ちょこちょこ時間とって小説書き続けてました。このシリーズだけは完結させたいです。
(′・ω・`)ショルイナゾイラヌ
わしは休暇にも関わらずホグワーツに居て、さんさんと照りつける太陽の光を受けつつ廊下を歩き(走り)回っていた。
事の始まりは数時間前。暇だからと言い、どこからかアリスがやって来たことが全ての始まりだった。
わざわざマグルも住まないような場所までやって来て(しかも不法侵入だ)、開口一番に泥棒宣言をしていった。わしの大切なもの(仕事に必要な無くしてはいけない重要書類)を事もあろうかホグワーツという広大な敷地内に隠したと言うのだ。
アクシオ(呼び寄せ呪文)も効かず、歩き回って探すしかないという最悪の状況で、わしは城内にはないと判断し炎天下の中に飛び出した。
魔法で日差しをなんとかしようとすると湖の畔の木の上ですやすやと寝ているアリスが目に入った。この野郎涼しそうに寝やがって。…無駄だとは思うが、もしかしたら気まぐれに教えてくれるかもしれない。アリスに直接聞こう。昔の若さが懐かしく思える今日この頃、この歳でホグワーツという広い場所を炎天下の中虱潰しに探し回るのは骨が折れる。
何の例えでもなく、本当に折れる。ついでに、心も折れる。胃に穴も開く豪華特典付きだ。
「(この休日に、なんだってアリスの暇つぶしに付き合わねばならんのだ!)」
ここに来て何度目かの(多分100回は考えたと思う)不満がまた頭に浮かび、弾けてわしに怒りと苛つきだけを与え消えていった。
「(しかし神のやる暇つぶしはさすが規模が大きい)」
ちなみにこれもここに来て何百回も考えたことだ。無論、気持ちよさそうに寝ているアリスのリボンで結ばれた髪を引っ張らないようにという感情制限のためのものだが。寛大な心を持ち接しなければ、アリスに精神的にも肉体的にも殺られる。わしももう少し若ければアリスの行動を面白がれたかもしれない。いや、歳のことを考えても仕方あるまい。
「アリス」
木の下から声をかける。返事は「んー」という唸り声のみだった。聞いているのかいないのか、よくわからないが取り敢えず勝手に話させてもらう。
「わしの書類はどこだね」
「ん、んん…くろやぎさんたら…」
何を言っているんだアリスは。黒山羊?山羊?アバーフォースが良からぬ悪戯をしたあの山羊の、黒バージョン?そんなものがこのホグワーツに居たか?いや、禁じられた森ならありえるのかもしれない。そうときたらさっそく禁じられた森に行かなければ。早く帰って冷たい紅茶を飲みたいものだ。
一度アリスを睨めつけた後、重たい足を引きずり禁じられた森に入る。森の木々は嬉しいことにあの炎天下の中に居るとは思えない涼しさを生み出し、日差しをカットしてくれている。むしろ木漏れ日が気持ちいいとすら(すこし暑いが)思える余裕が出てきた。よし行ける。
気温もキツいが日差しもキツい。そのうち一つでも無くなれば、キツさは半減するというものだ。気持ちよく(暑いけど)散歩をしているような気持ちで周りを見渡し、書類を探す。
森を歩き続けること数分、そろそろ息が切れてきて辛くなってきた時森が開けて湖になっている場所に到着した。喉も渇いてきていたしちょうどいい、ここで少し休憩しつつ、環境に影響を及ぼさない冷気を出すような魔法でも編み出してみようか。
明るい気持ちで早足になりながら無事湖についた。そこに待っていたのは異様な光景だった。
まず、小屋がある。木でできており、森番の小屋かと錯覚するほどそっくりな見た目をしている。そしてその側にある柵に囲われた放牧場のような場所は鶏で埋め尽くされていた。いや、鶏ではない。
あれは確か…本で見たことがある。確か神話生物のバジリスクと同じような特性を持っているコカトリスというものではなかったか。いや、神話といってもマグル界でそう言われているだけであってここには普通に居るのだが。
そして次に、そのコカトリスと思しき鶏に目隠しをしているアリスと、湖で水の表面を凍らせその上でぐてっとだらしなく寛いでいるアリスが居た。
アリスが二人。
「………………」
わしは無言で湖のそばに腰掛け、湖の水で氷の器を作ってその中にアグアメンティをして水を飲んだ。そして一息ついたあと、思い切ってアリスに話しかけることにした。多分平然と返してくるに違いない。わしだって成長するのだ、いつまでも慣れないとおもったら大間違いじゃ!
「アリス、こんにちは」
「あ、先生こんちゃーっす。」
「先程は気持ちよさそうに寝ておったのう」
怒りを言葉の裏に忍ばせ言ってみるとアリスは不思議そうな顔をして予想外なことを言い出した。
「私、寝たりなんてしてませんよ」
「ほ?」
「ねえ」
「ねー」
アリスは氷の上のアリスにも確認を取った。しかしどちらのアリスも寝ていないと言う。なら、ならあのアリスは…。
「それはそうと、分身も出来るのかね」
「そうですよ。」
「あ、もしかしたら私かも」
「何が?」
氷の上のアリスが会話の流れを無視して口を挟んだ。分身してもアリスはアリス、相変わらずマイペースだ。しかしこのアリス、眠そうである。
「寝てたってやつ。書類持ってけって言ったじゃんかー」
「ああ、あいつか。居たな!そうかも、ちょっと起こしてきて」
「わかったー」
先程よりより眠そうにアリスは湖に沈んだ。氷をも通り越し、沈んだ。
いや、そう思ったのは目の錯覚だった。沈んだと思ったがそれは氷の表面、アリスの真下に去年彼女が「スキマ」と言っていたものが現れ、その中に彼女が落ちただけだった。突如氷の端に現れた二つのリボンがそれを物語っている。
「コカさん触ります?ふわふわぬめぬめ、可愛らしいですよ!」
「遠慮する」
誰がそんな見るだけで危険生物を触るか。しかもぬめぬめとは余計触りたくない。書類の恨みもあって思い切り睨みつけるとアリスは怯むどころか満面の笑みを浮かべた。
(′A`;)ワシニハヒツヨウナンジャ
続きます。相変わらずのダンブルドアが酷い目に合うとことか。ご老体に何を…(50歳くらいだろうけど)
実は受験生なんです。更新停滞あるかもしれませんが必ずこのシリーズは完結させます。多分。