ノーネームが黒の銃弾と交わるそうですよ?   作:海ぶどう

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こんにちは!

まずはアンケートお答えいただきありがとうございました!
結果多数決でこうなりました!
・ティナ編は十六夜と蓮太郎で解決
・次回追加メンバーはお嬢様


オリジナルストーリーについては気合いで書いてみます、以降ひと段落つく毎にアンケートを取ろうと思いますがまたお答えいただければなと思います!

それではティナ編1話目どうぞ^o^


第2章
歴戦の友


「おい、金髪ロリ」

 

十六夜は天気が良いので近くの広場まで来て昼寝をしていた、すると目の前にパジャマ姿で、更にはスリッパで外を歩く髪の毛が金髪の少女がフラついているではないか。

放っておくにしても心配になり声をかけてみた。

 

だが少女はボケーっとしたまま気付かずにフラフラと歩き続ける。

 

「あぁ!?おい、まてよ!」

 

十六夜はベンチから離れ少女の肩を掴み少女を引き止める、少女はやっと止まり十六夜の顔に目を向ける。

少しボケーっとしていたが少女は口を開いた。

 

「ほぇえと…私に何かご用ですかぁ?」

 

「いや、用はねえけどお前その格好だと警察に声かけられるぞ…」

 

「そうですか、ご忠告ありがとう(グルルルル〜)………」

 

少女は自分のお腹が鳴るとお腹を撫で回す、どうやら持ち合わせが無いようだ。

 

「仕方ねえな、ついて来い」

 

十六夜は少女の手を取るとそのまま歩き出す。

十六夜と少女はそのまま近くのファミレスに入っていった。

 

数十分後

 

「ごちそうさまでしたぁ〜」

 

「へーへー、お粗末さん」

 

「お兄さん見かけによらず良い人です、私お兄さんの事好きです」

 

「ま、三拍子揃ったダメ人間だからな、ありがとよ金髪ロリ」

 

十六夜はお手拭きで少女の汚れた口元を拭く、少女も心地好さそうに受け入れる。

 

「んで、お前はんな格好で何してんだ?家は?」

 

「気付いたら歩いてました〜えへへ…」

 

「んな説明で納得するか、警察呼ぶぞ」

 

「ほえ〜…それはやめてください」

 

「ったく…んじゃお前困ったらここに電話しろ」

 

十六夜はメモに自分の電話番号を書いた紙を少女に渡す。

少女は紙を受け取るとすぐに携帯を取り出しボタンを押し始める、すると十六夜の携帯が鳴り出す。

 

「はーい、此方ダメ人間逆廻 十六夜ですよっと」

 

そう答えると少女は携帯を閉じる。

 

「嘘じゃないみたいで良かったです」

 

「あのなぁ…」

 

十六夜は髪の毛をくしゃくしゃと掻き分けていると少女は笑い出す。

 

「今日はとても良い日でした、こうしてお兄さんと出会えました」

 

「そりゃよーござんした。ま、偶には遊びこいよな」

 

そういうと少女はスタスタとスリッパが途中脱げそうになりながらも店を後にした。

 

「レティシアとは真逆みたいな金髪ロリだったけどアレもありだな」

 

なんてバカなことを考え、笑いながら水を飲み干し自分も店から出ようとすると携帯が鳴る、表示されているのは社長である木更だ。

 

「なんだよお嬢様、デートのお誘いか?」

 

十六夜はからかうつもりで聞いてみたが、返事は予想とは異なって十六夜が言った通りになった。

 

「ま、そんなとこよ。これから最近評判の喫茶店に行かないかしら?」

 

十六夜はそれを承諾して事務所に戻っていった。

 

 

 

カフェ「orgel」

 

「ありがとうございましたー!」

 

黒野 兎こと黒ウサギは机を拭きながら元気よく声を出す。

職場にも大分慣れ、客とも仲良くやれていると自負している黒ウサギは誰も居ない所で豊満な胸を張る。

 

「フフンっ、ノーネームの子供達のお世話に比べればこの位たいしたこと無いのですよ!………皆さんどうしているのでしょうか…」

 

笑っていた黒ウサギの表情はみるみる内に曇っていき、遂には涙ぐんでいる。

 

「十六夜さん…」

 

今にも消えそうな声で自分達を救ってくれた恩人の名前を口にするとカラーんと入口のベルが鳴る、どうやらお客さんが来たようだ。

 

「いらっしゃいませ〜、あ、木更さんですか」

 

店に入ってきた黒髪ロングの美人は最近良く店に通う常連となった天童 木更だ、黒ウサギと見た目的には年が近い事から良く話すようになり今ではすっかり友達感覚である。

 

「今日は1人なのですか?里見さんは?」

 

「甲斐性なしの里見君は学校で補講よ、でも今日はもう1人の優秀な新人君を連れてきたの。さっき引ったくりを捕まえて警察に引き渡してたからもう少し来るのに時間がかかると思うわ」

 

木更は入り口付近の2人席に座るとコーヒーを注文する、黒ウサギはコーヒーを入れて木更に差し出すと他の客も居ないことから近くの椅子に座る。

 

「そういえばその新人さんってどんな人なんですか?」

 

「うーん、とにかく強いけど破天荒なのよね。身勝手だし…でも優しい強さを持ってるわね」

 

「…黒ウサギにも前はそんな人が居たのですよ……」

 

黒ウサギは木更に聞こえない声でボソッと呟いた。

 

「ん?何か言ったかしら?」

 

「何でも無いのですよ!それよりコーヒーのお替わりは如何ですか?今日は黒ウサギの奢りです!」

 

ムンっ!と胸を張り自慢気に言うと木更は言葉に甘えてお替わりを要求していた。

黒ウサギはカウンターに戻りコーヒーを入れ直す。

すると入口のベルが鳴る、どうやらもう1人が来たようだ。

だがそこでコーヒーを持って行こうとする身体が硬直する。

何故ならもう1人の客は箱庭の世界で自分のコミュニティを救ってくれた唯一無二の恩人だからだ。

 

「い、イジャヨイシャン……」

 

十六夜も黒ウサギに気付き驚いているが、すぐに何時ものように笑い出す。

 

「オイオイ、イジャヨイ=シャンってなんだよ」

 

十六夜は黒ウサギに笑みを向ける、それが黒ウサギの涙腺のスイッチとなって黒ウサギは大泣きで十六夜に飛びついた。

 

「イジャヨイシャーン!!無事で何よりなのですよ〜…」

 

「こりゃ役得だぜ、こっち来てそれなりに頑張った甲斐があるな」

 

胸の中で大泣きしてる黒ウサギの頭をくしゃくしゃ撫でながら十六夜は愉快そうに笑っている、木更に関しては何が何だか理解出来ずに混乱している有様である。

 

それから少し経ち黒ウサギが落ち着いたところで事情を話すと木更は驚きを隠せないでいた。

 

「えっ!?じゃあ貴方があの黒ウサギなの?」

 

「Yes!黒ウサギがあの、黒ウサギなのですよ?」

 

「世の中狭いものね……」

 

木更は話のスケールのデカさと運命とも言えるレベルの世の中の狭さの比例関係の適当さに頭を抱えていた。

 

「てか黒ウサギ、お前ギフトはどうしたんだよ?別に民警くらいになら戸籍が無くても実力示せばなれたろ?」

 

「ギフトは持っていますが、黒ウサギは殺戮を好みません」

 

黒ウサギは下を向きながら言う。

 

「確かに、お前はそういうやつだったな…」

 

十六夜は改めて黒ウサギという少女の事を理解すると無理に民警になるのを勧めるのは辞めることにした。

 

「んじゃ、お前はお前らしくこの世界を生きていけ。俺も俺なりにロマンを求めてやりたいようにやる」

 

十六夜は笑顔で黒ウサギに向かって言うと黒ウサギも満面の笑顔で答える。

 

「Yes!黒ウサギも頑張るのですよ!」

 

そこにはかつての同士の健闘を祈る思いが詰まっていた。

こうして箱庭の世界では幾つもの戦いを共に戦い抜いて来た2人の戦士の道は別れた。




短めでごめんなさい>_<

次回こそは!

んじゃまた!ではでは!

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