(′・ω・`)ヨシイクカ
「リドル」
部屋でぼけっとしていたら話しかけられた。アリスの方を振り返ると眠そうなんてものじゃない、ほとんど閉じて……いや、閉じてるのかな?
とにかく開いてるか閉じてるかすらわからない目をして本当に眠そうにアリスは話し始める。
まあ、今夕飯後だからね。眠いんだろうね。
「明日あたりアブフォイかエイブリーかレストレンジの所行こうか」
「明日?いいけど、許可は?」
「今からとる」
目をこすってから見えない力で窓を開けて手紙のようなものをとるアリス。魔法かと思ったけど、杖もないし多分見えない力だ。うん。
多分どうやってやったのか聞いてもまともな答えは返ってこないだろうから黙っておく。この間なんて…って、こんなこと考えてる場合じゃない。あの手紙は何なんだろう?
「それ何?」
「エイブリーからの手紙」
「え?」
「許可」
「え?」
「とった」
「今?」
「今」
有言実行どころじゃない速さで手紙をとってたの?あれ?エイブリーって人間だよね。改造とかされてないよね。今?言ったのさっきじゃないか。
「明日行こうってことで。おやすみ」
さも当然の事をしたかのようにいつもより早くベッドに潜るアリス。色々言いたいことがあったんだけど、おやすみって言わなきゃと思って言おうとしたが混乱して「食べてすぐ寝ると太るよ」と言ってしまった。何言ってんの僕。
「太らないから平気」
「ああ、うん、おやすみ」
気にせずスルーしてくれた。何言ってるのとか返されたらどうしようかと真面目に悩んだんだけどスルーしてくれた。よかった、今度から気をつけよう。
………、いや、アリスがアレだから混乱したんじゃないか。慣れてきてるよ僕。危ない。慣れたくない。アリスに気をつけよう、そうだそうしよう。
「おきなよリドル」
ゆっさゆっさと体を揺すられる。…なんか起こされてばかりだからいつか起こす側になりたいな。
朝食をとってから今度は校長に全責任を投げてエイブリーの家に行く。校長じゃなくてダンブルドアだったら良かったのに。
電車やバスは使わずに、孤児院を出てすぐ《付き添い姿現し》をしてエイブリーの家の前まで行った。なにあの気持ち悪い感覚、二度と体験したくない。
あれ?体験したことあるな、そういえば。じゃあ二回目になるのか…。そして大人になったらやるのか…。
何でこう気持ち悪い移動手段ばっかりなのかな、魔法界。いやいいんだけどさ、マグル共のよりは数段。
こんこんとノッカーの音が鳴る。勢いよくドアが開いて、危うくぶつかりそうになった。アリスはどうあがいても人間ならぶつかる位置にいたにも関わらず、平然とドアが開く前と同じ場所に立っていた。
「そういえばアリス、門の前じゃなくて良かったの?」
「うん、こうやって来たら私達だって知らせたから」
まあこんな事出来るのはアリスくらいだろう。名家の家は直接姿現しすることは出来ないと聞いたし、ここはあんな奴の家でも名家なのだから。
取り敢えずドアを勢いよく開けたエイブリーににっこりと笑いかける。
「やあエイブリー、久しぶり。元気だったかい?ドアを勢いよく開けたら危険だよ」
「あ、ああ、悪い…」
引きつった笑みで謝るエイブリーを見ると何かスカッとした。やっぱりエイブリーは弄りやすい、弄ってて面白い。
「上がってくれ」
言われたので家に上がると玄関ホールは広く(ホグワーツ程ではないが)住み心地が良さそうな場所だった。孤児院とは大違いだ、いいなあ。もう夏休み中ずっとここに居ようかな。
「ホグワーツよりは狭いけど、まあ、中々広いだろう?」
自慢げな顔で言ってきたエイブリーにムカついたので鼻を思いっきりつねりあげる。思わず敬語になったエイブリーに必死に謝られたので離した。だが許したとは言ってない。
「そうだねえ、私に贈られた家よりは狭いけど広い広い」
やんわりとエイブリーに言うアリスだが、え、私に贈られた家って何?無いんじゃないの?無いから孤児院いるんでしょ?
アリスさんのキャラが崩壊してきてたのに気づいたので修正。エイブリーはキャラ設定とか無いから適当に設定はやせて楽です。
アリス「ああ、エイブリーなんかイラつくなー次回タイトル「ちょっと崩壊」とかにしようかなーエイブリーの家潰したくなってきた」
エイブリー「やめてくださいごめんなさい申し訳ありませんでした」