今年もご愛読のほどよろしくお願いします!
更新が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
今回は特に進展なしですかね…繋ぎ回的な…
それではどうぞ(=゚ω゚)ノ
時刻は夕方の6時半、夕日も大分沈み辺りが暗くなりかけている頃、木更、蓮太郎、十六夜、茜は天童民間警備会社の中に居た。
延珠はいるとうるさいという理由から蓮太郎が無理やり家に置いてきた。
「それで里見君、あなたは護衛を引き受けのね?」
「横の安脇って奴には任せてられねえからな、十六夜も手伝ってくれねえか?」
「ハッ、やだね自分でやりな」
蓮太郎が頼むが十六夜は即答で拒否する、蓮太郎が苦笑いしていると茜が十六夜の腕を引っ張りながら口を開く。
「十六夜さん、手伝いませんか?私もペストさんや十六夜さんとの特訓の成果を皆さんに見てもらいたいです!」
十六夜は顎に手を当て少し考える素振りを見せてから、茜の頭にポンと手を置き撫でまわす。
「ま、出番が来そうなら少しだけな」
そう言うと茜は嬉しそうに十六夜の手を握る。
「ちょっと待って、茜ちゃんを連れて行くのはまだ早すぎないかしら?」
木更が慌てて止めに入る、これには蓮太郎も同意らしく不安そうな目で十六夜と茜を見る。
しかし十六夜は御構い無しに答える。
「心配すんなよ、茜も俺とペストと特訓してるだけあって相当強くなったんだぜ?それに危なくなったら俺がやればいいだけさ」
十六夜が「な?」と言うと木更と蓮太郎は若干の不安を残しながらも納得する。
すると木更が時計を見ると慌てて立ち上がる。
「ごめんなさい、今日は私用事が!」
と言うと木更はダッシュで事務所を出て行く。
「んじゃ、俺たちも帰るか」
十六夜も事務所から出て行くので茜と蓮太郎もそれに付いて行く。
事務所の階段を降りると目の前にはTHE 高級車と言わんばかりのリムジンが待ち構えていた。
ドアが執事によって開けられその中から出てきたのは未織だ。
「おっ、運良く3人共揃ってるわ」
「なんだよお嬢様、依頼か?」
「ちゃうちゃう、今日は十六夜君と茜ちゃんの武器の試作品を見てもらいたくて来たんよ。んで里見ちゃんにはここ1ヶ月のシュミレートのデータを見てもらおうとね」
そう言うと未織は扇子で車を突っつき入るように促す。
車の中に入ると外見通りの高級感に溢れていた。
「てかお嬢様よ、茜はともかく俺に武器なんていらねえと思うんだがな」
十六夜が最もなことを言うと未織はため息をつき説明を始める。
「逆や、十六夜君は強すぎて目立ち過ぎるんや。だからそれを少しでも誤魔化す為の武器や!」
蓮太郎は横で聞きながら確かにと頷いている。
事実十六夜の強さは強い一言で表せるものではない、それを踏まえれば多少目立たないように力を誤魔化す為の武器、否制御装置が取り付けられるのも当然といえば当然の話だ。
「なるほどな、まあ仕方ねえか」
十六夜が渋々承諾すると司馬重工の前に着く、茜は来るのが初めてなのでその大きさに驚いている。
シュミレートルームに入ると未織は蓮太郎にデータが算出された紙の束を渡す。
受け取った蓮太郎は浮かない表情をしている、十六夜は蓮太郎の持っている紙束を奪い取り目を通す。
700、725、841と言う数値が書かれている、恐らくパーセンテージだろう、どの道十六夜の足元にすら遠く及ばない。
「お前弱過ぎだろ、ちゃんと力使ったのか?」
「いや、普段の状態だけど、それにしてもなぁ…」
十六夜のキツイ言葉が胸に刺さり更に肩を落とす蓮太郎、そんなやり取りをしていると未織が声をかける。
「ほな十六夜君、コッチ来てこれ付けてくれへんか?」
未織は十六夜にメリケンの様な物を渡す。
十六夜は付けてみるが何の違和感も感じられないのか疑問を浮かべる。
「オイオイ、こんなんじゃ何も変わらなくねえか?」
そう言うと未織はニヤリとしてモニターのボタンを押す。
「なにっ!?」
「凄いやろ?名付けて超重力発生装置や!」
未織はドヤっ!と胸を張り自慢気にしている。
「まんまそのまんまじゃねえか…」
十六夜もやれやれと立ち上がり身体の節々を動かす、流石に普段の数倍は身体に負荷がかかっているため、やや動きがぎこちなくなっている。
「7、いや10倍ってとこか、こりゃすげえ」
「せやね、今は体感重力を10倍にしてるから相当動きにくいはずや」
蓮太郎は2人が普通に話しているが十六夜が10倍の重力でヘラヘラしていることに驚きを隠せないでいた。
「お前どんだけ規格外なんだよ…」
「まあシュミレートだと最初13万くらいだったしそりゃな」
その数値を聞くと蓮太郎はついていけねえと嘆きながら机に突っ伏す。
すると茜が待ちきれなくなったのか未織をせかす。
「あのっ、私の武器も見せてください!」
「ごめんなぁ、これが茜ちゃんの武器や」
未織が出したのはトンファーだった、茜は初めて見たのかどうすれば良いか分からずトンファーをいじくりまわす。
それに対して未織が注意する。
「コラコラ、そんないじくりまわすと危ないで?」
そう言い未織は手取り足取りトンファーの握り方を茜に教える。
「ほなそこの取っ手のボタンを押してみ〜」
未織に支持された通りに取っ手のボタンを押してみる、するとそこからは三日月型の刀身が出てきた。
「うわっ、凄い…」
茜は驚きながらもジックリと武器を確認する。
十六夜もへぇ、と感心しながら茜を見つめる。
中々様になっているので素直に茜を褒めると茜も嬉しそうに笑い返す。
「ほな2人共数値測ってみるか?勿論十六夜君は重力増しで」
未織はイタズラをする前の子供のような笑みを2人に向ける。
「やりますやります!」
茜はぴょんぴょんと元気よく手を上げながらアピールをして、ドームの中へ入っていく。
ドームの中へ入ると茜は力を解放し瞳を赤色に変える、ここ数週間の特訓で力の制御は完璧になったのだ。
「ほないくで、はい5秒前」
モニターにはカウントダウンの数字が表示される。
3…2…1……GO!
開始と同時に茜は数メートル先に出た敵の頭上まで跳躍する、やや高め、攻撃は届かないなと十六夜が思っていると茜はその予想をズバ抜けた戦闘センスで撃ち破る。
敵の背後に差し掛かった瞬間に茜は取っ手のボタンを押して刀身を出す、それにより標的の背中に致命傷の切り傷が入り消滅する。
「いきなり武器の特性を上手く使うなんてすごいなぁ」
未織は数多の戦闘を見てきたが初陣でここまで動けるタイプは極稀であるため素直に感想を述べる、それに対して十六夜も同意している。
「飲み込みが良いのは特訓の時から思っていたがここまでとはな、やっぱり期待できるぜ」
それから数分経ち、モニタールームには満面の笑みの茜、不機嫌そうな十六夜、多少元気を取り戻した蓮太郎、楽しそうにお茶を啜ってる未織がいた。
「9347%も出ましたよ!」
「延珠より既に高え、すげえな茜は。俺も頑張らねえと…」
蓮太郎は3254%と書かれたモニターを見つめながら喝を入れ直す。
十六夜は16758%という数値を見て数値的には重力も10倍だったので問題ないが内容が不完全燃焼だったらしく、不満そうにしている。
「攻撃は何発も貰うわ、こっちの攻撃も数発かわされるわマジで思った通りに動かねえ…」
「まあそれでもこの数値や、しばらくはこれで問題ないやろ」
未織は軽く十六夜を慰めながらモニターのデータを纏める。
その中には今までの戦闘データのパーセンテージがランク順になっている、やはり十六夜のところだけズバ抜けている。
十六夜は溜息をつきながらもしばらくはこの制御装置を付けながら戦うことを受け入れた。
場所は変わり東京エリアの外周区近くの研究機関
「さて、今回は聖天子暗殺の補助、というわけだが任務はこなせるね?」
暗闇の中で光る携帯画面からはやや高めの恐らくは男性であろう声が聞こえる。それに対して少年、神城 冥(かみしろ めい)は答える。
「問題ありません、邪魔が入った時のみ排除、ということでよろしいでしょうか?」
「そうだね、今は東京エリアの英雄君が護衛についたらしいがそれだけならティナ・スプラウト1人で問題ないだろうけど問題は……」
「…逆廻 十六夜ですね」
「あぁ、まさかこんなに早くに我々の切り札である君を使うとは思ってもなかったんだけど」
それに対して少年も軽く笑いながら答える。
「僕も驚いてますよ、まさか5位の僕がこんな事で派遣されると思ってませんでしたからね」
「フフッ、それじゃ頼んだよ冥」
「Yes、マイマスター」
そう冥が答えると通話が切れる、冥は空を見上げながらポツリと呟く。
「今回ばかりは本気を出さないといけないかもしれないね」
悲しそうな顔をしている冥だが心の中ではやっと本気を出すほどの相手が来てくれるかもと言うことに喜びを隠せないでいた。
いやね、久しぶりに書いたんだからグチャグチャでも仕方ないっしょ!
ホンマすみません…
もう少し頑張ります。
あと余談ですが別でオリジナル作品を書こうと思っているので投稿し始めたら読んでくれれば嬉しいです。
それでは!