目が乾燥するから閉めていいかな。
(′・ω・`)テケリ・リ
かりかりかりと羽ペンの音がする。
そういえば宿題が沢山出ていたなと思い出しトランクから羊皮紙を出して宿題に取り掛かることにした。
アリスも宿題かなと思って振り返ると、手紙を書いているようだ。見たところ英語だし、誰かエイブリーあたりとかに渡すものかな?
「よしっ」
「………どこ行くの?」
手紙を巻いて紐でくくるとアリスが立ち上がって何処かへ行こうとした。
びっくりして尋ねると「アブフォイの所」だそうだ。
何故そんなところに行こうとするのか皆目見当もつかないが手紙を書いたのならふくろうでだせばいいのに。直接会うなら話せよ。
ぼけっと考え事をしているうちにアリスが出て行ってしまった。慌てて窓に駆け寄りアリスが出てくるのを待ったら、出てきたアリスにガキどもがたかっていた。目立つのも大声を出すのも嫌だったが、呼びかけるとこちらを向いて手を振ってくれた。
僕も振り返し…って違うよ。そうじゃないよ。また大声でいつ頃帰るのかなどと尋ねると4時間後だそうだ。何しに行くの本当に。
とりあえず宿題を済ませてしまおうと思い、時計を見てから取り掛かる。…面倒臭いが、唯一の気晴らしだから仕方ないだろう。
暫くしてからふと窓を見る。夕暮れみたいだ。時計を見ると5時。あれから3時間経っているのか。
羊皮紙の束を片付けて本も片付けて、宿題の進み具合を見てみる。夏休み始まって間もないが、この様子だとすぐに終わってしまうだろう。
面倒臭いものは面倒臭いのだが結構暇つぶしの役に立つし、終わったら終わったで困る。たっぷり時間をかけてとか、そんなにかけなくても誤字脱字や見当違いのことを書いていたりすることはまずない上出来上がりも申し分ないので意味がない。
とりあえず今日だけで終わらせてしまうのはどうしても賢い判断とは言えないし、エイブリー達に手紙でも書くか。
アリスが帰ってくる前にあの話とかの報告や進行状況の手紙を催促してやろう。まだだとか抜かしたらふくろうに突っついて来いと命令しよう。
ふくろうに手紙を括り付けて手紙を送ったら、丁度アリスが門から入ってくるのが見えた。若干浮いてるように見えるのは僕の見間違いだと思いたい。
部屋に戻ってきたアリスは入るなり何なりベッドにダイブしていた。何があったんだろう。
「どうしたの?」
「疲れたー。流石に500㎞歩くとか無理だよ、無理。能力封じで500㎞っておかしいよ。歩いたけどさー」
「………えっ」
どうやらアリスは500㎞歩いてきたらしい。なんでそうなったのかとか聞きたいことは山々だけどまずは何をしに行ったのかから聞くことにする。
「何しに行ったの?」
「フォイの家?あーうん、開けたら噛みつく本とか受け取りに行ってたの。校長とか先生に送ろうと思って」
先生っていうのはダンブルドアの事だろう。ざまあ。
「それで、その開けたら噛みつく本って何?」
「これこれ。めっちゃくちゃ希少らしいけど持ってるし」
そう言ってアリスはあの目玉だらけの空間から本を二冊取り出し、どさっと部屋に置いた。
ベルトのようなもので縛ってあるが、むしろ開けたらっていうより開けなくても噛みつく本になってる。なにこれ。
恐る恐る触ってみるとひんやりとしている。当たり前か、本だし。
「一冊あげようか?こっちダンブルドアに送るし」
「えっいいの?」
「うん、処分してくれって頼まれただけだから。」
「…………なんで処分?」
「今の魔法界の法律に違反してるらしいよ。まあ私なら平気だしね」
はっはっはと笑うアリスにちょっと面食らってから本を返す。誰がそんなもの持つか。
「何ならリドルの金庫に入れておこうか?」
「僕に金庫はないよ?」
「作れるよ」
「中身がないよ」
「本とか入るよ」
みたいな話を延々と繰り返した後、結局アリスの金庫を一つくれた。大金も一緒についてきたんだけど…どうしよう。まああって困るものでもないか、妥協して鍵を受け取り夕飯を食べに下に降りる。
ホグワーツのとは程遠い貧相な食事を食べていろいろな人に手紙を書いたりしてから眠りにつく。
…そういえば、相部屋問題解消してなくない?いいの?
書くのにすごく時間をかけてしまった。理由:忘れてた
相部屋問題は……良いですよね。もう。