ちょっと抜けてる神様   作:本気は後で出す

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こんにちは、こんばんは。

明日から本気出します。月曜ですから。

(′・ω・`)ホンニモゲンカイガアル



愛を知らない

 

 

夢を見た

 

恐ろしい夢だ。

 

夢じゃないとは思いたくない。

 

夢を見ている時僕はこれは夢だと自分に言い聞かせていた

 

そのくらいしか思い出せない

 

なんの夢だったのかは忘れてしまった

 

目を開けるとアリスの背中が見えた

 

何をしているんだろう?

 

「アリス…?」

 

「あ、リドル。起きたね、お腹すいてる?」

 

「…うん」

 

何してたんだっけ。

 

ああ、そうだ。あいつらに…

 

「…アリス」

 

「何?」

 

「………アリスは人じゃないけどさ」

 

「そうだね」

 

ドアを開け、孤児院の先生に何か頼みながらもしっかり話を聞いてくれた。きっと僕に何か持ってきてもらうんだ。

 

「…それでも、」

 

「………」

 

アリスは無言だ。しっかりとこっちを、いつものやる気のなさそうな三白眼で見ている。

 

「…化け物なんかじゃないよ」

 

熱に浮かされたように僕は言った。

 

その言葉にアリスは困ったように笑った。

 

「…化け物が可哀想でしょ。何かを比較対象にして物事を褒めれば、比較対象にされた何かが傷ついてしまうよ。それに私は化け物だ。化け物でいいんだよ」

 

何故?

 

何故アリスは自分を化け物だなんて言うんだ。

 

確かに人じゃないかもしれない。

 

でも元々は人なんだろう?

 

僕と同じ特別な人間だ。

 

魔法だって使えるし(僕と違いコントロールできてる)、それに…

 

それに?

 

「………でも」

 

「でもじゃない。それよりも体は痛まない?人の治癒って魔法でやったことないの」

 

「え?」

 

そういえば体が痛くない。

 

起き上がって腕などを見るが、どこにも痣はなかった。

 

「全然痛くないよ。凄いねアリス!」

 

「それはよかった。あ、ありがとうございます」

 

「いえ」

 

「ほらリドル、ご飯」

 

「あ、うん…」

 

アリスはどうして特別な事を誇りに思わないんだろう?

 

たとえ人じゃなくてもアリスは凄いし、化け物なんて言うけど優しいから危害を加えたりも全然しない。

 

「大丈夫?」

 

「は?あんたが大丈夫なの?リドル。頭打った?」

 

ついつい出てしまった言葉。自分でもなんで言ったかわからない。ただアリスが悲しそうだったから…、何で?

 

悲しそうだったから何なんだ?僕には関係ない。

 

「ほれ、あったかいうちに食べなんし。私日記書くから」

 

「ありがとう」

 

「あ、そうだリドル」

 

椅子に腰かけたアリスが振り返った。

 

「何で逃げなかったの、私がいなかったら死んでたよ。今度からはちゃんと逃げること」

 

「…でも」

 

「でも?」

 

かりかり、日記を書きながらアリスは言う。

 

「でもアリス、何で僕がこんな目にあわなきゃいけないんだい?僕は何もしてなくてもあいつらは…」

 

理不尽な暴言だって言ってくるし、それに先生だって僕のこと気味悪がって嫌う。どうして?僕は悪魔の子なんかじゃないし、化け物でもない。どうして?

 

「…」

 

アリスは無言だ。それに何故か腹が立った。

 

「どうしてなの?僕は特別なのに。どうして酷い目に遭わなくちゃいけないんだ。魔法がコントロール出来るようになったら呪ってやる」

 

ことっとペンを置いた音がした。どうやら書き終わったようだ。さすがアリス、早い。

 

食事を口に運びながらもアリスに不満を吐露する。アリスは椅子に逆に座り僕をじっと見ていた。

 

眠そうな顔。

 

「…ホグワーツに入ったら魔法は外で使っちゃいけないんだよ」

 

「え?そうなの?」

 

残念だ、そして初耳だ。

 

「うん、魔法界での成人になるまではね。7年くらいかなあ、マグルの前や学校以外の場所で使っちゃうと退学なんだ」

 

「…そうなんだ」

 

魔法界の成人か、11歳で入学するのなら18か?

 

「まあ私は平気だけどね」

 

「え」

 

「まず人じゃないし」

 

「ああ」

 

たまにアリスは平然とすごいことを言う。本当に心臓に悪いからやめてくれ。ホグワーツの教員はきっと胃薬を携帯しなければいけないだろう。そういえば最近アリスだから仕方ないと思うことが多い気がする。だめだ。しっかりしろ僕。

 

「それとねリドル」

 

あくびしながらアリスは続ける。

 

「どうして僕がって言うけど、残念ながらそれが人間だ」

 

「例外はいるでしょ?」

 

特にアリスなんかは人間の頃だとしても僕をいじめたりはしないだろう。

 

「……まあごく一部はね。でも所詮それも綺麗事だ、誰だって気持ち悪いと思うことはあるでしょ」

 

「アリスも?」

 

「まあ思うことはあるよ」

 

「……僕も?」

 

「まさか。リドルは気持ち悪くない」

 

「例えば、周りの人が全員僕を気持ち悪いと言っても?」

 

「うん、まあやむを得なければそうだねって言うけど影では絶対味方だよ」

 

アリスは染まらない。流されない。髪の色みたいに真っ白だ。いや、染まらないなら黒か。でもそれだと白には染まるか。そういえばアリスは何故白髪なんだろう。目は黒と赤なのに。

 

「あとねリドル。理不尽な暴言は「バカジャネーノ」って思っておけばいいんだよ、、変なこと言ってんなーくらいでいい。例えば私が椅子に座ってたとして、もう一人も椅子に座ってたとする。それなのに「椅子にすわるなよ」と相手に私だけに言われたとしたら?」

 

きっとアリス並みに簡単に言ったんだろうけどわかりにくい。多分矛盾とかを無くすためだ。

 

「…あいつはどうなんだって言う?」

 

「そしたら相手は「あいつは良いんだ」ってなんの根拠も無く言う。」

 

「…」

 

「私なら渋々立ち上がってもっといい事をするな。本を読んだり」

 

「え、それって解決になってなくない?」

 

「ようは真っ当に考えれば考えるほど無駄ってこと。イラっと来ても「可哀想な頭の持ち主だ」って思えば冷める。どうよ」

 

「僕にはわからないよ」

 

まだ僕には早かったみたいだ。食べ終わった食事をアリスが片付けた。

 

取り敢えず人には違いがあるってことにしておく。

 

何がおかしいのかケタケタ笑ってアリスは僕の手などを見る。痣とかが残っていないか確認しているらしい。血が付いてたところを拭われ、風呂入るかと言われた。

 

「え」

 

「?」

 

「あ、うん」

 

不思議そうな顔のアリスを見て、僕が変な勘違いをしていたことに気がついた。

 

慌てて準備して悟られないようにそそくさと風呂場に向かった。

 

「(リドル可愛いなあ)」

 

「(なんて恥ずかしい事を…、アリスも一応その辺は弁えてるハズなのに)」

 

 






(′・ω・`)モジデツタエルノタイヘンダナ

アリスさんって何の生物なのか気にならないんですかね、リドルさん

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