ノーネームが黒の銃弾と交わるそうですよ?   作:海ぶどう

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こんにちは!

何故か高速連続投稿です。
コメントで頑張って欲しいと言われましたが嬉しいですねやっぱりw
これからも頑張りたいと思えました!

評価よろしくお願いします!


シュミレート

 

放課後になり、十六夜は生徒会室の前まで来ていた。

 

「粗野で凶暴で快楽主義と三拍子揃った駄目人間の逆廻 十六夜が来ましたよっと」

 

10割ふざけた挨拶でノックをすると中から関西弁が聞こえてきた。

 

「開いてるから適当に入ってな〜」

 

「んじゃ失礼しますと…おっ」

 

生徒会室に入るって十六夜の目線は釘付けになる、そこには着物を着こなした何とも言えない美少女が居るではないか。

 

「今日は目に良い日だぜ、役得役得」

 

十六夜はヤハハと笑いながら近くにあるソファに腰をかける、すると着物の美少女の方も目の前のソファに座って口を開く。

 

「ありがとうなぁ、十六夜君も思った以上のイケメンさんやわぁ」

 

そう言うと手元にあった扇子を広げて続けて話す。

 

「ウチは司馬 未織、この学校の生徒会長や。突然呼び出したのは堪忍な、なんせ気になったことはすぐに解決したい性格なんよウチは」

 

「別に構わないぜ、それで気になった事ってのは?」

 

十六夜が笑みを向けると美織も軽く笑い答えるが、その声は全然笑ってはいなかった。

 

「十六夜君、君やろ?ちょっと前に市街地に出たガストレアを倒したの」

 

「ん?結構倒してるから何時のかは分からねえけど最近この辺で出くわした奴は倒したぜ?」

 

未織はこの事を十六夜が隠していると予想していたのだが、対する十六夜は普通に話しだすのでポカンとしていた。

 

「んでなんでアンタがそれ知ってんだ?非常時だから周りに人は居なかったはずだが…」

 

「あぁ、その説明なんやけど今から付いて来てもらえる?車の中でちゃんと話すから」

 

と言うと未織は電話をかけ始めた、恐らく迎えを呼んでいるのだろう。

電話を切ると未織はニッコリと笑いながら十六夜に顔を向けると言う。

 

「ほな、行こか十六夜君」

 

 

 

 

 

車の中に入ると未織はオレンジジュースをコップに注ぎ十六夜に渡し、自分の分を入れ一口飲んでから話し始めた。

 

「まず先週やったかな?市街地で倒されたガストレアに人のDNAが付いてたんよ、それをウチの会社、まあ会社に着けばどんなところかは分かるから質問はナシでお願いするわ!話し変わってしまったけどウチの会社で解析したら民警のデータ一覧にない人間が出る、そこまではまだ良かったんやけど…その人間が今日自分の学校に転校してくるやない?つまりそういう事なんやけど…」

 

十六夜は話の後半部分は殆ど聞いてなく、考えを張り巡らせていた。

 

(この世界でなんで俺のデータがあるんだ?これも世界の事象、異物が混入してきても世界の方がそれに合わせてる…って事か?)

 

そう考えていると車が止まる、未織が降りたことから会社に着いたことが確認出来る。

十六夜も車から降りると目の前には大きく「司馬重工」と書かれた看板が見えた、司馬重工についてはある程度影胤から情報を聞いていたのですぐに状況が飲み込めた。

 

「つまり俺の実力でも測るって事か?」

 

「なんや察しが良いなぁ、引き受けて貰えるか?」

 

「別に構わねえけど、相手なんて居んのかよ?」

 

十六夜が疑問を投げると未織は得意げな顔になり答える。

 

「まあ見とき、ウチがどれだけ凄いか分かるで〜」

 

そう言うと未織は小走りでエレベーターの中に入るのでそれについて行くと、かなり下の階に来た。

エレベーターが止まったのでそこから出ると、そこには部屋の奥にドーム型の空間があった。

 

「ここは?」

 

「ここはVR特別訓練室、そして今からやってもらうのが…モーションリアリティ・プリズム・バトルシミュレータや!」

 

「なんかめんどくせえ名前だな、まあ名前から察するに相手は人間じゃなくて映像って事か?」

 

「うーん8割正解ってとこやね、これは空間そのものを再現するんよ、ともかく入ってみ!」

 

ドームに入ることを促されたのでそれに従い入ると、空間に「hello」の文字が浮かび上がる。

するとスピーカーから未織の声が聞こえてきた。

 

「大丈夫そうやな、ステージは砂漠でええかぁ?」

 

そこまで言われるとこのシステムがどういうものなのかを十六夜は完全に把握できた。

 

「良いぜ、任せる」

 

「敵レベルと痛覚レベルはどうする?」

 

「MAXで頼む」

 

「いやそれは無理やろ、まずは平均クラスを…」

 

美織が余りにも渋るので十六夜は若干ふてながらも了承する。

 

「んじゃ普通で良いぜ、早くやろうぜ」

 

「ほなやろか〜、開始10秒前」

 

先ほど文字が表示されてた場所にカウントダウンを表す数字が浮かび上がる。

 

5…4…3…2…1…GO!

 

すると十六夜の周りに5人の刀を持った戦闘員、離れたとこに3人の狙撃兵が居た。

しかしこの程度の人数は魔王を相手にしてきた十六夜にとっては無いに等しい人数であった。

まずは周りの5人を開始3秒で蹴散らすと、思い切り踏み込んで跳躍し狙撃兵の内1人の背後に回り込み蹴りを入れて1撃で倒す。それと同じ事を2回繰り返し終わり。

ここまで約10秒前後である、終わった瞬間に空間には「complete」の文字が浮かび上がった。

 

「凄すぎや…十六夜君って何者なんや?」

 

「コードアンノウン、俺にも分からねえわ」

 

十六夜は愉快そうに笑いながら未織のいるところに戻ってきて自分のデータを見る。

そうすると総合結果が出たのか未織がピックアップすると未織は大声を上げて驚く。

 

「136500%!?こんなん人間の数値やないんやないか…」

 

「まあまだ本気のほの字も出してないんだけどな」

 

そう言われた未織は肩をガックリと落としぼやき出す。

 

「あーもうええわ、本気なんか出されたら会社が壊れてまう…」

 

「ハハハハ!そう言うなよ、いずれ見せてやるよ。それより%って誰を基準にしてたんだ?」

 

「里見君よ、もう知ってるやろ?つまり今の十六夜君は本気も出さずに里見君の1365倍の強さって訳よ」

 

「あいつはもうちょい強いと思うんだがな…」

 

 

 

そう言って未織と話していると未織と十六夜の携帯が同時に鳴り出す、未織の方は会社の事について話しているので仕事関係であろう。

十六夜も携帯を取り出して話し出す。

 

「なんだよ影胤」

 

「やぁ、十六夜君。予想より少し早く仕事になりそうだ、明日にまで感染源ガストレアの居場所を掴むから、分かり次第動いてくれたまえ」

 

影胤はそれだけ伝えると電話を切った、未織の方を見てみると慌てた様子でポーチに色々入れてる。

 

「十六夜君、悪いんやけど今日は帰ってもらえるか?ウチ今から会議入っちゃったんよ」

 

「あぁ、構わないぜ。それじゃあな」

 

 

そう言って会社を出ると使用人が家まで送ってくれると言うので甘えることにした。

 

 

途中、信号で車が止まっているときに外がヤケに騒がしいことに気付き目を向けるとそこには小さな少女を大人複数人で蹴っているのが確認された。

十六夜はここで降りるといい使用人と別れ、人混みの中に入って少女を拾い上げる。

 

「民警だ、こいつの処理は任せろ」

 

とりあえず誤魔化せそうな嘘をついてみると男の1人が噛み付いてきた。

 

「いきなり現れてなんだよ!ライセンス見せろよ!」

 

「(ライセンスなんてあんのかよめんどくせえ…)やっべ、ライセンス忘れたんだが信じてもらえないか?」

 

十六夜も上手く立ち回るか、よほど少女の事を自分の手で始末したいのか男は食い下がる。

 

「ったく、んじゃナイフ貸せ」

 

そういうと十六夜は男が持っていたナイフを取り出し、片手で丸め始めたのだ。

しかしそこに比喩はない、鉄のナイフを十六夜は文字通り粘土を丸めるように丸めたのだ。

 

「信じてもらえるよな?」

 

そこまでやられては男は勝ち目がないと思い立ち去っていった、次第に周りの人達も居なくなっていた。

 

 

それから少女を抱え少し離れた公園のベンチに寝かせてると目が覚めたと同時に大きくお腹が鳴る。

 

十六夜は少女に待ってるように伝えると目の前のコンビニに入り、数分すると両手いっぱいに袋を抱え少女に渡した。

 

「あの…なんでそこまでしてくれんですか?」

 

「気がむいただけだ、ガキは気にせず食うもん食って大きくなれ」

 

十六夜はそっぽを向いているが、内心は箱庭に置いてきてしまったコミュニティの年少組を思い出していた。

あの子達も境遇は良いとは言えないが、それでも仲間はいる。

だがこの世界の呪われた子供達は仲間すら居ないのだ、十六夜にはそれがどれだけ辛いことかよくわかっていたからこそ少女に手を施したのだ。

すると少女は頬を膨らましながら口を開いた。

 

「あの…お名前を…」

 

「逆廻 十六夜だ、お前は?」

 

「私、夜城 茜(やしろ あかね)って言います。その…ご飯ありがとうございました」

 

そういうと茜は公園の外に向かい歩き出した。

 

「おい、お前住むとこあんのかよ?」

 

「一応今は廃墟のビルの中に…」

 

茜は後ろめたいような言い方でボソボソと答えた。

 

「あぁ、もう聞くのもめんどくせえ。俺ん家来いよ」

 

「えと…え?」

 

「来いって言ってんだ?しばらく住んでろ、分かったな?」

 

十六夜はそう言うと茜に付いてくるように促す。

スタスタと歩いて行くため茜は駆け足で十六夜を追いかけた。

 

 

家に着くとペストが当然ではあるが疑問をすぐに投げてきた。

 

「誰よそれ?」

 

「あぁ、今度民警になる時があったら俺のイニシエーターにする奴だ。今さっき拾ってきたから鍛えておいてくれ」

 

するとペストはそっぽを向き不機嫌になりながら答える。

 

「嫌よめんどくさい、捨ててきて」

 

ぶっきらぼうに言うため茜の方はアタフタして半泣き状態である、それを見兼ねた十六夜はペストには有効な必殺の一撃を放った。

 

「そういやお前パソコンでアニメの…」

 

「分かった、引き受けるわ。よろしくねアナタ」

 

余りにも早い手のひら返しの為、茜はさっきとは別の意味で慌ててしまっている。

こうしていずれ逆廻 十六夜のイニシエーターとなる少女、夜城 茜が家族に加わった。

 

 

 

「いつか殺してあげるから覚悟してなさいマスター」

 

1名は復讐に燃えていたが……




下手くそな文章申し訳ないです、これから上手くなるように書きまくります!

誤字あったら教えてください!

では☆〜(ゝ。∂)

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