドラ隊第三小隊と第四小隊も

ジャブローへと強制送還されていた。

 

「負けたのは悔しいけど、当然の結果ね」

 

そう言ってみせたのは、第三小隊ステルラ隊リーダーのシャイネであった。

彼女の乗機はジムではなく、ガルマと同じザクⅡFS型である。

乗機と今言った台詞から、インパラは察した。

 

「やはり君はジオニストか」

 

「仲間の付き合いでなきゃジオンにいるわよ」

 

「連邦? キモーイ!」

 

「連邦が許されるのは小学生までだよねー」

 

ステルラ3のアリエルとステルラ4のマリエルも言う。

どうやらこの二人もジオニストであるようだ。

インパラは連邦寄りの主義だが、ジオン嫌いではない。

心の狭い人物でなければ連邦とジオンに対する好意の両立は可能だ。

むしろ連邦ジオンどちらだろうと政治的思想が偏り過ぎた人間は嫌いなのだが、

今回は相手が子供である事も相まってインパラは二人を殴らずに済んだ。

 

「いや、君達はまだ小学生……

 って、おい、何か小学生が知っちゃいけないセリフが聞こえたんだが!?」

 

「おいィ、何か聞こえたか?」

 

「マリエルのログには何も無いな」

 

「……フォイエン、ガンキャノンアライブのデータはどうだったか」

 

この双子は随分マニアックであると、そういうレベルで留めておくべきだ。

それ以上の追究は色々と危険だと判断する。

インパラは深く突っ込む事を止めて話を逸らした。

 

「……正直、予想外だ。

 ガンキャノンを多少強化しただけのつもりだったが、

 まさかこれほどまでの戦果が挙がるとは思わない」

 

「私が操縦したんだ。当たり前だ」

 

どこぞのカプセルが中から燃えてしまう中尉みたいな台詞と共に胸を反らすインパラ。

口だけの男では無かったのだなと、フォイエンはやっとインパラへの認識を改める。

実質、被害はゼロに等しい。

宇宙での被弾は損傷というレベルにも満たないし、

ガルマのタックルで受けた傷も行動に支障なかった。

それだけなら機体性能だけが良かったと判断しただろう。

しかし気がついたのは、

インパラがこのガンキャノンアライブという機体の特性を把握していた事だ。

 

本来キャノンタイプは砲撃支援用の機体であるが、

インパラは宇宙で敵中を突破して見せた。

それは自分の技量を信じているだけでなく、

この機体の装甲能力と機動性なら出来ると判断したのだろう。

 

地上でも、本来の砲撃戦から格闘戦までやってのけた。

特にガルマを倒すまでの一連の行動は、十分にエースと呼ぶに足る技量である。

一見誰にでも出来そうだが、新しく乗ったばかりの機体をあれだけ使いこなすのは

普通の人間には不可能だ。

発想力、行動力に優れているのは間違いない。

記録映像を見た瞬間、ニュータイプという話を本気にしそうになったほどだ。

 

そしてそれはインパラのみではなく、他のイドラ隊員もそうである。

彼女らも本来なら撃墜されていてもおかしくないはずが、

こうして五体満足で帰還している。

 

「ここはニュータイプの集まりなのかもしれんな」

 

半ば呆れるように呟いたフォイエンに、インパラが感慨深げに頷く。

 

「もしそうなら、私は歴史を作りたいな」

 

「どういうこった」

 

「ニュージェネレーション。

 ニュータイプが、本当に分かり合える事だよ。

 実際、今までニュータイプが分かり合えた事なんて無かったからなぁ」







~後書き~
2015年11月3日改正

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