ちょっと抜けてる神様   作:本気は後で出す

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こんにちは、こんばんは、明日から本気出すと言って出したら体調を崩した者です。

数日空いてしまいましたね。残念、明日からの冒険は終わらない。

(′・ω・`)ナニカンガエテンダッテイワレタ


過去と時と人種の壁

 

 

ー8月27日。

 

アリスは7月から帰ってこない。

 

それはそれで平和だし、良いことなのだが絶対何処かで何かおかしなことが起きているはずだ。

 

ただ、何か悪気があるわけでも無さそうだったが…

 

嫌な予感がした。

 

とてつもなく、嫌な予感が。

 

あの子の姿を思い出した時、何か強烈な違和感があった。それは些細なものでも、気のせいで済むようなものでもなかった。

 

特に目だ。

 

薄っすら紅を帯びた瞳孔(きっと真っ赤だったら違和感には気づかなかった)はどう考えても人間のそれではないし、赤みを帯びていたはずだというのに深い深い、海というより闇のような印象を受けた。

 

あの明るい謎の多い少女はどうしてここにきたのか…

 

少女に聞いた時の返答は嘘かもしれない。

 

…屈託のない無邪気な笑顔も、赤を偽ったあの目は暗かったじゃないか。

 

変に勘ぐりしてしまっているだけかもしれない。

 

本当はただ暗い過去があるだけの少女で、魔法によって飛ばされたとか、創設者自ら高度な魔法を教えたとか、そういう事だけ…

 

………いや、おかしい。

 

何か全ての辻褄が肝心なところで合わない。

 

何だ?何を間違えているんだ?

 

ここまで考えに耽って、ふと時計を見る。

 

…ああ、もう孤児院に行かなければ。

 

ホグワーツ入学のための手紙を二通ローブのポケットに入れて、孤児院の近くに姿現しをする。

 

窮屈なこの感覚は、最初こそ慣れないと思っていたが今ではすっかり慣れてしまった。

 

考えは変わるものだ、そう、何時だって………

 

……間違いならだれだって犯すだろう。自分自身、若い頃はグリンデルバルドといろいろやったものだ。

 

やれ死の秘宝、やれ闇の魔法。

 

今でも馬鹿馬鹿しいとは思えないが、それでも越えてはいけない一線は意識しているつもりだ。

 

孤児院に到着し、マダムに案内してもらう。

 

 

…………………

 

 

「あっ、ダンブルドアだ」

 

扉を開けて第一声。

 

明るく無邪気な、女の子にしては低めの心地いい声で軽く言われた。

 

…ああ、胃が痛い…。

 

やっぱりここに居たのか、という納得もあるが、なにより会ってしまったという絶望が大きい。

 

酷いとは思うがこのまま居場所が分からなくて手紙を届けられないのがホグワーツにも、校長やわしの胃にもよかっただろう。

 

「……アリス、知り合い?じゃあ、アリスのお客さん?」

 

相部屋の本来の目的の子…トムが言った。

 

少し脱力しつつ、アリスにどことなく尊敬するような目を向けている。

 

「リドルのお客さんでもあるよ。」

 

だまされるな、そいつは危ないと思うぞ。

 

そんなたいして根拠もない(わしらにとっては胃が痛くても、年頃の…特に男の子からしたら面白いのだろうし)言葉を飲み込んで本来の目的を果たす。

 

アリスはさっそく手紙を開けて読み、ケタケタ笑っていた。

 

何がおかしいのかと聞くと、自分の名前が色とりどり、と返された。わけがわからない。

 

手紙を見せてもらうと名前の横に小さく創設者の喧嘩のようなものが記されていて、結局全員のファミリーネームからアリスの名前が出来上がっていた。

 

前はさらっと目を通しただけで分からなかったが、そこには確かにしっかりと

 

『アリス・グリフィンドール・ハッフルパフ・レイブンクロー・スリザリン』

 

と、かなり無理のある名前が書いてあった。こんな創設者で大丈夫か。

 

しかも手紙は創設者4人からのメッセージもついている。じゃんけんがどうのこうの、なんだこれ。なんだこれ。

 

ケタケタ笑っていたアリスは今となってはゲラゲラ腹を抱えて笑っていた。こっちは別の意味で腹を抱えたくなっているのだが。

 

一方トムはというと、少しというかかなり警戒した目でこちらを見ていた。

 

念のために魔法についてアリスは何か言ったかと聞いてみたが、僕が魔法使いだって事と魔法学校があるってことくらい、と答えてくれた。なるほど、説明の手間が省けた。

 

ホグワーツ入学についての説明をしたり、その間にトムはアリスにわしが言ったことが本当かどうか聞いたり(どうやらトムはアリスを信用しているらしい)、最終的には魔法を使うことで信用してもらうことができた。

 

ついでに盗品の事を言ったが、アリスはバツの悪そうなトムにどうでも良さげに笑って「じゃあ謝りに行くか!なんなら買うか!」と言っていた。流石のトムも面食らったようだったが、もごもごと「うん」と答えていた。

 

最後にアリスに向かってどうしてここに居るのか、ホグワーツに帰ることはないのか聞いたが、「だってリドルが居るじゃん」と平然と言われた。

 

帰る間際

 

「ダンブルドア先生」

 

「…なんじゃね」

 

「私と目を合わせようとも、私の目を見ようともしませんね。カラコン薄かったですか?」

 

「…は?」

 

カラコン?何だそれは。

 

「えーと、カラーコンタクト。ほら、」

 

少し下を向いたかと思うとアリスが顔を上げた。

 

その瞳孔はどこまでも冷たい、おぞましい、身も凍るような…まるで憎しみを体現したかのような紅だった。

 

思わず硬直していると、アリスは困ったように笑って(目は面白そうに笑っているクセに!)

 

「私は人間じゃないですが、元は人間です。そんなに警戒しなくても危害なんて加える気ありませんよ」

 

……爆弾を落としてきた。

 

その言葉にわしを敵と判断したのかトムの視線は痛いしアリスの表情は今にも泣きそうな脆い笑顔だったし、自分の考え方を呪った。

 

辻褄ならきっと合うじゃないか、人間ではなかったにしろこの子は優しい子だ。

 

むりやり自分を説得して逃げるように部屋を出た。

 

…脳裏に「臆病者!」と叫ぶグリンデルバルドの姿が浮かんだ。こんなの今は関係ないというのに。

 

 




(′・ω・`)チャントカンガエテルンダケドナー

ダンブルドア、グリンデルバルドの事で悩んでます。

アリスさんの目は…えーと、例えるならばSAN値0のレ○プ目とか、ハイライトの無い目みたいな黒い目。

そこに憎しみを体現し(ry)な皮肉なくらい綺麗な紅の瞳孔が入ります。

どんなにふざけた絵でも冷たい印象が出る不思議。あ、私が絵下手なだけですかそうですか。


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