(・ω|ジッ…
「ただいま」
「おかえり」
「ただいまー」
さっき寝ていたアリスと思われるアリスと、探しに行ったアリスが、それぞれ対照的なただいまを言ってナチュラルに湖に入った。
着衣水泳だ。暑いとはいえここから水を汲んで飲んだ身としては少し微妙な気分である。以前にも泳いでいたのだろうか。
微妙な気分を隠すような微笑みを浮かべながら湖の中のアリスをみてはたと気がついた。
水着になっている。
少しの間笑顔のまま固まってしまったが、服はどこに行ったんだとか、そういう疑問を彼女にぶつけてもどうせ無駄なので目をそらし手元のふわふわした何かを撫でながら現実逃避をする。そのふわふわしたものはそっと手から離れていってしまったのでそちらを見る。後悔した。あのコカトリスだった。
ため息をついて湖のアリスを見ると、彼女らが話し出した。
「それで、書類はー?」
「だからちゃんと隠したよ」
「どこに」
「ここ」
「は?」
アリスを見つめ続けると、含み笑いをしてそっと書類を差し出してきた。なんという呆気なさ。あまりの光景にすこしあっけに取られたがいつのまにか一人にまとまったアリスがニヤニヤしながら「罠なんて仕掛けてませんよ?」と言うのでおとなしくうけとっておく。というか、本来わしのものなのだから謝罪が欲しいものだ。じとっと睨みつけているとすこし考えた後アリスは言った。
「謝罪が欲しいなら遊んでくださ…痛っ」
「あ、ごめん」
キリッとして限りなくウザく言うものだからつい頭を叩いてしまった。今度はアリスがジト目をして来るかと思いきや、全く何も気にしていないような笑顔でいっそ清々しく「さすがツッコミ」とだけ言った。どういうことなのかわからずほんの少し、もう一回叩いてやろうかと思ってしまう。いつからわしはこんなに攻撃的になったのだろうか。アリスのせいだ。絶対間違いない。
「まあ今のはボケなのでナイスですよ先生。今日はいたずら出来て楽しかったです、書類奪ってごめんなさい。反省も、後悔もしてないです。なぜなら…
…痛っ」
「しまった、つい手が」
なぜなら、なんなのか聞きたい気もしたが聞いたらなにか色々な気力が吸い取られる気がした。冗談じゃない、これ以上吸い取られてたまるか。
「まあ、お母さんそんな暴力的な子に育てた覚えはありませんよ」
「誰がお母さんじゃ」
その日はけらけらというアリスの笑い声によって幕を閉じた。そしてわしは家に帰りすぐさま疲れを癒そうとベッドに潜り込み、眠ってしまった。
シャワーを浴び忘れて後悔したのは翌日の朝のことである。
ダンブルドア「!?」ビクッ
リドル「!?」
「ちくわ大明神」
ダンブルドア「誰だ今の」
新しく色々なものにはまりました。忙しいので更新停滞するかと思われます。