ちょっと抜けてる神様   作:本気は後で出す

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こんにちは、明日から本気だします。

今回ちょっと虐待描写あるかも。サーセン

(`・Д・′)ダレダカワイイコナカシタノ!




 

 

 

今日は珍しく、いつも一緒にいるアリスとは別行動だった。

 

アリスが何処か行ったのではない、たまたま中庭の蛇はどうなったのか気になり見に来ただけ。そこで最悪なことに、いつもからかってくるやつらに会ってしまった。

 

「あっ、悪魔の子だ」

 

「きもちわりー」

 

「………」

 

眉間にシワが寄る。べつに今までどうでもいいからと流してきたし(実際には部屋にこもって凌ぐくらい嫌だった)、今回もそうすればよかったんだけどすっかりアリスと居ることに慣れてしまった僕はそういう言葉に耐える術を忘れていた。

 

「………なんだよそのめ」

 

「うわっ!!あかになったぞ!」

 

「悪魔だ!!悪魔!!」

 

「この悪魔め!退治してやる!」

 

僕に向かって石を投げてくる奴ら。避けてももっと投げてくる。何個か当たった。

 

逃げよう。……でも、悔しいな

 

僕は特別なのに。

 

そう思ってからふつふつと何かが湧き上がってきた。

 

そうだ、僕は特別。あいつらは何にも特別じゃない。

 

主犯の男の子にずんずん歩いていく。

 

がつん、がつんと大きめの石が当たる。

 

僕の湧き上がった何かに反応するかのように窓が割れた。

 

「なんだよ、くるな!化け物!!」

 

一瞬その言葉に止まりそうになった。

 

化け物。僕は化け物じゃないのに。悪魔でもない。僕は、人間だ。特別な人間だ。

 

…じゃあ、アリスは?

 

「きもちわるいんだよ!」

 

がつんとほおを殴られた。ひるんだ隙に取り巻きが殴る蹴るを繰り返す。

 

「悪いやつは退治しないといけないんだぜ」

 

「じゃあぼくたちはヒーローか」

 

「そういうことになるな」

 

「スーパーマン迎えに来るかな」

 

「来るかも」

 

馬鹿な会話をしながら、ニヤニヤ笑いながら僕を蹴る。

 

あぁ、逃げればよかった。

 

力はまだうまくコントロールできない。

 

イライラしている時や苦しいときは簡単なのに。

 

今はアリスの事を考えてしまったから。

 

倒れこんだ僕に追い打ちをかけるように蹴る奴らがぼやけて見えた。

 

痛い、苦しい、痛い

 

「っ、ゲホッ」

 

咳き込んで開けた口から土が入る。石がぶつけられて血が出る。

 

痛い

 

痛い

 

誰か

 

じわりと目元が熱くなる。意地でもこいつらの前で泣くものか。

 

じゃりっと土を踏む音が聞こえた。もしかしたら先生が来てくれたのかもしれない。…あぁ、でも先生は助けてくれないだろうな。

 

不意に体に衝撃が走らなくなった。

 

いつの間にかきゅっと瞑っていた目を開けると周りのやつは居なくなっていた…いや、ぼやけて見えないだけだ。向こうの植え込みにめり込んでる。

 

「ゴホッ、ゲホッ」

 

咳き込んだ僕に足音が近づいた。その足音の主人は僕を通り過ぎて植え込みに向かう。

 

ぼんやりと見える後ろ姿は見慣れたもので

 

「……ア、リス?」

 

掠れた声で呼んだが、本人は返事をしなかった。

 

「ーーー!ーーーー、ーー!ー!」

 

なにかどなっている?

 

怒鳴っているには小さい声だ。…じゃあ…

 

普通に喋っているには威圧感があるし…

 

アリスだからきっと何かやっているんだな。

 

勝手に納得したら体が重くて怠くて、ズキズキあちこち痛むことに気付いた。

 

起き上がろうにも体が痛くて重くて動かせない。

 

眠くなってきて目を閉じようとした。

 

「リドル」

 

心地いい声だ。

 

テノールと言うには高く、アルトと言うには低い心地の良い、女にしては低い声。

 

何時も僕の味方をする声。

 

「…窓まで割っちゃって」

 

呆れたような、僕がアリスを見たことで安心したような声で言う。

 

「アリス…?」

 

「ほかに誰がいるの?人を空気の振動で5m吹っ飛ばせる化け物なんて」

 

悪戯っぽく笑ったアリス。でも化け物なんて言わないでくれよ。

 

「いない…この孤児院には誰も」

 

「私をのぞいたらね」

 

さあ行こうか、いつものだるそうな気の抜けた声で僕に言って、孤児院に運び入れるアリス。

 

違うよ、僕が言いたかったのはそうじゃない。

 

はなしをきいてよアリス

 

僕が化け物じゃないんだったら

 

人外だとしても元は人間のアリスだって化け物じゃない

 

根拠も理由もないけど言いたい

 

部屋のベッドに寝かされて、眠気が襲ってくる。

 

アリスに言わなきゃ。

 

それなのに僕は眠気に負けて、深い眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

 

 






(′・ω・`)ジンガイダケドバケモノジャナイッテナンゾ

べっ、べつにちょっとしたシーンだしへいきだよね。

Rつけなくても、いいよね。

…はい、ごめんなさい。この後殺人未遂犯させるつもりなのにタグつけ忘れてました。つけます。


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